デュエル・マスターズ Éclair   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました!最新話を無事投稿致しました!

 近頃発売される『スタートWIN・スーパーデッキ 深淵の邪襲(アビスベル・ラッシュ)』に期待を持ちながら楽しみにしてる所存です。

 さて、前書きはさておき……今回は千歌と晴也のデュエルをお送りします。今回は字数が長くなりますが、1話で終わりますので、どんなデュエル展開になるかお楽しみください。

 それでは、どうぞ!

 ※いつものように前回のあらすじも載せます。ちょっとした復習感覚で読んでもらえると幸いです。

 【前回までのあらすじ】
 ひょんなことからチンピラとデュエルする事になった京介。そんな京介はデュエマ経験者でも知らない《アビスロイヤル》の『アビスラッシュ』で見事格の差を見せつけたのであった。

 そしてかすみもそんなデュエルを見て感化されたのか、【THE BRIGHTER】に入団する事を決意するのであった。

 次はかすみのデッキ決め……だが、デュエル見学で感覚を掴む事に。そしてそれを担ったのが同じ【THE BRIGHTER】のメンバーの千歌と晴也、今この二人がデュエルするのであったーー!
 




爆衆の猛攻と電磁の合成獣

 二人の掛け声でデュエルが始まった。その際、先攻を決めるコイントスの結果、晴也が先攻となったのであった。

 

 【晴也 ターン1】

 「それじゃあ行くよ。僕のターン。マナチャージ、コストを1支払って《グレイト“S-駆”》を召喚。コレでターンを終了するよ。」

 手札5→4→3/デッキ30/マナゾーン1

 

 晴也のバトルゾーンにヘルメットに近いバイザーを着けた猿型のクリーチャーが現れた。そして晴也はこのターン何も出来る事が無いため千歌にターンを明け渡した。

 

 【千歌 ターン1】

 「私のターン。アンタップ、ドロー、マナチャージしてターンエンド。」

手札5→6→5/デッキ30→29/マナゾーン1

 

 一方の千歌は《ドンドン火噴(ボルカニッ)くナウ》というカードをタップした状態でマナゾーンに置いて、そのままターンを晴也に明け渡した。

 

 しかし何故マナにタップした状態で置いたのかかすみは頭に疑問符が浮かんだが、京介が『2色以上…通称多色(レインボー)カードはマナゾーンに置く時はタップ状態で置かれるんだ。』とフォローした。

 

 「あのメガネ、【ビートジョッキー】を使うのか。見かけによらねぇなぁ……。」

 「で、あの別嬪の姉ちゃんは火水自然(シータ)を使うんだな。」

 

 スキンヘッドとグラサンは晴也と千歌の開始1ターン目の盤面を見てお互いがどんなデッキを使うのか予想していた。二人の考察した予想に多少驚きながらも颯樹は『正解だよ。』と軽く返した。

 

 ちなみにこの二人は千歌達が準備している間にかすみや颯樹達に軽い自己紹介をさりげなく済ませていたのだ。スキンヘッドはテツ、グラサンはイシと名乗っていたのだ。(おそらく渾名だろうと颯樹と京介は勘づいたが敢えて何も言わず黙っていた。)

 

 「あのー、『ビートジョッキー』とシータ…でしたっけ。それってなんですか?」

 

 一方でデュエマ初心者のかすみは種族や用語について理解出来なかったようで颯樹と京介に説明を求めてきた。

 

 「『ビートジョッキー』は主に火文明を中心に構成されたクリーチャーだ。あと此処でもう一つ、せっかくだから火文明の説明をするぞ。まず特徴としては低コストや『スピード・アタッカー』が多くて速攻が得意な文明だ。」

 「『スピード・アタッカー』……?」

 「さっき召喚酔いの説明を受けたよな? 『スピード・アタッカー』は召喚したターンでもアタックが可能な能力の事だ。」

 

 京介は『ビートジョッキー』の詳細を火文明の軽い説明をした。その際にかすみにとって聞き慣れない用語があるため、それについても

 

 「あとはシータというのは火文明と水文明と自然文明で構成された総称を指す水文明と自然文明の説明だが……ただ説明するだけだと捻りがないから、このデュエルを見た方が早いよ。大丈夫、すぐに特徴が掴めるから。」

 

 それに補足するかのように颯樹は『シータ』を分かりやすく説明した。その際に火文明の説明を京介から受けたが、残りの水と自然文明については実際にどのような動きをするのか、デュエマを見て体感してもらう事となった。

 

 【晴也 ターン2】

 「僕のターン。アンタップ、ドロー、マナチャージ。コストを2支払って《赤い稲妻(サバイバル)テスタ・ロッサ》を召喚。」

 手札3→4→3→2/デッキ30→29/マナゾーン1→2

 

 グレイト"S-駆"の隣に銀髪のツンツン頭の背中に背中に武装を施した人型のクリーチャーが現れた。

 

 「バトル、グレイト"S-駆"で真ん中のシールドに攻撃。」

 

 グレイト"S-駆"は千歌のシールド目掛けて、拳を構えながら突進してきた。そしてそのままシールドは破壊された。

 

 「トリガーチェック……何もありません。」

 手札5→6/シールド5→4

 

 「ターンエンド。」

 手札2/デッキ29/マナゾーン2

 

 千歌がトリガーチェックを終えるのを確認した晴也はそのままターンを終了して彼女にターンを明け渡した。

 

 【千歌 ターン2】

 「私のターン。アンタップ、ドロー、マナチャージ。コスト2支払って呪文《フェアリー・"Re"ライフ》発動。デッキの一番上のカードをマナゾーンにセットしてターンエンドです。」

 手札6→7→6→5/デッキ29→28→27/マナゾーン1→2→3

 

 【マナに送られたカード】

 《竜界電融 N(エヌ)EXT(エクストリーム)

 

 一方の千歌はクリーチャーを召喚せずに、呪文を唱えてマナを増やしてそのままターンを晴也に明け渡した。

 

 【晴也 ターン3】

 「僕のターン。アンタップ、ドロー、マナチャージ。コストを2支払い《Re(リスタート):()奪取(ダッシュ) トップギア》を召喚。」

 手札2→3→2→1/デッキ29→28/マナゾーン2→3

 

 晴也のバトルゾーンには逆立った赤髪のバイザー付きの二本角のマスクと右手の弓矢がドラゴンに模したデザインの赤い鎧を身に纏っている人型のクリーチャーが現れた。

 

 「バトル、グレイト"S-駆"とテスタ・ロッサで両端のシールドをブレイク。」

 

 そしてグレイト"S-駆"とテスタ・ロッサは千歌のシールド目掛けて突進してシールドを破壊した。

 

 「トリガーチェック…1枚ヒット、《ミステリー・キューブ》。デッキをシャッフルして1番上を表向きにして、クリーチャーならバトルゾーンに、それ以外でしたらマナゾーンに置かれます。行きます……」

 手札5→7→6/シールド4→2

 

 しかし千歌のシールドから、シールド・トリガーが反応した。それと同時に千歌はデッキの上から1枚のカードをオープンした。そして……

 

 「《電磁 アクアン-2》……クリーチャーのため、そのまま召喚されます。」

 デッキ27→26

 

 何やら怪しいお札を貼り付けた、体の色が赤青緑で、本体が水で出来ているクリーチャーが出て来た。

 

 「アクアン-2の登場時効果、デッキの上から4枚を表向きにして、その中から火、水、自然文明のカードを手札に加え残りはデッキの下に好きな順番に置きます。まずはチェック。」

 

 【チェックされた4枚】

 《フェラリー・RE:ライフ》

 《Disノメノン》

 《妖精 アジサイ-2》

 《無頼 ブロンズ-1》

 

 「……火は《Disノメノン》、水は《妖精 アジサイ-2》、自然は《無頼 ブロンズ-1》を手札に加えて残りはデッキの下に置きます。」

 デッキ26→23/手札6→9

 

 「ターンエンド。」

 

 千歌はシールド・トリガーの処理を終えてターンを晴也に明け渡した。

 

 【千歌 ターン3】

 「私のターン。アンタップ、ドロー、マナチャージ。コストを4支払って《妖精 アジサイ-2》を召喚します。」

 手札9→10→9→8/デッキ23→22/マナゾーン3→4

 

 千歌のバトルゾーンに、アクアン-2と同じお札を左腕に腕章のように身につけているマゼンタ色のロングヘアでレンズが厚い眼鏡をかけた、見た目が少女のクリーチャーが1体現れた。

 

 「アジサイ-2の登場時効果、デッキの上から2枚見て1枚をマナゾーンに置いて、もう一枚は手札に加えます。」

 手札8→9/デッキ23→21/シールド2/マナゾーン4→5

 

 【マナゾーンに置かれたカード】

 《禁断竜秘伝 エターナルプレミアムズ》

 

 「あの嬢ちゃん、【火水自然ディスペクター】かよ……!」

 「『ディスペクター』……ですか?」

 

 テツが千歌の使うカードから彼女の使うデッキを予想を立てた。それに対して颯樹は『そうだよ。』と返した。しかしかすみは首を傾げて『ディスペクター』について尋ねた。

 

 「そこはこのデュエルを見ていればすぐに分かる。」

 

 しかし京介はデュエルの面白味が減ると感じたからか、すぐには教えずにデュエルを見て体感した方がいいと思ったようだ。それを受けてかすみは、京介の意図に理解できたのか、無言で頷いた。

 

 「これでターンエンドです。」

 

 【晴也 ターン4】

 「僕のターン。アンタップ、ドロー、マナチャージ。トップギアの効果で1コスト軽減して、コスト1を支払って《ダチッコ・チュリス》を召喚。」

 手札1→2→1/デッキ28→27/マナゾーン2→3

 

 そして千歌は自分ターンを終わらせて晴也にターンを明け渡した。そして晴也は基本の動作を終わらせた後は、首に唐草模様のスカーフを巻いた赤い毛色のネズミがバトルゾーンに現れた。

 

 「ダチッコ・チュリスは召喚した時、次にビートジョッキーを召喚する時コストを最大3まで軽減するけど、それは使わない。何故ならこのクリーチャーを出すからだ。」

 「来ますね……どうぞ。」

 

 そして晴也は残り最後の手札を掲げた。

 

 「行くよ……『マスターG・G・G』発動!自分の手札がこのカードだけならコストを支払わずに召喚できる!《"轟轟轟"ブランド》を召喚!」

 

 晴也がそう宣言すると共に、彼のバトルゾーンには爆炎と煙が舞った。煙が晴れると、そのにはロケットやスペースシャトルのような宇宙船に酷似した武装をしたクリーチャーが姿を現した。

 

 「召喚した時1枚ドロー!更に手札を破棄して捨てた枚数1枚につき相手のパワー6000以下のクリーチャーを破壊するけど、今回は使わないよ。」

「いいでしょう。」

 

 《"轟轟轟"ブランド》の効果でドローした晴也は、そのカードをまた掲げたのであった。

 

 「……このクリーチャーは召喚する際コストを3少なくして火文明のクリーチャーが召喚されたため更にコスト3軽減するよ。マナコストを2支払って『スターMAX進化』!《我我我ガイアール・ブランド》!」

 

 その宣言のもと、ダチッコ・チュリスが炎に包まれた。ダチッコ・チュリスのいた場所には竜を模したスケートボードに乗った、赤い鎧を身につけたクリーチャーが現れた。

 

 「このターンで仕留める気ですね。」

 「もちろん。まずは"轟轟轟"ブランドでシールドをW・ブレイク!」

 

 晴也の指示のもと、"轟轟轟"ブランドは千歌の最後のシールド2枚を破壊した。

 

 「シールドチェック……あら、残念ですね晴也さん。2枚ともヒットしました。まずはG(ガード)・ストライク《地龍神の魔陣》。」

 シールド2→0/手札8→10

 

 「G(ガード)・ストライクって何ですか?」

 「G(ガード)・ストライクはシールド・トリガーと同じでシールドから手札に加える時に発動できる能力だが、シールド・トリガーと違う点は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()封じる能力だ。」

 

 またかすみにとって分からない用語が出てきたのでどんなものか京介に尋ねた。もちろん京介もかすみの言いたい事がある程度分かってたため丁寧に教えた。

 

 「まずはガイアール・ブランドを選択してこのターン中アタックできません。」

 

 千歌がそう言うと、ガイアール・ブランドの足元に魔法陣が現れた。そして次の瞬間、青と緑の光輪が出てきてそのままが・ブランドの手足を拘束した。

 

 「そして2枚目……シールド・トリガー《ミステリー・キューブ》。これは先程効果を説明したので省略しますね。それでは行きます、チェック……!」

 手札10→9

 

 先程千歌がシールド・トリガーとして使った《ミステリー・キューブ》を晴也に見せた。そしてそれを墓地に置いてデッキの1番上のカードを捲った。そしてカードを見た瞬間、千歌は不敵な笑みを浮かべた。

 

 「此処で来ますか……行きますよ、晴也さん。」

 「ま、まさか……!」

 「来なさい……《呪帝電融 カーペラー・キリテム》!」

 デッキ23→22

 

 千歌はそのまま先捲ったカードをバトルゾーンに出した。そして次の瞬間、2体のクリーチャーが現れた。

 

 そこには、緑色のカールに巻かれた髪型の白いスカートに似た電脳チックな雰囲気を漂わせる外見が女性のクリーチャー…《エンペラー・キリコ》と、彫刻碑と思われる茶色の仮面に似たクリーチャー…《呪紋の化身(カース・トーテム)》が現れた。しかし……

 

 『グオッ⁉︎』『ヒェッ⁉︎』

 

 2体が登場して間も無くして、何やら磁場のようなものが発生してクリーチャー同士が無理矢理引き合わさった。そしてその瞬間、2体は渦なようなものに引き込まれていった。

 

 その後、青と緑の魔法陣が出てきて1体のクリーチャーが現れた。そのクリーチャーはエンペラー・キリコであるが、その下半身には呪紋の化身が繋がった、見るからにおぞましいクリーチャーであった。

 

 「あれが、『ディスペクター』……。」

 「嗚呼、『ディスペクター』を大まかに説明すると……彼奴等は既存のクリーチャー同士を合体させて誕生したクリーチャーだ。合体方法はさまざまだが、千歌の使ってるディスペクターの場合は電磁を用いての合体だ。あのカーぺラー・キリテムを用いて分かりやすく説明すると、磁石同士でくっついてると思ってくれた方が分かりやすい。」

 

 京介は此処でかすみに『ディスペクター』について例え話も交えてやっと解説した

 

 「なるほど……。」

 「あと、『ディスペクター』に共通してる所が一つある。」

 「……?」

 

 知って納得したかすみだが、京介は言い忘れてた事があったのか補足として『ディスペクター』の特徴をかすみに伝えようとした。

 

 「そこは私が説明します……カーペラー・キリテムの『EXライフ』!登場した時デッキの一番上をシールド化します!」

 シールド0→1

 

 しかし、そこの部分は千歌にバトンタッチして、説明が終わるとともに、千歌のシールドが1枚増えた。しかもシールドは悍ましい怪物を彷彿とさせる見た目で、それがカーペラー・キリテムの前に現れた。

 

 「ならばトップギアでシールドをブレイク!」

 

 晴也はそれに負けじとトップギアでシールドをブレイクした。

 

 「シールドチェック……ヒット、呪文《ホーガン・ブラスター》発動!デッキをシャッフルしてデッキの1番上のカードがクリーチャーなら召喚して、呪文ならノーコストで発動します。」

 シールド1→0/手札9→10→9

 

 しかし千歌の追加されたシールドもシールド・トリガーのようで、先程発動した《ミステリー・キューブ》と少し似た呪文であった。

 

 「……《禁断竜秘伝エターナルプレミアムズ》、呪文のためこのまま発動!まずは私のマナゾーンから《妖精 アジサイ-2》を召喚!その後デッキの1番上をマナゾーンに置きます。更にアジサイ-2の効果でデッキの上から2枚見て1枚をマナゾーンに、もう一枚を手札に加えます。」

 手札9→10/マナゾーン5→4→5

 

 そしてデッキの一番上を捲った千歌は、そのカードが呪文だったため、そのまま発動した。カードの効果が相まって、召喚やマナチャージ、ドローをして千歌の盤面が整いつつあった。

 

 「まだ終わってませんよ? 私と貴方のクリーチャーを1体ずつ選んでバトルします。私はカーテラー・キリテムと貴方のテスタ・ロッサを選択して強制バトルします。」

 

 そして盤面を整えるだけに飽き足らず、強制バトルも行わさせた。指定された2体は突然身体が動き出し、そのままなすすべもなくバトルとなった(というよりそう思ったのはテスタ・ロッサだけだが……)。そしてテスタ・ロッサはカーペラー・キリテムの攻撃を避けられる事ができないため、そのまま破壊された。

 

 「カーペラー・キリテムの効果、自身がバトルに勝った時マナゾーンからコスト7以下のクリーチャーを召喚します。」

 

 千歌がそういうと、バトルゾーンに赤青緑の3色の魔法陣が現れた。

 

 「来なさい、《竜界電融 N(エヌ)EXT(エクストリーム)》!」

 

 魔法陣から《サイバー・N・ワールド》と呼ばれる《エンペラー・キリコ》とは似たり寄ったりな電脳チックなデザインのクリーチャーと《ボルバルザーク・エクス》と呼ばれる両腕に炎を纏ったドラゴンが現れた。

 

 しかし、コレも先程と同様に2体が突如発生した磁波で引き合わされて渦が発生して2体が飲み込まれた。そして、《ボルバルザーク・エクス》とは同じ見た目だが、所々に機械のパーツと合体されたクリーチャーが現れた。現れたと同時にカーペラー・キリテムと同じシールドがN・EXTの前に出現した。

 

 マナゾーン5→4/シールド0→1

 

 「まずいな……ならグレイト"S-駆"でシールドをブレイク!」

 

 嫌な予感がした晴也はそのままN・EXT前のシールドをブレイクした。

 

 「シールドチェック……ありません。」

 手札10→11

 

 一方の千歌は、シールドを破壊されても平然としていた。何故ならもう晴也にはアタックできるクリーチャーがいないため、これ以上追撃を受ける心配は無いからだ。

 

 「まずい、仕留め損ねた……ターンエンド。」

 

 晴也は仕留められなかった事を残念がり、そのままターンを千歌に明け渡した。

 

 【千歌 ターン4】

 「私のターン。ドロー、アンタップ、マナチャージ。まずは《ブロンズ-1》を召喚。登場時効果でデッキの上から1枚をマナチャージ。さて晴也さん、先程のターンで仕留められなかった事を後悔して下さい。行きます……」

 手札11→12→11→10/シールド0/マナゾーン4→5→6

 

 そして千歌は勝利宣言と共に1体のクリーチャーを出した。そのクリーチャーは槍とお札が貼られた盾を持った緑色のカバのようなクリーチャーであった。

 

 「アジサイ-2を2体、アクアン-2をササゲール!その効果で合計6マナコスト軽減します!」

 「マナコストを軽減ですか⁉︎」

 

 千歌はマナコスト軽減を宣言して1手札にある枚のカードを上に掲げた。かすみも驚いたが、それを見かねた颯樹が千歌の使うクリーチャーの持っている『ササゲール』という能力を彼女に簡単に耳打ちした。

 

 「3コスト支払い、来なさい……《禁断(きんだん)竜王(りゅうおう) Vol(ボル)-Val(バル)l-8(エイト)》!」

 

 千歌がそういうと、腕がタイヤになってる2足歩行のロボット型クリーチャーの《禁断機関 VV-8》と先程のボルバルザーク・エクスに似たクリーチャー《無双竜騎 ボルバルザーク》というクリーチャーがバトルゾーンに現れた。

 

 そしてこの2体も、先程の2組と同じように磁場に巻き込まれて無理矢理合わさり、渦に飲み込まれた。2体が飲み込み終わった時に渦が消えたが何も出てこなかった。しかし……

 

ザンッ!

 

 千歌のバトルゾーンにいた4体のクリーチャーが何かしらの攻撃を受けてそのまま破壊された。その背後には大量の排気パイプに備えたロケットに《VV-8》と《ボルバルザーク》の上半身が磔になるかのように接合された腕に大剣を携えたクリーチャーであった。

 

 「厄介なのが出てきたね……。」

 「もちろん、貴方にもうターンは回って来ませんよ?行きます、バトルです。まずはN・EXTでシールドをW・ブレイク。N・EXTは攻撃時に自分か相手の手札と墓地のカードをデッキに戻してシャッフルして5枚ドローします。対象はもちろん私です。」

 手札11→5

 

 N・EXTは両腕で晴也のシールド2枚をブレイクした。

 

 「シールドチェック……ヒット!G・ストライク《ダチッコ・チャリスター》!カーペラー・キリテムを選択してこのターン、アタックできないよ。」

 シールド5→3/手札1→3

 

 晴也はシールドチェックでG・ストライクを2枚ヒットしたが、Vol-Val-8は『ジャスト・ダイバー』のおかげでG・ストライクが無効になるため、

やむを得ずカーペラー・キリテムだけ選択した。

 

 「ならVol-Val-8、シールドをトリプル・ブレイク!更にVol-Val-8がアタックした時、自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚まで手札に加えて残りを好きな順序で山札の下に置きます。その後、パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊します。」

 

 Vol-Val-8は晴也のバトルゾーンにいる我我我 ガイアール・ブランド以外のクリーチャーを自身が持っている大剣でシールド諸共薙ぎ払った。

 

 「シールドチェック……何も無し」

 シールド3→0/手札3→5

 

 晴也のシールドチェックは何も出ずに終わった。千歌のバトルゾーンにはアタックできるクリーチャーはこれ以上いないため、ターンエンドして晴也にターンを明け渡す事になる。はずだが……

 

 「ターンエンド。更にVol-Val-8の効果。ターン終了時に……このターン、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、このターンの後に自分のターンを追加します!」

 「えっ、ターンの追加ですか⁉︎」

 

 此処で千歌はターンの追加を宣言した。まさかのターンの追加があるとは思わずかすみは驚きを隠さなかった。

 

 「此処まで来ると手出し出来ないや……。」

 「ではトドメを刺すとしましょう……アンタップとドローとマナチャージを済ませて、Vol-Val-8でダイレクトアタックです。」

 

 晴也のバトルゾーンと手札で何も出来る事が無いようで、敗北宣言をした。一方の千歌は、晴也のその潔さに共感したようで、手荒な真似はせずにVol-Val-8でトドメを刺すと宣言した。そしてVol-Val-8は、大剣を晴也に向けて大きく振りかぶった。

 

勝者(WINNER):水澄 千歌

 


 

 「対戦、ありがとうございました。」

 「こちらこそありがとう。」

 

 デュエルが終わった晴也と千歌はその健闘を讃えるかのようにお互いが握手をした。そのデュエルを観ていたギャラリー達も拍手でそのデュエルを賞賛した。

 

 「さてかすみ、此処でクエスチョンだ。千歌のデッキの動きについて何か気になった事はあるか?」

 

 二人のデュエルが終わった直後、京介はかすみに千歌のプレイングで分かった事があるかを問いかけた。

 

 「はい。マナが増えたりドローしていたりと、色々準備してる感じでした。」

 「そう。自然文明は主にマナブーストが得意で、水文明はドローやサーチするのが得意なのが特徴だよ。」

 

 かすみは大まかにだが、千歌の使う文明の特徴を答えた。それを見た颯樹は一回頷いて同意すると同時に自然と水文明の説明を補足した。

 

 「それじゃあデュエル観戦も終わった事だし、かすみのデッキを決めるとするか。」

 「そうね。」

 

 そして此処から話の本題であるかすみのデッキに取り掛かる事となった。それを見かねた颯樹や千歌もその準備をしようとした。しかし……

 

 「話は聞かせてもらったぞ、お前ら。」

 『店長‼︎』

 

 そこにJUDGEMENTの店長がファイトスペースに入ってきた。どうやらこの一連の話を立ち聞きしていたようだ

 

 「決闘者が増えるのはいい事だ。だが今日はもうすぐ閉店時間な上に遅い。聞けばその嬢ちゃんはまだ高校生にすらなってないだろ?」

 

 店長が時間とかすみの今の立場について指摘したきた。全員が時間を確認すると、店長の指摘通り、現在の時刻は18:30を差していた。

 

 「時間なら仕方ないか。 かすみ、明日以降で予定がつく日ってある?」

 「明日は午前中は予定があります。 でも午後なら空いてます。」

 「分かった。なら明日の15時に此処に集合、皆んなもそれでいい?」

 

 時間なら仕方ないと割り切った颯樹はかすみに翌日以降のスケジュールを聞いてから予定を立てた。そして京介たちにも大丈夫か聞いてきた。

 

 「俺は大丈夫だ。」

 「私も大丈夫です。」

 「あたしは問題ないわ。」

 「僕も構わないよ。」

 「OK、なら今日はもう遅いし此処で解散しようか。」

 

 京介を筆頭に全員が了承した。それを聞いた颯樹は無言で頷いた。そしてそれを確認したら解散を宣言して全員が帰宅の準備に取り掛かったのであった。

 


 

 「今日はすまなかったな、かすみ。」

 「全然問題ないです。」

 

 解散して数十分後、かすみは京介が運転する車に乗っていた。流石に遅くまで残っていたので、そのお詫びも兼ねて自宅兼下宿先まで送っている最中であった。

 

 「しかしデュエマを始める娘ができて嬉しいわ。あたしもコイツに誘われた時の事を思い出すわ。」

 「咲恋さんも?」

 「そうよ♪」

 

 助手席にいた咲恋がデュエマを始めた時の事を思い出すように呟いた。その後は咲恋とかすみはガールズトークに花を咲かせるのであった。

 

 「……此処か、着いたぞ。」

 

 ガールズトークに花を咲かせる事数分後、目的地である『プレリュード』付近の駐車場に到着した。

 

 「それじゃあまた明日な。」

 「はい、分かりました。おやすみなさい。」

 「おやすみね。」

 

 かすみはそう言って車を降りた。そしてかすみが降りた事を確認した後はそのまま車を発車した。かすみは車が見えなくなるまで手を振って見送った。

 

 京介達を見送った後、かすみは自室に帰って少し遅い夕食やら風呂を済ませてから明日の準備を終わらせた。そして時刻は午後22時30分、今日は色々な事があったためが疲れているようで、少し早めの就寝をとる事となった。

 

 「(明日は学校に挨拶、その後はデッキ決め……なんか緊張するなぁ……。)」

 

 明日やる事の思いを馳せながら、かすみはそのまま夢の中に入るのであったーー。




 まずはお気に入り登録、読了ありがとうございます。こんな拙作を読んでくれるだけでも感謝感激です。

 今回は千歌と晴也のデュエルとなりましたが、『ディスペクター』の描写は難しい。原作とは違う登場方法だから手間取ってしまった。そして今回は千歌に軍配が上がりましたが、晴也も健闘しました。まああそこで攻めないと後が大変だから仕方ないんですけどね。


 ※今回は千歌とデュエルしました晴也のプロフィールを軽く掲載致します。ちなみに晴也は他の作品でも登場してます。

【名前】衛宮(えみや) 晴也(はるや)
【性別】男 【年齢】19 【誕生日】2月21日
【学年】大学2年生
【性格】冷静で温和な性格
【学校】私立八十葉大学
【身長】170cm 【体重】60kg
【血液型】A型
【容姿】茶髪のショートヘアーで少しボサボサ気味。黒縁眼鏡をかけている。服装はパーカーにジーパンといったラフな恰好。
【一人称】僕
【イメージCV】小林 祐介
【概要】
 私立八十葉大学に通う大学2年生。大学基本的に人懐っこく誰に対しても友好的であるが、それとは裏腹に明晰な頭脳を持ち合わせている。その一方で、芯はとても強く一度決めた事や、自分の信念は決して曲げないという確固たる意思の強さがある。その点は京介も高く評価してる。

 京介とは中学生の頃からの親友で、彼から『ハル』と呼んである。【THE BRIGHTER】に入ったのは京介が直にスカウトしたからである。ちなみに最古参メンバーである。

 大学での専攻は機械工学である。理由は両親はロボット工学で有名な科学者であるためか、その遺伝であるからか、理工学においては天才的なところがある。あと、自分でも自負するほどのアニメオタクであり、特にロボットアニメが大好き。将来の夢は両親と同じロボット工学の科学者であるが、本人曰く『アニメのようなカッコイイロボットを作りたいからこの道を目指す。』との事である。

 勉強面は前述の通り頭脳明晰だが、逆に運動が苦手。特技としては自分の頭脳を活かして、機械の修理や製作が得意。本人曰く簡単な物なら数分で出来るらしい。あと、ごく数名しか知らない事だが、ハッカーの才能もあって、ハッキングも得意。それらを活かして【THE BRIGHTER】ではメカニックや情報収集を専門としている。

【使用デッキ】
《我我我ガイアール・ブランド》や《"轟轟轟"ブランド》が主軸の【赤単我我我】

【切り札】
《我我我ガイアール・ブランド》、《"轟轟轟"ブランド》
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