転生したら猫妖精だった件   作:スライム作者

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復活のスライム

エンリュウがリオンの配下となって2日後。

 

リオンは近くの川で顔を洗い、朝食の果物を齧る。

 

「……今日でリムルが寝て3日か。そろそろ起きるかな……」

 

『リムル殿がそう仰ったのであれば今日にでも目を覚ましますでしょう、リオン様』

 

リオンに付き従う、エンリュウがそう言う。

 

「それもそうか……ところで、エンリュウやランガが大きくなったのは名付けによる進化だよね?でも、他の牙狼族は名付けもまだなのに進化してるし、どうして?」

 

『それは、ワシらの種族の特徴でしょう。牙狼族は全にして個。同胞たちは皆繋がっております。その為、新たな長となった若にリムル殿が名付けしたことで、若の名が、種族名となったのです。今の若たちは牙狼族ではなく、新たな種《嵐牙狼族(テンペストウルフ)》ですな』

 

「へ~。じゃあ、エンリュウもその《嵐牙狼族(テンペストウルフ)》に?」

 

『いえ、ワシは長が若になった時、群れを離れましたからの。群れとの繋がりはなく、ワシは進化の対象にはなりませんでした』

 

「え?じゃあ、どうして進化を?」

 

リオンがそう聞くと、エンリュウは笑う。

 

『御冗談を。リオン様が、ワシに名付けしてくださいましたではないですか。その為、ワシだけ《嵐牙狼族(テンペストウルフ)》ではない、別の進化を遂げたのです』

 

「そうだったのか。なんて、種族に?」

 

『《焔牙狼族(ブレイズウルフ)》。それが、ワシの種族となります』

 

「ブレイズか………うん、エンリュウにピッタリだな」

 

『そうですかな?』

 

「ああ。エンリュウの目の色がさ、焔みたいに見えるんだよね。だから、ブレイズの名はピッタリだよ」

 

そんな事を言いながら、空を見上げているとハルナがやってきた。

 

「リオン様!」

 

「ハルナ?どうかした?」

 

「はい!リムル様がお目覚めになりました!」

 

「本当か!?すぐ行く!」

 

食べ掛けの果物を一気に食べ、リオンは小走りでリムルの居る小屋に向かう。

 

「リムル!」

 

「おお、リオン!何も変わらないお前で安心したよ!」

 

「どういう事?」

 

目覚めたリムルにそう聞くと、自身が寝てる3日の間にハルナやリグルド、ランガが急成長と言う名の進化をして、外見が変わったことに驚いたらしい。

 

その為、変わらないリオンに安心したらしい。

 

「なんか、名付けの効果で全員進化したらしいんだ」

 

「マジかよ……だから、あんなに名前をもらえることに喜んでたのか………これから名付けの時はよく考えないとな………」

 

「そうだね……。それより、おはようリムル」

 

「ああ、おはよう、リオン!俺が寝てる間、ご苦労だったな」

 

その後復活したリムルを連れて、外に出るとゴブリン達はリムルの復活に大喜びしていた。

 

(これは……進化と言うか、もう別の魔物みたいだな……)

 

『解。オスのゴブリンはホブゴブリンに、メスのゴブリンはゴブリナに進化しています』

 

その言葉を聞いてリオンとリムルは驚く。

 

まさかゴブリンから、ゴブリンの上位種に進化するとは思ってなかったらしく、少し放心する二人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リムルの復活を祝った後、リオンはリムルに現状を説明する。

 

説明を終えると、いくつか話し合いをし、リムルは全員を広場に集めるように言った。

 

ゴブリン達は、集まったがワイワイと騒がしく、リムルは全員が静かになるまで待った。

 

5分ほど経ち、一向にリムルからの話が始まらないので、徐々に騒ぎは静まり、静かになった。

 

「……はい、皆が静かになるまで5分も掛かりました」

 

リムルは渾身の鉄板ギャグを使うも、全員何の意味があるのかわからず、逆に余計静かになる。

 

(これの持ちネタが通じないだと!?)

 

(ごめん、リムル。俺も分からない)

 

(リオンも知らないの!?)

 

同じ日本出身のリオンまで、全校集会時の校長先生ネタが通じないことに、リムルはショックを受ける。

 

「コホン!気を取り直して、皆に伝えておくことがある。見ての通り俺たちは大所帯になった。そこでトラブルを避けるためルールを決めようと思う。ルールは3つ。最低この3つは守って欲しい。リオン、発表を」

 

「ああ。まず、1つ”人間を襲わない”、2つ”仲間内で争わない”、3つ”多種族を見下さない”。以上がルールになる。何かわからないことがある者は挙手で発言を」

 

手を挙げたのはリグルだった。

 

「リムル様、リオン様、なんで人間を襲ってはならないのですか?」

 

「それはだな、俺とリオンが人間が大好きだからだ」

 

「そうだね。それに、人間ってのは個人の力だけなら俺たちより弱いかもしれない。けど、人間は1人で戦う奴はいない。必ず複数で行動してるんだ。そうなると、数の差で負けてしまうこともある。それに、人間には長い年月を掛けて研鑽してきだ技術と知恵がある。それを用いて、様々な逆境を乗り越えてきたんだ。だから、侮れないんだよ」

 

「下手に刺激して、本気で向かって来られると太刀打ちできないしな。それに仲良くする方が色々と得だしな」

 

「なるほど!分かりました!」

 

リグルは元気よく返事をする。

 

「はい!他種族を見下さないってのは?」

 

今度は、ゴブリンの中で唯一外見の変わらなかったゴブ太が発言する。

 

「お前たちは進化して強くなっただろ?調子に乗って弱い種族に偉そうにするなよって意味だ。偉くなったと勘違いするな。いつか相手が強くなって仕返しされてもつまらないだろ?」

 

「皆も、かつては弱い為に、自身より強い者に虐げられてきた。だからと言って、自分たちがそれをしていい理由にはならない。自分の強さに慢心せず、常に謙虚であれ。ということだ」

 

ルールの意味を知り、ゴブリン達全員が納得する。

 

「よし、それじゃあ次だけど……リグルド!君を、ゴブリン達の長《ゴブリン・ロード》に任命する!」

 

「村長だった経歴を踏まえ、君ならこの大役も任せれると俺とリムルでの判断だ。頼めるかな?」

 

「ははー!このリグルドこの身命を賭してその任引き受けさせていただきます!」

 

リグルドは感激の涙を流し、了承した。

 

その後、リムルはリオンの頭の上に乗り、村の見回りをし、様子を伺う。

 

リオンが行った衣類チーム、食料調達チーム、住居建築チームの3つのチーム編成を、リムルは「流石だ!」と言って褒めた。

 

そこで、リオンはドワーフの件をリムルに伝える。

 

「おお!それは良いことを聞いた!早速会いに行こう!」

 

そう言うと、リムルは早速メンバーを選び、ドワーフの住む国《ドワルゴン》へ向かうことにした。

 

「なぁ、リオン。本当にいいのか?」

 

リムルがメンバーを募る時、無論、リオンもメンバーに入れた。

 

だが、リオンはそれを辞退し、代わりにリグルを推薦した。

 

「ああ。何かあった時、指示を出せる者と責任が取れる者もいる。俺なら、その2つを出来るからね」

 

「……お前がそう言うんなら構わないが……」

 

「大丈夫だよ。それより、道中気を付けてな。良い成果、期待してるよ」

 

「ああ、楽しみにしててくれ。じゃ、行ってくる。村を頼むぞ」

 

「行ってらっしゃい、リムル」

 

こうして、リムルは4人のゴブリン達を引き連れ、《ドワルゴン》へと出発した。

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