カシム「町の内と外、両面から攻めさせるとは酷な事をなさいますね。」
猊下「何を今さら。それより例のものはどの位準備出来たのかな?」
カシム「地下に500、地上に200と言った所でしょうか。」
猊下「地下に500か。かの少年の力を考えればまぁ妥当だね。」
カシム「猊下、本当にこの町を・・・」
猊下「僕の計算ではこの計画の成功率は90%。少々の犠牲を払うには十分な数字だと思うけど?さて、そろそろ魔物たちが北の砦を落とした所かな。決戦は朝。丁度良い頃合いだね。」
この男の計画とは一体・・・
地下では、アイアンゴーレムがアナスタシアを殴り潰そうとした。
アナスタシア「っ!!!」
アイアンゴーレムの拳がアナスタシアに直撃した。だが。
太一「大丈夫か?」
アナスタシア「え・・・?」
アイアンゴーレムの拳は、太一の片手で簡単に受け止められた。
太一「俺がいる限り死なせたりしねぇよ。だから簡単に諦めんな。それにほら今夜は朝まで寝かさないんだろ?」
アナスタシア「あれは・・・」
太一「っ!!」
手から光を発動し、アイアンゴーレムを飛ばした。
太一「そこから動くなよ!」
魔術が溜まった左手で、アイアンゴーレムの腕を殴った。アイアンゴーレムの腕は耐え切れず破壊された。
太一「ぶち抜いてやる!」
今度は両手を合わせてアイアンゴーレムの脳天を殴った。アイアンゴーレムは粉々に砕かれ討伐された。
太一「可笑しいな・・・普通ゴーレムには核があるんだが・・・まぁいいか。」
アナスタシア「太一君・・・」
太一「ん?ああ。取り敢えず終わった。」
アナスタシア「あ、あれ・・・」
太一「ん?」
扉が独りでに開いた。
???「へぇーほんとに強いんだ。お兄ちゃんが太一?」
その扉の奥は、禍々しい空間となっており、その空間に双子の姉妹が立っていた。
太一「これは・・・」
アナスタシア「ゴブリン・・・?」
空間の中には、無数の塊があった。双子の姉妹がフードを脱いだ。
ミロ「ようこそ!ミロと!」
メロ「メロのお部屋に!」
冒険者ギルド。
ジェラード「1000を超す魔物か。」
ミューラ「えぇ。もはや一刻の猶予も無い状況ね」
幹也「奴ら、おっかないおもちゃを用意しやがって。」
ジェラード「攻撃を中止する交換条件は何も提示されなかったのだな?」
凛「はい。この町を攻撃する、まるでそれ自体が目的のような口ぶりでした。」
ジェラード「フム・・・マリエ、ギルドマスターの名に於いて命ずる。アズパイア中の冒険者に招集を賭けろ。自警団とも連絡を取ってくれ。」
マリエ「畏まりました。」
ジェラード「何者か分からんが、恐るべき敵だな。」
ミューラ「恐らく物資の盗難も彼らが裏で糸を引いていたはずよ。」
パル「そのお陰で、物価が高騰しまるくりだよ。」
ジェラード「町の備蓄を減らして籠城戦をさせない為か。」
ミューラ「えぇ。」
ジェラード「・・・やはりここに太一が居ないのが悔やまれるな。」
凛「彼らは、私達に町を守ってみろと言いました。」
ミューラ「それに例え太一が居なくてもこの町にはギルドが、歴戦をくぐり抜けて来た冒険者達が居るわ。」
幹也「ベテランハンターとの力を合わせれば、困難を乗り越えられる可能性が高まる。」
ジェラード「そうであったな。我々は冒険者。魔物共から町を、人々を守る。それが己に課された務めだ。」
ミューラ「冒険者である誇りに懸けて。」
凛「私達の町は私達で守りましょう。」
幹也「それが冒険者のプライドだ。」
ジェラード「うむ。」
レミーア「その話、私も一枚噛ませて貰おうか。」
全員「っ!」
そこにレミーアが参上した。
凛・ミューラ「レミーアさん!」
幹也・パル「レミーア!」
レミーア「北の方で異常な魔力を感知してな。もしやと思って来てみたが、まさかこんな事になっていようとは。だがこの状況でよく咆えた。我が弟子達よ。師として冥利に尽きる。」
幹也「ああ。」
レミーア「太一がおらぬ分は及ばずながら私が埋める。冒険者の力を見せてやろうじゃないか。」
地下・ミロとメロの部屋。
太一「子供・・・!?」
ミロ「子供じゃないもん!ミロだもん!」
メロ「子供じゃないもん!メロだもん!」
太一「なぁミロ、メロ。これはお前達がやったのか?」
ミロ「そうだよー!」
メロ「ミロとメロが増やしたの!さっきのゴーレムも2人で造ったんだよ!」
アナスタシア「この子達、まさか土属性の魔術師?」
太一「のようなだな。で これからどうするつもりだ?」
ミロ「ゴブリンを目覚めさせるよ!」
メロ「町に開放するんだよ!」
アナスタシア「え!?」
太一「そんな事したら、どうなるか分かってんのか!?」
ミロ「知ってるよ!ゴブリンは女は壊れるまで犯せって命令されてるし!」
メロ「ゴブリンは男と子供は食い殺せって命令されてるし!」
太一「だったらお前達も危ないんじゃないのか!?」
ミロ「えーそれはないよ。ミロ達にはこれがあるしね!」
メロ「メロ達はこれでゴブリンに命令出来るんだから!」
ゴブリンを操れる水晶玉を太一に見せた。
太一「あのな!ゴブリンって奴は!」
メロ「あげないよ!だってお兄ちゃんとお姉ちゃんはここでおしまいだもん!」
ミロ「じゃあ、行くよ?」
水晶玉を掲げた。
ミロ・メロ「皆ー!起きてー!」
水晶玉が赤くなり、無数の卵から無数のゴブリンが目覚めた。しかもそのゴブリン達は普通のゴブリンとは違い赤色になってる。
アナスタシア「太一君、コイツらは普通のゴブリンじゃ・・・」
太一「真紅の契約・・・禁忌の魔術で強化されたレッドゴブリンらしいな。」
アナスタシア「レッドゴブリン?」
太一「扉の方に下がってろ。心配すんな。アナには指一本触れさせねぇよ。」
アナスタシア「え?」
レッドゴブリンの大群が太一を襲う。
太一「っ!!!」
風の魔術でレッドゴブリンの大群を粉々に粉砕した。
ミロ「へぇー!強いねー!」
メロ「でもまだまだ居るもんね!」
次々と襲い来るレッドゴブリンの大群を太一が蹴散らし続ける。
太一「くそ・・・マズいな。強化し過ぎると部屋ごと潰しちまう。コイツは悪いが少しセーブしねぇと・・・にしても一体何匹・・・」
ミロ・メロ「キャー!」
太一「っ!?」
ミロ「ミロは違うよ!」
メロ「メロも違うよ!」
レッドゴブリンの大群がミロとメロを襲ってる。ミロとメロが魔法で対抗してる。
ミロ・メロ「キャーーーー!!」
だが太一がレッドゴブリンの大群を討伐し、2人を助けた。
太一「ったく、だから言わんこっちゃない。お前ら、自分達が何をしでかしたかこれで分かったか?」
ミロ・メロ「ごめん・・・なさい・・・」
太一「で、コイツら一体何匹居るんだ?」
ミロ「いっぱい・・・」
太一「もっと具体的に!」
メロ「こう言うお部屋が・・・まだ沢山町中に・・・」:
太一「マジかよ・・・!」
アナスタシア「きゃあ!!」
他のレッドゴブリン達がアナスタシアを囲んだ。
太一「アナ!今行く!!」
ミロ・メロ「キャ!」
双子を抱えて、1体のレッドゴブリンを踏ん付けた。
アナスタシア「太一君!」
太一「1人にしてごめんな。」
アナスタシア「ううん。私だってこれでも元アサシンよ。」
レッドゴブリンの大群はまだ居る。
太一「ミロ、メロ。お前らも少しは使えるよな?」
ミロ「馬鹿にしないで!」
メロ「さっきは油断しただけだし!」
太一「(これ以上の強化は出来ねぇ。3人を守りながらゴブリンを潰していく・・・ったく魔力を削るための罰ゲームかよ。)アナ、あの言葉本当になっちまったな。」
アナスタシア「・・・えぇそうね。嬉しいわ太一君。」
ミロ・メロ「ん?」
太一「よし!今夜は朝まで眠らせねぇ!」
一方アズパイアの町では、ギルドの冒険者達の召集が始まっていた。
ジェラード「早馬で報告に来た兵士の話では、北の森の砦は全滅だそうだ。」
レミーア「敵は約3000。前衛はフェンウルフを中心とした森の魔物。その後ろからオーガとオークの一団がトドメを刺しに来るか。全く、よく集めたものだな。」
ミューラ「こちらの戦力は?」
ジェラード「Dランク以上の冒険者が150人。町の自警団が30人。」
幹也「冒険者180・・・戦力の差が凄いな・・・」
レミーア「止むを得まい。初手で一発デカいのを食らわせて雑魚共を一掃するか。」
ミューラ「レミーアさん、まさかいきなり戦術級の魔術を?」
レミーア「うむ。アレをやると魔力の大半が削られるが、ここはオーガ・オークとの戦いに戦力を集中させたい。」
ミューラ「でも・・・」
ジェラード「・・・他に策はあるまい。頼まれてくれるか?レミーア」
レミーア「ああ。」
幹也「ちょっと待ってくれ。」
レミーア・ジェラード「ん?」
幹也「俺と凛に策がある。」
凛「まずは前衛の魔物達を排除出来れば良いんですよね?」
レミーア「まぁそうだが・・・」
ミューラ「凛、幹也、あなた達何を・・・」
凛「1つ試してみたい事があります。私と幹也にやらせて貰えませんか?」
パル「どうするの?」
幹也「後のお楽しみだ。」
夜明け。砦の上。
凛(行き当たりばったり、ぶっつけ本番の無謀なチャレンジかも知れない。でも必ず決めてみせる。)
持ってる杖を強く握る。
幹也(ここで成功すれば、俺達に有利が舞い降りる。失敗は許されない。)
水の糸で巨大な塊を形作る。
ミューラ「凛・・・幹也・・・」
レミーア「心配するな。2人の言葉を信じよう。正直、凛と幹也の住む世界の知識がどれ程のレベルなのか想像もできない。だが・・・」
昨夜。
凛『土と水と火。3つの魔術を組み合わせて多きな爆発を起こします。』
ジェラード『ん?』
ミューラ『あっ。』
レミーア『火は分かるが、水と土でどうやって?』
幹也『実は水はな、高温を与えると蒸発し、水蒸気になるんだ。水蒸気になると水の体積は1000倍以上に膨らむんだ。』
凛『この原理を利用して水を爆弾に変えるんです。水蒸気爆発と言う現象です。』
ミューラ『・・・ごめんなさい凛、幹也。よく分からないわ。』
凛『あーえっと・・・その・・・』
幹也『俺が簡単に説明しよう。例えば水を入れた鍋に、焼けた石を入れると沸騰するだろ?」
ミューラ『えぇ。』
幹也『だがそこで無理に蓋をすると、ボンッと蒸気で中身が飛び散ると言う訳だ。』
レミーア『ふふっ。敵を殲滅する魔術を、まるで料理のように言うのだな。』
凛『それはイメージだともっと大規模って言うか、火山の爆発みたいな。』
ジェラード『火山?』
凛『はい!そんな感じで。』
パル『成る程。火山だと分かりやすいね。』
ミューラ『大地と火の精霊の怒りを魔術で起こすと言うの?』
幹也『水は俺の水の糸で溜める。』
ジェラード『こりゃたまげた嬢ちゃんと坊ちゃんだ。』
そして今に至る。
レミーア「頼んだぞ凛、幹也。」
冒険者「来たぞ!!」
地平線の向こうから、無数の魔物が進軍した。
凛(焦るな。まだ早い。)
幹也(まだだ。もっと来やがれ。)
凛(魔術はイメージ。)
そして凛が目を開き。
凛「はああぁぁぁぁぁ!!!」
土の魔術で、進軍する魔物達を巨大な穴に落とした。
ジェラード「おぉ!!」
凛「幹也!!」
幹也「ほい来た!!!!」
巨大な水の糸の塊を、巨大な穴に放り込んで湖を作った。魔物達はその湖で溺れてる。
幹也「凛!!」
凛「ええ!!」
巨大な水の上空に、熱した巨大金属を生成し、湖に垂れた。
ジェラード「金属の生成!しかも熱した状態でだと!?」
湖に巨大な熱した金属を落とし込んで固めて蓋をした。
凛「・・・来る!!」
蓋をされた湖が蒸発し、巨大な水蒸気爆発が起こった。
ジェラード「おお!」
ミューラ・レミーア・パル「っ!!!」
幹也「おぉ〜!見事な花火を打ち上げたな!」
凛「ふぅ・・・」
ミューラ「凄いわ!大成功よ!」
凛「うん・・・」
ミューラ「凛?」
凛「大丈夫・・・今ので結構魔力削られたけどまだ戦える・・・」
レミーア「よく言った。それでは反撃開始と行こうか。」
幹也「さぁ、派手なパーティーの始まりだぜ!」
ジェラード「者ども!掛かれーーー!!」
冒険者達「うおおおおおおおおおおーーーーーー!!!!!!」
反撃が開始した。
冒険者達は魔物共を次々と討伐する。中には太一達の恩人のラケルタ、メヒリャ、バラダーの姿もあった。
凛「フリージングランス!!」
氷の槍で魔物達を串刺しにした。
ミューラ「フッ!ハァッ!!」
身体強化したミューラが、魔物達を斬り裂いていく。
レミーア「図体だけの雑魚共!さぁ無様に踊れ!」
業火の魔術で魔物達を焼き尽くした。
幹也「パル!行くぜ!」
パル「うん!私達の力を!」
幹也「とくとご覧あれ!!」
2人が蜘蛛の糸を射出し、オークを捕まえて蜘蛛の糸で包んだ。
幹也・パル「せーっの!!」
高速回転して、周囲の魔物達を巻き添えさせた。
幹也「飛んでけーーー!!」
遥か空の彼方へ投げた。
幹也「凛!!壁を作れ!!」
凛「分かったわ!!グランドウォール!!」
土の壁を生成し、幹也とパルが壁を走る。
幹也「おりゃりゃりゃりゃりゃ!!」
パル「はいはいはいはいはいはい!!」
壁を走りながら、幹也は炎の糸、パルは電撃の糸を連射して魔物達を討伐する。
丘の上。カシムと猊下がそこに居た。
猊下「うん、予想の範囲内だが落葉の魔術師も出張って来るとは、わざわざ来た甲斐があったな。それに彼女と彼、町での事といい、幕開けの一撃といい実に素晴らしい。ここで散らせるのは惜しいな。」
カシム「猊下、そろそろ・・・」
猊下「うん。さぁお楽しみはこれからだ。藻掻け。足掻け。その先に運命の辿り着く場所がある。」
魔物達は粗方討伐出来た。
幹也「いやぁ〜、結構楽しめたぜ。」
パル「殆ど倒せた。」
ミューラ「大分減ったわね。」
凛「後もう一息かな。でもそれってあの人のお陰よね。」
レミーア「どうだ?初戦の感想は?」
ミューラ「はい。ここまでの所、順調です。」
レミーア「凛。魔力はまだ保つか?」
凛「大丈夫です!」
レミーア「幹也はどうだ?」
幹也「俺の魔力がまだまだ遊び足りてないぜ。」
レミーア「うむ。では最後の仕上げと・・・」
冒険者「うわああああーーーー!!」
全員「!?」
パル「何!?」
テントに居るジェラードに報告が入った。
ジェラード「何!?赤い魔物だと!?」
冒険者「はい。数はおよそ200。通常の魔物とは姿形も異なり その力は本来の倍・・・いえそれ以上です!」
ジェラード「まさか真紅の契約を・・・一体我々はどんな敵と戦っていると言うのだ?」
マリエ「大変です!」
ジェラード「何だ!?」
マリエ「そ、それが・・・」
太一「よぉ。遅くなって悪かったな。」
ジェラード「っ!!」
太一達が帰還した。
戦場。赤い魔物達が姿を現した。
レミーア「実に醜悪な眺めだな。これだけの魔物に真紅の契約を施すとなれば、どれだけの屍と血が必要か。」
ミューラ「では やはり一連の事件は・・・」
レミーア「お前達の見立て通り この戦を仕掛けて来た連中が全て仕組んだのだろう。」
凛「何て事を・・・!」
幹也「悪どい事しやがるぜ本当・・・」
魔物達の奥に、赤色に染まったオーク3体が立っている。
レミーア「成る程。お前達が指揮官か。あえて攻撃を控えたのは我らの力を測る為か?ならば見せてやるまで!」
魔物達が一斉に攻撃を開始した。
レミーア「散れ!!」
爆発魔法を起こし、爆煙から飛び出し魔物達を斬り裂いた。
レミーア「このままじゃキリがないな。凛、、幹也、パル、ミューラ!30だ。30数える間持ち堪えられるか!?」
幹也「30秒?」
ミューラ「レミーアさん、まさか・・・!?」
レミーア「あぁ今からデカいのを準備する。一発で戦局を変えるぞ!」
ミューラ「分かりました!30ですね!」
凛「任せて下さい!」
幹也「頼むぜレミーア!」
パル「早めにね!」
レミーア「風の精霊よ、我が望むは自然の猛威。恐れを知らぬ愚者にその異能を示せ!」
魔力を蓄えている間、幹也達が時間稼ぎを始めた。
ミューラ「火蓮!!」
炎の刃で魔物達を切断した。
凛「雷神剣!!」
雷神剣でレッドエレメントを粉砕した。
幹也「オラオラオラオラ!!」
蜘蛛の糸を連続射出し、魔物達を縛った。
幹也「俺からの褒美だ!」
蜘蛛の糸に毒を流し、縛ってる魔物達を毒殺した。
パル「スパイダーカッター!!」
蜘蛛の糸を刃に変えて、回転斬りで衝撃波を起こした。周囲の魔物達を切断した。
レミーア「我が命に従い、その力を顕現し、遍く全てを蹂躙せよ!夜魔の女王の吐息!」
テント。
太一『待たせたな。こっちも色々あってさ、手が離せなかった。」
ジェラード「その子供は?」
太一「土の魔術師だ。俺を足止めしてたのはコイツらなんだが、こう見えても結構凄腕だ。付いて来るって言うから連れて来た。って訳で俺も行ってくる。凛と幹也とミューラは今何処だ?」
ジェラード「それなのだが・・・」
”ドオォォン!!”
ジェラード「うおっ!?」
地震が起きた。
太一「これは・・・」
ミロ「凄い魔力だよ!」
メロ「めちゃくちゃ強いよ!」
ジェラード「レミーア・・・」
太一「よし。ミロ、メロ行くぞ!」
アナスタシア「太一君。」
太一「ん?」
アナスタシア「邪魔になるのは分かっている。でも・・・」
太一「・・・アナはここに残って、他の冒険者と一緒にアズパイアを守ってくれ。」
アナスタシア「太一君・・・」
太一「必ず戻って来る。」
アナスタシア「うん・・・」
戦場では、レミーアの魔術で周囲の魔物達が亡骸となって転がっている。
パル「凄い魔法だったね。流石レミーアだよ。」
幹也「だが、まだピンピンしてるぜ。」
3体のレッドオークはまだ健在だった。
レミーア「やはり残ったか。ん?」
1体のレッドオークが、手を腹に当てて挑発した。
レミーア「分かりやすい挑発だな。」
幹也「面白い事するね。」
ミューラ「レミーアさん!」
凛「後3匹です!」
幹也「気を引き締めるぞ!」
パル「頑張ろう!」
4人がレッドオークに向かって走る。
レミーア「全く、呆れた弟子共だ。」
炎の魔術を生成する。
レミーア「インフェルノ!」
ミューラ「魔術剣!焼熱斬!!」
凛「レールガン!!」
レールガンを発射。
幹也「行くぜ!」
右手に蜘蛛の糸を纏わせ、巨大な大砲を形作った。
幹也「スパイダーランチャー!!」
砲口から巨大な鉄球の糸を発射した。
パル「サンダーウィップ!!」
雷を纏った蜘蛛の鞭で、レッドオークを叩き付けた。
凛「お願い!これで・・・!っ!?」
あれだけの魔術を受けたにも関わらず、レッドオークは無傷。
幹也「嘘だろ・・・!?」
凛「え・・・あ・・・そんな・・・」
攻撃が通じないレッドオーク。凛が魔力の酷使で疲弊して座り込んでしまった。
レミーア「っ!!」
ミューラ「凛!!」
幹也「凛!しっかりしろ!!立て!立つんだ!!」
レッドオークがゆっくりと迫る。
幹也「くそッ!!パル!!」
パル「うん!!」
2人が蜘蛛の糸を射出し、レッドオークを縛って後ろに引っ張る。
幹也「凛に手を出すな・・・!!」
パル「止まりなさい・・・!!」
レッドオークは引っ張られず佇み、凛に拳を振り上げる。
凛「それでも・・・例え私達が倒れてもきっと太一が来てくれる・・・町を、皆を守ってくれる・・・あなた達に負けたりしない。だって・・・太一は強いから!!ごめんね太一、何でだろう・・・もっと早く言えば良かった・・・一緒にいてくれてありがとうって。」
ミューラ「凛!!」
レミーア「くっ!!」
幹也「逃げろ凛!!」
パル「死んじゃダメ!!!」
レッドオークの拳が振り下ろされた。
凛「せめて・・・伝えたかったな・・・」
太一「じゃあ伝えればいいだろ!」
凛「え・・・!?」
レッドオークの拳を受け止める太一の姿が、凛の瞳に映った。
凛「太一・・・!」
救世主がここに現れた。
『END』
キャスト
西村太一:天崎滉平
吾妻凛:高橋李依
雲居幹也:佐藤元
ミューラ:田中美海
レミーア:大原さやか
カシム:下野紘
アナスタシア:真野あゆみ
ミロ・メロ:木野日菜
パル:伊藤美来
ジェラード:魚建
マリエ:鎌倉有那
見張り:藤原侑聖
冒険者:江頭宏哉
兵士:室元気
客:中村源太
猊下:平川大輔
次回・召喚術師