エリア48。稼動可能な魔帝の遺産に加え、最新の魔導技術や魔法による既存の軍基地を遥かに超える多重偽装防衛工作が成されている、魔帝対策省管轄の秘密基地の内の1つに付けられた名称である。
パル・キマイラや魔帝製航空機、解析中の僕の星とそれに付随する各種軍事施設のみならず、空中発射可能な衝撃弾頭型大陸間弾道誘導魔光弾などといった、主に魔帝の空や宇宙に関わる兵器などの解析やリバースエンジニアリング、各種実験や実際の運用が行われている。
ただし、現状ではパル・キマイラや一部の魔導ステルス航空機しかまともに運用出来ておらず、解析やリバースエンジニアリングも割合で言うなれば3割~4割程度。破損箇所の修理であれば、ある程度までなら可能という領域だ。
加えて、ミリシアル独自の空の超兵器建造に関する計画もこの場所で進められているが、如何せん既存の魔帝超兵器への理解に割く力を削る訳にもいかない上、リームとの戦争やアニュンリール対策が必須となったこの状況、進捗率の上昇は極めて低い水準で留まっている。
「たかがリーム如きに、ここまで手こずるなんて思わなかったなぁ。我が国だけじゃなく、あの日本が居てさえ」
「謎の勢力もそうだけど、ティルターン……それの、虚廃なる最終防衛魔法? システム? これが、反則レベルで強かった。世の理の上からエネルギーを奪い、問答無用で凍結させて無力化とか冗談も程々にして欲しい。力押しで突破出来たらしいから良かったものの……」
「あー……しかしまあ、その謎の勢力とやらの正体は一体……?」
「分からないけど、何となく推測はできる。もしかしたら、我が国と日本はその正体を正確に掴んでいるかも」
そんな超機密エリアで働く、魔帝と自国の軍事秘密保護に関する法律でがんじがらめに縛られた、パル・キマイラの整備を担当する魔導技師は今現在、ミリシアル8世直々の命令によっていつでも出撃できるようにする準備を執り行っていた。
目標は、目下戦争の相手であるリーム王国。ティルターンを撃破し、破滅的不利に追い込まれながらも未だに戦争を継続している事から、各種軍事拠点に加えて兵器の生産ラインを完璧に潰し、戦争継続をさせないようにするという意図があった。
当然、この世界からすれば平和主義もいいところな日本はもとより、ミリシアルやパーパルディアも
また、軍事拠点や兵器の生産工場を爆撃する際も、民間人を極力巻き込まないように念のために警告なども行われるが、大半はかつてのパーパルディアと同様に街や村などから離れた場所に作られていると判明している。
実質、大都市圏への無差別爆撃となる可能性は極めて低くなっているが、この世界ではまだ条約等で禁止にされている訳ではない。大義名分もあり、魔帝のコア魔法や他の破壊兵器程に実質的な抑止力も働いてはいなかった。
故に、出土した魔帝の兵器などによってリームが災厄級の事態を発生させ、自国ないし同盟国に深刻な被害を及ぼすと判断された場合にのみ、ミリシアルでは都市爆撃解禁が確定事項となっている。
民間人の犠牲を極力抑える努力をすることを条件に、日本もこの件に関しては何も言わない事を決定していた。
誘導兵器どころか、第二次世界大戦級の兵器を自国で生産する技術がまだないパーパルディアでは、大量のワイバーンロード及びオーバーロードによる即座の報復が大真面目に議論中だが、あくまでも議論止まりである。
「確かに、あの日本ならばあり得るな。あの僕の星と同一の人工衛星とやらを自国で製作し、自国技術だけでパル・キマイラを破壊した、唯一無二の科学文明国家だ」
「うん」
「で、その日本に我が国が協力してさえ、ティルターンには苦戦したと。確かに、彼らも全力ではなかったんだろうが……」
「一応、相手は圧倒的格下だったしね。日本にとって」
なお、この命令によりエリア48から即座に出撃可能となる超兵器はパル・キマイラ2隻。兵装には、ジビル改以外にも万が一に備えた魔帝製の地中貫通爆弾【アメタエル】を3発、魔帝やミリシアル製の各種誘導魔光弾が多数存在している。
無論、用意された超兵器以外の戦力としては他にも、ミリシアル製唯一無二の魔導戦略爆撃機であるヴォルケーノ20機、自国製の誘導魔光弾を搭載可能となった【ヴォルケーノ改】が10機派遣される手筈。当然だが、改装型の方もジビル改他多数の通常魔導爆弾を装備済みだ。
「まさかとは思うが、もう1機や2機隠されたりしていないよな?」
「私もないとは思うけど、パル・キマイラにパルカオンの例もあるから確信は持てない。だからこそ、日本も最新鋭戦闘艦『さつま』を差し向ける判断を下した訳だしさ」
「パル・キマイラを無傷で屠ったという、例の艦か。ならば、万が一出てきてもある程度はマシになるな」
更に、時を同じくしてとある町の軍用港に併設されている、エリア48と同等の秘匿を施された海上秘密基地では、最も状態の良いパルカオン1隻の出航準備が行われていた。
海に潜る戦艦とも言うべき超潜艦、シーヴァンの出撃も大真面目に検討されてはいたが、未だに完全修理の目処は立っておらず戦闘行為による損壊・沈没のリスクが高い。
何より、使用可能な大陸間を飛翔する高威力なコア魔法が7発もある。本来は、純粋な攻撃型の潜水戦艦としての役割をもたされているとは言え、世界的な情勢も相まって防衛以外での出撃は、破滅的な政治的リスクを低確率とはいえ生じさせてしまう。
その上、潜在的な敵国であるアニュンリール皇国対策なども加わり、流石に無理があるという事で即立ち消えとなっている。
「これで、早く戦争が終結してくれるといいな。俺らみたいに、戦う力を持たない一般人を命がけで守ってくれる軍人のためにもさ」
「私たちが一般人……? まあいいや。君の意見には、私も同意するよ」
ちなみに、ティルターンの件もあるにしたって流石に過剰戦力ではないかという意見も、ミリシアル政府上層部を含めてなくはなかった。
ただし、あの日本ですら更なる戦力増強の一環として、さつまの派遣に舵を切った。死者が出るのみならず、派遣部隊丸ごと消し炭にされたらどう責任を取るのかとのミリシアル8世及びメテオスの言葉に、概ね封殺されている。
本作独自の種族に関しての質問
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多くして欲しい
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多くしても問題ない
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これ以上は望まない
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作者にお任せ