転生したら猫妖精だった件   作:スライム作者

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牙狼族との戦い

どうやら牙狼族はまだ襲ってこない様らしく、リオンは出来る限りの防衛設備を整えることにした。

 

リムルは村長の案内で、負傷したゴブリン達の所に向かっている。

 

怪我の治療には体内に収納してるヒポクテ草から作った治療薬を使うつもりらしく、リオンはその治療薬の効果を《擦り傷程度に使うのが勿体なくなる程》と評価切れた腕でも断面をくっ付けて治療薬を掛ければくっ付くとの事だ。

 

「さてと、怪我人はリムルに任せて、こっちはこっちで頑張るとするか」

 

そう言い、リオンはゴブリン達を見る。

 

「まずは防衛用の柵を作ろう」

 

今の村の状態では、隙間がありすぎて四方八方から襲撃され放題。

 

そうされないためにも柵で防衛する必要があった。

 

「木材はあるかな?」

 

「いえ、ありません」

 

「ご必要でしたら、家をバラしてご用意します」

 

「いや、それはダメだよ。じゃあ、皆付いて来てくれ」

 

ゴブリンを連れ、森から木を2、3本、《水刃》で拝借し、さらに細かく《水刃》で切り刻む。

 

それらを組み合わせ、《粘糸》で固定し、簡易的な柵の完成。

 

要所要所を《鋼糸》と補強してあるので、ちょっとやそっとの衝撃で壊れる事もない。

 

おまけに外側に先を尖らせた槍も設置して突っ込んできたら、自分から刺さる設計となっている。

 

《鋼糸》と《粘糸》を組み合わせ、しっかりと地面に固定し、防衛設備の完成。

 

「よし、これで一先ずはOKかな。次は武器だけど……」

 

「リオン様、言われた通り村中の武器を集めてきました!」

 

ゴブリンが持ってきた武器は、やはりどれもボロボロで、2、3回斬り合えば簡単に折れるどころが砕けそうな脆さだった。

 

「取り合えず、この武器は全部使わない」

 

「ええ!?では、どうやって戦うんですか!?」

 

「近寄らず戦う。それだけだよ」

 

そう言い、今度は弓の作り方をレクチャーする。

 

ちなみに、リオンがこんなにも知識豊富なのは生前の知識のお陰だ。

 

リオンの会社は幅広く色んなことに手を出しており、その中に玩具関係や建築関係の仕事があり、資料で似たようなのを読んだ記憶があり、後は応用などでなんとか形にした。

 

(思えば、うちの会社って色々なことに手を出してるよな)

 

そんなことを思いつつ、人数分の弓と矢が出来上がり、リムルの方も怪我人の治療が終わり、後は牙狼族を迎え撃つのみとなった。

 

日が沈み、辺りが暗くなり、月明かりのみが夜の森を照らす中、牙狼族が現れた。

 

「そこで止まれ!このまま引き返すなら何もしないが、引き返さないなら容赦はしないぞ!」

 

リムルが前に出てそう言う。

 

リオンも前に出て、リムルの隣に立つ。

 

「言っておくが、こっちは万全の備えをしてる!死にたくないなら退け!」

 

『ふん!スライム風情や妖精如きが、調子に乗るな!ゴブリン共々血祭りに上げろ!』

 

牙狼族の長らしき狼が声を上げると、他の牙狼族が一斉に攻撃を仕掛けてくる。

 

が、柵に近づく前に牙狼族は見えない何かで傷を負い、追い打ちをかける様にゴブリン達からの弓攻撃が襲う。

 

正面の柵の前には《鋼糸》が張り巡らされていて、暗闇でソレに気づかない牙狼族は、自身のスピードで体を傷つけた。

 

『小賢しい真似を!』

 

長はそう言い、近くに居た牙狼に合図を出す。

 

合図を出された牙狼は頷き、他の牙狼族と共に左右から仕掛けてくる。

 

この暗闇じゃ普通は見えないだろうが、俺には見えてる。

 

「左右から来る!正面以外の弓部隊は左右に展開して、弓を撃て!」

 

「はい!」

 

リオンの言葉通りに、ゴブリン達は正面部隊を除き、左右に向けて弓を放つ。

 

『何故だ!何故左右からの襲撃が分かった!?』

 

長は驚いているが、大したことはしてない。

 

《五感強化》で視力の強化から《暗視》を行い、聴力の強化で足音一つ残らず聞き指示を出したのだ。

 

ソレが分からず、長はリオンとリムルを忌々しそうに見てくる。

 

『舐めるな!』

 

だが、流石は長。

 

仲間の血で濡れた《鋼糸》を見切り、全てを食いちぎって前進してくる。

 

そして、リオンとリムル目掛けて飛び掛かってくる。

 

が、長の攻撃は2人には届かず、空中で止まっていた。

 

『なっ!?これは……!』

 

「スキル《粘糸》。これで身動きは取れないだろ?」

 

『くっ……!貴様ぁ!』

 

「《水刃》!」

 

リムルが《水刃》を使い、長の首を撥ねる。

 

そのまま《粘糸》を解除し、長の死体が落ちる。

 

「牙狼族よ!お前たちのボスは死んだ!選択をさせてやる!服従か死か!」

 

リムルがそう言うが、牙狼族は何も言わずこちらを見てくる。

 

『リムル、向こうは何も言わないけど』

 

『しまったな……もし、服従するぐらいなら死を!とかって言われたらマズイ』

 

『有り得そうだな。もしそうなったら、どうする?』

 

『戦う以外ないだろうな。まぁ、俺とリオンなら大丈夫だと思うが、できれば逃げて欲しいんだけどなぁ』

 

一向に逃げる気配の無い牙狼族にどうしたものかと思っていると、リムルは何かをひらめき、長の死体を捕食した。

 

『スキル:《接続者》発動。スキル:《超嗅覚》獲得開始……《嗅覚強化》に類似しているため獲得放棄。スキル:《思念伝達》獲得開始……獲得。スキル:《威圧》獲得開始……獲得!』

 

新たなスキルを得て、リムルは《擬態》で牙狼族の長の姿へとなる。

 

「聞け。今回だけは見逃してやろう。我に従えぬというならばこの場より立ち去ることを許そう」

 

早速手に入れた《威圧》を使い、そう言う。

 

「「「我ら一同、貴方様方に従います!」」」

 

すると、牙狼族は全員が服従の態勢になりそう言った。

 

『とりあえず、一件落着ってとこかな?』

 

『ああ、そうだな』

 

こうして、牙狼族との戦いは終わりを迎えた。

 

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