自由気ままなポケモン旅   作:火野ミライ

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レポート1.強面のお兄さん

ここマサラタウンでは10歳になると【ポケモン取り扱い免許】が自動で付与され、自分のポケモンをゲットできる。つまり【ポケモントレーナー】になる事が出来うようになるの。そしてポケモンを貰った子供達は誰に言われるでも無くマサラタウンの外へと旅に出て、ポケモンと絆を深めていく。

 

かと言ってすべての子がそうではない。ポケモンを貰ってマサラタウンに残る子もいれば、ルビィみたいにポケモンを持つのを反対されて学校に行く子もいる。でもどうしてもポケモンと旅がしたかったルビィは、何度もお父さんとお母さん頼み込んで先月の小学校の卒業を気に行くことを認めて貰えた。

 

そこからは一気に話が進み、最初のポケモンはオーキド博士から初心者向けのポケモンを貰う事にした。オーキド博士って道中で会うときは川柳を読む優しいおじいちゃんって感じだけど、とっても偉い博士でテレビやラジオにも出ているの。

 

そしてついにやってきたポケモンを貰う旅立ちの日。小言を言うお母さん達の話を早々に切って家を出て【オーキド研究所】に向けて速足で向かう。まだお日さんが顔をの出すか出さないかの時間。お姉ちゃんの時は貰いに行くのが一人だけだったけど、今日は私含めて四人貰いに行くみたいだからこの時間。

 

風はちょっと肌寒いけど、遅いよりは早い方が良いってお父さんが言ってたから。実は早く自分のポケモンが欲しいって気持ちがあったのは家族や友達には内緒。

 

スキップしたい気持ちを抑えながら風に背を押されて歩くこと数分、オーキド研究所まであともう少しというところで曲道を曲がった先にいたのは大きな影。マサラタウンでは見たことのない男の人だ。そんなことを思って立ち止まっていると男の人が振り向いてきた。

 

「ピギッ!?」

 

日の光を背にする男の人、帽子の陰から見えた瞳に思わず悲鳴を上げる。

上は青色の長袖パーカーの下に黒いインナーを着て、下は黒のカーゴパンツに赤色のスニーカー。青と黒のカバンを肩から掛けて、茶色の髪を左右に跳ねたミディアムヘアにしその上からキャップ帽。そして顔には左目を中心に切り傷の様な物があって、それを隠すかのように左目に眼帯をつけている。

 

眼帯をしてない右目が静かに私を見つめる男の人をルビィは何もできず、目元に溜まる涙も拭う事ができない。だって絶対にこの男の人は良くない人だよぉ~~ お父さんが言ってたもん。世の中にはポケモンを悪い事に使う怖い人達がいるって!

 

なんて考えていたのが良くなかったのか、男の人が頭を掻きながらこっちによって来る。これって『見られたからには…』とか言ってルビィに何かをしてくるやつだ~ 『助けてお姉ちゃんーッ!』って助けを呼びたかったけど、叫んだらもっと酷い事になるかもしれないと思うと声が全く出てこないよ……

 

涙を堪えながら震えるルビィの目の前に来た男の人はルビィと視線を合わせて話しかけてきた。

 

「僕はトウヤ、海の向こうからやって来たんだ。君は?」

 

「ル、ルビィでしゅっ!」

 

噛んじゃった~~ぁああ!

 


 

「……それでルビィちゃんは遅めの旅立ちを」

 

「は、はい」

 

あのあと怖い顔のお兄さん、トウヤさんと目的地が同じということで一緒に歩いていた。でも怖いのは顔だけで話してみると普通のお兄さんって感じ。そんなトウヤさんを横から見上げるとお姉ちゃんよりも一回り大きくて、身長は169センチぐらいだと思う。

 

朝が来たことを告げる【ドードリオ】がまだ眠る時間、薄暗い道を迷いなく進むトウヤさんは海の向こうから見たらしく、マサラタウンを出る前にオーキド博士にあいさつしに行くみたい。なんでもここに来たのはトウヤさんがお世話になっている考古学者とオーキド博士の手招きがあったから。そのお礼を改めてしに行くみたい。

 

それにしても考古学者ともつながりを持っているなんて、やっぱりオーキド博士ってすごい人。春先の温かな風に髪を揺らしながらそんな事を考えてました。

 

トウヤさんと雑談をしながら歩いていたら気が付いたらオーキド研究所に到着。実際に着くと色々な科感情がこみ上げてきて心臓がバクバクしているのを胸にあてた手を通さずとも感じる。なんとなく後ろに振り向くと優し気な笑みを浮かべたトウヤさんがゆっくりと頷いてきた。

 

お姉ちゃんの様な安心感と同時に顔に熱が溜まっていくの感じて慌てて玄関に視線を戻す。激しくなった心臓のビートを何度か深呼吸をすることで落ち着かせる。顔の熱も頬をなでる風で冷めたのを感じながら玄関チャイムを鳴らした。

 

「お~、よく来た! 今そっちに向かうから待っておれ」

 

チャイムのスピーカーから聞こえるのは優し気な老人の声。この声の持ち主こそがこれまで何度も話題に出したオーキド博士。玄関から出てきたオーキド博士は門を開きルビィ達に声をかけてきた。

 

「朝早くにようこそ、ルビィちゃん……… おや?トウヤ君も一緒か」

 

「おはようございます」

 

そう言ってお辞儀をするトウヤさんに続き、ルビィも頭を下げる。その様子をにこやかな表情で見つめていたオーキド博士はルビィ達を研究所の中へと案内してくれた。これから初めてのポケモンを選ぶんだよね…… ふぇぇ~ ちゃんと仲良くなれるかな? ううん、ルビィが仲良くできるように努力してかないとね。がんばルビィ!




キャラクター紹介「ルビィ」
本作のルビィはサトシと同期であると同時にサトシ・シゲルよりも年上のポケモントレーナー。気弱であがり症で泣き虫なのは原点と変わりないが、男性恐怖症ではない。ルビィ語は健在。
ちなみに両親がルビィの旅立ちに難を示したのは初対面を相手にするとすぐに隠れる彼女の性格を考えての事。

好きなカントー御三家は?

  • フシギダネ
  • ヒトカゲ
  • ゼニガメ
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