アサシン(圧倒的な力の差・・・あの時容易に殺す事も出来たはず・・・なのになぜ・・・)
あの時自分が殺されると思っていたが、逆に殺されず投獄された事に疑問を抱いていた。
ジェラード「身の振り方は決まったか?」
地下牢にジェラードが入った。
アサシン「えぇ。決まったわ。」
北の森・メリラ農園。調査は続く。凛が杖を光らせて異変がないか調べていると。
ミューラ「太一、幹也。ストップ。」
太一「どうした?」
幹也「ん?」
ミューラ「あれを見て。」
前を見ると、人間の足跡があった。その足跡は、前へ向かっている。
その奥へ行くと、焚き火の跡が発見された。
幹也「野営後か。」
ライテ「くそっ!こんな場所に隠れていやがったのか!」
マギル「まだ温かい。」
すると凛の杖が光った。
凛「っ!」
ミューラ「凛?」
凛「居る。」
マギル「ヤツらか!?」
凛「そう遠くない。恐らくこの先の農園にいます。人数は3人 今度は人間です。」
農園の奥では。
男「へっへっへ・・・」
メリラの実を盗んでいる男達の姿があった。
マギル「コラ!テメェら!」
ライテ「今度こそ許さんぞ!」
泥棒達を突き止めた。
幹也(太一、魔術師の護衛は?)
太一(どうやら居ないみたいだ。ならここは。)
泥棒達が剣を抜いた。
マギル・ライテ「っ!?」
泥棒達の前に太一達が立つ。
太一「なぁ、その辺にしたらどうよ?」
男A「ああ!?何だ小僧!」
男B「ガキは引っ込んでろ!」
幹也「生憎だが、俺達はお前達コソ泥共を捕まえに雇われた冒険者だ。」
男達「え!?」
幹也「それっと!!」
蜘蛛の糸で泥棒達を束縛した。
幹也「さぁ、尋問時間の始まりだ。」
泥棒達を捕まえた。
男C「くそっ!あの女魔術師 今日に限ってなんでいやがらねぇ!」
男A「何時もどっかから湧いて出て来る癖に!あの裏切り者が!」
男B「アイツがいりゃ冒険者のガキなんぞ・・・!」
幹也「どうだって言うんだ?俺達とお飯事したかったのか?」
太一「盗みは立派な犯罪だ。お前達は自警団に引き渡す。」
マギル「本当はぶん殴ってやりたいが・・・」
ライテ「ほらさっさと立て!」
泥棒達を連れて行った。
カシム「いやー見事なお手並み、流石です。私からもお礼を。」
そう言って幹也に握手をする。すると幹也が。
幹也「そっか。違和感の正体はこれか。」
カシム「え?」
幹也「カシム。アンタの手は柔らかい。」
カシム「・・・?」
幹也「メリラの農作業は重労働の1つ。マギルさんとライテさんの手は硬く荒れていた。だがアンタの手は、傷1つすらない。それ所か筋肉すらない。」
カシム「それは、私はここの管理者ですから。」
幹也「まだあるぞ。お前の決定的な矛盾が。」
ミューラ「あなた、オーガとオークを知っていたわね。」
カシム「え?」
凛「オーガもオークも元来遠い北の荒野に生息する魔物。冒険者でもない農民がすぐに分かるなんて不自然です。」
太一「カシムさん。アンタ何者だ?」
幹也「ここの農夫と言うのは偽りの身分。本職は何だ?」
言い逃れ出来ないと悟ったカシムは。
カシム「ふっふっふっふ・・・ギリギリ及第点ですね。お察しの通りオーガとオークを差し向けたのは私です。更に言えばあの男達にメリラの実を盗ませ、ギルドに依頼するよう仕向けたのもこの私ですよ。」
ミューラ「何故そんな事を!?」
カシム「あなた達4人をここに呼び寄せる為です。なに、ちょっとした試験ですよ。あなた達の実力がどれ程のものか確認する必要があったのでね。結果は上々。特に太一さん、幹也さん あなた方は素晴らしい。」
太一「それはどうも。」
幹也「光栄だねぇ〜。だがその前に、おい!ミューラの左に隠れてないで顔出せよ!」
ミューラ「え!?」
???「私の気配もお見通しか。」
透明から具現化したのは、1人の女だった。
女「便利なもんだろ?コイツを着て魔力を流してやると 魔力から気配まで完全に消してくれるんだ。認識阻害ってやつらしい。しかしお前は気付いてた。」
幹也「それは、俺の野生的な勘かな?」
太一、凛、ミューラが戦闘体勢に入った。
グラミ「おーっと、そう急くなよ。お前達はこのグラミがたっぷり楽しませてやるからさ。だよな?」
カシム「えぇ お任せします。私はこの少年2人の相手をしなければなりませんから。」
凛が爆破魔法で先制攻撃を仕掛けたが、グラミが軽やかに避けた。
グラミ「いきなり熱いヤツをぶち込んで来るなんて、嫌いじゃないぜ!」
ミューラ「はぁっ!!」
接近するミューラの剣を、グラミが剣で防いだ。
グラミ「ハハッ!イイね!!」
ミューラ「気配を消せるなら、何故あの時襲って来なかったの?」
グラミ「はぁ?バカかお前。私がしたいのはせこい暗殺なんかじゃねぇ。命と命が擦れ合って、あぁヒリヒリする・・・そう言う戦いだ。もっと深く突っ込まなきゃ全然いけねぇ!!」
高速でミューラに接近し剣を振るう。ミューラが剣でグラミの剣と鍔迫り合う。
グラミ「だろ?」
ミューラ「(強い・・・しかもこの女、戦う事自体に異常な執着を燃やしてる・・・だけど・・・)凛!!」
凛「分かってる!!」
ミューラ(今の私は1人じゃない!)
力強くグラミを押した。
凛「ファイアーアロー!」
真横から凛のファイアーアローが迫る。しかしグラミが。
グラミ「甘ぇ!!」
風魔術でファイアーアローを打ち消した。
凛「(風魔術!?ならこっちも!)砂塵旋風!」
砂の風を巻き起こした。
グラミ「チィ!!」
凛(ミューラが強化魔術を掛け直すまで後少し・・・後少し時間を稼げれば・・・!)
グラミ「愉快な事してくれるじゃねぇか!!」
剣を振って砂塵旋風を消した。
グラミ「な!?」
この時凛は既に土と水。2属性魔術を同時に発動していた。
グラミ「2属性同時発動だと!?」
同じ頃、太一と幹也は、カシムと睨み合っていた。
太一「さっきの女が護衛役の魔術師か?」
カシム「えぇ。ですがあなたの相手は私です。」
幹也「見た限りアンタは丸腰。何か手品でも見せてくれるのか?」
カシム「そうですね。あなた達には私の可愛いフロストエレメントと戦って頂きましょう。」
黒い空間から、氷の狼フロストエレメントが出現した。
幹也「確かに可愛いペットちゃんだな。」
太一「けど、随分舐められたもんだな!」
身体強化して、フロストエレメントに向かって飛んだ。
太一「うおおおおおおお!!!!」
パンチで砕こうとしたが、擦り抜けられた。
太一「な!?」
幹也「太一が擦り抜けられた!?」
カシム「どうです?フロストエレメントはその名の通り氷属性の魔物です。エレメントゆえ実体を持たず、物理攻撃は通じません。ですが!!」
フロストエレメントが幹也に腕を振り下ろしたが、幹也がバク宙して避けた。
幹也「そっちからの攻撃が効くって訳か。」
カシム「剣や蜘蛛での攻撃も効きませんよ。防御位は出来ますけどね。オーガを一撃で倒したあなた達でも相手がフロストエレメントでは戦いようがない。さぁ、どうしますか?」
幹也「有能なペットを持ってご満悦みたいだな。」
一方凛は、グラミと戦っていた。グラミは剣で水と土の魔術を破壊していた。
凛(この攻撃じゃ有効打にはならない。けど時間と距離を稼げれば・・・)
そこに身体強化を蓄えたミューラが現れた。
ミューラ「ありがとう凛!はああぁぁぁぁ!!!」
グラミ「面白れぇ!」
両者の剣が鍔迫り合う。
グラミ「イイぜその顔!ゾクゾクさせてくれんじゃねぇか!」
凛(このままじゃミューラを消耗させるだけ・・・早く何とかしなきゃ!)
水と土を飛ばした。
グラミ「ニヘェ・・・」
するとグラミがミューラを盾にした。
凛(まさか!これを狙って!?)
すぐに魔術を打ち消した。
グラミ「んだよ、つまらねぇ!」
しゃがんだグラミ。
ミューラ「はっ!・・・うっ!がはっ!!」
グラミがミューラの腹を殴った。
ミューラ「ああっ!!」
凛「ミューラ!!」
グラミ「もっと!もっと!ヒリヒリさせろって・・・」
真上からグラミが落ちて来る。
凛「エアロハンマー!!!」
風の魔術でグラミを吹き飛ばそうとするが。
グラミ「言ってんだろ!!!!!!」
剣がエアロハンマーを切断した。
凛「っ!?」
そして太一と幹也は。
太一「はぁっ!!!」
剣でフロストエレメントを斬り裂いたが、フロストエレメントがすぐに復活した。
太一「やっぱり手応え0かよ・・・」
幹也「ならばこれならどうだ!!!!」
蜘蛛の糸で形作られた鉄球を振り回し、フロストエレメントを叩いて粉々にした。
幹也「っ!」
しかし、粉々になったフロストエレメントが復活した。
幹也「うへへ〜、やっぱ効かねえか。」
カシム「だから物理攻撃は効かないと言ったじゃないですか。剣での攻撃も、蜘蛛の攻撃も無駄だと。」
太一「物は試しと思ってな。」
幹也「ちょっとした小手調べだ。」
カシム「などと言って時間を稼ぐつもりでしょう?やりなさい!!」
フロストエレメントが冷気を放射した。
幹也「あらよっと!!」
蜘蛛の糸で壁を形造り、冷気を防いだ。
幹也「もうちょっと躾を良くしてくれれば良いな!」
2人が後ろにジャンプして下がった。
カシム「あの2人がいればとか思ってます?彼女達は火属性の魔術が使えますからね。フロストエレメントとも戦う術がある。でもあなた方は、魔術が使えないようだ。桁違いなのは身体能力と蜘蛛の力だけ。それはそれで興味深い事ですが。」
太一「お前目的は何だ?何であんな手の込んだ芝居まで打って俺達を・・・しかもこんな魔物まで!」
カシム「さて力量も測れた事ですし そろそろ次の段階に進むとしましょう。フロストエレメント、これを食らいなさい。」
手に持ってる赤い球をフロストエレメントに食べさせた。
フロストエレメント「ガアアアアアアアアアア!!!!!」
咆哮と共に、フロストエレメントの全身が真っ赤に染まった。
太一「あっ・・・!」
幹也「何じゃありゃ・・・!?」
カシム「どうやら成功のようですね。これはレッドエレメント。取り敢えずそう名付けておきましょうか。」
幹也「安直な名前だな・・・」
カシム「行きなさいレッドエレメント!決着をつけるのです!」
レッドエレメント「ガアアアアアア!!!」
太一「ぐああああ!!がはっ!!」
レッドエレメントに殴り飛ばされた太一。
幹也「太一!!なっ!?」
レッドエレメント「ガアアアアアア!!!」
幹也「くっ!ぐああああ!!」
レッドエレメントのパンチを防いだが、殴り飛ばされた。
幹也「チッ!」
地面に右手を付けてバク転して、何とか着地した。
カシム「どうです?さっきとは格段の違いでしょう?」
太一「ああ・・・そのようだ・・・ぐっ!!」
幹也「ちょっとジャジャ馬になったようだな・・・くっ!」
太一は吐血し、幹也は腕から血が流れた。
カシム「おや?レッドエレメントのスピードに魔力強化が追い付かなかったようですね。なーに殺しはしませんよ。あなた達は大事な手駒ですから。」
太一「手駒・・・?俺に何をさせるつもりだ!?」
幹也「いや、手駒と言いつつ、どうせ後から捨てるつもりだろ・・・?」
カシム「そんな事ありませんよ。ですが今グラミと戦っているあのお嬢さんたちには人質になって頂くつもりです。」
太一・幹也「なっ!?」
カシム「これであなた方4人をわざわざここへ呼んだ理由が分かったでしょう?私が欲しいのはあなた達の力。だがそのためには有無を言わせぬ枷が必要だ。それがあの2人の役目ですよ。」
太一「お前・・・凛とミューラに何を・・・!?」
カシム「それはあなた方次第。ただしあなた達が従わない場合は、彼女達にペナルティーを与えます。例えば男達の慰み者に・・・」
太一・幹也「このゲスがああああ!!!」
この戦いを、小さな蜘蛛が遠くから見ている。
蜘蛛「・・・・・・」
一方凛とミューラは、グラミとの戦いで疲労していた。
凛・ミューラ「はぁ・・・はぁ・・・」
グラミ「チィ。折角燃え来たたのにこれでおしまいかよ。」
ミューラ「やっぱり強いわね・・・」
グラミ「おぉ!」
疲労してる凛とミューラが起き上がった。
凛「ほんと。2人がかりで圧倒されるなんて、誰かさんを思い出すね。」
ミューラ「強化40って所かしら?」
凛「だね。」
グラミ「んじゃあ2回戦と行こうじゃねぇか。だが今までと同じやり方じゃ通用しねぇぞ?」
ミューラ「そうね。このままじゃダメかも。」
凛「うん。戻そう。」
グラミ「はぁ?」
凛「これからは、私達本来の戦い方に戻すって事。」
グラミ「じゃあ今までのは?」
ミューラ「引き出しを増やす為の、ちょっとしたテストって所ね。」
グラミ「あぁ?テメェらナメてんのか!?」
ミューラ「舐めてなんかいないわ。」
凛とミューラが互いを見て頷く。
グラミ「来い!」
ミューラ「望む所よ!」
身体強化のミューラが、グラミに挑む。だが先程の戦い方と同じように。
グラミ「はぁ?それが新しい手か?さっきと全然変わって・・・はっ!」
しかしそこに凛が現れた。彼女は雷の魔術剣を生成していた。
グラミ「魔術剣だと!?」
雷の魔術剣をグラミが避けた。だが。
凛「ミューラ!」
グラミ(コイツ!何時の間に私の退路を!)
退路にミューラが構えていた。
グラミ「どきやがれ!!この!!」
ミューラ「はぁっ!!」
彼女のキックが、グラミを蹴り飛ばした。グラミは受け身をして地面に着いた。
グラミ「チィ!なっ!?」
ジャンプした凛が、杖を剣に変えた。
凛「はああぁぁぁぁぁぁ!!雷神剣!」
彼女の振り下ろす2つの剣を、グラミが間一髪剣で防いだ。
グラミ「くそっ!間に合わねぇ!ぐっ!?ぐぁぁああああ!」
雷神剣がグラミの腹を突き刺した。
グラミ「はははは・・・面白れぇ・・・面白ぇよ・・・お前ら・・・堪んねぇよ・・・!早くくれ・・・もっとだ。持ってんだろ?えぇ?」
ミューラ「凛。」
凛「これで決めよう。」
グラミ「早くしろよオラ!お前らのギリギリを私に見せろ!」
凛「言われるまでもないわ!砂塵瀑布!」
再び砂塵を巻き起こし、グラミを包み込んだ。
グラミ「巫山戯んな!同じ手はもう・・・!」
凛「同じじゃない。」
グラミ「っ!?」
砂塵に袋が投げ込まれた。その袋から小さな粉が溢れ、砂塵に流れた。
凛(細かい粒子が散乱する中に・・・)
グラミ「あれは・・・」
砂塵の中にファイアーアローを打ち込んだ。
凛(可燃性の物質を近付ける事で発生する粉塵爆発。)
グラミ「ぐあああああああああ!!!」
可燃性の粉を爆破して起きる粉塵爆発がグラミを爆破させた。
凛(学校の授業、真面目に聞いてて良かった〜。後は。)
グラミ「ゲホッゲホッ!くはははは・・・コイツは痺れたな!」
ミューラ「まだ終わりじゃないわ!」
グラミ「なっ!?」
爆煙の中からミューラが現れた。
ミューラ「これが私達の戦い方!赤蓮!」
炎を纏った剣で、グラミを切り裂いた。
グラミ「・・・!?」
ミューラ「目が覚めたようね。」
目を開けたグラミ。ミューラがこちらに剣先を向けてる。
グラミ「・・・ふはーっはっは!認めるよ!今日は私の負けだ!ただし”今日は”だ。」
ミューラ「はぁ?」
グラミ「決まってんだろ。この傷が、いてっ・・・!治って私がもっと強くなったら再戦だ。お前らみたいなヤツとならまたやりてぇに決まってんだろ。あぁ・・・マジで良かったぜ・・・」
自分の血を舐めた。
ミューラ「次は任せたわ、凛。」
凛「何で私?」
こんな奴と相手したくないミューラが凛にお願いした。
カシム「おやグラミ。負けたんですか?」
凛・ミューラ「っ!?」
後ろにカシムが立っている。凛とミューラが構える。
カシム「止めておいた方がいい。彼らの身が大事ならね。」
その後ろには、レッドエレメントによってやられた太一と幹也が血を流して倒れていた。
凛「太一!!」
ミューラ「幹也!!」
カシム「いやはや、素手と蜘蛛でレッドエレメント相手にあそこまで戦えるとは。やはり桁外れの能力ですね。」
太一「・・・!テ、テメェ・・・!」
幹也「俺達を・・・勝手に殺すな・・・!」
カシム「ほう、まだ意識がありましたか。」
太一・幹也「ぐあっ!」
レッドエレメントに体を押された。
凛「止めて!」
ミューラ「もうこれ以上は・・・!」
カシム「では負けを認め、大人しく私に従って頂けますね?」
凛・ミューラ「・・・・!」
どうする事も出来ない2人は、負けを認めるしか道はなかった。
太一(させねぇ・・・俺達のせいで人質になんか・・・!くそ力が・・・どうしてだよ!?一国を相手に勝負して勝てるんじゃなかったのかよ!?チートなんだろ!?約束したんだ・・・凛を守るって・・・!必ず一緒に元の世界に戻るって・・・!だ・・・から・・・)
幹也(・・・ん・・・?)
目を開けた幹也の前に、小さな蜘蛛が居た。
幹也(蜘蛛・・・?もしかして此奴・・・マギア・・・スパイダー・・・?)
マギアスパイダーが目を光らせた。
幹也(な、何だ・・・!?)
真っ黒の空間に、太一が居た。するとその空間に。
謎の声『・・・が欲しい?』
太一「・・・ん?」
謎の声『力が欲しい?』
太一「・・・欲しい、俺は力が欲しい。凛とミューラが守れる力が!」
謎の声『じゃあ貸してあげる。でも覚えてて。今回は特別。ルールを破ったやり方だからきっと死ぬほど辛いよ。それでもやる?』
太一「あぁやるよ。アイツをぶちのめせるならなんだって・・・!俺に力を貸してくれ!」
謎の声『分かった。力貸すね。私はエアリアル。風の精霊エアリアル。』
太一「エアリアル・・・」
そして、真っ白い空間に幹也が佇んでいた。
幹也「ここは・・・」
???「幹也。」
幹也「ん?」
上からマギアスパイダーが蜘蛛の糸を使って降りて来た。
マギアスパイダー「幹也、君はこのままだと本当に死んじゃうよ。」
幹也「お前、もしかして俺に蜘蛛の糸の力を授けたマギアスパイダーか?」
マギアスパイダー「そうだよ。私は・・・」
するとマギアスパイダーが光った。
幹也「っ!?・・・え!?」
光が晴れると、少女の姿になっていた。
幹也「お前・・・!?」
少女「私はパル。蜘蛛の精霊だよ。」
幹也「蜘蛛の・・・精霊・・・?」
パル「君は蜘蛛を殺さず見逃してくれた。そして、蜘蛛の力を正しく使えた。でもそれは2分の1に過ぎない。」
幹也「2分の1?」
パル「でも安心して?私と契約すれば、その力は最大限に発揮出来るの。幹也、どうする?」
幹也「勿論だ!力を貸してくれ!凛とミューラ、そして太一と共に戦いたい!だからパル、俺と契約してくれ!」
パル「あなたの決心。しっかり受け取ったわ。あなたに、私達蜘蛛の本来の力を与えましょう!」
幹也「っ!!」
外の世界では、風が起きていた。
凛「・・・あ!太一!?幹也!?」
ミューラ「え!?」
風の中に佇む太一と幹也の姿が目に映った。
幹也「待たせたな。お前ら。」
カシム「バカな・・・まだ立てると言うのですか!?」
グラミ「おい!どうなってんだコイツら・・・!?」
太一と幹也が前へ進む。
カシム「レッドエレメント!」
レッドエレメント「ガアアアアアアア!!!!」
太一と幹也に向かってレッドエレメントが突進し、太一と幹也は突進で突き飛ばされた。
凛・ミューラ「!?」
カシム・グラミ「フッ。」
太一「はっはっはっ・・・」
幹也「おいおい、その程度か?」
凛「太一?幹也?」
太一「確かにこりゃチートだわ。あんだけ食らってまさかのノーダメージだぜ。正直、仔猫にじゃれつかれた程度にしか感じねぇ。」
幹也「コイツは凄えやぁ。突進の痛みが嘘のように消えてる。猫じゃらしでも使ったのか?」
突進の攻撃を受けたにも関わらず、ノーダメージ。
カシム「レッドエレメント!!」
レッドエレメント「ガアアアアアアア!!!!」
太一「お前、凛とミューラに手を出すつったな?」
カシム「っ!?」
幹也「お前を殴らねえと腹の虫が治らねえんだわ。」
太一「お前だけはここでぶっ飛ばす。絶対に。」
カシム「う、撃て!」
レッドエレメント「ガアアアアアアア!!!!」
口から火炎放射。
幹也「させるかよ!!」
右手首から水を纏った蜘蛛の鉄球を飛ばし、火炎放射を掴んで消火した。
カシム「な、何!?」
幹也「太一!!」
後ろから太一が風の魔術でレッドエレメントを跡形もなく消滅させた。
グラミ「マジかよ・・・!?」
カシム「水を纏った蜘蛛の糸で炎を消し、その上風の力で攻撃ごとレッドエレメントを消滅させた・・・」
恐怖したカシムとグラミが逃げ出す。
幹也「待ちやがれ!!!!」
蜘蛛の糸を射出し、2人を捕縛した。
カシム・グラミ「なっ!?」
その蜘蛛の糸に電撃を流し込む。
カシム・グラミ「あああああああああ!!!!」
幹也「怖気付いて逃げるとか良い度胸だなぁ。」
グラミ「くそっ!離しやがれ!!」
幹也「それともあれか?自分達だけじゃ俺達に勝てないとか?誰か強い人が居ないと勝てないと思ったのか?」
カシム「き、貴様・・・!!!」
太一「言っただろ!お前だけはぶっ飛ばす!!くっ・・・」
激痛が走り、太一が膝を着いた。
エアリアル『今回は特別。ルールを破ったやり方だからきっと死ぬ程辛いよ。』
太一「(だからって巫山戯んな!俺は・・・俺は・・・!)こんのぉぉおおお!くそぉぉおおお!」
カシム「・・・・!!!!!」
夕方。カシムとグラミが森の中を歩いている。命辛々抜け出した2人だが、カシムは太一の攻撃で右腕を失ってしまっている。
カシム「してやられましたね・・・」
グラミ「返り討ちとはざまぁねぇな。私もだけど。んで目的は果たせたのかよ?』
カシム「えぇ予想以上でした、あの少年達は。」
倒れた太一と傷だらけの幹也を、凛が手当てしてる。
グラミ「化け物だな。あの力どう見ても人間の物じゃねぇだろ。へへっ、面白ぇ。これから色々騒がしくなって来そうだ。なぁ?カシム。」
カシム「・・・」
その日の夜。
???「本当にそう?私は何時かの冒険者ほど甘くないわよ。」
男「うわああああああああああ!!!!」
アズパイアのスラム街で、女が男を刺殺した。
赫色の空間。
???「沢山出来たね!」
???「うん。沢山食べて、沢山生まれたね」
???「もうすぐ。」
???「お祭りが始まる。」
???「楽しみだね!」
???「楽しみだね!」
謎の計画を進めている謎の双子の正体とは・・・
『END』
キャスト
西村太一:天崎滉平
吾妻凛:高橋李依
雲居幹也:佐藤元
ミューラ:田中美海
カシム:下野紘
グラミ:日笠陽子
エアリアル:久保ユリカ
パル:伊藤美来
ジェラード:魚建
マギル:江頭宏哉
ライテ:原田琢磨
男達:藤原侑聖
室元気
八木岳
アサシン:真野あゆみ
謎の双子:木野日菜
次回・策動の匂い