日本の外交官の人とも会ったり、他にも色々新たな楽しみを見つける事が出来た、楽しかった休息期間が終わってからあっという間の2週間後、部下の子たちとの昼食休憩中にある事が原因で唖然としていた。
休憩室にて備え付けられていた最新式の魔導テレビを見ていたら、世界情勢などを解説してくれる番組のキャスターさんが、パーパルディアがフェン王国へ仕掛けた侵略戦争について言及したからだ。
無論、彼らの行為を認めるつもりなどなければ、犠牲となった人々の冥福を祈る気持ちはあるけれど、普通なら唖然とはしなかっただろう。
「パーパルディアねぇ……まあ、あの国の文明圏外国への侵略行為なんか珍しくもないよ。しかし……」
「15人か。ニシノミヤコに居合わせた日本国の民を処刑したってのは、ちょっと驚いたぜ。ルーンポリスの奴らも言ってたが、文明圏外ながら列強国相当らしいしな」
「そうそう。オロール技術長も同じ事言ってた。確かに文明圏外にあるけど、ちょっとは調べないものかな?」
「あれじゃないか? 報告が都合良く改変されてたりとか、上がとんでもない狂犬だったりとか」
しかし、何の目的があって居たかは不明なものの、超絶運悪く居合わせた日本人が捕らえられてしまい、散々苦しめられた挙げ句に処刑と言う名の虐殺の犠牲者となったと、そう読み上げられていたのだ。私にとっては、聞き流す事など到底出来ない。
流石に、老若男女色々な人が見る番組な以上詳しい解説などはされなかったけど、淡々と述べられた事実だけでも想像出来てしまい、一気に食欲が失せてしまった。
と言うか、軽かったにせよ過去のフラッシュバックが起きる程には辛い。体調不良の時にこんなニュースを見ていたら、最悪病院送りになっていたかも知れない。
「酷いね、あまりにも横暴が過ぎる。オロールさんもそう思わない?」
「言わずもがな……貴女と同じですよ、ビアさん。犠牲者の方々を思うと、心が締め付けられる様です」
「本当、何であんな事をしたんだろう。でも、こうなると多分日本政府は黙ってないよね。パーパルディアの性格からして、軍事衝突もあり得るかな?」
「間違いないでしょう。差が絶望的ならまだしも、日本には報復が出来るだけの
ただ、そんな私よりも犠牲となった子供を含む日本人たち、残された遺族の方々の方が何十倍も何百倍も辛いのだ。
死に値する罪を犯した訳でもなく、ただその場に居たとの理由で拘束され、地獄の苦しみを味わう事となってしまったのだから。
にしても、見せしめのために文明圏外国の住民……日本人の命を奪い、ついでにフェン王国までも征服しようとするなど、鬼畜の所業と言わざるを得ない。
そして、日本の民間人を見せしめと称して奪える訳だから、パーパルディアに行った顔も知らない朝田さんと篠原さんの身が、保障されない確率はかなり上昇している。
せめて、ミリシアル外務省の人を経由した私の忠告が、護身用の拳銃を持たせる位には役立っていてくれると嬉しいと、そう思っている。
「オロールさん、休憩中にすみません。少しよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
カルトアルパス魔導学院内でも、トップクラスの優秀な『ビア』含む皆とテレビを見ながら会話を交わしていると、部下の子ではない魔導技師の人に声をかけられた。
どうしたものかとすぐに尋ねたところ、ミリシアル外務省の『リアージュ』さんより、私宛に魔信が届いているとの事。可能なら、すぐに出て欲しいらしい。
(外務省かぁ。もしかして、あの時の事かな?)
やらかした覚えは全くないものの、万が一あるとしたら日本の外交官の2人の街案内に、許可を取ったとは言え途中参加した件位である。
何にせよ、食事する気もニュースのせいで完璧に消え失せたところだし、そもそも外務省からの呼び出しを食事を理由に断るなんて出来ない。なので、勿論即応じる事に決める。
「お待たせしました、オロールです。リアージュさん、私にご用と伺いましたが」
『大丈夫だ。オロールさん、食事中に申し訳ない。実は少々言いにくい願いがあって……』
で、魔導通信機のある部屋まで行き、装置を手に取ってからリアージュさんに何の用かと尋ねると、私の予想外のお願いをされた。内容は、1週間後に観戦武官として日本国に行ってもらえないかと言うものである。
何でも、日本国民の
更に、ニシノミヤコのみではなく首都の『アマノキ』や他の港町にも、少なからず日本人が居るらしく、彼らを守る名目で自衛隊が派遣される事が決定した様だ。
「ちなみに、他のメンバーは何人位居ますか?」
『情報局からアルネウス君、オロールさんが行くのであればカームさんも行く感じだな。事が事だから無理強いは出来ないが、可能なら優秀な貴女にお願いしたい』
「なるほど……それにしても、ミリシアルが観戦武官の派遣だなんて、初めてじゃないですか?」
『そうだな。まあ、国交樹立時に外交官が乗ってきた『かが』を見れば、政府も情報を欲しがるのも分かる。あれなら、パーパルディアに負けるなんて事はないだろうしな』
「ヘリコプター搭載護衛艦『かが』……ああ、確かに」
ミリシアルの歴史上、観戦武官の派遣は1度もした事がないため、今回のこの話は実に驚きでしかない。が、それだけ日本の情報を欲しがっていると言う訳なのだろう。
戦争を間近で見る仕事となるが故に、本来であれば命の危険すらあるものの、日本側に派遣されるのであれば話は別である。
気を抜き過ぎたり、余程愚かで馬鹿な行為を私や他の人が働きさえしなければ、無事に帰れるのが約束されているのだ。
「分かりました。そう言う事でしたら、謹んでお受け致します」
『そうか……ありがとう、感謝する』
なので、ほぼ迷いなく私はリアージュさんからのお願いを、了承する事にした。
本作独自の種族に関しての質問
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多くして欲しい
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多くしても問題ない
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これ以上は望まない
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作者にお任せ