転生したら猫妖精だった件   作:スライム作者

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テンペストの名

『で、どうする?』

 

ヴェルドラと友達になった後、スライムがそう言い出した。

 

意味が分からず、湊もヴェルドラも首を傾げる。

 

『ん?どうするとは?』

 

『勇者が掛けた封印だよ』

 

「あ、そっか」

 

スライムの言葉で、ようやく湊も気付く。

 

ヴェルドラは《無限牢獄》によってここからもう300年も動けていない。

 

『300年も友達がここに封印されてたなんて可哀想だからな』

 

「出せるなら出してあげないと」

 

『お、お前たち……!』

 

嬉しいあまりヴェルドラは、瞳をうるうるとさせる。

 

「それで、ヴェルドラ。脱出方法や解除方法とかは分からないのか?」

 

『うむ……あるなら有難いが、生憎心当たりがない。それにな……実は後100年ほどで我の魔力が底を尽く。魔素が漏れ続けておってな』

 

「魔素がって、それってヤバいんじゃ?」

 

魔素は全ての魔物の生命の元だよな。

 

それが漏れ続けると言うのは、命が減っていってると言う事。

 

『鋭いな、ケット・シー。その通り、魔素がこのまま漏れ続け、底を尽きたら我は、朽ち果てる!』

 

両手を腰に当てて、胸を張って自信満々に言うヴェルドラに湊とスライムは困惑する。

 

『とりあえず、試してみるか。《大賢者》、《捕食者》で《無限牢獄》を捕食しろ』

 

そう言い、スライムは《無限牢獄》に触れる。

 

《ユニークスキル《捕食者》にて、ユニークスキル《無限牢獄》を捕食します…失敗しました》

 

無慈悲な声が聞こえた。

 

「やっぱ無理か」

 

『どうにかならないか?』

 

《可能性を検討します》

 

その後、《大賢者》の回答によると、《無限牢獄》の外と内から情報を解析することで《無限牢獄》を破ることが出来るかもしれないとのことだ。

 

『しかし、我のスキルは我と封印されて使えぬぞ』

 

『ヴェルドラは俺に情報をくれるだけでいい。解析はこっちでやる』

 

『それには時間が掛かろう。お前たちは早くここを出発して他の同郷の者に会いに行きたいのだろう?』

 

『うん。そこで、提案だ。ヴェルドラ、俺の胃袋に入る気はないか?』

 

スライムの考えでは、スライムのスキル《大賢者》と《捕食者》で外から《無限牢獄》の解析をし、内側からヴェルドラが破壊を試みる。

 

そして、スライムの胃袋は捕食対象を収納、また、解析により作成された物質の保管が出来るので、ヴェルドラが消滅する恐れもない。

 

『クハハハハハハハッ!!』

 

説明を聞いたヴェルドラは高笑いを上げて、スライムを見る。

 

『面白い!是非やってくれ!お前に我の全てを委ねよう!』

 

『そんなに簡単に信じていいのか?』

 

『無論だ。ここでお前達の帰りを寂しく待つよりも、共に《無限牢獄》を破る方が面白そうだ!』

 

「それだと俺は何もしなくていいのか………初めての友達だし、俺も手伝いたかったけどな………」

 

『あ、いや、そんなに落ち込むなよ!こういうのは適材適所でな!』

 

『そ、そうだぞ!偶々スライムのスキルが解除に役立つという話なだけで!』

 

落ち込み湊を元気づけようと、スライムとヴェルドラが慌てだす。

 

すると、《大賢者》が話しかけてきた。

 

『ケット・シーのユニークスキル《自由者》の力で《無限牢獄》の力を弱めることが可能です』

 

「え?それって……」

 

『解。ユニークスキル《自由者》は、ありとあらゆるモノに縛られず自由に動き、あらゆる環境にも適応できるスキルです。即ち、封印スキル、拘束スキル、捕縛スキル等の無効化や弱体化も可能。現在、種族名:ケット・シーと種族名:スライムはユニークスキル《接続者》により、最も強く繋がっています。その為、種族名:スライムが取得したスキルを種族名:ケット・シーが取得することも可能。加えて、種族名:スライムに《自由者》の恩恵も与えることも出来ます』

 

「つまり、俺も《無限牢獄》の解除に協力できる………?」

 

『や、やったな、猫君!』

 

『うむ!これで、我ら三人で封印の解除に挑める!仲間外れなどいないぞ!』

 

まるで我が事の様に、2人は喜び、そして我が事のように喜ぶ2人の優しさが堪らなく嬉しく、湊も拳を握り喜ぶ。

 

『それじゃあ、今からお前を《捕食者》で食うぞ』

 

『待て。その前に、お前たちに名前を付けてやろう』

 

「『名前?』」

 

『同格と云う事を、魂に刻むのだ。そして、お前たちも我に名前を付けろ。人間でいうファミリーネームみたいなものだ。我がお前たちに付けるのは、"加護"になる。お前たちはまだ"名無し"だが、これでネームドモンスターを名乗れるぞ!』

 

『ネームドモンスター……いいな!』

 

「ああ、なんだかワクワクする!」

 

『それじゃあ、カッコいいの頼むぞ!』

 

『そっちもな!』

 

『さて、猫君。なんかいいアイディアある?』

 

『う~ん……折角だし、暴風竜から取ったらどうかな?』

 

『暴風竜からか…………暴風……ストーム?いや、イマイチだな………』

 

二人して悩んでいると、ふと頭にある単語が思い浮かんだ。

 

「『テンペスト!あ……』」

 

湊とスライムの言葉が重なり、思わず笑ってしまった。

 

『猫君も同じ考えだったか』

 

「スライム君もね」

 

『それで、ヴェルドラどうかな?テンペストは?』

 

『テンペストだとおおおおっ!素晴らしい響きだ!我の名は、今日からヴェルドラ=テンペスト!』

 

気に入ったらしくご満悦だった。

 

『お前たちの名も決まったぞ。お前は“リムル”、そして、お前が“リオンだ”!』

 

そう言って、スライムと湊を順に指差す。

 

『今日より、“リムル=テンペスト”と“リオン=テンペスト”と名乗るがよい!』

 

『“リムル”か。いい名前だ!』

 

「ありがとう、ヴェルドラ。今までで一番うれしい贈り物だよ」

 

その瞬間、体の内側から力が溢れる感じがして心地よくなった。

 

『それじゃあ、名残惜しいけどそろそろ食うぞ、ヴェルドラ。さっさと《無限牢獄》から脱出して来いよ』

 

「ヴェルドラ、外で会えるのを楽しみにしてるよ」

 

『ああ、任せておけ。そんなに待たせず、お前たちと相見えよう』

 

そして、ヴェルドラはスライム改めリムルの《捕食者》によって、胃袋に仕舞われた。

 

「リムル、ヴェルドラを頼むよ」

 

『任せろ!もっとも、リオンも力を貸してくれてるから、俺だけ頑張るわけじゃないからな』

 

「そうだな。それじゃ、早く洞窟を出ないとな」

 

『ああ、行こう!』

 

リオンはリムルを頭に乗せ、出口を探しに、再び洞窟を

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