ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘 作:雅媛
本日は入学式である。
そして当然のように雨である。私、ライスシャワーの雨女ぢからが存分に発揮されていた。小学校の入学式も卒業式も雨だったし、遠足なんかも基本全部雨なのだ。残念ながら私の雨女ぢからを相殺できるほどの晴れ女ぢからを持った者は同期にはいないらしい。
このままだと、おそらく重要なレースの時は毎回雨で重バ場であろう。それはそれで利用価値が高そうで、不幸というのとはまた違う何かだと思うが、まあその辺はおいおい考えよう。
なんにしろ雨はいつものことだし、特に気にすることなく雨の中、正門から入学式が行われる体育館へと向かう。
道中には、色とりどりの傘が華のように咲いている。ビニール傘を指している人など居らず、皆傘まで綺麗である。さすがお嬢様学校だ。
かくいう私の傘も、薔薇の模様があしらわれた高級品である。失くすことを考えるとビニール傘の方が良いのだが、お手伝いさんが用意する傘はいつも高級品である。残念ながら数少ない私の我儘は取り合ってもらえなかった。とはいうものの高級な傘はいいものだ。視界の端に映る薔薇模様にご機嫌になりながら、私は道を進んでいくと……
「バクシーン!!!」
傘もささずに走っていくウマ娘が横を通り過ぎた。
雨の中、傘も差さずに走るウマ娘がいてもいい、自由とはそういうことだ。
とはいうけれど、それでも限度があるだろう。びしょぬれで入学式は本人が寒くてつらいし、周りにも迷惑だ。
このままというわけにもいかないだろう。誰かがどうにかしてくれるかもしれないが、他人任せも何なので声をかける。
「すいませーん」
「ちょわ?」
「濡れると大変ですし、傘、一緒に入りませんか?」
そう言いながら、止まった彼女の頭の上に傘を差しかける。相手の返事前だが、彼女の返事を待っていたら余計濡れてしまうだろう。と言っても若干手遅れかもしれないが…… 髪も制服もすでにびっしょりである。
「ありがとうございます! 助かりました!!」
「どうして傘も差さずに走ってたんですか?」
「家が近いものですから、走れば大丈夫かと思いまして!」
「限度があるんじゃないのかなぁ」
「でも、雨より速く走れば濡れないはずですから!!」
「限度があるんじゃないかなぁ!!」
ひとまず彼女の濡れっぷりはタオルが欲しくなるレベルだ。水も滴るイイ女にも限度がある。近くにいた先生らしき人に声をかけると、そのまま私たちは保健室へと連れていかれた。
「助かりました! えっと……」
「ライスシャワーです。ライスと呼んでください」
「私はサクラバクシンオーです! バクちゃんと呼んでくださいライスさん!」
「わかりました、バクちゃん」
バクちゃんはとても元気なウマ娘である。なんとなく全体的にうるさい。
でも外見は非常に美人だ。まだ若干幼さがあるが体格はいいし、顔は整っているし、瞳が桜色なのが何よりも綺麗だ。
さっきみたいにわけのわからないことをすることもあるが、基本聞き分けはいいように思えた。
先生から渡されたバスタオルで、バクちゃんの頭をわしゃわしゃと拭き始める。
「ちょわー」という謎の鳴き声がタオルの中から聞こえた。
「雨の日はちゃんと傘を差さないとだめですよ。濡れると風邪ひいちゃいますし、周りにも迷惑ですから」
「わかりました!!」
「傘は…… 持ってないですよね。今日は、ひとまずこの傘を貸してあげますから」
「ありがとうございます!!」
頭を拭き終わったので、タオルを渡して傘を差しだすと嬉しそうに受け取るバクちゃん。
放置するとこのまままたずぶぬれになりそうだし、私の傘を渡すことにする。おそらく同級生だろうし、そのうちちゃんと返してくれるだろう。
そんなやり取りをしながら時計を確認すると、すでに結構時間が経っていた。
私はそろそろ行かないといけない。会まではまだ時間があるが、首席の私は入学生の代表挨拶があるので、その打ち合わせもあって早めに入らないといけないのだ。
「じゃあ、私は悪いけどもう行くから。バクちゃんはちゃんと体中拭いてから来るんだよ」
「わかりました!! ご親切感謝します!!」
バクちゃんの元気な返事を聞きながら、私はその場を離れるのであった。
同室は誰にしようか
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ミホノブルボン
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ヤマニンゼファー
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トウカイテイオー
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マチカネタンホイザ
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ダイイチルビー
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ナイスネイチャ
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メジロマックイーン