デュエル・マスターズ Éclair   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。

 今回の投稿日が夏という事で水着回をお送りします。

 それでは、どうぞ


番外編
真夏の休暇に決闘(デュエル)を添えて 前編


 連日猛暑日に見舞われ、熱中症患者が後を絶たない程まで気温が上昇していく今日この頃、かすみ達は学生という事もあり夏休みに入っていた。

 

 しかし【THE BRIGHTER】のメンバーも学生が大半のためもあってか、JUDGEMENT(ジャッジメント)でデュエマに勤しんだり宿題や課題に没頭する者で別れていた。

 

 当然かすみは後者であり、夏休みの前半の殆どは宿題を終わらせるために専念していた。そして学校で出されるドリルの類いを8月の上旬で終わらせた後は自由研究やら読書感想文にも着手する予定であった。しかし……

 

 「いやー、とても気持ちいいねっ!」

 「本当に。店長には感謝するしかありません」

 

 希美と千歌はプールで水をかけ合いながらそんな事を口に出した。それもそのはず、かすみ達は都内で有数のレジャー施設に来ていた。

 

 その施設は遊園地や動物園、水族館も併設しており、冬季限定でスカート場を設けるなど、オールシーズンで利用客にも大絶賛でリピーターも後が絶えない程大人気である。もちろん、夏季限定でプール施設を開放しているのだ。

 

 ちなみにかすみ達が此処にいる理由は、JUDGEMENT(ジャッジメント)の店長と此処の施設の園長が学生時代からの旧友ともあってか、そのツテで来ていたのだ。ちょうど【THE BRIGHTER】も、夏休みを利用した慰安会と新人歓迎会も兼ねて此処に遊びに来ていたのだ。

 

 だが【THE BRIGHTER】以外にも客はいるため貸し切り…というわけにはいかないが、大の目的である慰安会と新人歓迎会をするには充分であるため誰も文句はなかった。

 

 かすみも、プールサイドに敷かれたレジャーシートに座って、希美と千歌の水のかけ合いを聞きながら読書をしていた。

 

 「かすみちゃん!本なんか読んでないでこっち来て遊ぼうよっ!」

 「えっ、いやぁ……」

 

 そんなかすみを見兼ねた希美は、かすみに手を振りながら彼女を呼んだ。しかし希美に呼ばれたかすみは何処か躊躇いながら狼狽えていた。

 

 「もしかして霧札さん、貴女泳げないのですか?」

 「……はい」

 

 何かに気づいた千歌はかすみを追及するも、本人は否定せず俯きながら気まずくなった。

 

 「安心して下さい霧札さん。そんな事あろうかと浮き輪をレンタルしてしましたので」

 

 そんなかすみ達に莉々が話に割り込んできた。確かに莉々の言う通り、彼女の手にはレンタルしてきたであろう浮き輪が握られていた。

 

 ちなみに莉々が此処にいる理由は……【THE BRIGHTER】の正式なメンバーではないが、かすみを経由して桜来学園の【デュエマ部】も連れて行こうと画策したのだが、当の部員の大半は不在であった。不在の理由としては部員の過半数が2年生で占めていて、その2年生は夏休みの行事として林間学校があり、しかも慰安会兼新人歓迎会と日程が被っているため『学業優先』のため林間学校に参加しているのだ。そのため、1年生(かすみ)3年生(莉々)しか桜来学園の生徒は参加していないのだ。

 

 「……分かりました。でも途中で落とさないでくださいね?」

 「善処しましょう」

 

 浮き輪があるという事もあり、多少安心したのかかすみも浮き輪を手に持ってプールに入った。そして浮き輪に入って水の上をプカプカと浮かんでいた。莉々もかすみの入っている浮き輪を、彼女を落とさないように押していた。

 

 「そういえば颯樹くんと京介くんと優奈ちゃんと結夢ちゃんは?」

 「長瀬さんと結夢さんは水着の準備をしているそうです。颯樹と京介さんは事前にエスコートを頼まれたそうで準備が終わるまで待機しているようです」

 

 プールで遊んでいると、希美は不意にまだ見かけないメンバーの動向が気になったようで指摘するも、千歌はむすっとしながらそれぞれの動向を答えた。

 

 ちなみに優奈も同じく【THE BRIGHTER】のメンバーではないが、京介から事前に誘われた事とそれに対して他のメンバーからの了承を得て参加する事となったのだ。

 

 「みんな、お待たせ」

 

 希美達が話しているその束の間、タイミングよく颯樹達がやって来た。当然全員は水着姿であるが……

 

 「で、なんで結夢ちゃんはそんな姿なわけ?」

 

 デッキチェアに座りながら咲恋は結夢の姿について指摘した。その理由は、結夢だけピンク色のラップタオルに身を包んでいたからだ。今の結夢は、肩から(くるぶし)までラップタオルでスッポリと身体が隠されていて中身が分からない状態である。

 

 「実はあまり人前で肌を露出するのは慣れてなくて……」

 

 咲恋の問いに答えるように、結夢はしどろもどろに答えた。どうやら彼女はこういった施設に行った事が無いようで、羞恥心には勝てなかったからか水着を着た身体を隠してしまったようだ。

 

 しかし、ギャップからか【THE BRIGHTER】の一般メンバーだけでなく、その他の利用客も結夢に視線を向けていた。

 

 「……ひとまずそれ脱いだらどうだ?こういうのもなんだが、悪目立ちすぎるぞ」

 「い、いくら颯樹様とはいえ出来ない相談です!」

 

 颯樹はラップタオルを脱ぐよう説得するも、いくら頼んだ相手が颯樹とはいえ脱ぐのを躊躇う結夢であった。それを見た希美や晴也は苦笑いするも、京介達は呆れてため息をつくくらいしか出来なかった。

 

 「やれやれ、見ていられんぞ」

 「翼さん……」

 

 そこに割り込むようにして入ってきたのは、銀色の短髪にサングラスをかけた年齢も京介や颯樹と大して変わらぬ青年であった。サングラスからは赤色の瞳がチラッと見えていた。

 

 この青年は赤井(あかい) (つばさ)と呼ばれており、デュエマをやっている者は誰も知らない程の有名人で、世界有数のプロ決闘者(デュエリスト)である。

 

 そんな彼だが、今はプロの活動を一時休止して【THE BRIGHTER】のメンバーの1人として加わっているのだが、その事情はまた今度話す事にしよう。

 

 「いいか、そんな躊躇いはくだらない。物事において躊躇いを見せるのは自分が負けを認めるのと一緒だ。だからそんなものは捨てて今の自分を曝け出せ。でなければ欲しいものも手に入らない」

 

 翼はサングラスを下にずらしながら結夢を覗き込むように見ながらアドバイスを結夢に送るのであった。言い方からしたら叱責にも聞こえるが、内容が内容なためか激励ともとれるアドバイスに結夢は困惑しながらも考え込んだ。

 

 「分かりました……では脱ぎます」

 

 決心したのか、結夢はラップタオルのボタンを一つずつ取って、全部のボタンを開けた後は豪快に脱ぎ捨てた。

 

 「少し、恥ずかしく感じますね……」

 

 ラップタオルを脱ぎ捨てた結夢は少し恥ずかしそうに照れていた。ちなみに今の結夢は、緑を基調としたストライプ柄のオフショルダータイプのビキニで、アンダーのタイプがスカートとなっている水着に身を包んでいるのだ

 

 水着姿ならまだ問題は無かった。だが結夢はスタイルは良い部類に属しており、出てる所は出て、締まる所は締まっているのだ。更に外国人というのもあってか、それらが顕著になっている。

 

 「うおぉぉぉぉぉぉぉ!スタイルすげぇ!」

 「すげぇ、脱いだらここまで見栄え変わんのか‼︎」

 「足もメッチャ細いっ!」

 

 結夢の水着を披露する場面を目撃した【THE BRIGHTER】の男性陣の殆どは喚起の声を挙げていた。晴也は苦笑いするも女性陣や京介は呆れてため息をついていた。

 

 「……黙れ/黙りなさい

 

 そこに翼と優奈が割って入ってきて、翼はデッキを構えながら、優奈は竹刀を構えながら男性陣を黙らせた。

 

 「貴様ら、慰安会が必要無いほど相当元気があると見た。それなら私と一戦デュエマをしないか?」

 「それかここはプールですが、スイカ割りでもいいんですよ?そのかわり貴方方がスイカの代わりを担ってもらう事になりますが?」

 

 翼は休んでいた所を邪魔されたから、優奈はせっかくの休日を台無しにされたらたまったものではないからか、その大元の原因である男性陣に睨みつけていた。しかも彼の周りからは炎が浮かび上がっていた(ように見えた)。

 

 『……失礼しまーす』

 

 そういうと男性陣は蜘蛛の子を散らすようにその場を立ち去った。片や活動休止中ではあるがプロ決闘者、片や剣道の師範なので、勝てないのは明白で、もし相手になったら自分達が灰になるおそれがあるので逃げるほかなかった。

 

 「……颯樹様。どうでしょうか、わたしの水着は?」

 「あぁ、似合ってるよ。その水着は誰が選んだんだ?」

 「優奈さんと咲恋さんです。『愛川さん達に選ばせたら碌なことにならないから私達が選ぶのをお手伝いします』って言って水着を買うのを付き合ってくれたのです」

 

 その後は結夢から事情を聞いた颯樹は優奈達に感謝すると同時に、彼女の水着姿に見惚れていた。

 

 しかもその際、結夢は水着の胸元を少しだけずらして軽く見せたり、颯樹の前で髪を留める為にゴムを口で軽く咥えて、髪を後ろで束ねようとしていた。水着スタイルの良さが際立って目立っていたため結夢の良さが顕著になっているのだった。

 

 「結夢ちゃんには少しズルい所があるようだね……」

 「ええ。私達が嫉妬してるのに嗚呼もあそこまでやるとは思いもしませんでした」

 

 その光景を、いつのまにかプールから上がっていた希美と千歌はワナワナと震えながらジワジワと結夢に近づいていた。

 

 「……!」

 「ふぎゃっ⁉︎」

 

 しかし優奈は危機を感じ取ったからか手に持っていた竹刀を希美達目掛けて投げつけた。千歌は躱すも、希美は気づかなかったようで竹刀が後頭部に直撃してそのままプールにドボンっと音を立てて落ちていった。

 

 「ぷはっ!もう優奈ちゃんってば、いきなり竹刀を投げるなんて酷いよぉ!」

 「すみません、当てるつもりはありませんでした」

 「何それッ!私目掛けて一直線だったけど!?」

 「貴女だけではありません。水澄さんにも当たるつもりでしたので」

 「結局は当てる気満々じゃんっ!」

 

 竹刀の当たった箇所を抑えながら希美は優奈に文句を言うも、当の本人はしれっとしながら希美を受け流していた。

 

 「まあそれ以上にしてやってくれよ優奈さん。せっかくの休みを説教に使うのは勿体ないっしょ?」

 「京介さん……そうですね。少しやりすぎました」

 

 それを見兼ねた京介は仲裁に入るように割って入った。(もっと)も、京介の言った通り、今回は慰安会兼新人歓迎会という目的で着ているためそういった行動をしては意味がないからだ。優奈もやりすぎたと自覚しているようで竹刀を下ろした。

 

 「優奈ちゃんだって人のこと言えないじゃん」

 「本当に。横暴にもほどがあります」

 

 しかしそれに水を差すように希美と千歌が小声で愚痴を呟いた。しかもその表情は日頃の所為か不満気であった。

 

 「貴女達。何か文句があるなら手足を縛って2人仲良くウォータースライダーを滑ってもらう事になりますが?」

 

 その愚痴を聞き取った、あるいは地獄耳だからからか、優奈はニッコリと笑いながら手の指を鳴らし始めた。しかも片手で指を鳴らし、もう片方の手には竹刀が握られているため優奈の本気が嫌というほど伝わってくる。

 

 「……遠慮しまーす」

 「流石に命は惜しいですね」

 

 勝てないと悟った希美と千歌は手を小さく上げながら降伏していた。

 

 「……颯樹様。わたくし、颯樹様とウォータースライダーを滑りたいです」

 「あのー結夢、今ここで言う?」

 

 しかしこのタイミングで結夢が颯樹とウォータースライダーを滑りたいと言い始めた。

 

 「それなら京介、あたし達も一緒に滑らない?」

 「構わないが…「私の事は気にせずにお願いします。私は此処で少し日光浴をしてますので。ですが後でお願いしますね?」…了解しました」

 

 それにつられて咲恋にウォータースライダーを滑らないか誘われる京介であったが、優奈の事が気がかりなのか彼女を見るも、心配は無さそうなのでお誘いを了承した。

 

 だが……結夢のそれを聞いた希美と千歌の眼光が鋭くなって彼女を睨み始めた。

 

 「結夢ちゃん?いくらなんでも限度があるからね?」

 「全くもってその通りです。度の過ぎたワガママが通るとは限りませんよ?」

 

 希美と千歌は結夢の事を睨みつけながらジリジリと近づいてきた。しかも2人は手の指を鳴らしていつでも臨戦体制に入っていたのだ。

 

 しかし……

 

 「「ふぎゃっ⁉︎」」

 

 優奈はまたもや手に持っていた竹刀を希美達に投げつけた。しかも今度は千歌は結夢の方を向いていたため優奈の事を完全に疎かになっていたので、2人仲良く後頭部に直撃してプールに落ちていった。

 

 「さて…オシオキとして手足を縛ってウォータースライダーと逝きましょうか?」

 「待って優奈ちゃんっ!『逝く』の字絶対間違えてるから!」

 「待ちなさい長瀬さん!それ絶対係員に止められるヤツです!」

 

 優奈によってプールから引き上げられた2人は、必死に抵抗するもそれも叶わず彼女に引き摺られてウォータースライダーまで連行されるのであった。そしてその数分後、2人の悲鳴がウォータースライダーから鳴り響いたのは言うまでもなかった。

 

 「……さて、行こうか」

 「「「了解(しました)」」」

 

 颯樹の一声で京介達はウォータースライダーに向かった。そしてペアは当然颯樹&結夢、京介&咲恋となったが、それ以降は特に何も問題なくウォータースライダーを滑る事が出来たのであった。

 

 「もしかして莉々さんも行くの?」

 「当然です。兄様と結夢様が滑り終えた後は、兄様に私と滑るようお願いしますので」

 

 莉々の(したた)かさに晴也とかすみは呆れると苦笑いしていた。その後、颯樹と京介達が滑り終えた後は、各々が相方を交換してウォータースライダーを滑るのであった。

 


 

 ウォータースライダーが終わった後は、流れるプールや波の出るプールを堪能した後は全員が昼食を摂った。その後、かすみはデッキチェアに座りながら休憩していた。彼女の視線の先には、飛び込みをしている颯樹や京介、優奈の姿があった。

 

 「しかしここまで休息をとると刺激が欲しくなるな」

 「そうですね」

 

 かすみと同じくデッキチェアに座って休憩していた翼は伸びをしながらそんな事を呟いた。幾ら活動を休止しているとはいえ、退屈だと感じるのは無理もない事だ。

 

 「どうだ?ここは一戦デュエルしないか?冷たくなってきたらホットな催しも必要になるだろ?」

 「デュエルですか……分かりました、やりましょう」

 

 翼はデッキを取り出しながらかすみにデュエルを申し出た。かすみも決闘者なためか、挑戦を受けたからにはデュエルで応えようとするため鞄からデッキを取り出した。

 

 「なんだ?2人でデュエマするのか?」

 「それはいいですね。私達もお相手お願いできませんか?」

 「私もやりたいっ!」

 

 ちょうどそこに飛び込みが終わった京介達がかすみ達の元へやってきた。颯樹と京介、優奈は飛び込みをしていたためタオルで身体を拭きながらであるが。そんな彼らの話を偶然施設の園長が聞いていたので、イベントで使うファイト台を5つ急遽用意してくれたのだ。

 

 「それなら趣向を変えてデュエマ合戦といこうか」

 「いいですね颯樹様。早速やりましょう!」

 

 颯樹の提案を受けて、誰が誰の相手をするかの組み合わせを決めるくじびきが始まった。そしてものの数分で対戦カードは決まるのであった。

 

 「これも何かの縁というやつだね」

 「同じ火文明を主力で戦うもの同士、全力で挑め」

 

 「よろしくね、京介くん!」

 「やれやれ。骨が折れそうだが、新しいアビスロイヤルを試す機会に恵まれたな」

 

 「よろしくお願いしますね」

 「此方こそよろしくお願いします」

 

 「まさかアンタとまた一戦交えるとはね……」

 「ホントに。意外と縁があるようだ」

 

 「まさか貴女とデュエルするとは……」

 「まあいいでしょう。相手にとって不覚はありません」

 

 結果は……晴也VS翼、希美VS京介、優奈VS千歌、咲恋VS颯樹、結夢VS莉々となった。ちなみにかすみも当初は参加予定であったが、ファイト台の数の都合上見学となったのだ。

 

 「それじゃ、始めようか……」

 『デュエマ、スタート(!)』

 

 颯樹の掛け声から始まり、デュエルが一斉に始まるのであった────。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 今回は新キャラを登場させましたが、こちらは本編の後書きにキャラプロフィールを掲載しますので今暫くお待ちください。

 次回はこの続きをお送りします。更新は近日中を予定しております。内容としては莉々と結夢のデュエルとなります。

 それでは、また次回。




 最後に、結夢以外本編で描写されなかった女性陣の水着を纏めて記載します。

・かすみ→モノトーンの緑色のワンピース型の水着。

・千歌→青を基調とした三角ビキニだが、布地が少し少なめ。

・希美→白を基調としたピンクの花がプリントされたフレアビキニ。

・咲恋→黄緑を基調としたクロスホルダービキニ。

・優奈→紺色のバンドゥタイプのビキニに同じ色合いのパレオを巻いてる。

・莉々→白を基調とした和テイストなビキニに腰にパレオを巻いてる。
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