異世界チート三重奏《トリニティ》   作:naogran

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あの魔物の大進行からしばらくが経った。防衛戦の傷跡は決して浅くはない。だが、アズパイアの町は、何時もの日常に戻りつつだった。彼ら前を向き、笑顔で居る事が、あの日失われた命への弔いになると思う。




あの防衛戦の後、アナスタシアは自分の今までの罪を償う為、アズパイアの町を発った。




数日後。レミーアの家。

太一「では。召喚。エアリアル。」

エアリアル「呼んだ?太一。」

精霊のエアリアルが出現した。

レミーア「おお!」

ミューラ「可愛い!」

エアリアル「そんな事ないよー。」

幹也「あざとい・・・」

パル「宜しくエアリアル!私はパル!蜘蛛の精霊だよ!」

エアリアル「宜しくね!」

レミーア「精霊を容易に呼び出して具現化するとは。太一、腕を上げたな。」

太一「いや、それ程でも。」

エアリアル「太一も成長したね。」

太一の頭を撫でた。

凛「私達も負けてられないね!」

ミューラ「えぇ。鍛錬を重ねてもっと強くならないと。」

幹也「このまま太一に置いて行かれるのはアカンからな。」

レミーア「皆、良い傾向だ。」

ミューラ「・・・ん?」

太一・凛・幹也・パル「ん?」




1台の馬車が護衛隊と共にやって来た。その馬車には、ある紋章があった。




幹也「馬車?護衛付けてる。」

太一「レミーアさんの知り合い?」

凛「あの紋章は・・・」

レミーア「王家の使いだな。」

ミューラ「え?」


第8話・王都ウェネーフィクス

王家の使いが、レミーアの家に招かれた。

 

アルセナ「初めまして。私はノーマン公爵家の娘、アルセナ・ノーマンでございます。ジルマール国王陛下からの使いで参りました。」

 

太一「国王って・・・王様の事だよな?」

 

幹也「そうだな。」

 

凛「国王のお使いって・・・」

 

ミューラ「何かしら?」

 

レミーア「以前より、きな臭い噂は聞いていたが・・・」

 

アルセナ「本日は、皆さんのお力をお借りしたくお迎えに上がりました。一緒に王都ウェネーフィクスまでお越し頂けないでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

馬車に乗り、王都ウェネーフィクスへ向かう。

 

凛「それにしても、王宮からの急な呼び出しなんて・・・」

 

ミューラ「穏やかじゃないわね。」

 

幹也「余程、何かドッタンバッタン大騒ぎになっているのかもな。」

 

太一「zzz・・・・」

 

1人爆睡してる太一に、凛が頬を引っ張る。

 

凛「何時まで寝てるの?」

 

太一「うぐ!?何すんだよ・・・」

 

幹也「王家の馬車で寝れるとか、お前のその神経に感心するわ。」

 

アルセナ「どうぞゆっくりお休み下さい。ウェネーフィクスまで後少しです。」

 

太一「すっかり目覚めちまったよ。」

 

パル「あはは。凛のお陰で眠気覚めたみたいだね。」

 

レミーア「なら丁度良い。改めてこの者達に我が国の状況を説明して貰えないだろうか?」

 

凛「あの・・・王宮で何か揉め事が起こっているのですか?」

 

アルセナ「はい。エリステイン魔法王国はここ30年余、国王派と王弟派。2つの勢力の均衡によって政が執り行われています。他国と積極的に手を組み外交に力を入れるジルマール陛下に対し、弟君のドルトエスハイム公は何かと反発を続けておられました。」

 

太一「はあ。国際化思考の王様vs保守派の弟って感じか。」

 

幹也「随分派手な兄弟喧嘩だな。」

 

アルセナ『そのような中 陛下は魔術師の国外派遣政策を打ち立てられたのです。魔法王国という名の通り、我が国の魔術師は数も質も世界一です。しかし王弟派は徒に、魔術師とその知識を流出させればこの国の優位性が失われると・・・」

 

レミーア「遂に反旗を翻したと言う訳か。」

 

アルセナ「内乱が起こりつつあります。何時戦が始まっても可笑しくない、大変危険な状態です。ですから皆さんをお呼びしたのです。」

 

太一「それってつまり・・・戦に参加しろって事か?」

 

幹也「どうやら俺達、徴兵されたって言う訳か。」

 

凛「戦?戦争に私達が?」

 

レミーア「・・・・」

 

パル「ん?ねぇ、あれがウェネーフィクスだね。」

 

アルセナ「はい。あれが王都ウェネーフィクスです。」

 

馬車の窓に王都ウェネーフィクスが見えた。

 

 

 

 

 

 

王都ウェネーフィクスに到着した。

 

太一・凛・幹也・ミューラ・パル「っ!?」

 

ウェネーフィクスには、国民1人も誰も居ない静寂に包まれていた。

 

太一「これが王都ウェネーフィクス!?まるでゴーストタウンだな。」

 

幹也「大規模な心霊スポットだな。」

 

家の窓からこちらを見てる人達が、次々と窓を閉めた。

 

 

 

 

展望台。

 

アルセナ「このようになって、もう随分経ちます。」

 

太一「活気があったら、とても素敵な美しい町なんだろうな。」

 

アルセナ「レミーア様どうなさいましたか?馬車の中からずっと何か考え込んで・・・」

 

レミーア「ちょっとな。つかぬ事を聞くが、王は太一と凛と幹也について何か言ってなかったか?」

 

アルセナ「っ・・・いえ、特には・・・ただ”何としても3人をお連れするように”とは仰っておられました。」

 

レミーア「・・・・」

 

アルセナ「そろそろ馬車に戻りましょうか。」

 

馬車に戻ろうとした時。

 

太一・凛・幹也「っ!!!」

 

何処からか矢が飛び、太一がアルセナを後ろに下がらせ、幹也が矢を掴んだ。凛とミューラが前に出る。

 

太一「これは物騒なお出迎えだな。」

 

幹也「みたいだ。初っ端から殺しに来るとは、洒落た事しやがるぜ。」

 

 

 

 

 

 

王都・ドルトエスハイムの館。

 

ドルトエスハイム「しくじったか。」

 

刺客「申し訳ございません。」

 

ドルトエスハイム「前評判は眉唾では無かったと言う事か。」

 

イニミークス「ドルトエスハイム公、どうか速やかなご決断を。この国を守れるのは貴方しかいらっしゃいません。」

 

ドルトエスハイム「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

王城・玉座の間。

 

幹也「・・・・・」

 

ここに居る重役達は、太一達を睨むように見ている。

 

太一「凄ぇ見られてるんですけど・・・」

 

凛「あまり歓迎されてないみたい。」

 

幹也「俺達をまだ信用していないみたいだ。」

 

玉座の前に着いた。

 

アルセナ「ご紹介します。ベラ・ラフマ宮廷魔術師長に・・・王国軍総司令官スミェーラ将軍。そしてあちらがシャルロット・エリステイン王女殿下でいらっしゃいます。」

 

パル(彼女が王女様って訳だね。)

 

ドアが開き、国王陛下ジルマール・エルステインが現れた。凛と幹也とミューラが頭を下げる。頭を下げてない太一を、幹也が無理矢理頭を下げさせた。

 

ジルマール「面を上げよ。遠路遙々ご苦労だった。余がジルマールだ。先のアズパイア防衛戦の活躍ぶりは伝え聞いている。誠に見事であった。」

 

レミーア「前口上は結構。おいジルマール、とっとと本題に入って貰おうか。」

 

幹也(レミーア!?国王にタメ!?)

 

大臣「無礼者が!」

 

スミェーラ「落ち着け。」

 

ジルマール「スミェーラ、ベラ。皆を下げさせてくれ。」

 

スミェーラ『はっ!』

 

ベラ「はい。」

 

重役達を下げさせた。

 

ジルマール「変わらぬな、レミーア殿。」

 

レミーア「そっちもな。」

 

凛「レミーアさん・・・」

 

太一「おいおい、国王にタメ口って・・・」

 

幹也「どうやら旧知の仲みたいだ。中々のチートぷりだ。」

 

レミーア「話は聞いた。ドルトエスハイムとは一触即発の状態のようだな。まぁ知らぬ仲ではない。手を貸そう。ただし こちらにも色々と条件がある。呑めないのなら今すぐアズパイアに引き返すぞ。」

 

ジルマール「手厳しいな。良いだろう。全て望む通りにしよう。」

 

レミーア「交渉成立。素直で宜しい。」

 

ジルマール「アルセナ、後は頼む。」

 

アルセナ「はい。此方へ。」

 

レミーア「あぁ、それともう1つ。大切な事を確認し忘れた。」

 

ジルマール「ん?」

 

レミーア「正直に答えろ。太一と凛と幹也を召喚したのはお前の差し金だな?」

 

太一・凛・幹也「え!?」

 

レミーア「内乱を制圧する為には、途方もなく強力な魔力を有する者の力がどうしても必要だった。違うか?」

 

シャルロット「・・・・」

 

アルセナ「・・・・」

 

太一・凛・幹也・ミューラ・パル「・・・・・」

 

ジルマール「あぁ・・・その通りだ。」

 

太一「マジかよ・・・」

 

ジルマール「其方事を召喚したのは余である。すまない事をした。」

 

太一「すまないって・・・俺と凛と幹也は貴方のせいで突然日常を奪われたんですよ?危うく死ぬ所だったんです。それがまさか・・・人と人との殺し合いの為に呼び出されたなんて!」

 

凛「太一!」

 

幹也「落ち着け!」

 

ミューラ「恐れながら陛下。太一と凛とみきいやは戦はおろか、人殺しも身近ではない平和な地から来たのです。」

 

レミーア「そんな3人が冒険者となり、この国の為に戦おうとしている事を忘れるな!」

 

ジルマール「余が全ての責を負う。」

 

 

 

 

 

 

客室。

 

太一「はぁ・・・緊張した・・・」

 

凛「その割には、国王相手に随分と偉そうな口を利いてたじゃない。」

 

太一「そりゃそうだろ。兄弟喧嘩くらい自分達で解決しろっての。」

 

幹也「その喧嘩が水鉄砲並なら良いんだけどな。」

 

凛「でも、私達を召喚した人が見付かったのは一歩前進かも。」

 

太一「だな。」

 

幹也「凛の言葉に一理ある。」

 

”コンコンコン”

 

幹也「ん?お客さんか?」

 

凛「私が出るわ。」

 

ドアを開けると、アルセナが立っていた。

 

アルセナ「凛様と幹也様も太一様のお部屋に居たのですね。」

 

凛「えぇ。レミーアさんとミューラは王国軍の皆さんと打ち合わせを。」

 

幹也「今は3人だから、ちょっと世間話をってな。」

 

アルセナ「実は・・・3人とどうしてもお話をされたいと仰る方をお連れしました。」

 

凛「私達と?」

 

それは、シャルロットだった。

 

凛「シャルロット王女!?」

 

幹也「王女様!?」

 

シャルロット「申し訳ありません・・・」

 

凛「え?」

 

幹也「ちょちょちょ!いきなり謝罪して・・・一体どうしたんだ?」

 

するとシャルロットの口から、衝撃の言葉が走った。

 

シャルロット「実は・・・3人を召喚したのは私なのです。」

 

幹也「え!?」

 

何とシャルロットは、太一達3人をこの異世界へ転移させた張本人だったのだ。

 

 

 

 

彼女から訳を聞いた。

 

シャルロット「私は、時と空間を操る時空魔道士です。」

 

太一・凛・幹也「・・・・・」

 

シャルロット「3人を召喚したばかりか、魔物の居る草原に放り出すになってしまった事、3人を見付け出すのが遅れてしまった事。全ては私の力不足によるものです。」

 

アルセナ「違います!殿下はジルマール陛下の命に従っただけなのです!術を執り行うまでどれ程お1人でお悩みになったか・・・」

 

シャルロット「いいえアルセナ。愛する我が国、我が民を救いたい。その気持ちは私も強く抱いておりました。王女として当然の務めを果たすべきと自ら決断した事です。」

 

アルセナ「殿下・・・」

 

シャルロット「私は然るべき条件の生命体と繋がるよう、召喚魔法の術式を細かく組み合わせました。」

 

凛「条件?」

 

シャルロット「はい。魔力への適応が出来る事、意思が通える事、言葉を解する事など。」

 

幹也「そっか。この異世界の言葉が分かる理由がそれだったのか。」

 

太一「成る程。そしてその条件にピッタリハマったのが、俺と凛と幹也だったって訳だな。」

 

シャルロット「いいえ、太一さんだけでした。」

 

太一・凛・幹也「え!?」

 

シャルロット「実は召喚の術を行っていた途中に・・・」

 

 

 

 

 

 

召喚術を行おうとした時。

 

仮面の男『・・・・・』

 

ナイフに付着してる血が魔法陣の上に落ちた。その瞬間、魔法陣の光が一瞬で消されてしまった。

 

殿下『嘘・・・!ダメ!そんな!』

 

 

 

 

 

 

太一「その時点で既に弟側の刺客が入り込んでいたのか。」

 

シャルロット「人払いをし、あの場には誰も入れないよう十分気を付けたつもりでおりました。しかし魔力が暴走し制御出来なくなってしまったのです。」

 

凛「それで私と幹也も・・・」

 

太一「で、戻る手段は?」

 

シャルロット「・・・召喚魔法は生涯に一度切りしか行使出来ません。」

 

太一・凛・幹也「え!?」

 

シャルロット「お戻しする手立ても無いのにこのような事をしてしまい、幾らお詫びをしてもお許し頂けないことは承知しております・・・本当に・・・本当に申し訳ありません・・・」

 

太一・凛・幹也「・・・・・」

 

シャルロット「ですが信じて下さい。内乱が鎮まり、この国に平和が戻った暁には必ずや、3人を元の世界に戻す方法を探し出してみせます。私の魂と引き換えにでも・・・!」

 

アルセナ「殿下・・・・太一様・・・凛様・・・幹也様・・・どうか・・・どうか・・・」

 

幹也「アンタ達が責任を負う必要はねぇよ。」

 

アルセナ「え・・・?」

 

シャルロット「・・・?」

 

太一「そうそう。顔を上げてくれよ。」

 

凛「信じます、あなたの事。私達に打ち明けるまで、きっととても苦しまれましたよね。もっと早くにお会い出来てれば良かったですね。」

 

太一「まぁ確かに命の危険はあったっちゃあったけど、ほら俺達チートだし そして何よりこっちに来たお陰で掛け替えのない仲間に出会えた。」

 

幹也「それに俺達、こっちの世界を満喫しているし。」

 

太一「俺も凛も幹也も仲間たちを守りたい。それって、あなたが国を守りたいって思いと同じだろ?だったら、とっとと揉め事を片付けようぜ。戻るのはその後でも全然遅くないからさ。」

 

幹也「まぁ、転移された時に戻れば良いけど。」

 

シャルロット「・・・ありがとう・・・ございます・・・ありがとうございます・・・」

 

するとレミーアがやって来た。

 

レミーア「太一、幹也、今すぐ外に出ろ。」

 

太一・凛・幹也「?」

 

 

 

 

 

 

闘技場。

 

太一「ちょっ、どう言う事?」

 

幹也「何で俺達剣持たされて闘技場に立ってんの?」

 

すると相手側の扉が開き、スミェーラと3人の女性が入場した。

 

太一「え!?確か王国軍総司令官のスミェーラ将軍!?」

 

幹也「それで、あの3人は誰だ?」

 

スミェーラ「ジルマール国王陛下はお前達の力を随分と買っているようだが、その実力どれ程のものか直接私が試させて貰う!」

 

女性「あなた達の実力、拝見させてくれるかしら?」

 

スミェーラが太一に向かって走る。

 

太一「え!?いきなり!?」

 

スミェーラ「はぁっ!!」

 

太一「くっ!!」

 

両者の剣がぶつかる。

 

幹也「太一!」

 

太一「ここは俺が!お前はあの3人の相手をしろ!」

 

幹也「分かった!」

 

3人の女性へ走る幹也。太一とスミェーラのバトルは激しさを増した。

 

太一「凄ぇ威力・・・!」

 

スミェーラ「殺すつもりで行くぞ!お前の方が断然強いのだろう!?ならば手加減をする気はない!」

 

 

 

 

そして幹也は、3人の女性の前に立つ。

 

幹也「俺のお相手か。」

 

シンシア「私はシンシアよ。」

 

ミリアム「ミリアムだよ!」

 

クララ「私はクララ。」

 

幹也「アンタ達は姉妹か?」

 

ミリアム「ピンポーン!正解だよ!」

 

シンシア「それじゃあ、早速始めるわよ。ーーーーーー♪」

 

突然シンシアが歌い、ミリアムとクララの全身が赤く発光した。

 

幹也「ん?」

 

ミリアム「はああぁぁぁ!!」

 

クララ「えいっ!!!」

 

幹也「っ!!」

 

迫る2人をジャンプで避け、蜘蛛の糸を射出する。

 

クララ「ブレイズ!」

 

持ってる剣に炎が纏い、蜘蛛の糸を燃やした。

 

ミリアム「やああぁぁぁぁぁ!!」

 

幹也「っ!!」

 

ミリアムのパンチを、蜘蛛の巣を展開して防ぐ。

 

幹也「凄え力・・・!もしや魔術師か!?」

 

ミリアム「そうだよ。私は打撃攻撃に魔術を蓄えて戦う格闘魔術師(ファイターマジシャン)!」

 

クララ「私は剣術魔術師(ソードマジシャン)よ。剣に凡ゆる魔術を纏わせれるの。」

 

幹也「シンシアの歌と同時に、2人の身体が全身赤く発光した。差し詰め、歌唱魔術師(ソングマジシャン)と言った所か。面白い、全力で行くぜ!!」

 

 

 

 

 

 

凛「え?この練習試合をスミェーラ将軍とシンシア達に提案したのってレミーアさんなんですか?」

 

レミーア「まぁな。スミェーラの率いる王国軍の兵士達にとって、太一を初め私達は完全なる余所者。戦闘能力についても半信半疑だ。シンシア達は自ら立候補したんだ。幹也の実力を確かめたいと。早急に信頼関係を築く必要がある。」

 

ミューラ「えぇ。その為には実践を見せるのが一番。」

 

 

 

 

 

 

スミェーラ「はぁっ!!」

 

太一「こんのっ!」

 

魔術で太一の剣を押し込むが、太一がゴリ押しで押し返した。

 

スミェーラ「その程度か!」

 

太一「だったらこっちも・・・!召喚エアリ・・・(いやエアリィを召喚するのはダメだ。相手が人じゃ殺しかねない!)」

 

スミェーラ「何をぼけっとしている。さっきも言ったはずだ。こっちは殺すつもりだと。」

 

太一(ここは魔力強化のみで切り抜けるしか・・・!)

 

足で砂を蹴って、スミェーラの目潰しを図った。

 

スミェーラ「目潰しとは!失明したらどうしてくれる!」

 

振り下ろしたスミェーラの剣を、太一が剣で防いだ

 

太一「殺しに来てるヤツに言われたかねぇ!」

 

魔力強化で押し出し、スミェーラの剣を折った。

 

スミェーラ「面白くなって来たな。」

 

折れた剣を捨て、肉弾戦で太一と戦う。

 

 

 

 

アルセナ「無敵のスミェーラ将軍とここまでやり合うなんて・・・」

 

 

 

 

スミェーラ(打ち合う程に研ぎ澄まされていく・・・こんな男は初めてだ!)

 

太一「こんの!!」

 

スミェーラのパンチを避け、キックで彼女を転ばせてマウントポジションを取って拳を振り上げる。

 

太一「っ!!!」

 

パンチがスミェーラの横を殴った。

 

スミェーラ「参った。完敗だ。」

 

太一「はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

一方幹也は。

 

幹也「ドララララ!!」

 

蜘蛛の糸の弾丸を連射し、3姉妹の全身に付着させた。

 

クララ「これで動けなくしたつもり?」

 

ミリアム「悪いけど、これで勝負付けさせて貰うよ!」

 

シンシア「ーーーーーー♪」

 

俊敏強化の歌でミリアムとクララの全身が青色に包まれた。2人がジャンプし、拳と剣を振り上げる。

 

ミリアム・クララ「はああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

幹也「フッ」

 

”パチン!”

 

指を鳴らした幹也。すると。

 

シンシア「キャアアアアーーー!!!」

 

ミリアム・クララ「え!?」

 

突然シンシアが悲鳴を上げた。

 

シンシア「く、蜘蛛!いや!来ないで!!」

 

彼女の全身に数匹の蜘蛛が張り付いてる。

 

ミリアム「お姉ちゃん!?ん?」

 

クララ「シンシア姉ちゃん!?ん?」

 

ミリアム・クララ「キャアアーーー!!」

 

2人の身体にも数匹の蜘蛛が蠢いている。

 

幹也「イリュージョンスパイダー。付着した者にしか見えない幻の蜘蛛だ。」

 

シンシア「ま、まさかあの蜘蛛の糸は・・・!?」

 

幹也「ああ、わざとだ。お前達を屈服させるのはそれしか無くてな。

 

クララ「早く取って!蜘蛛嫌い!!」

 

ミリアム「気持ち悪いよ!!」

 

幹也「おいおい、蜘蛛は益虫だぞ?気持ち悪いとか嫌いとか。もっと敬ってあげても良いんじゃねえの?」

 

シンシア「わ、分かったわ!私達の負けよ!だから早く消して!」

 

幹也「素直で宜しい。」

 

”パチン!”

 

もう1度指を鳴らすと、3人に付着してるイリュージョンスパイダーが消えた。

 

シンシア・ミリアム・クララ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

幹也「ちょっと過激過ぎたか。お、あっちも終わったみたいだ。」

 

 

 

 

 

 

対決が終わった後。

 

スミェーラ「試した事を詫びよう。見事だ。」

 

太一「いや当然でしょ。余所者の上にどう見たって俺はガキだしな。」

 

シンシア「幹也。あなたの実力を拝見したわ。噂通りね。」

 

ミリアム「急に決闘させてごめんなさいね。」

 

クララ「お詫び申し上げます。」

 

幹也「いや、3人も良かったぞ。見事な連携だ。」

 

スミェーラ「所でこれは提案だが・・・」

 

太一「ん?うおあ!?」

 

突然スミェーラが太一を押し倒した。

 

太一「あ、あの・・・」

 

スミェーラ「お前、私を娶る気はないか?」

 

太一「な・・・!?」

 

 

 

 

凛「はあ!?」

 

ミューラ「まあ!」

 

 

 

 

幹也「ほえ!?」

 

スミェーラ「正妻にと決めている女がいるならば、妾でも良いぞ。お前は私の求めている条件にピッタリの男だ。」

 

太一「な・・・何を・・・!?」

 

スミェーラ「こう見えても私は尽くす方だし高給取りだ。悪くないだろう?」

 

幹也(収入で誘惑してる・・・)

 

スミェーラ「子供は最低3人。年の差は気にするな。私の家系は老けるのは遅いぞ。」

 

太一「いや・・・あの・・・いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。太一と幹也とパル(蜘蛛の姿)は王城の屋根上に寝そべってる。

 

太一「濃い1日だったぜ。」

 

パル「まさか将軍様から告白されるなんてね。」

 

太一「いきなりだもんな・・・」

 

幹也「まぁ無事抜け出せたんだし良かったじゃん。」

 

太一「召喚。エアリアル。」

 

エアリアル「こんばんは太一。どうしたの?」

 

太一「いや綺麗な景色だから、エアリィも一緒にどうかと思ってさ。」

 

エアリアル「キャー!デートのお誘いされちゃったー!」

 

幹也「おぉ。エアリアルの気分が上々。」

 

太一「デート・・・まぁそう言えなくもないか。」

 

エアリアル「なーんて。太一、私はお見通しだよ。何か悩んでる。」

 

太一「威力が強過ぎる。自分の力は人間相手だともれなく殺しちまうだとかエグ過ぎる。そっか、太一は怖いんだね。誰かを傷付けてしまう事が。」

 

太一「怖い・・・そうかも知れない。今までの敵は魔物だった。でも今度は人だ。ましてや戦になれば相手は普通の兵士達。それに凛・・・アイツには人を傷付けて欲しくないんだ。ここが異世界であっても元の世界に帰った時、アイツが普通の高校生に戻れるように。アイツの手を血で汚す位なら・・・」

 

エアリアル「優しいね。太一。」

 

幹也「流石凛の将来の旦那さん♪」

 

太一「茶化すな!!」

 

幹也「にしし♪」

 

 

 

 

 

 

凛の部屋をノックする。

 

太一「もう寝たか?」

 

幹也「ん?鍵開いてる。」

 

部屋のドアを開けた。

 

太一「凛、鍵開いてるぞ。」

 

幹也「俺の部屋と太一の部屋の何倍も広いじゃん。一体幾つ扉があるんだよ?」

 

1つのドアを開けた。

 

太一「凛。」

 

凛「ん?」

 

彼女は風呂上がりの状態だった。

 

太一「あ・・・」

 

凛「あ・・・」

 

幹也「どした太一?ん?ゲッ!!」

 

下着姿の凛を見た幹也が逃げ出した。

 

太一・凛「うわあああああああ!!!!」

 

すぐに太一が浴室のドアを閉めた。

 

凛「見たでしょー!」

 

太一「見てません!何も見てません!パンツなんか見てませーーーん!!!」

 

幹也「見ちゃってるじゃねーか!!!」

 

 

 

 

 

 

王城・大聖堂。

 

シャルロット「天地を統べる尊き女神よ。伏し願い奉る。何卒 異邦より来たりし少年と少女に祝福を。」

 

???「まだいらしたのですか。」

 

シャルロット「ロドラ枢機卿。今の私に出来るのはこうして祈りを捧げる事だけですから。」

 

ロドラ「美しい魂が唱える祈りには大きな力が宿ります。殿下の祈りはきっと届くでしょう。」

 

シャルロット「優しいお言葉をありがとうございます。」

 

ロドラ「ですが今夜はこの辺に。お体に障りますよ。」

 

シャルロット「はい。おやすみなさいませ。」

 

大聖堂を出たシャルロットを見たロドラが。

 

ロドラ「ふっ・・・」

 

不敵な笑みを浮かべた。彼は一体・・・

 

『END』




         キャスト

      西村太一:天崎滉平
       吾妻凛:高橋李依
      雲居幹也:佐藤元
      ミューラ:田中美海
      レミーア:大原さやか
     エアリアル:久保ユリカ
        パル:伊藤美来

    シャルロット:末柄里恵
     ジルマール:家中宏
       ロドラ:平川大輔
      シンシア:佐藤利奈
      ミリアム:照井春佳
       クララ:菱川花菜

      アルセナ:大西沙織
     スミェーラ:井上麻里奈
        ベラ:逢沢ゆりか
  ドルトエスハイム:斉藤次郎
    イミニークス:日野聡

        大臣:室元気
        騎士:藤原侑聖
           八木岳

次回・戦のはじまり
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