ミリシアルの
主な議題としては2つあり、1つは今後のパーパルディアとの付き合い方をどうするか、と言うものである。
最終的にミリシアル側に人的被害はなく、駐帝国パーパルディア大使を通じた謝罪もされている上、皇国として国を挙げた行為ではないと情報がもたらされていた。
更に、日本国民虐殺やフェン王国での行為に対する賠償も、要相談なもののさせられると決まっているため、変に追い詰めて経済的ないし物理的に滅ばれても困ると考えている。
それ故に国交を絶ったり、両国の経済的交流を大きく制限する強力な制裁を下す、そのような案は出ていなかった。
「うむ、最悪の中の最高となった訳なのだな」
「はい。ですが、第一外洋派遣艦隊の活躍により、駐皇国大使含め我が国の民に死傷者は居ません。日本国の外交官2名も、一切の怪我はなかったようです」
「それは良い事だ。しかし、狙いすましたが如きタイミングでの襲撃とは、皇国過激派も中々やってくれるではないか」
「全くです。当然、全員ではないと理解自体はしていますが、かの国の高すぎるプライドにはほとほと呆れ果てますよ」
しかし、一部過激派の行動がパーパルディア上層部の意思に反していたり、ミリシアル側も襲撃の可能性ありと思いつつ派遣を選んだ点があったにせよ、今回の事件は到底笑って許せるレベルではない。
過激派の最優先始末対象は
各方面からの情報収集の結果仕入れたこの話を聞けば、皇帝やリアージュを筆頭とした重鎮の顔に、呆れや怒りなどの感情が見て取れるようになるのも、当然の摂理と言えるだろう。
「と言う訳で皆様、今回の状況からしてパーパルディア皇国には、抗議と再発防止策の徹底要請、使用した弾薬や燃料費の一部ないし全額請求を行う方針で進めます。生きていたらですが、過激派の首謀者引き渡し要求も同様です」
「なるほど。まあ、外務省の案が無難でしょうねぇ」
「また、皇都の大使館の警備についても、大魔導師3名の追加派遣をする予定となっています。第一外洋派遣艦隊も置いておければ良いのですが、如何せん補給や整備面での問題がありますので……」
「第三文明圏で距離が遠く、そもそも仲介依頼がなければ派遣する理由もなかったからな。そこは致し方ないか」
で、人的被害や物的被害は皆無ではあるものの、武力を以て
なお、それ以外にも皇国内に仕事や旅行などで滞在中の帝国民に対しての注意喚起、両国の優秀な魔導技師同士の交流会中止、国交樹立記念イベントの延期ないし一部変更など、今回の事件を受けて大きく路線を変更せざるを得なくなった事柄も多数存在している。
「リアージュ、日本国とパーパルディア皇国の講和条約締結に向けての仲介はどうなっている? こんな事件があったのだ、路線変更があってもおかしくはないだろう?」
そして、もう1つの内容は過激派襲撃事件を受けて中断された、日本とパーパルディアの講和条約締結の仲介依頼についてである。
本来であれば、他国同士がどんな条約をいつ結んだとか結果がどうなったか、そのような話を重鎮が集う会議の場でする事はない。時間は有限であり、各々勤めている部署での仕事に忙しい中集まっているからだ。
「それについては問い合わせたところ、連絡がありました。両国共に基本の路線変更はないようです。ただ、事件の影響か再調整はするとの事でして、また話し合いを我が国で行いたいとも」
「そうか。なら、カルトアルパスを場所として提示してやれ。細かな調整は任せる」
「了解しました」
ただ、ことこれに至ってはパーパルディアからの仲介依頼により、条約文章には関わっていなくても、仲介人としてある程度の関わりは持っている。
日本との講和に断固反対の立場を取る、過激派による襲撃事件に巻き込まれたのもあり、会議の議題に出てくるのも何らおかしくはない。
「話は変わるが……日本のフェン王国での戦績は凄まじいな。確か、こんごうとか言う船もイージス艦だったか? アルネウス、魔帝の対空魔船とどちらが上なのだ?」
「駐日大使が日本国の書店で手に入れた書物と、現状稼働中のユニバース級対空魔船『ディアン』で見比べた場合ですが、総合的に見れば互角かと」
「互角か。極めれば、魔法を使わずに魔帝と対等の力を持つ艦を造る……科学も侮れん。と言う事は、数十年も経てばムーも魔帝並みになるだろうな」
「間違いないでしょう。しかし、いずれ復活するであろう暴虐の国に対抗可能な勢力が増えたのは、嬉しい事です。是非とも、日本との交流を深めていきたいと思います」
主な2つの議題に関連した話し合いが終わった後は、日本の外交官が乗ってきた艦船がイージス艦だった事から、日本についての話で持ちきりとなった。
各種技術力では魔帝とほぼ同等でありつつも、魔帝のように国民性が地獄みたいではなく、ミリシアル他強く関わりのある異世界側の国から見れば、無闇に力を振るわない穏やかで関係を持つには良い国との評価をされている。
しかし、ロウリアやパーパルディアのように一線を超え怒らせてしまえば、人が変わった容赦のない振る舞いを見せる、恐ろしい国とも少ないが思われていた。
まあ、それでも魔帝は言わずもがな、グラ・バルカス他の蛮族国家が行うような鬼畜行為はせず、怒りの沸点自体も異世界人基準でかなり高いため、距離をおこうとする国は一部を除いて存在していないが。
「さてと、他に話しておきたい事がある方は居ますか? 居なければ、これにてお開きと致しますが」
そんなこんなで、今後の関係構築も含めた会議を続ける事2時間半、話す事もあらかた話し終えたタイミングで、皇帝の隣に居た側近の発した一言によって会議はお開きとなった。
本作独自の種族に関しての質問
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多くして欲しい
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多くしても問題ない
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これ以上は望まない
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作者にお任せ