転生したら猫妖精だった件   作:スライム作者

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ゴブリン達との出会い

『あれは……ゴブリンだな』

 

『ゴブリン?』

 

知らない言葉に、リオンは聞き返す。

 

『ゲームとかの序盤によく出てくる定番のモンスターだよ。それによく似てる』

 

『ゲームねぇ……その定番のモンスターがどうして俺達の前に?』

 

リムルに聞きながら、ゴブリンたちを見る。

 

ボロ布の服に、錆びた剣やボロボロの防具。

 

それに腰が引けた様子。

 

(襲いに来たって感じじゃなさそうだな)

 

「強き者達よ……この先に何か用事がおありですか?」

 

すると、リーダー格と思しきゴブリンがそう言う。

 

『強き者?』

 

『俺達の事かな?』

 

『とりあえず、まずは挨拶だな!』

 

そう言うと、リムルは声を発する準備をする。

 

「はじめましてー!俺はスライムの《リムル》と、ケット・シーの《リオン》と言います!」

 

リムルがそう言うと、ゴブリン達は慌てふためき、中には平伏する者までいた。

 

「あなた様の力は十分にわかりました!どうか声を静めてください!」

 

『思念が強すぎたかな?』

 

『弱められるか?』

 

「『多分』……んん、それで、俺達に何か用?」

 

今度は思念を弱めて話す。

 

「強力な魔物の気配がしたので警戒に来た次第です」

 

「強力な?」

 

「そんな魔物の気配なんて感じないけど」

 

「ご冗談を!そのようなお姿をされていても我々は騙されませんぞ!」

 

やはり自分たちのことだったかと、リオンとリムルは目を合わせる。

 

「強き者達よ、貴方方を見込んでお願いがあるのです」

 

そう言われ、リオンとリムルはゴブリン達の案内により、ゴブリン達の村へと向かった。

 

村と言っても周りに囲いは無く、ボロ藁とベニヤ板で即席で作った様な隙間だらけな家が数件あるだけで、ヴェルドラなら一息で壊滅させられそうな物だった。

 

その中でも比較的マシな家へと案内された。

 

「ようこそおいで下さいました。私はこの村の村長をさせていただいております」

 

2人を出迎えたのは、ヨボヨボの年老いたゴブリンと先程のリーダー格のゴブリンだった。

 

「それで、自分たちに用事とは?」

 

「……最近魔物の動きが活発になっているのはご存知でしょうか?」

 

尋ねると、村長は頼みごとについて語り始めた。

 

「我らの神がひと月前にお姿をお隠しになられたのです。そのため近隣の魔物がこの地にちょっかいをかけ始めまして」

 

『神ってヴェルドラかな?』

 

『時期的には一致してるな』

 

『ヴェルドラの存在が魔物除けになっていたのか』

 

「我々も応戦したのですが、戦力的に厳しく……」

 

「それで貴方方にと!」

 

「要するに魔物退治をして欲しいという事ですか?」

 

「しかし、自分スライムですので、期待されているような働きはできないと思うのですが」

 

「自分もただの妖精ですしあまり強くは」

 

「ご謙遜を。ただのスライムや妖精にそこまでのオーラは出せませぬよ。相当に名を馳せる魔物なのでしょう」

 

『リムル、どうやら俺達オーラが出てるらしいぞ』

 

『そんなの出した覚えないけど……《大賢者》、《魔力感知》の視点を切り替え。自分を客観的に見せてくれ。後、リオンにも《接続者》の力を経由して見せてやってくれ』

 

『視点を切り替えます』

 

その声と共に、視点が切り替わり自分の姿を見る。

 

すると、リオンとリムルの体からはオーラの様なものが大量に溢れていた。

 

『うわっ!ただ漏れ!』

 

『これじゃあ警戒されても仕方ないか』

 

取り合えず、オーラをなんとか引っ込め、ゴブリン達が一安心した所で本題に戻る。

 

「それで、貴方達の頼み事って言うのは、この村を襲う魔物を退治してほしいと言うものでしょうか?」

 

「お分かりになりましたか。はい、実を言いますとその魔物が厄介なんです」

 

ゴブリン達の村を襲いに来た魔物は牙狼族。

 

ゴブリンの話によると東の地から牙狼族が押し寄せて戦いになりゴブリンの戦士が多数討ち死にした。

 

本来、牙狼族1匹に対してゴブリン10匹でかかっても勝てるかどうかの戦力差。

 

その討ち死にしたゴブリンの戦士の中には、名持ち、《ネームドモンスター》も居たらしい。

 

おまけに牙狼族は100匹で、ゴブリン達で戦える者はメスのゴブリンを含め60匹。

 

戦力差は絶望的だった。

 

「その名持ちのゴブリンの戦士は勝てないと分かっていて戦ったのか?」

 

「いいえ。牙狼族の情報はその戦士が命懸けで入手したものなのです」

 

そこまで言い、村長とリーダー格のゴブリンは涙を流し出した。

 

「その戦士の名は《リグル》………私の息子で、これの兄でした……!」

 

「くっ………!」

 

3人の涙は、何も敷かれてない地面の土に染み込み消える。

 

『リムル、このゴブリン達を助けないか?魔物たちが彼らを襲ったのは、ヴェルドラが消えたことが原因。その原因を作ったのは俺達だ。俺達には責任がある………』

 

『そうだな。彼らを助けたいのは俺も同じだ。でも、一応体裁を整える必要がある』

 

そう言うと、リムルは2人を見る。

 

「村長、一つ聞きたい。俺達がこの村を助けるならその見返りはなんだ?お前達は俺達に何を差し出せる?」

 

「わ、我々の忠誠を捧げます!我らに守護をお与えください!さすれば我らは貴方方に忠誠を誓いましょう!」

 

二人は平伏しそう言う。

 

 

 

ウォォーーーンン

 

 

 

その時、遠くで狼の遠吠えに似た声が聞こえた。

 

「が、牙狼族だー!」

 

ゴブリンが大声で叫んだ。

 

それを皮切りに、他のゴブリン達も騒ぎ出す。

 

「ヤバいよヤバいよ!」

 

「おしまいだー!」

 

「早く逃げないと!」

 

「逃げるって何処にだよ!」

 

ゴブリン達は騒ぎ出し、右往左往する。

 

村長やリーダーゴブリンが騒ぎを治めようとするもうまく行かない。

 

リオンはそんなゴブリン達を見渡し、勢いよく両手を叩いた。

 

パァン!っと大きな破裂音のような音が響き、ゴブリン達は一瞬で騒ぐのを止め、こちらを見る。

 

「皆、落ち着け!騒げば相手の思う壺だ!」

 

「その通り!」

 

リムルがリオンの頭に飛び乗り、ゴブリン達を見渡す。

 

「騒ぐ必要もビビる必要はない。これから倒す相手だ」

 

「で、では……!」

 

「お前たちのその願い、暴風竜ヴェルドラに代わりこのリムル=テンペストと!」

 

「このリオン=テンペストが!」

 

「「聞き届けよう!」」

 

こうして、リオンとリムルはゴブリンの主、守護者となった。

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