デュエル・マスターズ Éclair   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。

 本日はかすみのデュエルシーンをお送りします。

 それでは、どうぞ!


切り札達と禁断の永久機関

 此処【JUDGMENT】のファイトスペースでかすみのデュエマでの晴れ舞台が今始まろうとした。

 

 先攻後攻を決める際は、見学していたとはいえまだ初心者だから慣れていない事もあり、莉々から始まるのであった。

 

 【莉々 ターン1】

 「私のターン。まずはマナチャージしてターンエンド」

 手札5→4/デッキ30/マナゾーン0→1/墓地0

 

 【かすみ ターン1】

 「私のターン、ドロー。私もマナチャージしてターンエンドです」

 手札5→6→5/デッキ30→29/マナゾーン0→1/墓地0

 

 まずはお互いがマナチャージをしてターンを終えた。まだマナが1枚だからなのと今使えるカードが手札に無いからやむなくターンを明け渡す事しかできなかった。

 

 【莉々 ターン2】

 「私のターン。ドロー、マナチャージ。2コスト支払い《Re(リスタート):()奪取(ダッシュ) マイパッド》を召喚してターンエンドです」

 手札4→5→4→3/デッキ29→28/マナゾーン1→2/墓地0

 

 莉々のバトルゾーンに、端末を操作している小柄の青色のクリーチャーが現れた。その後は何も出来る事が無いのでターンをかすみに明け渡した。

 

 【かすみ ターン2】

 「私のターン、ドロー、マナチャージ。2コスト支払って《ヤッタレマン》を召喚してターンエンドです」

 

 かすみのバトルゾーンに、顔がメガホンになっている応援団の服を着た小柄なクリーチャーが現れた。かすみも、このターン何も出来る事が無いので莉々と同じくターンエンドを宣言して、莉々に明け渡した。

 

 手札5→6→5→4/デッキ29→28/マナゾーン1→2/墓地0

 

 「お互い、マナコスト軽減のクリーチャーを出して来たようですね」

 「高マナコストのクリーチャーを出す手筈をお互いが意識しているようだな」

 

 2ターン目まで終わって、千歌と京介はかすみと莉々のバトルゾーンを見てお互いの盤面はまだ整えて後に備えている事を理解した。お互いの出したクリーチャーはマナコスト軽減するため、序盤で出しておいて損はないからだ。

 

 【莉々 ターン3】

 「私のターン、アンタップ、ドロー。マナチャージ。1コスト軽減してもう1体《Re(リスタート):()奪取(ダッシュ) マイパッド》を召喚。更にマナコスト合計2軽減して《禁断W(ダブル) エキゾースト》を召喚します。エキゾーストの効果で、自身がバトルゾーンに出た時1枚ドローしてターンエンドです」

 

 莉々のバトルゾーンにもう1体のマイパッドと同時に、バイクのマフラーを砲台のように構えた人と乗り物が組み合わさった機械型のクリーチャーが現れた。

 

 もう1体のマイパッドはアタックは可能であるが、莉々は何か考えがあるようで、敢えてこのターンアタックはせずにターンエンドを宣言した。

 

 手札3→4→3→2→1→2/デッキ28→27→26/マナゾーン2→3/墓地0

 

 【かすみ ターン3】

 「私のターン、アンタップ、ドロー。マナチャージ。1コスト軽減して《ヤッタレマン》をもう1体召喚します」

 

 既に召喚されたヤッタレマンの隣に、もう1体のヤッタレマンが現れた。

 

 手札4→5→4→3/デッキ28→27/マナゾーン2→3/墓地0

 

 「更に呪文《ジョジョジョ・ジョーカーズ》を発動します!山札の上から4枚見てジョーカーズ・クリーチャーを1体手札に加えます……私が加えるのは《パーリ騎士(ナイッ)》です」

 

 【手札に加えるカード】

 ・《パーリ騎士(ナイッ)

 手札3→4/デッキ27→26/墓地0→1

 

 「残りは好きな順番で山札の下に置きます。更に2コスト軽減して《パーリ騎士(ナイッ)》を召喚します」

 

 ヤッタレマン2体の隣に、今度は頭部がミラーボールになっている白のタキシードを着たクリーチャーが現れた。

 

 「パーリ騎士の登場時効果。このクリーチャーが召喚された時、カード1枚を墓地からマナゾーンに置きます。《ジョジョジョ・ジョーカーズ》をマナゾーンに置いてターンエンドです」

 

 手札4→3/デッキ26/マナゾーン3→4/墓地1→0

 

 パーリ騎士の登場時効果の処理を終えたかすみだが、莉々と同じなのか彼女もアタックをしないでターンを莉々に明け渡した。

 

 【莉々 ターン4】

 「私のターン、アンタップ、ドロー。マナチャージ。4コスト支払い呪文《ブレイン・Re():チャージャー》を発動します。1枚ドローしてこのカードはマナゾーンに置きます。これでターンエンドです」

 

 手札2→3→2→1→2/デッキ26→25/マナゾーン3→4→5/墓地0

 

 手札が少ないからか、莉々はドローできる効果を持つ呪文を発動してそのままターンをかすみに明け渡した。

 

 【かすみ ターン4】

 「私のターン、アンタップ、ドロー。マナチャージ……」

 

 かすみにターンが回って、ターン最初の動作をしている最中で1つの違和感を覚えた。

 

 手札3→4→3/デッキ26/マナゾーン4→5/墓地0

 

 「(何故莉々先輩はシールドを破壊しないんだろう……?何かを待ってる…いや、それともそれは考えすぎでただの手札事故……?でも動かない事に変わりはないよね)……2コスト軽減して《チョートッQ(キュー)》を召喚します!」

 

 【かすみ】

 手札3→2

 

 かすみのバトルゾーンに、頭部が新幹線になっているクリーチャーが現れた。

 

 「チョートッQでシールドをブレイク!チョートッQはバトルゾーンまたはマナゾーンのジョーカーズが2枚以上の時、パワー+3000した上でW(ダブル)・ブレイカーになります!シールドは両端を選択します!」

 

 チョートッQの突進は速度が凄まじかったのか物凄い風圧であった。しかし走る速度もそれに比例して物凄かったが、逆にシールドを通り越してしまった。しかしチョートッQの生み出した風が器用に両端のシールドを破壊した。

 

 【莉々】

 シールド5→3/手札2→4

 

 「シールドチェック…1枚ヒットしました。《快速(かいそく) テンペンチーW(ダブル)》を召喚します」

 

 【莉々】

 手札4→3

 

 破壊されたシールドのうちの1枚が、手に自分の身丈と同じくらいのペンチを携えた、半分機械に改造された人型のクリーチャーとなって莉々のバトルゾーンに現れた。

 

 「テンペンチーの登場時効果、相手は自身のアンタップしているクリーチャーを1枚手札に戻して下さい」

 「パーリ騎士を手札に戻します」

 

 テンペンチーは自分の手に持ってるペンチをパーリ騎士に向かって薙ぎ払った。パーリ騎士はカードになってかすみの手札に戻っていった。

 

 【かすみ】

 手札2→3

 

 「これでターンエンドです」

 

 ヤッタレマン2体でアタックも可能範囲であるが、次の莉々のターンにアタックされるわけにはいかないのと、深追いするのは危険と判断したからかこれ以上アタックはせずにターンエンドした。

 

 手札2/デッキ26/マナゾーン5/墓地0

 

 【莉々 ターン5】

 「私のターン、アンタップ、ドロー。マナチャージ。さて、私もそろそろ行きますよ?」

 

 手札3→4→3/デッキ25→24/マナゾーン5→6/墓地0

 

 そう言って莉々が手札のうちの1枚を掲げた。

 

 【莉々】

 手札3→2

 

 「マナコスト5支払い…【D2フィールド】、《Dの機関 オール・フォー・ワン》を展開!」

 

 莉々のバトルゾーンの一角に、機械を組み立てると思わしき工場が出現した。しかし工場と言っても、研究機関で見かけるようなカプセルが2個鎮座しているため、研究所…といった方が正しく感じるであろう。

 

 「D2、フィールド……?」

 「D2フィールドまでは知らなかったようですね。それなら簡潔に説明しましょう、【D2フィールド】はフィールドという特殊なタイプのカードの一角を指します。当然これにも効果はあるのですが…そこは追々見る事になります」

 

 【D2フィールド】について何も知らないかすみに対し、莉々は自身の言った言葉通り簡潔に説明した。

 

 「私はこれでターンエンド」

 

 手札2/デッキ24/マナゾーン6/墓地0/シールド3

 

 「ターンエンド?何もしてこないんですか……?」

 「慌てないで下さい。()()()()()()()()()()()()()()()()()|()()()()()()()()()

 

 しかしオール・フォー・ワンを発動しただけで莉々はそれ以上何もせずにターンエンドを宣言した事にかすみは疑問に抱いていたが、その答えを返すように莉々は不敵な笑みを浮かべると同時にオール・フォー・ワン内のカプセルが何故か稼働し始めた。

 

 「な、何が……⁉︎」

 「オール・フォー・ワンはターンエンド時に自身のクリーチャー1体破壊して進化クリーチャーではないマナコストが最大2大きいクリーチャー1体を手札からバトルゾーンに出します!さぁ、テンペンチー…貴方のその身を改造なさい!」

 

 莉々がそういうとテンペンチーカプセルの中に吸い込まれていった。暫くするとカプセルは光り始めてテンペンチーのシルエットが別の物となって形成されていった。そしてそこにはかすみにとっては一度見た事のあるクリーチャーがカプセルの中から出てきた。

 

 「あれは……VV-8⁉︎」

 

 クリーチャー…《禁断機関 VV(ブイブイ)-8(エイト)》が莉々のバトルゾーンに出現した。かすみがこのクリーチャーを見たのは(間接的にとはいえ)2度目になるが、まさかこんな早く見る事になる事と、自分の初デュエルの相手になるとは思いもしなかった事に驚きを隠せなかった。

 

 「ご存じのようですね?ですが貴女が見たVV-8はまだ表面だけ…氷山のほんの一角も見ていません。なのでVV-8の真の力をお見せしましょう」

 

 莉々の言う通り、かすみが知っているVV-8はまだほんの一部(カードのイラストだけ)。そのため効果などは殆ど把握していない。だからVV-8の効果はどんなものなのかかすみにとっては未知数も同然である。

 

 しかし次の瞬間、VV-8の周りに鎖が3つ出現して、それがVV-8の身体を縛り始めた。

 

 「な、なにが……⁉︎」

 「VV-8は登場した時、デッキの上から5枚見て、その内2枚を手札に加えて、残りはVV-8に封印します」

 

 【莉々】

 手札1→3/デッキ24→19/墓地0→1

 

 「ふ、封印……?」

 「【封印】というのは、クリーチャーにデッキの上のカードを置いた状態の事です。封印されたクリーチャーはお互いのプレイヤーは存在そのものを無視されます」

 「む、無視ですか……?」

 

 『クリーチャーの存在を無視』。まさか(自分にとって)そんなパワーワードと感じるかすみであった。

 

 「VV-8の今はバトルゾーンに存在しないものとされ、アタックもできません…ですが効果も受け付けませんのでご注意下さい」

 

 封印されたらそんなメリットデメリットが……と考えるかすみであるが、逆に一つの疑問を抱いた。

 

 「(ちょっと待て…何で最初からデメリットだけの効果ならわざわざ出す必要が?ただ置いただけなら意味ないんじゃ……?)」

 「さぁ、貴女のターンですよ?」

 

 【莉々】

 手札3/デッキ19/マナ6/墓地1/シールド3

 

 「私のターン、アンタップ、ドロー、マナチャージ」

 

 【かすみ ターン5】

 手札2→3→2/デッキ26→25/マナゾーン5→6/墓地0/シールド5

 

 「(莉々先輩が何を考えてるか分からないけど、このターンで決着をつける!)まずは呪文《旋律のプレリュード》発動!このターン、次に召喚する無色クリーチャーのマナコストを最大5軽減させます。更に行きます、マナコストを1にまで軽減させた《超特(チョートッ)Q(キュー) ダンガンオー》を召喚します!」

 

 かすみのバトルゾーンに、チョートッQのように新幹線に酷似したクリーチャーが現れた。しかしチョートッQとは違い、その姿は何処か戦隊物の特撮で見かけるような変形ロボットのような姿であった。

 

 「ダンガンオーは出たターンに相手プレイヤーにアタックできてバトルゾーンのジョーカーズの数だけアタックできます!行きます、まずはダンガンオーでシールドをWブレイク!更に追加で3枚分追加します!」

 「エキゾーストでブロック」

 

 ダンガンオーの放たれた拳はシールドの前に割り込んだエキゾーストの捨て身の守りによって防がれた。しかしこのブロックのおかげでシールドは割らせずに済んだ。

 

 「チョートッQでシールドをWブレイク!また両端です!」

 

 チョートッQは莉々のシールド目掛けて走り出す。そして先程のターンのように、チョートッQの生み出した強風で莉々のシールド2枚を破壊する。

 

 「トリガーチェック……1枚反応します。シールド・トリガー《快速 テンペンチーW》を召喚。その効果でアンタップしているクリーチャーを1枚戻して下さい…といっても、ヤッタレマンしかいないですが」

 

 【莉々】

 手札3→5→4/シールド3→1

 

 莉々のバトルゾーンにテンペンチーが出てくると同時に、手に持っているペンチでヤッタレマンのうちの1体を挟んでかすみの手札に投げ返した。

 

 【かすみ】

 手札1→2

 

 「このターンで仕留められない……ならシールドだけでも!ヤッタレマンでシールドをブレイク!」

 

 ヤッタレマンは最後に残ったシールド目掛けて突っ込んで破壊した。

 

 【莉々】

 シールド1→0

 

 「トリガーチェック……残念ながら反応しました。シールド・トリガー《チューン・アゲイン》発動。効果でテンペンチーを手札に戻し、それが水文明のクリーチャーならそのクリーチャーを手札からバトルゾーンに出します。再度テンペンチーを召喚、登場時効果を発動する所ですが、今回は対象がいないため不発に終わりますが……これでいいんですよ」

 

 効果が不発に終わったのに何故それでいいのかかすみには理解出来なかった。しかし次の瞬間、かすみは今の現状を理解したV()V()-()8()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()に……。

 

 「何故VV-8の封印が1つになっているんですかっ⁉︎」

 「このために敢えて最初から説明しなかったのですよ。【封印】はコマンドがバトルゾーンに出た時墓地に置かれるのですよ。テンペンチーは種族に《ソニック・コマンド》を持つクリーチャーなので【封印】を解く条件を満たしているのです」

 

 【封印】はクリーチャーの存在を無視するだけかと思い込んでたかすみはただ驚愕するしかなかった。まさか【封印】にそんな効果を隠し持っていたのは思いもしなかったのだ。

 

 「ターンエンドです……」

 

 しかしかすみのバトルゾーンにはもうアタックできるクリーチャーがいないため、ターンを莉々に明け渡すしかなかったのだった。

 

 手札2/デッキ25/マナゾーン6/墓地0/シールド5

 

 【莉々 ターン6】

 「私のターン、アンタップ、ドロー、マナチャージ。さて霧札さん、私のシールドを0にまで追い詰めた事は褒めましょう。()()()()()()()よくやった方です。ですがまだまだその程度……フィニッシュに持ち込んで差し上げます」

 

 手札3→4→3/デッキ19→18/マナ6→7/墓地1/シールド0

 

 「まずはマナコスト2軽減して《快速(かいそく) スパナードW(ダブル)》を召喚。登場時効果でデッキの上から5枚見て、その中からコマンド1体かD2フィールド1枚を手札に加えます。チェック……《D2W(ディーツーダブル) ワイルド・スピード》を効果して手札に加えます。残りはデッキの下に好きな順番に置きます」

 

 莉々のバトルゾーンに名前通り、大きなスパナを持った機械の身体の人型のクリーチャーが現れた。そしてその瞬間、VV-8の最後の鎖が破壊された。

 

 【莉々】

 手札3→2→3

 

 「VV-8の禁断起動!このターンの終わりに私は追加ターンを得ます」

 「えっ、それってVol-Val-8と同じ……」

 「そうです。【ディスペクター】の大半は合体元のクリーチャーの効果を少なからず所持しています。だからVV-8にも追加ターンを得る効果を持ち合わせていても不思議ではありません。ですが、ボルバルザークにも言える事ですが……このデュエルとは関係ないのでまた今度にしましょう」

 

 昨日見たVol-Val-8の効果はこのクリーチャーから来ているのかとかすみは感じるが、その時莉々にもう1つの合体元である『ボルバルザーク』の存在を示唆された事で興味を持つが、それは近い未来、デュエルにおいて見る事が無い事はこの時かすみ自身知らなかった……。

 

 「話を戻します……4マナ支払い《快速(かいそく)4(フォー)-W(ダブル)》を召喚。4-Wの登場時効果でコスト7以下のクリーチャー1体を手札に戻します…ヤッタレマンにはご退場願いましょう」

 

 スパナードの隣に4WDを思わせる4輪の車に後方にバイクのマフラーを付けたクリーチャーが現れた。バトルゾーンに出るや否や、4-Wはヤッタレマンに向かって突進して轢き飛ばした。

 

 【かすみ】

 手札2→3

 

 「では此処でバトルに行きましょう。まずはVV-8でシールドをT(トリプル)ブレイク。選択するシールドは両端を残した3枚です」

 

 VV-8はかすみのバトルゾーンに突進すると同時に、シールドを回し蹴りして3枚割った。

 

 【かすみ】

 シールド5→2/手札3→6

 

 「シールドチェック…1枚ヒット!シールド・トリガー《ハクション・マスク》を召喚!登場時効果で相手はパワーの1番低いクリーチャーを1体選んで破壊してください!」

 「マイパッドを破壊します」

 

 VV-8が割ったシールドの中から、頭部が氷嚢のマスクをつけて布団にくるまってるクリーチャーが現れた。そのクリーチャーマイパッドの上に飛び乗ると同時に、マイパッドは爆散した。

 

 「ではテンペンチーでシールドをブレイク」

 

 今度はテンペンチーのペンチがシールドを薙ぎ払った。

 

 【かすみ】

 シールド2→1/シールド6→7

 

 「シールドチェック…トリガーはありません」

 「それではマイパッドでシールド最後のシールドをブレイク」

 

 かすみの最後のシールドをマイパッドが捨て身の突進の如くブレイクした。

 

 【かすみ】

 シールド1→0/手札7→8

 

 「シールドチェック…トリガーはありません」

 

 最後のトリガーに望みを賭けるも、トリガーは無かった。このターンの莉々のバトルは終わったが、まだ彼女の追加ターンが残っていた。

 

 「ターンエンド。この時、オール・フォー・ワンを発動します。スパナードを改造(はかい)して《D2W ワイルドスピード》を召喚します!」

 

 莉々がターンエンドを宣言すると同時に、今度はスパナードがカプセルの中に吸い込まれていった。先程のVV-8のようにカプセルの中が光り出して別物のシルエットが浮かび上がった。そしてカプセルの中からスパナードを意匠としたデザインの先端にドリルのついたバイク型のクリーチャーが莉々のバトルゾーンに豪快に飛び出した。

 

 「ワイルド・スピードの登場時効果、デッキの上から2枚見てその中からコスト6以下のクリーチャーを召喚します……《D(ディー)2(ツー)W(ダブル)2(ツー) ギガスピード》を召喚、残りの1枚をデッキの下に置きます」

 

 ワイルド・スピードの隣に、頭部がテンペンチーに酷似した機関車型のクリーチャーが現れた。

 

 【莉々】

 デッキ18→17

 

 「ギガスピードの登場時効果、バトルゾーンのクリーチャーを1体手札に戻します。更に自分フィールドにD2フィールドがあれば追加で1体手札に戻します。チョートッQとダンガンオーにはご退場願いましょう」

 

 ギガスピードが出てくるや否や、チョートッQとダンガンオーを跳ね飛ばした。2体はかすみの手札に戻っていった。

 

 【かすみ】

 手札8→10

 

 「(これで莉々先輩の追加ターンが…)」

 「残念ながらまだ私のターンは続きます…オール・フォー・ワンのD(デンジャラ)スイッチ】発動!」

 「Dスイッチ、ですか……?」

 

 効果処理が終わって、莉々の追加ターンが来ると思ったが、まだまだ終わらないようで隠された効果が発動されたのだ。

 

 「我が製造機関の最終工程、ここに…起動。デデデンデン、(デンジャラ)スイッチ……ON。私のクリーチャーが場に出た時に、オール・フォー・ワンのDスイッチを稼働させた場合……その際に発動する登場時効果は、1度の代わりに……2度動き出します」

 「そ、そんなの……アリ……?」

 「有り得ているから、この結果なのです。貴女は私の敷いた絶望へのベルトコンベアに載っている……さあ、勝利の最終工程へと参りましょう。ワイルド・スピードの登場時効果、デッキの上から2枚見てその中からコスト6以下のクリーチャー…《禁断W エキゾースト》を召喚します。エキゾーストの登場時効果で1枚ドローします」

 

 【莉々】

 手札3→4/デッキ17→16→15

 

 「ターンエンド。このターンの終わりに追加ターンが来ます」

 

 【莉々 追加ターン】

 「追加ターン行きます。アンタップ、ドロー、マナチャージ。VV-8でダイレクトアタック」

 

 手札3→4→3/デッキ15/マナ7→8/墓地3/シールド0

 

 「通します……」

 

 そして莉々の追加ターンが入ると即座にVV-8をタップしてかすみにダイレクトアタックを宣言した。そしてかすみには防ぐ手立てが無く、ダイレクトアタックを受け入れる他なかった……。

 

勝者(WINNER):白咲 莉々

 


 

 「対戦ありがとうございました、霧札さん。いいデュエルでした」

 「此方こそありがとうございました」

 

 莉々の勝利で終わったこのデュエルだが、2人の健闘を讃える称賛の拍手がデュエルスペースで鳴り響いた。かすみと莉々はそれに応えるかのように握手を交わした。

 

 「お疲れ様です、霧札さん」

 「お疲れ。いいデュエルだったぞ」

 

 そこに千歌と京介も拍手をしながらかすみ達の元へ駆けつけた。

 

 「ありがとうございます。実は私、少しムキになってしまいました。初心者の初デュエルとはいえ、先輩としてのプライドが優先して後輩に花を添えられませんでした……そこは反省します」

 

 この場では年長者としての誇りが勝ったのか、莉々は自分の大人気(おとなげ)の無さを悔やみながらも、自分もデュエルを楽しめたからか満更でもなかった。

 

 「…莉々先輩!」

 「なんでしょう?」

 「私、もっと特訓して強くなります!だからその時はもう一度デュエルしてくださいっ!」

 「……分かりました♪」

 

 負けたことが悔しいからか、かすみは莉々に対してリベンジ宣言をした。莉々も、後輩の決意を受け止めたからか笑みを浮かべて承認した。

 

 「……ねぇ、1つ気になった事があるんだけど?」

 

 一連のやりとりを京介らと一緒に見ていた咲恋だが、辺りを見渡しながら何か気になる箇所を見つけた。

 

 「……颯樹は何処に行ったのかしら?」

 

 咲恋のその一言でその場にいるほぼ全員が辺りを見渡した。そこには颯樹の人影すら無かった。

 

 「それは私が心当たりがあります。実はデュエル中に……」

 

 唯一心当たりがあったのか、千歌の口から真相が語られるのであった────。




 まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。

 今回のかすみの初デュエル、白星を上げる事ができませんでした……。当初は勝つ予定だったけど、書いてくうちに莉々の【ソニック・コマンド】が勝っちゃいました……。多分何処かで勝ちを入れたいと思いますので、温かい目をしながらお待ちいただくようお願いします。

 次回は颯樹が何処に行ったかの話になります。その際、『咲野 皐月』様考案のオリキャラが登場しますのでお楽しみにくださいませ。

 それでは、また次回。




 ※今回も、『咲野 皐月』様考案で、かすみの初デュエルの相手を担いました『白咲(しらさき) 莉々(りり)』のプロフィールを掲載いたします。

【名前】白咲(しらさき) 莉々(りり)
【性別】女 【年齢】18 【学年】高校3年生
【誕生日】4月29日
【学校】私立桜来学園 【所属部】デュエマ部
【性格】真面目で曲がった事を好まない
【身長】158cm 【体重】本人の意向により非公開
【イメージCV】鈴木みのり
【設定】
 私立桜来学園に通う高校3年生で、清楚で純真で真面目な大和撫子の印象が強く、一見すれば窓際の令嬢のようなか弱さが伺えるが、名家のご令嬢というだけであり、芯はとても強く、行動に迷いを見せる事が無い。だが如何せん思い込みが激しい一面があり、それとやる気に生真面目さが空回りを見せる事が多く、失敗も多いのが玉に瑕。

 桜来学園へと通うきっかは、一種の社会勉強として言う物。本人にその気は無く、ただ『普通の女子高生として過ごしたい』と思っているらしいのだが、家族からしてみれば、彼女が学内で何か粗相をやる気が気で気が無いからと心配との事。

 デュエマの知識については義兄である颯樹から享受されており、新効果についても心得を持っている。実は公式大会で知られていないだけだが、それなりにあるらしい(颯樹からの証言)

 颯樹の事は『兄様』と呼び慕っており、彼の両親と自分の両親に繋がりがあるとの事を巧みに利用し、あの手この手でアピールするとか。なお、それに関しての思い切りはかなりいい。

 ……ちなみに余談だが、周りから言わせて貰えば、莉々に関しては『莉々(さん)って、もしかして重度のむっつりスケベなのでは……?』と思ってるらしい。

【服装】
 和装の(しっか)りとした装いが多く、年相応のした事が颯樹の家の宿泊に行った時くらいしか無い(ここに関しては…『莉々ちゃんも女の子なんだから、オシャレをしないとダメっ!女の子は可愛く、綺麗でないと!』と希美から咎められたほど)

 黒髪のロングヘアで、アメジストを思わせる眼をしている。

【使用デッキ】
 ① 《Law儿(ローニン)-(カイ)Hawk(ホーク)》 や《Dache(ドラッヘ) der'Zen(ダーゼン)》を中心とした《マジック・コマンド》軸の【水単タマシード】
 ② 《禁断機関 VV-8》を主軸にした【ソニック・コマンド】

【エースカード】
 ① 《Law儿(ローニン)-(カイ)Hawk(ホーク)》 、《Dache(ドラッヘ) der'Zen(ダーゼン)》。【ソニック・コマンド】使用時は《禁断機関 VV-8》
 
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