ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘 作:雅媛
二人で寮まで向かい、そのまま自室へと入る。
中にはすでに荷物が届けられ、段ボールが積まれていた。
私の荷物はなんとなく向かって左側に、ブルボンちゃんの荷物はなんとなく右側に積まれているので、そのまま左右のスペースの割り振りはこのままになりそうである。
「ひとまず荷物を整理しようか」
「そうですね」
段ボールのまま置いておくのも格好が悪いので、ひとまず荷解きをすることにした。
制服は冬服3枚、夏服3枚である。かなり多いが、使いまわして痛みにくくするのと、汚れた時に困らないようにということである。正直、まだ中学生になったばかりだと成長する可能性は高いし、この時期に大量に買うのは気が引けたのだが、お父様からサイズが合わなくなったらまた買ったほうがいいといわれたので素直に従うことにした。毎期末に実家でお父様がサイズがあっているかどうか、確認もしてくれる予定である。さすがお父様。私がずぼらなのがよくわかっている。まあ、お母様の服とか全部お父様が選んでるらしいし、今更かもしれない。放置するとケチャップをこぼした服をそのまま着てしまうのがお母様だ。私もさすがにそこまではひどくない。
閑話休題、入り口横のクローゼットにスペースは結構あるので、制服をすべて吊るす。
毎日ちゃんとハンガーにかけ直すのは若干面倒だが、ブルボンちゃんにだらしないと思われたくないのでガンバろう。
制服の下に着る下着、0分丈の黒スパッツと同系色のスポーツブラを、クローゼット下に置いてある棚にしまう。普段着でも使える便利な下着である。冬服、夏服の靴下も合わせ7組ずつあるのを確認し、棚に入れた。
あとはひらひらでレース多めの黒の勝負下着も一組だけ持っているのでそれも同じ棚の一番奥にしまった。使うことはなさそうだがお姉様がくれたものなので大事にしまっておく。
あとは今日使いそうなのは寝巻か。暑いのが苦手なのだが、浴室が共有で部屋まで廊下を歩く必要があるのを考えると実家のように裸族で過ごすわけにもいかない。いやそもそも部屋にもブルボンちゃんもいるからいろいろ問題だろう。なのでお父様に頼んでゆったりしたロングワンピースを用意してもらっている。白地に青い薔薇の模様が少しだけあしらわれているおしゃれなものである。
薄手だし、ふわっとしているので暑がりな私にはぴったりのモノである。可愛くてセンスもいいし、さすがお父様である。香水渡してきて「パジャマと言ったらシャネルの5番よね」とか言い出すお母様とは違うのだ。
体操服とブルマも一通り取り出し棚の中にしまう。こちらも毎日使うだろうから、7組だ。それだけで結構な量になっている。ジャージは別にハンガーにかけると、クローゼットの中もいっぱいになっていた。
あとは洗面用具である。セット用のブラシに、髪を洗う時用のブラシ、尻尾用のブラシ等いくつかのブラシと、髪と尻尾のシャンプー、トリートメント、歯ブラシなんかが入ったなんと漆塗りの箱である。正直管理の問題からプラスチック製の方が良かったのだが、クリフジの大婆様がいいものを使いなさいと入学祝にくれたものだから無下にもできない。管理失敗していつか腐らせてしまいそうである。まあ、見た目は象嵌も綺麗でとてもいいのだが……
あとは普段着用のワンピースと、軽く着られるシャツ、洋服はこれくらいだろうか。タオルの類は寮で貸してくれると聞いているので、この程度で十分だろう。
空になった箱はつぶして、次は本を棚に並べていく。教科書、マルゼンお姉さんからもらったレースの専門書、趣味の小説や漫画、そんなものをどんどん並べていく。
あまり順番は気にしないが、なんとなく同じようなものは近い場所に並べていく。
筆記用具まで出したら、最後は趣味の物である。電気ケトルにティーポット、ティーカップにソーサー。あとはケーキスタンド。紅茶の入った缶詰が3つ。粉ミルクと薔薇の形の角砂糖の入った瓶を取り出す。
ひとまずベッドサイドのところにしまっておけばいいだろう。ケーキスタンドと電気ケトルを上において、完成である。
ブルボンさんの方はもう片付けが終わったらしく、私の方をぼんやりと眺めていた。
「紅茶飲む?」
「いただきます」
じゃあお湯を沸かさないといけない。
私は電気ケトルを持って部屋の外に出た。
給湯室で水を汲んできて部屋でお湯を沸かす。
性能がいい電気ケトルなのですぐにお湯は沸くだろう。
その間にティーポットに茶葉を入れていく。
「私のためにいっぱい~♪ ブルボンちゃんのためにいっぱい~♪ そしてティーポットのためにいっぱい~♪」
「なんですか? その歌?」
「紅茶をおいしく入れるためのおまじないかな」
今回使う茶葉はアッサムである。癖がなく誰にでも受けがいい。ほかに持ってきているダージリンは香りが非常にいいが味が薄く人によっては物足りなく感じるし、もう一つのウバは渋みが強く出やすいのでストレートで飲むのはちょっと強い。
チャイとかも作りたいけど、食堂の台所は貸してもらえるのだろうか。そんなことを考えているとお湯が沸いたので、ポットに注ぐ。蓋をして、砂時計をひっくり返し、時間が経てば完成である。
「…… おしゃれですね」
「うーん、単に紅茶好きっていうだけだよ。ブルボンちゃんも好きなものだとこだわるでしょう」
「…… 確かに、このダンベルは拘りです」
部屋の隅に置いてあるダンベルを持ち上げるブルボンちゃん。ブルボンちゃんの趣味はいったいどうなっているのだろうか。筋トレが趣味だったりするのだろうか。でも、学園にはトレーニング施設もあるし、わざわざ私物のダンベルが必要なのだろうか。というかそのダンベル、どれだけの重さがあるのだろう。隣に置いてある金属プレートで重さを調整できるのだろうが、5kgって書いてある気がする。あのダンベル、30kgぐらいありそうだ。
疑問は尽きないが、まあ、それが拘りというならそれもいいだろう。
残念ながらアフタヌーンティーというには甘いものがないが、そこはお砂糖で勘弁してもらおう。
砂時計の砂が落ち切ったので、カップに紅茶を注ぐ。
「ブルボンちゃんは、ミルクとお砂糖はどうする? ミルクは粉しかないけど」
「正式には、何もいれないで飲むのがいいのでしょうか?」
「全然そんなことないよ。私は砂糖2つ入れるし、粉ミルクも山盛り入れるし」
ダージリンとかで香りを楽しみたいなら確かにストレートがいいかもしれないし、甘いケーキとかと組み合わせる場合もストレートがいいかもしれないが、正直そんなの好みである。薔薇型角砂糖使いたいし。
「さすがに2つは甘すぎませんか?」
「甘いほうがおいしいって」
そういうならブルボンちゃんにも甘甘紅茶をご馳走しよう。
ソーサーに薔薇型角砂糖2つを置いて、ブルボンちゃんに渡す。
私は角砂糖二つと、ティースプーン山盛りの粉ミルクを紅茶に入れた。
私の行動に少し驚いていたブルボンちゃんだが、私と同じように砂糖を二つと山盛り粉ミルクを紅茶に入れた。
そのまま一口すする。うん、とても甘くてクリーミーで、きっと私は特別なウマ娘なんだと感じる。
「さすがに、ちょっと甘すぎました……」
ブルボンちゃんはそう呟いた。
さて、放課後ティータイムが終わると、時間を少し持て余す。
夕食まで時間があるし、何をしていようか。漫画でも読んでいてもいいのだが……
ボケーッとそんなことを考えていると、ブルボンさんがおもむろに制服を脱ぎ始めた。スカート下のスパッツ一枚になると、クローゼットからスポーツ用のタンクトップを取り出して頭から被る。
制服がベッドの上に投げっぱなしなのを見て、私はハンガーを取り出して制服をかける。このままだとしわになってしまう。
「ライスちゃん、ありがとうございます」
「いきなり着替えてどうしたの?」
「暇なので筋トレでもしようかと」
何を言っているのだろうか。ブルボンちゃんは暇だと筋トレするのだろうか。まあ確かに、へそ出しルックになると腹筋が割れているのは非常に気になったが。
ひとまず拾ったブラは洗濯行きの袋に投げ込む。すごい大きくてブルボンちゃんの体温を感じたが、あまり気にしないことにする。
それにしても筋トレか。私も付き合ったほうがいいのだろうか。
早速スクワットを始めたブルボンちゃんを見ながら私も着替えるべくひとまず制服を脱いでハンガーにかけた。
しかし、どんな格好をしようか。体操着を着るのも違う気がするし、今の下着姿でいいだろうか。まあ、問題ないだろう。
ひとまずブルボンちゃんと向かい合ってスクワットを始める。
正直部屋が狭い。顔を近くで付き合わせながら、お互い黙々とスクワットをしていると、なんなんだろうかこれは、という気持ちになってくる。
「ブルボンちゃん。ちょっと狭くない?」
「そうですね。場所変えましょうか」
「ついでにタオルももらってこようよ」
「了解」
そうして私たちは下着姿のまま外に出る。
そしてすぐに寮長さんに見つかり、怒られてしまうのであった。
雑談スペース(画像リンクもあり)
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スクワットブルボン
【挿絵表示】
第一章の入学話が終わったら次の内容は何にしようか
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トレーニング
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夏合宿
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日常生活
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その他(雑談に内容を書いてください)