太一「・・・あ・・・ここは・・・」
幹也「よう、目が覚めたか。」
太一「幹也・・・ここは・・・?」
幹也「レミーアの家だ。」
太一「え?」
”コンコン”
???「入るぞ。」
部屋にレミーアが入った。
レミーア「目が覚めたか。」
太一「レミーアさん・・・俺どうしてここに・・・」
”グゥ〜〜”
尋ねようとした時、太一の腹が鳴った。
リビングで、太一が大量の料理を平らげた。
太一「はぁー!食った食ったー!ごちそうさまでした!」
幹也「相変わらず、良い食いっぷりだったな。」
レミーア「5人前を軽く平らげるとはな。」
太一「そんなに?普段よりは食べた気がしてたけどそこまでとは・・・」
レミーア「普段より食えた理由は、お前がここに居る訳に通じている。結論から言おう。太一 お前は魔力の欠乏を起こし昏倒を起こしていたのだ。」
太一「え?」
幹也「お前は魔力を使い切って倒れたんだ。んで、お前が今日まで眠った期間は丁度1週間だ。」
太一「1週間!?」
レミーア「魔力は使い切らねば一晩で回復する。しかし完全に無くなってしまった物を一から生成するにはかなりの時間が必要だ。」
太一「そうだったのか・・・」
レミーア「凛とミューラも当初は怪我と疲労のせいだろうと思っていたらしい。念の為医者にも見せたが見立ては同じ。だがそのまま1日経ち、2日経ち・・・3日目の晩、我慢出来なくなって、寝たきりのお前を連れて戻って来たと言う訳だ。あの4人が彼処まで狼狽えるとはな。今は調べ物があって町に戻っているが会ったら礼くらい言っておけ。」
太一「あぁ勿論。レミーアさんもありがとう。」
レミーア「気にするな。」
太一「ん?4人?凛と幹也とミューラの3人のはずじゃ・・・」
幹也「そうだった。お前に紹介したい奴が居る。おい。」
右肩にマギアスパイダーが出て来た。
太一「蜘蛛?」
マギアスパイダー「マギアスパイダーだよ太一。」
太一「喋った!?」
マギアスパイダー「そして私は!」
するとマギアスパイダーが光り輝き、人間の姿になった。
パル「初めまして太一。私はパル。幹也と契約した蜘蛛の精霊だよ。」
太一「・・・・・」
幹也「驚いてるみたいだな。此奴は俺に蜘蛛の本来の力を与えてくれた恩人だ。勿論凛とミューラも既に紹介しているから。」
レミーア「私も驚いたな。ここまで明確な姿を見せる精霊が居る事に。それでだ太一に幹也よ。北の森で一体何があった?」
太一「あ・・・」
幹也「そうだった。実は・・・」
1週間前の北の森での出来事を洗いざらい話した。
レミーア「やはりな。それは真紅の契約だな。」
太一「真紅の契約?」
レミーア「人や獣の血を使った魔術で、その残忍さから現在は禁忌の呪法とされている。呪術を込めた宝珠を与える事で本来の何十倍もの魔力を引き出す事が出来る。」
幹也「人間と獣の血を使う魔術とは、悍ましいとしか思えないな。」
太一「まるで歯が立たなかった。正直、今度ばかりはもうダメかなって思ったよ。だけどあの瞬間・・・」
エアリアル「私はエアリアル。風の精霊。」
レミーア「エアリアル!?声は確かにそう言ったのだな!?」
太一「お、おう・・・」
幹也「どうしたんだレミーア?そんなに驚くなんて珍しい。」
レミーア「何と言う事だ・・・信じられん・・・」
太一「ちょ、レミーアさん。1人で納得してないで俺にも教えてくれよ!」
幹也「エアリアルの声と太一。何か関係があるのか?」
レミーア「太一、お前が魔術ではなく、魔法を使うユニークマジシャンだと言った事は覚えているな?その属性も分からないと。それが今ハッキリしたのだ。」
太一「マジかよ・・・」
レミーア「よく聞け太一。お前は・・・」
アズパイアの町にある館。
謎の男「ほう。風の力だけでレッドエレメントを消滅させたと。その少年、実に興味深い。君も高い代償を払っただけのことはあるね、カシム。」
カシム「っ・・・!」
謎の男「さーて君にはもう一働きして貰おうか。なーにちょっとした悪戯だよ。戦術的には影響を与えない程度の些細なものさ。君の鬱憤も少しは晴れると思うよ?些か拘束が甘いんじゃないかな?」
グラミ「ん?」
カシム「しかし彼女は報酬に相応しい働きをしていると・・・」
謎の男「だからね、それだけじゃ不足だと僕は言っているんだよ。」
その男はグラミの右手に赤い魔術を流し込んだ。
グラミ「ん?ぐっ・・・!?」
赤い魔術を流し込まれたグラミが苦しんだ。
謎の男「君にはこれからもカシムの駒となって働いて貰わないといけないからね。少し細工をさせて貰った。」
彼女の右手の甲に蜘蛛の紋章が刻まれてる。
グラミ「っ・・・!!」
謎の男「これから始まることは第一歩だよ。僕らの目的成就の為の偉大な第一歩だ。」
カシム「承知しております、猊下。」
するとドアが開き、謎の姉妹が入って来た。
姉「待ち草臥たよ〜。」
妹「早くお祭りにしようよ!」
猊下「ではそろそろカーニバルを始めるとしよう。彼には招待状を送らないとね。」
夕方。アズパイアの町・宿屋ミスリル。
太一「召喚術師・・・」
あの時レミーアが教えてくれた太一の魔術とは。
レミーア『よく聞け太一。お前は召喚術師だ。』
太一『召喚術師?』
幹也『魔術師とどう違うんだ?』
レミーア『近いものに精霊魔術師がある。特定の精霊と契約を結び、その絆によってより強固な術を使える権利を与えられる・・・と、ここまでは召喚術師も同様だ。では一体、何がこの2つを分けるのか。簡単な事だ。声が聞こえるか聞こえないか、姿が見えるか見えないか。この世界において精霊は存在の格が高い。人間よりも上位種族であるドラゴンよりも更に。その為基本的に目で見る事は出来ない、故に精霊の声が聞こえたのなら、それはほぼ間違いないのだ。』
太一『おぉ・・・』
レミーア『それは精霊が術者の代わりに術を行使すると言う所だ。術者と言う媒体を通さない為に威力が衰えず、精霊が与えた力がそのまま放たれる。』
幹也『って事は、太一のあの力は精霊の力じゃなく、精霊自身の力だと言うのか。』
レミーア『簡単に言えば、そう言う事だ。』
そして今に至る。
太一「チートにも程があんじゃね・・・でも あの声が本当にそうなら・・・」
幹也「・・・・」
アルメダ「太一君!」
太一「アルメダ!」
アルメダ「もう体は大丈夫なの?凛さん達がずっと目を覚まさないって言ってたから気になって・・・」
太一「あぁ。もうすっかり。」
アルメダ「良かった。ホッとしたよ。」
太一「心配掛けてごめんな。」
幹也「アルメダ。凛達何時頃戻るか知ってる?」
アルメダ「ごめん聞いてないや。朝早く出たっきり戻ってないよ。」
幹也「そっか。ありがと。」
太一「ちょっと外探してみるよ。」
幹也「俺も。」
アルメダ「いってらっしゃい。無理しちゃダメだよ。」
2人が凛達を探しに外へ出た。
太一「なぁ幹也。」
幹也「ん?」
太一「パルだっけ?何で今まで蜘蛛の糸の力だけ与えてくれなかったんだ?」
パル「それは私から説明しよう。」
幹也の右肩に蜘蛛姿のパルが出て来た。
パル「マギアスパイダーはね、元々毒の魔術なんてないの。」
太一「え?でもレミーアさんが毒があるって聞いたけど。」
幹也「パルが言うには、マギアスパイダーは噛んだ人間に毒を流して殺すんじゃなく、自分と同じ力を使いこなせる適合者を探していたんだ。」
パル「そしてその適合者が、幹也だって事。」
太一「じゃあ何で、噛んだ人間に毒を流したりしたんだ?」
パル「だって蜘蛛は、悪い虫を食べてくれる益虫とも言われてるじゃん?噛んだ人の中には、噛まれた直後にマギアスパイダーを殺したりしてるじゃん?そう言う人間に対して、蜘蛛の糸に毒を発生させて殺してるの。」
太一「凄くえげつないやり方だな・・・」
パル「そして、幹也だけはその力を使いこなせた。だから私と契約して蜘蛛の本来の力を与えたって訳。」
幹也「これ凄いよな。蜘蛛の糸に魔術を纏わせて攻撃出来るんだもん。オマケに連射だって出来るし。」
太一「凄く便利な力だな。さて、2人の行きそうな場所は・・・」
女「放して!悪いんだけどあなた達に構ってる暇なんかない。」
男A「そう言うなって姉ちゃん。」
男B「そうそう。ちょっと相手してくれたらいいんだからさ。」
前に、女が男2人にナンパしていた。
太一「彼奴ら・・・」
幹也「ナンパ野郎共か。」
2人がナンパの光景に近付く。
太一「おい!アンタらいい加減にしろよ!」
幹也「ナンパとは面白い事するじゃねえか!」
女「ん?もう遅いよー!」
2人を見た女が、男達を簡単に振り払って太一の腕を抱いた。
幹也「ほえ?」
太一「えーっと・・・」
女「約束してくれたでしょ?今夜は朝まで寝かさないって。」
太一「あっ・・・」
女の豊満な胸に太一が頬を赤らめた。
男A「おいガキ共、いきなり出て来て割り込んでんじゃねぇよ!」
男B「そうだ邪魔すんじゃねぇよ!」
幹也「邪魔って・・・そう言うお前達は強い相手には敵わず、か弱い女性にしか勝てない腰抜けか?」
男B「んだと!?」
幹也「最近のナンパってそう言う奴らが多いよな〜。筋トレでもしたらどうなんだ?」
男B「生意気言うんじゃねぇ!!」
幹也を殴ろうとした時。
女「あんっ。」
突然女が幹也の腕を抱いて後ろへ下がらせた。
幹也「あらよっと!!」
男B「おわっ!!」
ハイキックで男の首を蹴った。
幹也「いきなり出て来て何だって?俺と飯事したいとか?」
男A「え!?起きろって!ずらかるぞ!」
倒れた男を連れてその場を去って行った。
女「ありがとう。助かっちゃった。」
幹也「そうか?」
太一「本当は俺1人でもどうにか出来たように思うけど。」
女「え〜?」
太一「絡んで来た男の腕を振り解く時、力づくじゃなくてスルっと抜けたような感じだった。」
幹也「俺がいきなり振り返っても簡単について来たしな。そして何より俺が男を蹴り飛ばしたのを見たのも、怖がる様子も一切なかった。」
女「ふふふっ♪やっぱり気付いてくれたね♪」
太一「え?やっぱりって?」
女「私達前にも会った事があるのよ。あんなに激しかったのは初めて。」
太一「は、激し・・・!?えぇ!?」
幹也「一体何の話をしてんだよ!?」
女「あなたがお腹に一発。すぐに気絶しちゃった。」
幹也「俺が君の腹に1発・・・ま、まさか!?」
アサシン達の襲撃を受けた時、幹也が倒れてるアサシンの女を気絶させたのを思い出した。
アナスタシア「私はアナスタシア。あの夜、裏路地であなた達に捕まった元アサシンよ。」
太一「・・・・!?」
幹也「君が・・・あのアサシンの女・・・!?」
彼女の正体は、スラム街の裏路地で太一達を襲ったアサシンの1人だった。
アナスタシアは2人に訳を話した。
太一「つまりギルドに鞍替えしたって訳か。」
アナスタシア「えぇ。任務に失敗したアサシンに選択肢はないでしょ?」
幹也「それで俺達の調べていた物資や食料の強奪の一件を追加調査した結果・・・」
アナスタシア「あの館が浮かんだってわけ。」
太一「にしても、よくここまで調べたな。」
アナスタシア「まぁね。これでも元アサシンだもの。」
幹也「あれがターゲットの館か。太一、俺先に凛達の所へ行く。後は任せた。」
太一「分かった。」
アナスタシア「行ってらっしゃーい。」
ここで幹也とパルと別れた。
その後太一とアナスタシアはアジトである館の調査に向かい、外の構成員達を無力化させた。
館内。見張り2人が立つ部屋の前で太一が石を投げて音を立たせた。その音に気を取られてる隙に、太一とアナスタシアが見張り2人を気絶させた。
その部屋のドアをぶち抜いて入った。
太一「さて何か証拠になりそうな物は・・・っと。お?」
部屋の隅に積み上げられた紙を発見した。太一がはみ出てる紙を引っ張った。
アナスタシア「どうしたの?」
太一「嘘だろ・・・」
アナスタシア「っ!?」
その紙に書かれている内容とは・・・
その夜。アズパイアの町の夜市。凛とミューラが団子を食べ歩きしている。
ミューラ「夜市の賑わいもたまには良いわね。」
凛「うん・・・」
ミューラ「それにしても、これが1つで銅貨8枚とはね。」
凛「うん・・・」
ミューラ「また太一の事考えてるんでしょ。」
凛「うん・・・あっ!」
ミューラ「やっぱり。凛ってば分かりやす過ぎ。」
凛「そ、そんなんじゃ・・・」
ミューラ「大丈夫。レミーアさんと幹也に任せておけば心配ないって。それより今はやるべき事をやらなきゃ。」
凛「うん!」
幹也「おやおや。随分楽しそうですな〜。」
凛「み、幹也!?」
後ろから幹也がひょっこり出て来た。
幹也「ニシシ♪ハロー。」
パル「ヤホーお2人さん♪」
ミューラ「パルも一緒なのね。」
幹也「お2人に朗報だ。太一が目覚めたぜ。」
凛「本当!?」
幹也「ああ。」
凛「良かった・・・」
ミューラ「それで、太一は何処に?」
幹也「ちょっと仕事の依頼だ。後で合流出来るだろう。」
ミューラ「分かったわ。」
客「どう考えたって高す過ぎだろ!」
幹也・凛・ミューラ「ん?」
店主「こっちだってどうしようもねぇんだ。」
客「だからって昨日の3倍はねぇだろ!?」
店主と客の男が揉めてる光景を目にした。
ミューラ「物価の高騰、止まらないみたいね。」
幹也「マンネリが進んでるな。」
凛「レミーアさんの睨んだ通り、魔物の増加と関係があるか調べてみないとね。」
ミューラ「所で・・・」
凛「うん。」
幹也「ん?」
ミューラ「相手にするにもここは人が多過ぎるわ。まずは町外れに誘導して・・・」
パル「皆避けて!!」
幹也・凛・ミューラ・パル「っ!!」
後ろからの攻撃を避けた4人。
幹也「誰だ!」
4人を襲ったのは、アサシンだった。
幹也「新手のアサシンか。」
パル「皆ー!ここに居ると死んじゃうよ!!早く避難して!!」
夜市に居る民間人達を全員避難させた。
幹也「さぁ〜て、これで遠慮は無いな。どうだ、俺達とダンスを踊ろうか?」
アサシン「はぁっ!!」
幹也「それっと!!」
蜘蛛の糸でアサシンの剣を掴んだ。
凛「はあぁぁぁ!!!」
真横から凛の水魔術が飛ぶ。
アサシン「チィ!」
持ってる剣を手放して後ろへ下がり、懐からもう1つの剣を持って構える。
ミューラ「やああぁぁぁぁぁ!!!」
身体強化したミューラがアサシンの剣と鍔迫り合う。
凛「これで終わりよ!!」
だが別の場所から魔法が発動された。
凛「っ!!」
パル「幹也!来るよ!」
幹也「何!?」
頭上から巨大な炎が降り注がれた。
凛「エアロアーマー!!」
幹也「スパイダーアイアン!!」
風の鎧と鋼鉄の糸で炎の魔術を防いだ。
幹也「一体何処から・・・!?」
パル「彼処!」
館の天井に佇むアサシン3人の姿を発見した。
幹也「伏兵か。」
ミューラ「3対4か。でも凛と幹也なら・・・!」
幹也「いや、5人居るぞ。」
ミューラ「え!?」
真横にグラミが透明から姿を表した。
ミューラ「グラミ!」
グラミ「フンッ!!!」
ミューラ「がぁっ!!」
ローブを脱いだグラミが、ミューラの腹を強く殴って気絶させた。
凛「ミューラ!?」
幹也「何のつもりだ!?」
グラミ「私もコイツに頼るのは気に食わねぇんだがな。」
ジャンプして屋根の上に着地した。
凛「ミューラ!」
グラミ「雇い主の命令だ。悪く思うなよ。」
幹也「待ちやがれ!!」
追跡しようとするが、アサシンに妨害された。
幹也「邪魔だテメェ!!!」
グラミ「お前らじゃ勝てねぇのは分かってる!足止めになりゃ上等だ!」
幹也「くそッ!!」
両手から蜘蛛の糸の弾丸を連射した。
凛「幹也!上!」
幹也「なっ!?」
頭上から炎が降り注ぎ、凛がバリアで防いだ。
幹也「助かったぜ凛。」
凛「幹也!ミューラが!」
幹也「分かってる。行くぞ!パルも来い!」
パル「うん!!」
地下通路を歩く太一とアナスタシア。
アナスタシア「やっぱり。この地下道自体が土の魔術で造られてるみたいね。」
太一「ここに書かれている事が本当なら…・・・真紅の契約を掛けられた大量のゴブリンがこのアズパイアの地下に隠されている事になる。」
アナスタシア「それがもし町に解き放たれたら・・・」
太一「絶対に止めないと。うっ!?」
途中で太一が鼻を閉じた。
アナスタシア「ん?」
太一「この臭い・・・!これは・・・」
目の前に扉があり、その扉の前に生き物の亡骸が横たわっていた。
太一「やっぱりこの先に・・・」
アナスタシア「待って。罠が仕掛けられてるかも。私が開けるわ。」
扉の鍵穴を針金でピッキングして鍵を開けた。
アナスタシア「もう大丈夫よ。」
太一「あ、あぁ・・・」
アナスタシア「どうしたの?」
太一「いや、やっぱりアサシンなんだなって。」
アナスタシア「今頃?」
太一「いや、アナスタシアをギルドに引き渡した時 ”これでもう普通の真っ当な生活が出来るようになるんじゃないか”って勝手にそう思ってて・・・」
アナスタシア「え?」
太一「だから今こうしてギルドから色々頼まれて仕事してるのが複雑って言うか・・・本当は納得いかないって言うか・・・」
アナスタシア「はっ・・・」
太一「いや、こんなの俺の自己満だよな。さぁ行こうアナスタシア。」
アナスタシア「アナって呼んで。」
太一「え?」
アナスタシア「アナスタシアって長いでしょ?アナって呼んでいいわよ。」
太一「・・・おう。改めて宜しくな アナ。」
アナスタシア「ふふっ。」
ミューラを助けに行く幹也と凛とパル。アサシンの魔術攻撃から、幹也が凛を抱いて蜘蛛の糸で飛びながら逃げる。
凛「いい加減に!!邪魔しないで!!」
邪魔して来るアサシン達を風の魔術で吹き飛ばした。
幹也「よっと!」
地面に着地した。
幹也「ふぅ、良いアトラクションだったぜ。」
パル「もう邪魔者は居なくなったね。」
凛「ふぅ・・・」
グラミ「早かったな。」
凛「グラミ!?」
壁に腰掛けてるグラミがそこに居た。
幹也「まーた俺達の邪魔か?遠慮は・・・」
グラミ「心配すんな。今のお前らと戦う気はねぇよ。」
凛「えっ?」
幹也「は?」
グラミ「エルフの小娘はあの建物の中だ。」
凛「どうしてそれを私達に?」
パル「罠かも知れないよ?」
グラミ「罠なんてねぇよ。そもそもこっちも好きであんなセコい仕事した訳じゃなくてね。ま、別に誰が死のうが知ったこっちゃねぇがお前らは私の獲物だ。勝手に居なくなられたら困るんだよ。ホラ早く行け。私の雇い主はあの娘に真紅の契約をやらかすつもりだ。」
凛「真紅の契約?」
幹也「あの時俺達をコテンパンにしたレッドエレメントと同じか。」
凛「っ!?」
グラミ「さっさと行きな。お前らなら彼処に居る連中全員を相手にしても後れは取らねぇだろ?」
凛「借りだと思わないから。」
風の魔術で飛翔した。
幹也「教えてくれた事だけ感謝してるぜ。」
蜘蛛の糸を使って飛んだ。
グラミ「ふっ、負けんじゃねぇぞ。」
館・祭壇。
ミューラ「はぁ・・・はぁ・・・」
拘束されてるミューラの足元に赤い魔法陣が光ってる。
構成員「ふふふ・・・」
”バァン!!”
幹也「邪魔するぜ!!」
祭壇に幹也と凛が入って来た。
凛「ミューラ!!」
構成員「貴様ら、このエルフの仲間か?」
凛「ミューラに何をしているの?」
構成員「エルフは贄となるのだ。これから行う特別な儀式のな。」
凛「ミューラに何をしているの?」
怒りが頂点に達し、風の魔術を纏った。
凛「ミューラに何をしているの!!!」
構成員「ぐあああ!!」
風の魔術で構成員を吹き飛ばした。
構成員達「くっ!!」
幹也「おっと!」
構成員達「っ!?」
郡の糸で構成員達の身動きを封じた。
幹也「動くんじゃねえよ?動いたら鼻の中に唐辛子の拷問に処するからな。」
2人は拘束されてるミューラに歩み寄る。
凛「ミューラ!」
幹也「助けに来たぜ!」
ミューラ「凛・・・幹也・・・」
凛「待ってて。今助けるから。」
幹也「魔法陣は石の床か。ならば!」
水の糸で魔法陣全体を掴み、そのまま引っ張って石の床を破壊した。魔法陣が消えた。
凛「やああぁぁぁぁぁ!!!」
杖でミューラを拘束してる鎖を切った。落ちるミューラを、凛が抱えた。
凛「ミューラ。」
ミューラ「凛・・・ごめんなさい・・・油断したわ・・・」
凛「ううん、いいから。今はそんなのいいから・・・」
パル「助けれて良かったね。」
幹也「ん?誰だ!!」
祭壇に2人の人物がやって来た。
猊下「素晴らしい。全員を殺さずに無力化か。言葉で言うのは簡単だが実行するのは実に困難だ。」
凛「あ!あなたは・・・!」
幹也「ゲッ!カシムテメェ!」
カシム「ふん。」
それはカシムと猊下と名乗る男だ。
猊下「僕の予想を軽々と上回ってくるとは恐れ入ったよ。カシム、君の部下も随分と優秀なようだ。制約の穴を見抜くなんてね。」
幹也「こんな夜遊びを企画したのは、もしやお前か?」
猊下「そうだよ。実行犯は彼らだが この結果を予想し現実のものとしようとしたのは僕だ。」
凛「許さない。」
幹也「次は俺達と遊ぶか?」
猊下「待ちたまえ。僕らも一戦交えるために姿を見せた訳じゃない。伝えたい事があって来たんだ。」
凛「伝えたい事?」
猊下「手短に言おう。この町に魔物の軍勢が襲撃を掛ける。」
凛「え!?」
幹也「何だと?」
猊下「数は2000・・・いや3000かな?」
凛「さ、3000って・・・!?」
城の砦。
見張り2人「・・・ん?」
森の中に輝く無数の赤い光。その光の正体は、無数のゴブリンだった。
猊下「これがどう言う事だか分かるかい?そう、全てを壊すには十分過ぎると言う事だ。大切なものも何もかも全てね。」
カシム「残念だがあの少年は来ないぞ。彼にはこの町に別の舞台を用意した。」
凛「どう言う事!?太一はアズパイアに居るの!?」
猊下「さて、君達3人に何が出来る?何処まで町を守れるかな?」
幹也「お前らの目的は何かは知らねえが、魔物を使って俺達を殺そうとしてるのか。そうだとしたら、お前達は人の手を借りないと誰かを殺せないとか。」
カシム「貴様・・・!!」
猊下「面白い事を言うね君。楽しみにしているよ。」
地下の奥にある巨大な扉の前。
アナスタシア「あれも私が探ってみるわね。」
太一「あぁ。」
彼女が進んだ瞬間、地面に魔法陣が出現した。
アナスタシア「え?」
太一「アナ!!!」
その魔法陣から、アイアンゴーレムが出現した。
『END』
キャスト
西村太一:天崎滉平
吾妻凛:高橋李依
雲居幹也:佐藤元
ミューラ:田中美海
レミーア:大原さやか
カシム:下野紘
グラミ:日笠陽子
エアリアル:久保ユリカ
パル:伊藤美来
アナスタシア:真野あゆみ
アルメダ:杉村ちか子
見張り:藤原侑聖
構成員:八木岳
店主:室元気
客:中村源太
謎の双子:木野日菜
猊下:平川大輔
次回・アズパイア防衛戦
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『パル』
CV・伊藤美来
モデル・赤来杏
服・蜘蛛の糸の模様が入った赤いワンピース、黒いブーツ
幹也に噛み付いたマギアスパイダーの精霊。
カシムとグラミとの戦いの時に幹也と再会し、幹也に更なる力を与えた。
人間の姿になれる事が可能。