煉獄さんはこの小説だと第二話以来の登場ですね。
幸せな夢
炎柱 煉獄杏寿郎はとある夜行列車で多発する事件の真相を掴むため、無限列車に乗り込んでいた。
炭治郎、善逸、伊之助、更には明日香とシャルもその任務に同行していた。
炭治郎は『日の呼吸』について杏寿郎に聞きたいことがあって同行することにしたらしい。
「うまい!うまい!うまい!うまい!!!」
「煉獄さん。前の席失礼しますね。」
「私はアスカのとなりだね!」
炭治郎と杏寿郎の前に明日香とシャルが座り、反対側には善逸と伊之助が座っている。
「煉獄さん。『日の呼吸』って知ってますか?」
「知らない!」
「えっ、言葉だけでも聞いた事無いですか?」
「聞いた事も無いな!」
「そうですか…。」
「日の呼吸?私も聞いた事のない呼吸法だ。その話詳しく聞いてもいい?」
「はい。俺が父から教わったヒノカミ神楽の舞という物があるんですけど、その舞と同じ動きと呼吸法で何故か技を出すことが出来たんです。」
「なるほど…興味深い話ね。独自の呼吸法の開発を目指す者として是非とも一目見てみたい。」
「はい。この任務が終わった後で良ければお見せしますよ。」
ヒノカミ神楽について話していると、明日香が怪しい気配を感じた。
「この気配は鬼か。私が倒してやる。」
奥の車両から鬼が出てきた。
「ウオオオオ!」
「私が相手だ。」
炎の呼吸 伍ノ型 炎虎(えんこ)
「グワァァァァ…。」
「うぉぉぉぉ!スッゲェ!」
「流石は柱に匹敵する実力者の明日香さんだ!」
「アスカって強いんだね!」
「素晴らしい剣技だった!師として誇らしいぞ!」
「いえ、それほどでもありませんよ。」
〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜
明日香達は深い眠りについていた。
幸せな嘘の夢を見せられながら。
「母さんただいま!」
「お帰り明日香。あなたもすっかり大人になったわね。」
「えへへ、まあね。それより母さん聞いてよ!私ついに柱になったんだよ!」
「あら、明日香が柱に?柱になれるのは九人までと言っていなかったかしら?」
「うん。悲鳴嶼さんが年齢的にそろそろ引退するって事になってね?それで代わりの柱に私が選ばれたの!」
「ああ、そういう事だったの。亡くなった訳じゃないのね。良かったわ。」
「それでね!柱に就任するって事で、ついに自分にあった呼吸法と型を完成させたの!呼吸の名前は…………」
〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜
「Zzzzzzzzz……にゃぁ?……あ!いかんいかん任務中にうたた寝してしまった!って皆寝てるじゃん!ちょっとアスカ!任務中だよ!起きて!
シャルがどれだけ呼びかけても誰一人目を覚まさない。
それもそのはずだ。
彼らは十二鬼月 下弦の壱である魘夢の血鬼術で夢を見せられているからだ。
何故シャルだけが眠らなかったのかは謎だが、とにかく今、彼女以外の人間は全員眠りについている。
そして、よく見ると炭治郎達の腕に縄が結ばれており、その縄は別の人物の腕に繋がっていた。
「何これ?何で縄で繋がれてるの?ていうか私の縄は何で切れてるの?」
シャルは気付いていないが、この縄は血鬼術由来の物であり、シャルが使う光の呼吸は怪我を治すだけでなく、鬼にダメージを与え、さらには一部の血鬼術を打ち消す力を持っているのだ。
鬼にダメージを与える事だけを知っていたのと、寝ている間も全集中常中の影響で、常に少量の光を放っていた事に気がついていようだ。
どうしたものかと考えていると、炭治郎が背負っていた箱から彼女が出てきた。
「あぁぁぁネズコ〜。ネズコは起きててくれたんだねぇ〜。」
目覚めた禰豆子は炭治郎に頭突きをした。
禰豆子の頭からは血が出ているが、炭治郎の頭は無傷だった。
すると、禰豆子の血が燃え上がり、腕に繋がれた縄だけが焼けて消えた。
禰豆子の血鬼術、爆血によって魘夢の血鬼術が弱体化したのだ。
「燃えてるのに熱くない。変な縄は焼け落ちたのにほかの物は燃えてない。ネズコの血から出た炎だから恐らく血鬼術による炎。ネズコ、もしかしてこの炎は血鬼術を打ち消す炎だったりする?」
「むー?」
「なるほど…つまりこの縄は血鬼術で作られた物で、それを仕掛けた鬼が近くにいる…てこと?!」
黄金の理解力である。
根拠の薄い推理で魘夢の存在に気がついてしまったシャル。
早速動き出した。
「ネズコ、ネズコは皆を守っててね!私は鬼をやっつけてくるよ!」
そう言うとシャルは列車の外へ出て、屋根の上に上がった。
「いた!やっぱり鬼の仕業だった!」
「あれ?もう俺の血鬼術を破ったんだ。」
「いや!多分だけど初めからかかってない!でもそんな事はどうでもいい!このシャルロット・ミシェルが、今からお前の首を切る!」
「うるさいね、お眠り。」
強制昏倒催眠の囁き
左手についた口から出した音を聞いた対象を眠らせる凶悪な血鬼術だ。
この血鬼術を受けた物は、本来であれば夢の中で自分の首を切る事でしか目覚めることができないのだが。
コォォォォォ
シャルは眠ることなく、呼吸を整え始めた。
(何故眠らない?!確実に血鬼術を受けているはずなのに!)
「眠れぇぇぇ!!」
強制昏倒睡眠・眼
目が合った相手を眠らせる血鬼術。
しかし、それもシャルには通用しなかった。
「喰らえ!」
光の呼吸 壱ノ型 サンシャイン
光の呼吸は二本の一般的な日輪刀に加え、日輪刀と同じく猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石で作られた二本の細剣を、技によって使い分けるという、シャルが独自に編み出した型である。
その中でも壱ノ型 サンシャインは両手の日輪刀に光を伝導させて、挟むように切り裂く光の呼吸の基本の技である。
下弦の壱を相手にあっさりと首を切ってしまった。
しかし、首を切ったはずなのに何故か魘夢は消滅しない。
「血鬼術が効かないのは誤算だったけど、どの道君では俺を倒せない。俺はこの列車と一つになった。この列車のどこかにある俺の首を切らない限り俺は倒せない。」
「列車と一体化?!うわっ!触手生えてきたキモッ!」
魘夢は既に無限列車と融合していたため、人型の体は彼の本体では無くもはやただの抜け殻だった。
「一体化だか何だか知らないけど関係ないね!光を流し込めるだけ流し込めば、時間はかかっても確実にトドメをさせる!動きの早い相手には首を切る方が早いけど、これだけ図体がデカイなら光を流し込んだ方が楽に倒せる!」
光の呼吸で発せられる光は太陽の光に近い性質を持っている。
人体から発せられる微量の光では太陽の光のような決定打にはなりにくく、光で鬼の体を焼き消すよりも日輪刀で首を切り落とす方が楽なので、普段は牽制程度に光を使っていた。
しかし、列車と一体化したとなればもはや雑に光を放つだけでも確実にダメージを与えられる。
シャル相手に列車との一体化はむしろ自殺行為だったのだ。
「全ての車両に光を浴びせてしらみ潰しに焼き消す!」
そう言ってシャルはまず最初に客車を牽引する先頭車両へと向かった。
道中邪魔をする触手も苦戦する事無く全て切り落とし、先頭車両に到着した。
「うぉぉぉぉ喰らえぇぇぇぇ!!」
光の呼吸 壱ノ型 肆の型 ルミナスサンライズ
全身から光を放出する技。
日輪刀無しでも発動できる攻撃技だが、本来は接触面が少ない分、殺傷能力が足りないため牽制に使う物だが、至近距離かつ広い面積に満遍なく光を浴びせれば、威力が低くとも十分に鬼を焼き殺せる。
「ぐああぁぁぁぁぁ!!」
(熱い!全身が焼けるような痛みだ!太陽の光を浴びたように熱い!悪夢だ!悪夢だぁぁぁ!!)
「うわぁぁぁ!揺れる!凄い揺れるぅぅぅ!!」
無限列車と一体化した魘夢が痛みに苦しみ悶絶した事で、列車は激しく揺れ、最終的には横転し脱線した。
シャルが魘夢を倒しに行く途中で炭治郎たちも目を覚ましていたため、彼らが人々を守り、幸い犠牲者は一人も出なかった。
「よもやよもやだ!後輩がほとんど一人で鬼を倒してしまうとは!柱として不甲斐ない!穴があったら入りたい!」
「ごめんシャル。私まで寝てしまって。」
「いいよいいよ気にしてないから。それに血鬼術で眠らされてたなら仕方ないよ。」
「そうは言っても…あれ?シャル、お腹から血が出てるよ?」
「え?あっ!ほんとだ!」
車掌車に乗っていた車掌が、横転した際に落とした刃物が刺さってしまっていたらしい。
「痛くないの?」
「うん。それにこの程度の傷ならすぐ直せるし。」
そう言うと傷口から光を放ち、しばらくすれば既に傷は塞がっていた。
「ほらこの通り。」
「便利なもんだねその光。」
「いやぁ?意外と役に立たない時もあるんだよねぇこれが。」
「まあいいか。とりあえず怪我人がいないか確認しないと。それに、他にも鬼がいないとは限らないし。」
ドゴォォォン!!
「qu'elle? !」
「この気配、鬼の気配か!」
「あ、あの目は。上弦の参…!」
魘夢くんは相手が悪かったね。
大正コソコソ噂話
シャルロットは明日香の二つ下の12歳で、誕生日は7月26日です。
7歳の時に日本に観光に来た時、両親を鬼に殺され身寄りが無かったところを鬼殺隊に保護されました。
その後、蝶屋敷で預かる事になり、自己流の呼吸を開発した結果、医療向きの光の呼吸を習得しました。
光の呼吸は完全に某奇妙な冒険のアレを参考に考えました。
この場合はクロスオーバーになるんでしょうか?
次回は上弦の参との戦いですね。