ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘   作:雅媛

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第一章 学園入学まで
1 気が付いたらライスシャワーだった


 ライスシャワーというウマ娘にどんな印象を抱くだろうか? 

 ヒール。悲劇のヒロイン。そう言った印象があるウマ娘であると思う。

 見た目はかわいらしいが、性格は悲観的で、しかも不運を引き寄せやすい体質もあるのだから、あまり恵まれた環境には思えないだろう。

 

 

 

 そんなライスシャワーに転生してしまった。

 それに気づいたのは3歳の物心がついた時だった。

 まあ名前を呼ばれるし、鏡で見た外見もライスシャワーを幼くした感じだし、疑いようもないだろう。

 それに気づいてすぐ心配になった。なんせ、不幸を呼び寄せるウマ娘だ。大変なウマ娘生になりそうであり、せっかく転生なんてしたのだからもっといい生活がしたい、なんてわがままなことを考えていた。

 

 そんな感じでライスシャワー生活を始めて少し経って気づいた。ライスシャワー、すさまじい勝ち組だと。

 

 まず、実家が太すぎる。

 ライスシャワーの実家は日本有数の海運会社である。両親が海外にいてあまり会うことがない、なんていう描写がアプリであったが、それも納得できるぐらいの巨大な会社である。両親ともにそんな大きな会社の幹部として働いているのだからそりゃ世界中を飛び回ることになる。

 そして、そんな夫婦の一人娘であるお嬢様ウマ娘が私である。文句なしのぶっちぎりお嬢様だ。

 希望はなんでも叶うし、欲しいといわなくても欲しい物が与えられるレベルの世界である。意味が分からない。あまりに何でも買ってもらえるものだから罪悪感がすごい。何か貰うのを断る方に苦労した。

 

 物だけではない。愛情もたっぷりである。なかなか会えない両親だが、愛情がないとかそういうことは全くない。というかべた甘である。

 日本に帰ってくるのは年に2、3回といったぐらいだが、帰国すると一直線に家に帰ってきて私に引っ付き続ける。物理的に抱きしめてくるのだ。 どれだけ娘に飢えているのだと思うぐらいずっと一緒である。

 特に母の方がうっとおしい。おはようからおはようまでべったりである。父が若干ハブられてかわいそうになるぐらいずっとべったりである。あまりにべたべた甘すぎて愛されるので罪悪感に駆られて、自分が前世の記憶を引き継いでしまっていることを白状してしまったこともあった。だが、両親ともすごい、天才だ、というだけで全く気にしていなかった。愛が重すぎて怖い。両親が日本に住んでいなくてよかったと思うぐらいである。

 

 両親がいないときも、親族のお姉様やお手伝いさんが一緒に居てくれるので、寂しいと思ったことはなかった。

 そして親族のお姉様である。父方の妹なのだが、なんとマルゼンスキーさんである。年齢も10ぐらいしか離れておらず、何よりもすごい美人なので、叔母様というのがはばかられてお姉様と呼んでいる。

 車の運転の時にスピード狂になる欠点があるが、それ以外は優しくて足が速くて何よりも絶世の美人という、とてもいいお姉さんである。

 物心ついたころからたびたびうちには遊びに来ていたが、トレセン学園を卒業し大学に通い始めたころから、何があったのかうちに居候をし始めた。なので、夜とか一緒に寝てくれるし、お風呂なんかも一緒に入って尻尾や髪を洗ってくれるのだ。かなりの時間を私と過ごすのに使ってくれて、そのせいで大学生活が楽しめているのか少し不安になったが、嬉しいのは嬉しいものであった。

 

 いいことばかりではないのは確かである。不幸属性はデフォルトなのか今の私にも付きまとった。遠足の時は毎回雨が降るし、信号は毎回目の前で赤になるのだ。だが、これまで語ったプラスの内容が強すぎて正直全く問題にならない。不幸と言ってもせいぜいちょっとしたことばかりである。赤信号に関しては、マルゼンお姉様がスピード出さなくなるのでちょうどいいぐらいだし、むしろプラスだと思っている。

 

 

 

 

 さて、こんな幸せな生活を送っているが一つ懸念があった。身長である。

 現状幼女の私は、背は小さいし体も細くて、小枝にモサモサの髪の毛が生えているような外見である。

 そして、アプリの知識を基にすると、残念ながら将来はあまり期待ができない。なんせ、身長145cmで、体型もぺったんこ。設定上高等部なので、成長も期待できなさそうな体型であった。

 公式のライスシャワーもそれはそれで可愛いと思うのだが、なんせ私のあこがれはマルゼンお姉様である。身長は160cmぐらいは少なくともほしいし、お胸もマルゼンお姉様みたいな90オーバーのナイスバディを目指したい。

 

「どうすれば、私もお姉様みたいに大きくなれるかな」

 

「いっぱい食べて、いっぱい走れば大きくなれるわよ」

 

 

 マルゼンお姉様に聞いたところ、そんな答えが返ってきた。

 なのでいっぱい食べた。幸い前世から食べるのが好きなので、いっぱい食べるのに苦はない。体の方も、小さい割には非常に健啖家であり、胃腸が強くいくら食べてもおなかを壊したりしなかった。

 だから毎日牛乳を1リットルは飲んでいたし、お肉も人参も好き嫌いせずにいっぱい食べた。ご飯は毎食どんぶり特盛である。

 体より食べた分の方が体積が多そうといわれたりするぐらいよく食べた。おいしいものをたくさん食べられて、私は幸せであった。

 

 

 そして走ることも頑張った。

 走り方やトレーニング方法はマルゼンお姉様が一から教えてくれた。

 なんとマルゼンお姉様、大学卒業後はトレーナーの資格を取ってURAに勤務をしていた。どうやらURAの上級幹部になるにはトレーナー資格の取得が必須らしい。お姉様のトレーナーは理論家の東条ハナトレーナーである。それも引き継いだお姉様の教え方も合理的でわかりやすく、感覚よりも頭で考えてしまう私には非常に合っていた。

 運動しないと太ってタダの球体になってしまいそうなので、こちらも非常に頑張った。ライスシャワーからライスボールになっても両親はかわいがってくれそうだが、この辺りはプライドの問題であった。

 走りのフォームから教えてもらい、毎日家にあるトレーニングコース(なんと自宅にトレーニングコースがあるのだ。金持ちヤバい)を走り、トレーニングルーム(自宅にトレーニングルームまであるのだ。金持ちヤバい)にある器具で筋トレを行う。

 最初はすぐ筋肉痛になったが、毎日繰り返しているうちにどんどん力がついていくのが楽しかった。

 

 最近のマイブームはアニメを見ながら延々とランニングマシーンで走ることである。自宅にあるランニングマシーンの目の前にモニターを取り付けてもらい、好きなものがみられるようにしてもらったのだ。

 速度はマルゼンお姉様が決めたとおりに動くので、それに合わせてアニメを見ながら延々と何時間も走り続けるのだ。

 毎日アニメの1クール分が終わるぐらい走り続けていた。

 

 

 

 

 そんな感じでよく食べて、よく動いて、よく寝て、としていたら、小学校卒業時にはなんと!!! 

 

 140cmまでしか身長が伸びなかった。

 おかしい。予定よりむしろ縮んでいる。あれだけ食べてあれだけ動いたのに身長は全く伸びなかった。多分運命的な何かなのだろう。とても悔しい。

 

 にもかかわらず、体型はいろいろ豊満になった。お胸はとても大きくなったし、トモもパンパンである。幸い腰は括れているからデブではないと信じたい。140cmでマルゼン姉さんより大きいのはアンバランスすぎるんだよなぁ……

 

 努力の結果は悲しいことになったが、それ以外は特に問題もなく、私はトレセン学園に入学することになるのであった。




ライスシャワー
誕生日 3月5日
身 長 140cm
体 重 やや増(これは成長分です)
サイズ B93・W54・H90
男性の記憶も引き継いでしまったウマ娘。
一杯食べて一杯成長したはずだったが横だけだった模様。
間の悪さだけは変わっておらず、なんとなく不運。
【挿絵表示】

雑談スペース
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=291955&uid=349081

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