ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘 作:雅媛
皐月賞に出るには、トライアルレースで優秀な成績を得て優先出走権を得るのが一番手っ取り早い。もっとも、優先出走枠以外はそれまでの実績順であり、同じような実績ならば抽選になる形になっている。
私はすでに4戦4勝、GⅠにも勝っているから優先出走権を得なくても出られないことはありえない。毎年大体、抽選ラインは1勝ぐらいであり、2勝すれば出られる場合は多いぐらいだからだ。
まあそれでも私含め皆トライアルレースに出るのは、単純にレースに出なさすぎると勝負勘が鈍るから、というのがある。
私が今回目指しているのは弥生賞であった。
「今日も一緒に走りますよ」
「はーい」
ブルボンちゃんもタンホイザさんも自分の調整があるのもあり、最近はもっぱらクリトライさんと併走をしている。今まで付き合いはなかったが、私の従妹に当たる同期のウマ娘だ。いやまあ、本家の新年のパーティぶっちぎったため、クリの本家からお目付け役として送られてきた部分もあるのだろう。良いじゃない、うちの両親だって出てないし……
ちなみにクリトライさんは先日Pre-OPレースを勝っており皐月賞を目指して私と一緒に頑張っていた。
「ライスさんの今日のメニューは?」
「坂路4本とウッドチップ併走3本の予定だね。トライさんは?」
「併走2本ですね」
「うーん、じゃあ1本は誰か別の人に頼まないといけないか……」
調整モードのトライさんと違って、私は絞らないといけない。
食事制限したくないのでかなりハードなトレーニングをする必要があった。
だがそのせいで、併走相手を探すのにも一苦労である。
同期の人だと結構調整をしているのか軽い人が多いのだ。
ひとまずコース脇の待機スペースへと足を運ぶ。ここで併走相手を探している人は少なくない。きょろきょろしていると……
「ライスさん! 今日も委員長してますか!!」
「こんにちはバクちゃん。きょうもいいんちょーだねぇ」
サクラバクシンオーさんが話しかけてきた。
クラスも違うからあまり付き合いがあるわけではないが、初日の印象があり時々こうやって話したりしている。
「ライスさんは併走相手を探していると見ました! 不詳! このバクシンオーがお相手しましょう!!」
「本当? うれしいな!」
サクラバクシンオーさんとの併走は初めてである。
だが、同期の中では入学前の成績から一番期待を寄せられていたウマ娘である。ジュニア期はじっくりとトレーニングしていたので出ていなかったが、現在とんとん拍子に勝利し、今度のスプリングステークスから皐月賞を目指していると聞いている。ここで一度実力を見てみたい相手だった。
「じゃあさっそく1本行きましょうか」
「おー」
私はバクシンオーさんと一緒にコースに出た。
結論から言えば、バクシンオーさんは化け物クラスに速かった。圧倒的な加速と最高速度は今まで走ったどのウマ娘よりも高かった。
ただ、気になったのはペース配分だ。1周1600mのコースを走ったわけだが、最後は確実にばてていた。1200mのレースならばとても追いつけないだろう。だけど1600mならば十分届きそうだ。ましてや2000mなら……
とはいえ向こうも隠し玉を持っているかもしれない。
「ぜー、ぜー、あ、りがとうございま、した……」
「ありがとうございました、バクちゃん」
何よりそのスピードは本物だ。少しでもペース配分を覚えたら脅威だろう。油断できる相手ではない。
私はクリトライさんと併走2本した後、しっかり坂路も走り体を鍛えていくのであった。
クリトライ(黒い怪物のトレーニングも怪物なのです……)
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