ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘 作:雅媛
第一コーナーを慎重に回っていく。
中山のコーナーは半径が小さいので技術がより必要になるが、前目に行く場合はそこまで問題ない。前の3人のペースに合わせて内側を丁寧に回っていく。
芝が飛び、土が舞い、顔や体に当たるが後ろ側の方から走っていれば普通のことである。今までのレースではほとんど、誰かが走った後の芝など走らないので、芝も少し凸凹するな、という感想が浮かんだ。
このままじっくりと、前の二人を使わせてもらいながら、最後まで足をためつつ、いいタイミングで飛び出す必要がある。
直線に入ってからだと、直線が短いので少々不安だ。できれば第三コーナーから第四コーナーでは前に進出したい。
とすると、取るコースは外か。二人の外から回るのが一番安定したコースだ。多少距離の不利はあるが、許容範囲だろう。ただ、第三コーナーで間が空いたら一気にそこを抜く。
そのために、私は第二コーナーを回った後、一人分外へ、クリトライさんの後ろにつけ直す。前二人はブルボンちゃんの牽制に相変わらず影響を受けており、スタミナを浪費していそうである。
私より後ろがどうなっているかは全く確認できない。
一番前だと振り返っても前にぶつかったりしないが、この位置だと前の二人がペースを崩した時にすぐ後ろから衝突しかねないので前を見続けるしかできないのだ。ウマ娘の視界は200度ぐらいなので、横は見えるが、後ろは難しい。なので斜行にならない程度の横移動以上の確認は難しかった。
耳で聞こえる音ぐらいしか情報が集まらないので、後ろとの距離を見計らうことができなかった。
とはいえブルボンちゃんが勝つだろうという前提が崩れなければ、ブルボンちゃんを抜けば勝ちなので後ろからの強襲は考えないことにする。実力的にもブルボンちゃんが負ける走りをするとは思えないし。
向こう正面を抜けると、第三コーナーに入る。
この辺りから、どこで仕掛けるかが問題になる。
中山競馬場のコース内回りは、外回りほどではないが結構テクニックが求められるコースだ。コーナーが小さく、第四コーナーは特に急でありコーナーリングテクニックが求められるにもかかわらず、直線が短いので直線に入ってからのスパートでは追い付けない可能性が高い問題がある。
なので、後ろの子らは大体大四コーナーに入ったあたりで加速を始め、大外から遠心力も利用しての加速をして追い付こうとして来ることが多い。
私も今回先行とはいえ控えているので、どこから加速するかだが……
第三コーナー途中、6のハロンを通過したあたりから加速を始める。
さすがにまだ前は崩れていないので、クリハロンさんの外を抜け、一気にブルボンちゃんに追い付く。
体力はまだ残っている。
あとはブルボンちゃんとの潰しあいだ。
ブルボンちゃんも私と並んですぐにスパート態勢に入る。
コーナーで加速したのですごい遠心力がかかるが、足首と膝を柔らかく使いどうにかブルボンちゃんの横を通る。ブルボンちゃんも、内ラチぎりぎりで体力を温存してきた。
コーナーを抜ければ残り300mと少し。
ここからが正念場である。