ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘 作:雅媛
中山競馬場は学園からの移動はいくつか方法がある。
一番メジャーなのは武蔵野線で行く方法だろう。1時間以上かかるが乗り換えなしの一本である。欠点は普通の電車なので移動に多少疲れが出かねないことか。
他には学園が出しているバスもある。学園のレベルに見合った豪華なリムジンバスであり、非常に乗り心地がいいのだが、欠点として朝一番に出てしまうという問題がある。第一レースに間に合う時間10時に間に合うように出発するため、到着予定が午前の8時半。学園を出るのが午前7時半ぐらいになってしまうのだ。ちなみにホープフルステークスの出走はメインレースのため第11レース、15時40分である。大体2時に着けば十分に間に合う。
最後に個人的な移動手段を使う方法である。タクシーでも、誰かに送ってもらうのでも、色々方法がある。
「じゃあ私がタっちゃんで送るわよ」
「遠慮します」
「えー」
「お姉様の運転で高速は乗りたくないです」
断固拒否である。私の不幸体質も信号がある場所にしか効かないのだ。
「バスでいいんじゃないですか? 早い時間のレースって、大体メイクデビューか未勝利戦ですよね? みんな同級生だし」
「大丈夫? 誰にも話しかけてもらえなくて寂しくならない?」
「そこまでボッチじゃないですよ! た、たぶん……」
新馬未勝利合わせれば6レースやるはずで、そのあたりの子は大体乗っているはずである。同学年が50人乗っていれば、クラスメイトも5,6人はいるはずだし、さすがに大丈夫だろう。うん。ダメだったら寝てよう。寝心地も良いと聞いている。
向こうに着いたらレース見ながら時間潰してもいいし、念入りに柔軟体操とかしてもいいかもしれない。3時間ぐらい。アニメ見ながらだと結構できたりするし。
ということで、私は朝一番のバスで現地に向かうことにしたのであった。
現地に着くまでの間、とても楽しく和気あいあいと話す…… なんてこともなく、かといってボッチというわけでもなく、単純に爆睡をしていた。
いやだってさぁ、朝6時ぐらいに起きて準備したから眠かったんだよ。ただ、よく聞くと結構みんな爆睡していたようなので、寝ていたのは私だけではないようだった。
競馬場に到着後は、控室に荷物を置いたら出走予定者専用のラウンジに顔を出す。ひとまず糖分を取って血糖値を爆上げしておこうと思いつつ座ったら、メイクデビューの予定のクラスメイトが集まってきた。
まあメイクデビュー、早くても第4レースで11時過ぎに発走だし結構時間があるのだろう。砂糖が飽和した紅茶を飲みながら、クラスメイトとレースについてたわいもない話をすることにした。
「というかさー、どうすると勝てると思う?」
「いいんちょーみたいに爆走するとかどうです?」
「あれ、多分私だけの走り方ですし、トレーニング方法は教えられますけど今からでは無理かと」
「だよねー あー、緊張するわー」
みんな消化の良い食べ物や飲み物で糖質を取っている。大体お餅、あとはバナナ、飲み物は寒いせいかあったかいものが多いが、はちみードリンクの人もいる。
ちなみに私がいいんちょーと呼ばれるのはクラスを代表する委員であるクラス委員だからだと思うが、別に委員長ではない。なんでいいんちょーなのかは私にもわからない。
「ひとまず全力で走るのがいいかと思いますが…… あー、つまらない答えした!!」
「まあそういう真面目な回答がいいんちょーっぽいですけどね。つまらないけど」
「そうだ、いいんちょー、勝負服着て見せてよ。そうすればこういうの着るために頑張るんだーって目標が見えるかも」
「あー、あと単純にいいんちょーの勝負服見てみたい」
「えー」
なぜか勝負服が見たいという話になったので、控室に戻りさっさと着替えて戻ってくる。
「これなんだけど」
「うわ、えっちじゃん」
「えっちですね」
「えっちだね」
なぜか満場一致でそう結論付けられてしまった。
勝負服はその人を表すというのだから、エッチと言われるといささか不服である。
「なんか私がエッチみたいじゃん!!」
「いや、いいんちょーえっちでしょ」
「ブルボンさんといっつもいちゃいちゃしてるし」
「トレーナーさんともいっつもイチャイチャしてるし」
「うん、やっぱりえっちだね」
「うわーん、みんながいじめるー」
そんなたわいもない話をしながら、適当にレースまでの時間を潰すのであった。