ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘 作:雅媛
パドックから何時ものように誘導ウマ娘さんたちに連れられてコースへと向かう。
こういう大きなレースでも誘導ウマ娘のお姉さんたちはとてもカッコいい。
憧れるが身長が30cm程足りてないのでなかなか悔しい。もっと牛乳を飲むか……
そんなことを考えているうちにコースに着いて、みんな返しウマを始めている。
誘導ウマ娘のお姉さんが行ってらっしゃい、と手を振るので私もコースを走りだした。
左回りに一周して、直線の先にあるスタート位置にたどり着く。
調子は絶好調である。さすがのGⅠだけあって、空気もピリピリしていた。
ブルボンちゃんは2枠4番逃げるには悪くない内側のポジションである。
タンホイザさんは7枠15番かなり外側だが、後ろからレースをするのには逆にいいポジションである。なんせ、バ群に飲まれない。コーナーまで近いと外を回れば回るほど不利になるので位置取りが難しくなるが、中山2000mはコーナーまでの距離が非常に長いので外枠の不利もないだろう。
そして私は5枠9番。ホープフルステークスでバ群に飲まれた、ちょうど真ん中の枠であった。
とはいえおそらくあそこまでマークはされないだろうとは読んでいる。なんせ、私をマークで潰しても、単純にブルボンちゃんが逃げ切ってしまうか、タンホイザさんが差してしまうだろう。
別に皆私を邪魔したくてレースに出ているわけではなく、勝ちたくて、勝てなくてもいい順位に入りたくてレースに出ているのだ。ホープフルのような一強じゃないレースである以上、そういうレース展開になるとは予想していなかった。
とはいえバ群には飲まれそうだが…… まあそのあたりは練習の成果を見せるしかないだろう。
スターターの人が旗を振り、ファンファーレが鳴り響く。GⅠ専用のファンファーレだ。それを聞きながら、一人ずつゲートに入っていく。特にトラブルもなく、ゲートインは完了していく。
一番大外のセイショウマインドさんが入ればゲートイン完了である。
一瞬の静寂の後、レースはスタートした。
スーッと前に出ていくブルボンちゃんを見ながら、私も早めに行こうと速度を上げる。
とはいえ先頭はとらない。先行集団に混ざるぐらいのペースで走り始める。
内から3番のリワードガルソンさんが先頭を争う雰囲気を見せるが、ブルボンちゃんが加速して振り切る。
外からは14番のクリトライさんがブルボンちゃんの後ろに入った。
私は8番の子が出走取り消しで内側が開いており、さらにほかの内枠の子らもあまり前に行くつもりがないようなので、そのまま2番手争いの後ろに加わる。ブルボンちゃんの後ろに回ったリワードガルソンさんの後ろだ。
丁度いいポジションに入れたと思う。当初の予定だとブルボンちゃんの後ろに入る予定だったが、あそこはなかなかつらい。なんせブルボンちゃんは当然対マークの動きを取ってくる。
正確なラップ走行に対して、後ろでマークすればスリップストリームの恩恵も受けられる利点も加味すれば圧倒的有利なポジションとなる。だから、左右に揺さぶったり、大きく芝を蹴り飛ばしたりして妨害してくるのは容易に予想できる。
そんなきついポジションを他人に任せて、私はさらに後ろでじっくりやらせてもらうことにする。
案の定リワードガルソンさんもクリトライさんもブルボンちゃんのマーク対策に右往左往している。
だがまだ序盤である。中山の坂を上って、私たちは第一コーナーへと差し掛かった。