異世界チート三重奏《トリニティ》   作:naogran

7 / 13
アズパイアの町。負傷した冒険者や自警団達が運ばれた。




戦場。戦える冒険者達が魔物達を討伐している。




幹也「凛!しっかりしろ!!立て!立つんだ!!」

レッドオークがゆっくりと迫る。

幹也「くそッ!!パル!!」

パル「うん!!」

2人が蜘蛛の糸を射出し、レッドオークを縛って後ろに引っ張る。

幹也「凛に手を出すな・・・!!」

パル「止まりなさい・・・!!」

レッドオークは引っ張られず佇み、凛に拳を振り上げる。

凛「それでも・・・例え私達が倒れてもきっと太一が来てくれる・・・町を、皆を守ってくれる・・・あなた達に負けたりしない。だって・・・太一は強いから!!ごめんね太一、何でだろう・・・もっと早く言えば良かった・・・一緒にいてくれてありがとうって。」

ミューラ「凛!!」

レミーア「くっ!!」

幹也「逃げろ凛!!」

パル「死んじゃダメ!!!」

レッドオークの拳が振り下ろされた。

凛「せめて・・・伝えたかったな・・・」






太一「じゃあ伝えればいいだろ!」






凛「え・・・!?」

レッドオークの拳を受け止める太一の姿が、凛の瞳に映った。

凛「太一・・・!」

幹也・パル「太一・・・!!」

太一「遅くなって悪かったな。」

救世主がここに現れた。


第7話・召喚術師

レッドオークの拳を、太一が余裕の表情で受け止めてる。

 

ミューラ「凛・・・良かった・・・」

 

凛「ミューラ・・・」

 

レミーア「やっと来たか。」

 

太一「悪ぃ。ちょっと地下でゴブリン退治してたもんで。」

 

幹也「さぞ楽しい宴だったか?」

 

太一「ああ。盛大に盛り上がったぞ。話は後だ。2人を。」

 

レミーア「うん。」

 

幹也「パル。凛とミューラを。」

 

パル「気を付けてね。」

 

凛とミューラを、レミーアとパルに任せた。

 

太一「んじゃ!」

 

幹也「そこのオークさん、ちょいとお手てを退かしなさいな。」

 

蜘蛛の糸でレッドオークの腕を掴み、力強く引っ張り上げた。

 

太一「じゃあ、勝負と行こうか!」

 

幹也「こっからが第2ラウンドだ!」

 

レッドオークが右拳を振り上げた。

 

太一「うおおおおおおおお!!!!」

 

しかし太一がパンチで受け止めた。

 

太一「うおおおおおお!!!」

 

力を振り絞って、パンチでレッドオークの拳を押し返した。

 

幹也「ほいっ!!」

 

両手から蜘蛛の糸を飛ばし、レッドオークの右腕を掴む。

 

幹也「あーらよっと!!!」

 

そのまま後ろへ投げて叩き付けた。

 

太一「チート甘く見んなよ!!」

 

大ジャンプし、右手に魔力を注ぐ。

 

太一「うおおおおおおお!!!!」

 

魔力が蓄えられたパンチが、レッドオークの腹を殴った。レッドオークは苦しむ。

 

 

 

 

凛・ミューラ・レミーア・パル「・・・・・」

 

ミューラ「凄い・・・」

 

 

 

 

彼女達の元へ、太一と幹也が戻って来た。

 

太一「いやー、物理攻撃がちゃんと効く相手ってやっぱ楽で良いよな。」

 

幹也「それな。」

 

ミューラ「太一、今の強化って・・・」

 

太一「100だ。それ位上げないと勝負にならなそうだし。」

 

幹也「レミーア。」

 

レミーア「何だい?」

 

幹也「3人は後どれ位戦える?」

 

レミーア「正直かなり厳しいと言わざるを得んな。現状維持でギリギリと言う所か。所でその子供は?」

 

太一に引っ付いてるミロとメロを見た。

 

幹也「ん?うおお!?何だこのお嬢さん達!?」

 

ミロ「子供じゃないもん。ミロだもん。」

 

メロ「子供じゃないもん。メロだもん。」

 

太一「助っ人だ。土属性の魔術師。今は仲間だ。こう見えて腕は立つ。」

 

パル「今って事は、元々敵だった?」

 

太一「そう言う事だ。」

 

パンチを受けたレッドオークが起き上がる。

 

太一「すまないが、俺と幹也がコイツらを片付けるまで背中を頼めるか?」

 

レミーア「フッ。誰にものを言っている。案ずるな。存分に暴れて来い。」

 

ミロ「ミロも頑張る!」

 

メロ「メロも頑張る!」

 

太一「あぁ!頼むぞ!」

 

幹也「俺は幹也だ。お2人さん、宜しくな。」

 

ミロ・メロ「うん!宜しく!」

 

凛「太一。幹也。」

 

太一・幹也「凛。」

 

3人がグータッチを交わす。

 

 

 

 

 

 

戦いが続く中、猊下とカシムは。

 

猊下「それにしても凄いね。たった一晩であれだけの数のゴブリンを一掃するとは。」

 

カシム「最早人間を越えているとしか・・・」

 

猊下「だからこその実験だよ。祭りのフィナーレを飾る仕掛けも既に準備済みさ。あのお方は全ての状況、全ての可能性を見通しておられるからね。」

 

カシム「我々はその為の駒に過ぎぬと・・・」

 

猊下「あぁそうだよ。僕も君もそして彼らも。あのお方のご意志には決して逆らえない。」

 

 

 

 

 

 

テントでジェラードが休息を取っている。

 

冒険者「ご報告申し上げます。赤い魔物達は、落葉の魔術師の放った戦術級魔術により大多数が沈黙。」

 

ジェラード「レミーアめ、遂にあの技を・・・」

 

冒険者「しかしながら指揮官と思われるレッドオーガは無傷。救援に向かった冒険者の少年2人と現在交戦中。」

 

ジェラード「して太一と幹也は?冒険者の少年達は?」

 

冒険者「互角・・・いえそれ以上の力で応じておりますが何分3対2の戦い。楽観視は出来ないかと。」

 

アナスタシア「・・・・」

 

 

 

 

太一『アナはここに残って、他の冒険者と一緒にアズパイアを守ってくれ。』

 

アナスタシア『太一君・・・』

 

太一『必ず戻って来る。』

 

 

 

 

アナスタシア(彼だけだった。私を道具じゃなく人間として、1人の女として扱ってくれた初めての人。)

 

クルト「ありがとう。」

 

アナスタシア「え?あの・・・」

 

クルト「助かったよ。お嬢さん。」

 

アデリナ「えぇ。外には魔物がいっぱい居るのに。あなた頑張ってね。」

 

クルト「あぁ。この町を守る為なら、この位平気さ。」

 

アナスタシア「(暗殺の血で汚れた私・・・だけどもしもう一度やり直せるなら・・・)信じるよ太一君。私は私を信じてくれたあなたを信じる!」

 

彼女が立った時、1人の人物とぶつかった。

 

アナスタシア「あ、ごめんなさい。」

 

するとぶつかった相手は、アナスタシアに何かを呟いて、不敵な笑みを浮かべて去った。

 

アナスタシア「・・・・・・」

 

突然アナスタシアが、操られたかのようにテントを抜けて戦場へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

戦場では、戦いが続いている。

 

凛「サンダー!!」

 

サンダーで角ウサギを討伐。

 

ミューラ「赤蓮!!」

 

凛の後ろを取ったゴブリンをミューラが斬り裂いた。

 

レミーア「火炎流!!」

 

炎の渦でオーガ達を焼き尽くした。

 

ミロ・メロ「フォールダウン!」

 

迫り来るレッドエレメント達を落とし穴に落とした。

 

パル「スパイダーハンマー!!」

 

蜘蛛の糸の鉄球を、落とし穴に落ちたレッドエレメント達を潰した。

 

凛・ミューラ「フレイムランス!」

 

炎の槍で、潰されたレッドエレメント達を駆逐した。

 

ミロ「お姉ちゃん達。結構強いね。」

 

パル「お2人も中々。」

 

レミーア「ここからは消耗戦だ。無駄玉は撃つな。頭を使え。太一と幹也の背中は我らが守るぞ!」

 

 

 

 

 

 

レッドオークと戦っている太一と幹也。

 

太一「うおおおおおおおお!!!!」

 

レッドオークのパンチを空中で避け、レッドオークの顎を殴った。

 

太一「なっ!?」

 

もう1体のレッドオークが棍棒を振るう。

 

幹也「それっと!!!」

 

炎の糸で棍棒を掴んで、引っ張って燃やす。

 

太一「でいっ!!!」

 

後ろに回った太一が、レッドオークの項を蹴り込んだ。

 

幹也「後ろがガラ空きだあぁぁーーーーーー!!!」

 

蜘蛛の糸でレッドオークの顔を包み込み、そこに毒魔術を流し込んで討伐した。

 

太一「やっぱり100の強化ってのは、結構消耗するな。」

 

幹也「これだけの魔物を用意するとは、主催者は余程暇人なんだな。」

 

”ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!”

 

太一「っ!?」

 

幹也「何だ!?」

 

突然地震が発生した。

 

太一「幹也!」

 

幹也「おう!」

 

飛んだ太一に蜘蛛の糸を射出した。太一が蜘蛛の糸を掴んで、幹也が飛ぶ太一に引っ張られて飛ぶ。

 

太一「っ!!」

 

幹也「何だありゃ!?」

 

地面から、巨大な何かが討伐されたレッドオークを捕まえた。

 

 

 

 

レミーア「これは・・・」

 

ミューラ「レミーアさん?」

 

レミーア「あり得ない・・・人と魔物の争いに彼らが介入するなど・・・」

 

凛「彼らって?」

 

ミロ「地の底に眠れる者。」

 

 

 

 

地の底に眠れる者。その正体は・・・

 

太一・幹也「・・・!!」

 

2つの首を持つド黄金のドラゴン。

 

ドラゴン「ーーーーーー!!!」

 

真上に顔を向けたドラゴンがブレスを放射した。

 

 

 

 

凛「・・・!ん?」

 

横を見ると、アナスタシアが歩いて行くのが見えた。

 

 

 

 

 

 

猊下「ツインヘッドドラゴン。」

 

カシム「猊下・・・まさかこれが・・・」

 

猊下「そう。やっと盤上に必要な駒が揃ったね。ここからが本番だ。異世界より来たりし少年達よ、その力見極めさせて貰うよ。」

 

 

 

 

 

 

凛「太一!幹也!」

 

太一「凛!」

 

幹也「皆!」

 

凛「ねぇ、あれって・・・」

 

太一「まさか、この騒ぎのせいで地下に眠るドラゴンを起こしちまったとかじゃねぇよな?」

 

レミーア「いや彼らは己の住処から滅多に出る事はない。第一 ドラゴンからすれば地上の戦など虫の羽音のようなもの。取るに足らん出来事だ。」

 

幹也「だが、何故かそれが出張って来たと言う訳か。」

 

凛「太一、幹也!まさか戦う気じゃ・・・!?」

 

ミューラ「幾ら何でも無茶よ!」

 

幹也「確かに無理かも知れない。でも引き下がれねえよ。」

 

太一「ああ。ここで逃げる訳にいかねぇ。さて、ここからは撤退戦だ。レミーアさん。皆を連れて町に戻ってくれ。万が一の場合に備えて避難の準備を。」

 

レミーア「承知した。」

 

凛「ミューラ、パル、この子達をお願い。」

 

ミューラ「・・・分かったわ。」

 

パル「頑張ってね。凛。」

 

凛「うん。」

 

ミロとメロをミューラとパルに託し、凛が太一と幹也の横に立つ。

 

凛「太一、幹也。私は残るよ。」

 

太一「え?」

 

幹也「良いのか?」

 

凛「うん。約束だから。必ず一緒に戻るって。絶対1人にはしないって。」

 

太一「・・・分かった。勝手にしろ。」

 

凛「うん。勝手にする。」

 

幹也「だったら、死ぬ訳にはいかねぇな。」

 

凛「うん。絶対に死なない。」

 

 

 

 

レミーア「全く、師匠不幸の弟子共が。」

 

ミューラ「2人共!勝手に居なくなったりしたら許さないんだから!絶対よ!」

 

パル「もし死んだら、子々孫々まで呪ってやるからね!」

 

 

 

 

ツインヘッドドラゴンとの戦い。

 

太一「さて、凛。」

 

凛「ん?」

 

太一「手出しするなよ。」

 

凛「その心は?」

 

太一「余裕のない戦いになると思う。もし凛が狙われたら俺と幹也は脊髄反射で動いちまう。そしたら多分終わる。」

 

凛「・・・分かった。」

 

太一「けど、ありがとな。」

 

凛「太一・・・」

 

幹也「凛はそこで待ってろ。」

 

2人がツインヘッドドラゴンに向かって走り出す。

 

 

 

 

ドラゴン「来たか。」

 

太一「待たせたな!」

 

幹也「よう!眩しいお姿してるな!」

 

太一(エアリアル居るか?)

 

心の中でエアリアルを呼ぶ。だが、彼女からの返事が無い。

 

太一「ダメか。こないだのあれはやっぱりまぐれか・・・じゃあ仕方ねぇ!ガチの勝負にさせて貰うぞ!」

 

先手必勝で太一が飛ぶ。

 

太一「うおおおおおお!!」

 

パンチを繰り出すが、ツインヘッドドラゴンが右手で受け止めた。

 

幹也「さぁ、一緒にサンバを踊ろうぜ!!!」

 

蜘蛛の糸の弾丸を連射しながら幹也が走る。しかしツインヘッドドラゴンには通用せず。

 

太一「ぐああああ!!」

 

幹也「太一!はっ!ぐはあっ!!」

 

ツインヘッドドラゴンの尻尾が太一と幹也に直撃した。

 

 

 

 

凛「太一!!幹也!!」

 

すると凛の真横を、青い炎が飛んで来た。

 

凛「っ!?」

 

その青い炎は、ドラゴンの火球によるものだった。

 

凛「手を出すなって事・・・!?」

 

 

 

 

ぶっ飛ばされた太一と幹也が起き上がる。

 

幹也「ってぇ・・・こりゃあ強烈だねぇ・・・」

 

太一「全くだ。ドラゴンってのはマジで強ぇな・・・まるで蟻と猛獣じゃねぇか・・・」

 

幹也「にしても今の一撃・・・やろうと思えば致命傷に出来たはずだ。」

 

太一「だったら何故手加減した?そもそも人と魔物の争いに何故ドラゴンが?」

 

幹也「恐らく、主催者が起こした人生設計だろう。こうでもしないと気が済まないと思ってるに違いない。」

 

 

 

 

アナスタシア「太一君。幹也君」

 

 

 

 

太一「アナ!」

 

幹也「アナスタシア!?」

 

何故かそこにアナスタシアが来た。

 

太一「何でこんな所・・・っ!!」

 

アナスタシア「あ!大変!すぐに手当しないと!」

 

幹也「ん?」

 

太一「ってか何で居るんだよ!?」

 

アナスタシア「え?」

 

すると、アナスタシアの目の瞳が戻った。

 

アナスタシア「私どうして・・・だってさっきまで・・・」

 

太一「覚えてないのか?」

 

アナスタシア「分からない・・・でも太一君の足手纏いになるつもりなんて・・・」

 

幹也「アナスタシア。もしかしてだけど君、洗脳されたんじゃ?」

 

アナスタシア「洗脳?・・・あ!」

 

太一「兎に角ここは危険だ!今すぐ・・・あ!!」

 

ドラゴンがブレスを放とうとしてる。

 

太一・幹也・アナスタシア「!!!」

 

 

 

 

凛「ダメ!!!!」

 

 

 

 

ブレスが3人を直撃しようとした時。

 

幹也「2人共・・・ごめん!!!」

 

咄嗟に幹也が2人を蜘蛛の糸で縛って投げ、ブレスを受けてしまった。

 

 

 

 

 

 

ブレスを受けた幹也に、太一と凛とアナスタシアが駆け寄った。幹也の口から血が流れてる。

 

幹也「・・・・・」

 

太一「幹也!!起きろ幹也!!おい!!」

 

凛「幹也!!」

 

アナスタシア「幹也君!!!」

 

幹也「・・・・太一・・・・アナスタシア・・・・悪いな・・・」

 

太一「いい!喋るな!ジッとしてろ!」

 

アナスタシア「どうして・・・幹也君・・・」

 

幹也「・・・何だろう・・・咄嗟に動いちまった・・・だけだ・・・」

 

太一「お前・・・・」

 

幹也「折角ここまで来れたってのに・・・・俺はもうダメっぽい・・・・」

 

太一「もう喋るな!!死ぬぞ!!」

 

幹也「悪い太一・・・・俺疲れちまった・・・・少し・・・・眠る・・・・わ・・・・」

 

その言葉を最後に、幹也が力尽きてしまった。

 

凛「幹也・・・・・・!!!」

 

アナスタシア「・・・・・・・!!!」

 

幹也「うああああああああああああああ!!!!!」

 

彼の悲痛の叫びが響き渡った。

 

太一(何だよ幹也・・・!!一緒に元の世界へ帰るって・・・約束したのに・・・!!)

 

凛・アナスタシア「・・・・・・・・」

 

太一「寄越せ・・・早く寄越せよ・・・何黙り決め込んでんだよ・・・居るんだろそこに・・・」

 

凛「太一・・・・?」

 

アナスタシア「太一君・・・・?」

 

太一「だったら!!!とっとと出て来て力を寄越せ!エアリアル!」

 

エアリアル『そう!その強い気持ちが必要だったんだよ!太一!!』

 

 

 

 

太一「っ!!」

 

ふと目を明けると、草原の空間に居た太一。その後ろに、エアリアルが居た。

 

太一「お前!!!」

 

エアリアル「ごめん・・・なさい・・・」

 

太一「どうして!」

 

エアリアル「私は精霊。太一は精霊を使役する召喚術士。術者の命令無しに精霊が勝手に力を使う事は許されない。それがこの世界の理。冒してはならない掟なの。」

 

太一「でもこないだは・・・!」

 

エアリアル「あれは特別・・・太一自身の命が危なかったから・・・正式な契約じゃない・・・」

 

あの時の契約は、少しの力を与えれくれなかった仮の契約だった。

 

太一「契約・・・?」

 

エアリアル「術者が精霊に力を寄越せと命令する事。精霊の力を受け入れる覚悟は術者にある事。正式な契約を結ぶにはこの2つの条件が絶対に必要なの。」

 

太一「そう・・・だったのか・・・」

 

エアリアル「だから・・・ごめんなさい・・・」

 

太一「いや、悪いのはお前じゃないよ・・・幹也を死なせてしまったのは俺のせいだ・・・力を受け入れる・・・その覚悟が俺になかったせいだ・・・」

 

エアリアル「太一・・・」

 

太一「ざまぁないよな。チートだとか言って幹也みたいに良い気になって。その癖どっかでビビってたんだ。人を超えた力、そんなもん自分に使えるのかって。でも・・・やっと分かった。この世界で俺の成すべき事。皆を守る力が欲しい!力を寄越せエアリアル!」

 

エアリアル「承知しましたマイマスター。今後はエアリーとお呼び下さい。」

 

するとエアリアルが光り、太一との契約が正式に成立した。

 

 

 

 

戦場。

 

凛「太一・・・・」

 

太一「凛。アナ。幹也を頼む。」

 

凛「・・・・」

 

アナスタシア「・・・・」

 

幹也を託し、太一が立ち上がり、全身が光り輝いた。

 

太一「凛、アナ。俺、召喚術士になった。」

 

 

 

 

 

 

ツインヘッドドラゴンへ歩く。

 

太一「エアリー、そこに居るか?」

 

エアリアル『うん。』

 

太一「一発で決める。」

 

エアリアル『うん。』

 

ツインヘッドドラゴン「ほう、我のブレスを受け再び挑んで来るとは見上げた胆力よ。」

 

太一「聞きたい事がある。なぜ上位種族であるドラゴンがこの戦争に介入する?目的は何だ?どうしたらこの戦いから手を引く?」

 

ツインヘッドドラゴン「ならば人の子よ、汝の真の力を我に見せるがよい。させればその問いに答え、且つここから退いてくれよう。」

 

太一「分かった!」

 

ツインヘッドドラゴン「行くぞ!この一撃受けてみよ!」

 

飛翔したツインヘッドドラゴンが、赤と青のブレスを同時放射した。

 

太一「っ!!」

 

力を発揮した太一が風の魔術を発動し、2つのブレスと激突する。

 

ツインヘッドドラゴン「ウオオオオオオオオ!!!」

 

太一「うおおおおおおおおおお!!!!!!こんのおおおおおおおおおお!!!!!」

 

風の魔術の威力が増大した。

 

ツインヘッドドラゴン「ヌオオオ!?」

 

風の魔術が、ツインヘッドドラゴンを倒した。

 

太一「・・・・・・」

 

ツインヘッドドラゴン「見事であった。望みに応えよう。我がこの戦に介入したのは、ある御方に依頼された為だ。目的は汝と戦う為。」

 

太一「俺と?どう言う事だ?」

 

ツインヘッドドラゴン「最後に1つ忠告しておこう。これからも汝にはあの御方からの導きが続くであろう。」

 

太一「導き?」

 

ツインヘッドドラゴン「だがそれはこの国に、この世界に必要な事。あの御方の考えに賛同したからこそ我も力を貸したのだ。汝、ゆめゆめ忘れるな。汝の宝を守りたくば強くなれ。」

 

助言を残したツインヘッドドラゴンが、空の彼方へ去って行った。

 

太一「強く、か・・・」

 

 

 

 

その後、太一が幹也に寄った。

 

太一「幹也・・・あの時俺が助けてやれなくてごめん・・・」

 

凛・ミューラ・レミーア・パル「・・・・・・・」

 

アナスタシア「太一君・・・・」

 

太一「俺を恨むなら・・・今からでも恨んでくれ・・・」

 

???「別に恨んではないけど?」

 

太一「いや・・・出来るだけ恨んでくれ・・・!」

 

???「でもこの状況だと、俺がお前に恨まれるかも。」

 

太一「そんな事は・・・・え?」

 

死んだはずの幹也が起き上がった。

 

幹也「やっと気付いたんか。遅いってお前。」

 

太一「み・・・幹也・・・!?お前死んだんじゃ・・・!?」

 

幹也「勝手に殺すなよ。疲れたから少し眠るって言っただろ?俺の体温確かめなかったのか?」

 

太一「・・・・・お前なぁ!!!!」

 

幹也「ぐえっ!!」

 

嬉し泣きしながら幹也の首を腕で掴んで、こめかみをグリグリする。

 

太一「心配させやがって!!!!!」

 

幹也「何だよ!!お陰でお前が召喚術師になれたんだから結果オーライじゃねぇか!!」

 

太一「そう言う事じゃねえんだよ!!!!」

 

アナスタシア「良かったね・・・太一君・・・」

 

凛「全く、幹也ったら・・・」

 

 

 

 

 

 

謎の空間。

 

影の女「そう、実験は成功したんだ。」

 

猊下「はい。あの力、少年は正式に風の精霊と契約を交わしたものと。」

 

影の女「なら、早く次の導きに入らないとね。」

 

猊下「御意。既に準備は着々と。」

 

影の女「ふふふっ・・・楽しみだな。町の次はそう、国と行こうか。」

 

王都に蠢く陰謀。

 

『END』




         キャスト

      西村太一:天崎滉平
       吾妻凛:高橋李依
      雲居幹也:佐藤元
      ミューラ:田中美海
      レミーア:大原さやか

       カシム:下野紘
    アナスタシア:真野あゆみ
     ミロ・メロ:木野日菜
     エアリアル:久保ユリカ
        パル:伊藤美来

     ジェラード:魚建
       冒険者:真木駿一
           藤原侑聖
           江頭宏哉
           八木岳
       クルト:岩田恭侑
      アデリナ:牧田彩華

ツインヘッドドラゴン:楠大典

       影の女:生天目仁美
        猊下:平川大輔

次回・王都ウェネーフィクス
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。