YGGDRASIL ーARKー コラボ   作:だいだろすちひろ

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       「フィヨルドがしたい
        フィヨルドをまだしてない
        する時間がない
ARKサバイバー しょうがないなぁ・・・
 ちひろ    じゃあ、ARKの気分を味わう
        為に、ARKでも書くか。
        皆さん、ARKって知ってます?
        凄く楽しいですよ!
        オバロ×ARK始動します。  」


ARK襲来

 

 

 

 

 

  ――― DMMO-RPG【YGGDRASIL】―――

 

 2126年に発売されてから、その広大な世界観と圧倒的な自由度で、日本で莫大な人気を博しているゲームである。

 

 九つのワールドから構築される世界は、正に未知そのものであり、新たな秘宝、新たな力、尽きる事の無い探求意欲に身を焦がされ、プレイヤー達を虜にし続けている。

 

 そして―――その熱気は未だ冷める事はない。

 

 その熱気冷めや間ぬユグドラシルに、新たなる未知が―――過去の栄光の産物が、小さな足音を立てながら、来訪の調べを奏でつつあった。

 

 その音は非常に綺麗で―――非常に恐ろしくも感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユグドラシルの九つの世界の一つ【ヘルヘイム】、その辺境の湿地帯―――【グレンデラ沼地】に囲まれた中央に大きな墳墓の様な物が見てとれた。

 

 そして、その墳墓と言う表現は当たっており、ここは、【ナザリック地下大墳墓】と呼ばれる、ギルド拠点であり、ギルド【アインズ・ウール・ゴウン】の拠点である。

 

 悪名高いギルドで知られており、また、たった41人の人員で、ギルドランキング9位にまで上り詰めた列強ギルドとしても知られている。

 

 そんな極悪ギルドの拠点の一室―――巨大な円卓が中央に置かれた部屋では、二人の異形の存在が、その姿には似つかわしくない、喜作で陽気な声を上げながら談笑にふけっていた。

 

「いや~本当、最近はブラックに拍車が掛かってきてましてね、きつ過ぎて溶けそうですよ、本当にスライムになっちゃいますよ。」

 

「うわぁ~、それは大変ですね、まぁ、俺の所も大概ですが、このままじゃ俺も、本当に白骨化しそうです。」

 

 その様な、他愛無い会話―――というには少し重たい内容の会話を続けているのは、このギルドのギルドマスターであるモモンガと、ギルドメンバーであるヘロヘロだ。

 

 白骨と言っていた存在がモモンガ。

 

 死の支配者(オーバーロード)というスケルトン系の種族の最高位に位置する存在であり、豪華な衣服に身を包んだ姿は魔王の風格を漂わせている。

 

 スライムと言っていた存在がヘロヘロ。

 

 古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)と言うスライム系統の最高位に位置する種族であり、漆黒を思わせる黒い塊が常時姿を変貌し続けている様は不気味さを際立たさせている。

 

 勿論、これはこのゲーム―――ユグドラシル内でのアバターであり、実際はしがない会社員、というか社畜である。

 

 二人共ブラック企業勤めであるが為に、今こうして二人で愚痴を言い合っているのである。

 

 そして会話―――愚痴は尚も続いていくが。

 

「それでですね―――おっ?誰かINしてきましたね。」

 

 ポーンというアナウンスと共にログイン者―――新たなギルドメンバーの来訪が告げられる。

 

―――ウルベルト・アレイン・オードルさんがINしました―――

 

 そのアナウンスと共に現れたのは、巨悪を体現する暗黒の魔術師、ウルベルト・アレイン・オードルである。

 

 山羊の顔に禍々しい眼帯を着用した、最上位悪魔(アーチ・デヴィル)であり、ワールド・ディザスターと言われる特殊な職業(クラス)に就く人物で、ギルド最強の魔法詠唱者(マジック・キャスター)である。

 

 振るわれる魔法は正に驚天動地という言葉が相応しく、魔法の極地に座する人物だ。

 

「おはようございます。おや?今日はまだ二人だけですか?」

 

 ウルベルトがINしてきてすぐに軽い挨拶をすませる、そしてすぐさまモモンガ達に言葉を投げかけていく。

 

「おはようございます、ウルベルトさん。今の所は俺達二人だけですね、でも今日は休日ですので、多分今から徐々に増えていくんじゃないですかね?」

 

 ウルベルトの問いにモモンガが言葉を返していく。

 

 今日は休日である、皆が皆休みとは限らないが、平日よりはずっと集まりが良いはずだ。まだ時間帯も早いのでこれから各々ログインしてくるのでは?と自分の考えを口にしていった。

 

 その言葉を聞き、それもそうですね、と言いながら、ウルベルトも円卓の椅子に座っていく。場所はモモンガ達の正面、ウルベルトの定位置だ。

 

「いやぁ~、しかし休日の朝からお喋りも案外良い物ですねぇ。まぁ...主に会社の愚痴しか言っていませんが。」

 

「相変わらずですね、ヘロヘロさん。まぁしかし、愚痴でも言ってなきゃやってられないってのは分かりますがね。」

 

 ヘロヘロの言葉に対し、ウルベルトが喋り掛けていく。その言葉の中には少し棘のあるような、ドロドロとした感情の様な物が含まれている様に感じる。

 

 しかしこの感情はヘロヘロに向けた物ではない、ウルベルトは貧困層であるが為に、時折このような―――社会に対する負の感情を言葉に含ませる事がある。

 

 心の内に秘めた、言いようのない怒りを吐露する様に。

 

「...あ~、まぁ、皆色々とありますしね...だからこそ、ユグドラシルで楽しく遊んで発散させればいいんですよ!」

 

 含まれた言葉の意味を理解し、モモンガが空気を良くしようと奮闘している。

 

 皆、沢山の不条理に飲まれ、様々な蟠り(わだかまり)を抱えている、しかし、だからこそモモンガは、ここでは―――ユグドラシルでは楽しく遊んで貰いたいのだ、日頃の鬱憤を、辛い現実を忘れてだ。

 

 そして、そういう気配りが出来るモモンガだからこそ、この癖の強いギルドメンバーを纏め上げる事が出来ている、ギルド長なのは伊達ではないのだ。

 

「...そうですね、モモンガさん。折角INしてるんだ、楽しまなくちゃね。」

 

「そうそう、ゲームは楽しく!ですよ、ウルベルトさん。あっ、そう言えば知ってます?最近実装された新しいワールド...っていっても期間限定なんですが。」

 

「おっ、それですよそれ、モモンガさん、私は今それが非常に気になってるんです。確か...恐竜が蔓延る、自然豊かな世界だった筈です。」

 

「おっ、ヘロヘロさんは既に知ってましたか、そうです、つい最近実装された奴ですよ、確か...昔流行ったゲームとのコラボ企画だった筈です。」

 

 雰囲気を良くしようと振った話題に、思わぬ所から援護射撃が飛んできた。実際はヘロヘロは純粋に興味があっただけなのであるが、モモンガからしたら嬉しい援護だ。

 

 それと同時に、そのコラボ元のゲームの名前を言おうとしたが、急な事であった為に忘れて言葉に詰まる。何だったか?と一生懸命考えていると。

 

        ―――ARK(アーク)―――

 

「あっ、そうそうそれですよ...って、ウルベルトさん知ってたんですね。」

 

 またもや思わぬ所から言葉が返ってきた、知っていたなら直ぐに答えてくれればいいのにと、モモンガが思い、ウルベルトに言葉を発しようとしたが。

 

 ウルベルトの纏う空気が重い、普段から煩い方ではないがこの雰囲気は少し、いつもと違うような気がした、何事かと思いモモンガが口を開こうとしていると。

 

「えぇ、知ってますよ、モモンガさん。今非常に話題になってますからね、恐竜達の楽園であり、失われた過去の自然を体現した世界だと...。」

 

 先程ヘロヘロが言った言葉と同じ事をウルベルトが口にしていく―――が、その空気は未だ重い。

 

 そして尚も言葉は続いていく。

 

「そして、その世界には一つの巨大なダンジョンがあると知り合いから聞きました...えぇ、それはそれは...()()()()()ダンジョンだと。」

 

 ダンジョンと言う言葉に、モモンガのみならず、ヘロヘロも興味を持っていく。実装されたのは最近であるし、そこまでの情報は知らなかったからだ。

 

 そして、その実装されたワールドは非常に広いと聞く、そんな広大なマップを既に探索し、ダンジョンまで発見している人物がいる事に驚きが隠せないでいると。

 

「非常に素晴らしいらしいですよ、なんと()()()5()0()()まで入って攻略できるんだとか。」

 

 最大50人と言う言葉、それが意味する事は、そのダンジョンはナザリック等に代表される、最高峰のダンジョンと言う事だ。

 

 つまりは、その報酬も桁違いだと思われた。

 

「うへぇ~、50人ですか?聞きました?モモンガさん、それ絶対ヤバい所ですよ?期間限定だからギルドホーム系ダンジョンではないし、間違いなく報酬は凄いですよ、下手したらワールドアイテムかも。」

 

 その言葉にはモモンガも同意だ、ワールドアイテムとまではいかないかも知れないが近い位の報酬は期待できると睨んだ。

 

 欲が溢れ出そうになる。

 

 しかし、こうも思う、報酬は残っているのか?と、ウルベルトがそこまで言っているのだ、素晴らしいと、つまりは既に攻略されていて報酬は誰か―――ギルドクラスの集団の手に渡っているのではないかと。

 

 そう考えていた所に、モモンガの心を読んだかの如く、ウルベルトから未だ攻略者はいないとの言葉が告げられた。

 

「おっ!そうなんですか、じゃあ、報酬は未だ手付かずか...ん?ならなんで素晴らしいんですか?」

 

「そうですね、まず、ダンジョン攻略を行ったギルドの事から話しましょうか。」

 

 ギルド―――その言葉を聞き、モモンガがやはりな、と言う言葉を心の中で吐いていく。50人という超大型ダンジョンだ、最大人数で攻略する必要もない訳だが、逆に言えば、それだけの人数でもキツイと言い換える事もできる。

 

 50人など易々と集められる人数ではない、最低でもギルド―――それもそれなりの規模のギルドだろう。そうなれば、自ずとギルドは絞れる様な気がしたが、ウルベルトが話している最中だ、話の腰を折る訳にはいかない。

 

 聞き手に徹しようと、モモンガが静かに聞き入る。

 

「攻略を行ったギルドの名前はトリニティです。」

 

 静観していたモモンガに軽い衝撃が走る、まさか№1ギルドが攻略に出向いていたとは思わなかったからだ。そして、続いて新しい衝撃がやってくる。

 

 トリニティが出向いて攻略出来ていないと言う事実が。

 

「...まさか、トリニティだったとは、しかも未攻略、これは想像以上かも知れませんね、しかし、トリニティが先に手を付けた以上、こちらから迂闊に攻略には出向けませんね...ギルド抗争に発展しかねない。」

 

 横取りされようとすれば誰だって嫌がるだろう、しかし、実際はゲームである以上、誰の物と言う訳では無く、皆が平等に攻略する権利はあるのであるが、プレイヤーは人間の集まりだ、そんな簡単な事ではないのだから。

 

「あぁ、大丈夫ですよ、モモンガさん、その辺の心配はいりません。トリニティはこの件から()()()()()()()から。」

 

 ウルベルトからの言葉を聞き、モモンガの中に生まれた感情は歓喜―――ではなく、驚愕であった、それも生半可な物ではない、今尚、言葉を発しようとしているが言葉が出ないくらいだ。

 

 隣では、ヘロヘロも同じように絶句している。絶句するのも当たり前だ、この意味が分かる人間ならば。そしてウルベルトの言葉は止まない。

 

「トリニティはギルド最強の50人の編成で挑み、そして壊滅しました、その後に、この件から手を引いたそうです。攻略回数は―――」

 

―――一回です。

 

 モモンガの中で更に衝撃が高波を上げて押し寄せてくる。余りにも信じられないからだ。トリニティが、№1ギルドが、たった一回の攻略で諦めていった事に。

 

 固まる二人を他所に、ウルベルトが、ねっ、素晴らしいでしょ?と最後の言葉を締めくくっていった。

 

 モモンガもヘロヘロも固まったまま動かない。意味を理解できるからこそ、衝撃に当てられた感情が中々再起動しないのだ。

 

 胸中に渦巻くのは、そのダンジョンへの恐怖と、コラボとはいえ、そんなダンジョンを実装した運営に対する怒りだ、攻略させる気など初めから無いように思えたからだ。

 

 そして、しばし固まっていた二人に、先程まで喋っていたウルベルトが再度喋り掛けてくる。

 

「モモンガさん、俺は今日の議題として、アインズ・ウール・ゴウンでこのダンジョンをどうするか―――攻略に行くか否かを上げたいと思っています。人数がそろい次第、ギルド会議の開催を希望します。」

 

 その言葉を聞き、ゆっくりとモモンガがウルベルトの方向に振り向いていく、そして凝視していく―――信じられない物を見るかの様な目で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナザリック地下大墳墓内の円卓の間では幾多の声が飛び交っていた。ウルベルトの言葉を発端として開かれたギルド会議によって、ギルドメンバー各員が、例のコラボダンジョンをどうするかで意見を交わしている最中だ。

 

「無理に攻略に行く必要ないんじゃないかな?報酬は凄く良い物だと思うし、他に取られるのも癪だけど、そもそもこれ、どこも攻略できないよね?トリニティが無理だったんでしょ?」

 

「...僕もかぜっちの意見に賛成かなぁ、ダンジョン内で死んだ場合のアイテムもどうなるか分からないし...返却してくれるならありがたいけど、あの運営の事だから、間違いなくそれはないよね?」

 

「そうそう、ていうかさ、何で恐竜な訳?エロエロでロリロリなダンジョンなら良かったのに...それだったら二つ返事で行くんだけどな~。」

 

「おい...少し黙れ愚弟。」

 

 卑猥な粘体の発した言葉に、巨大な半魔が肯定の言葉を追従していく。この二人はギルドの数少ない女性メンバーのぶくぶく茶釜とやまいこだ。

 

 前者が茶釜、後者がやまいこである、そして空気を読まない発言の所為で、茶釜に一喝された人物の名前がぺロロンチーノ、エロとロリをこよなく愛するギルド一の紳士である。

 

 この二人は姉弟であり、時折この様な会話のやり取りが散見される、しかし、これもまた、アインズ・ウール・ゴウンの名物の一つでもある。

 

 茶釜の言葉に対して、またもや多くの声が飛び交いだす、肯定と否定の声が―――そして、肯定の声の方が明らかに多いように感じられる。

 

「私も茶釜さんの意見に賛成ですね、トリニティが壊滅するなど、生半可な難易度ではない、しかも一回の失敗で諦めて行ったんですよね?最早ゲームバランスなど考えて無いように思える。」

 

「あん?何だ何だ?怖気づいてんのか?天下のワールド・チャンピオン様だろうがアンタは。俺に任せろくらい言えんのかね?」

 

「トリニティにだってワールド・チャンピオンは所属しています、今回の攻略に不参加などとは考えずらい、それで壊滅している以上、私の力が攻略の決定打になるなどとは言い切れませんよ...ウルベルトさん。」

 

「あぁん?だから―――」

 

「ウルベルトさん、落ち着いて。」

 

 剣呑な雰囲気を纏いだす二人を、ギルマスであるモモンガが宥めていく。この二人の言い合いは何時もの事であり、その度にこうやってモモンガに仲裁される。普段はもう少し見守るのだが、今はギルド会議の最中だ、このままでは会議が破綻すると思い、早めの仲裁を行っていく。

 

 その言葉を聞き、我に返った二人がモモンガに謝罪の言葉を口にしていく。その姿を見つめた後に、モモンガが各メンバーに、再度意見の交流を促していく。

 

 そして始まるのは先程の会議の焼きまわしだ、攻略する必要は無いと言う大多数の意見に対して、期間限定を逃すのは惜しいと言う、少数の意見が反発するかの様に向かっていく、しかしその言葉が―――少数の声が次第に小さくなりだした、徐々に押され始めているのだろう。

 

 これは、非攻略の意見で決定かなとモモンガが思っていると。

 

「...やろうぜ...攻略。」

 

 今まで一度も声を発する事なく、静かに聞き入っていた人物から静かな、それでいて強い力を感じられる声が聞こえてくる。

 

 今まで意見を交わし、慌ただしかった会議の場が一瞬にして静寂に包まれていく、そして、その場の全員が一様に振り向く。

 

 声の主の方向へ―――武人建御雷の方向へ。

 

「...勝算はあるんですか?建御雷さん?」

 

「ん?さぁな?有るとは言い切れねぇし、無いとも言い切れねぇんじゃねぇか?ぷにっとさん。」

 

 建御雷に言葉を投げて行ったのが、このギルドの軍師であり、作戦担当のぷにっと萌えだ。

 

 この人物は非常に優秀な人物で、誰でも楽々PK術などに代表される、様々な作戦を立案してき、このギルドの発展を裏から支えてきた人物だ。指揮官系のクラスで固めており、その能力でチームの能力を底上げする事が出来る。

 

 その人物からの言葉に対し、建御雷が返した言葉は余りにも大雑把な物だ、その言葉を聞き、ぷにっと萌えが少し呆れの雰囲気を纏おうとしていると。

 

「情報が殆ど無いんだ、一概に出来るともいえねぇし、無理とも言えねぇだろ?トリニティが無理だったとしても、それは俺達が攻略出来ない理由にはならねぇ、人には色が有る様に、ギルドにだって色はある、十人十色だ。それで決めつけて、この()()()()()()のは勿体無いんじゃねぇか?」

 

「...言ってる事は分からないでも無いですが、軍師としてはそんな漠然とした意見では納得できませんね...攻略するにしてももっと情報を集めてからではないと。」

 

「それじゃ、おせぇだろ?コラボ期間が終わっちまう、攻略すんなら悠長に構えてる暇ないだろ?それに...情報が広まるとは思えん...待ってる暇はないんだ...なぁ、ぷにっとさん、情報がとかいってるが、()()()()そうだったじゃねぇか。」

 

 あの時と言う言葉を聞き、会話をしていたぷにっとが言葉を止める、そして、あの時を思い出していく。

 

 そう、余りにも無謀な挑戦だった―――あの時を。

 

 周りを見渡せば、会話を聞いていた他のメンバー達も同じような雰囲気を纏っている。あの時を知っているメンバーも、そうでないメンバーも。

 

 皆が言葉を発さない中、尚も建御雷の言葉は続いていく。

 

「あの時だって、何も情報は無かった...それでも、俺達は決行したじゃねぇか、攻略をしに、馬鹿やりによ。だからさ...あぁ...もう、何だ、なんつーかよ―――」

 

 あの時もこんな感じだったなと、建御雷が苦笑いをしながら言葉を紡いでいく、しかしその言葉を聞いても誰も笑わない。皆が一様に真剣な眼差しで建御雷を見つめていた。

 

「だからさ...あの時も言ったと思うけどよ...言ったよな?あぁクソ!そうだよ、俺は馬鹿がやりてぇんだ!皆とだ、あの時のメンバーだけとじゃねぇ、ここに居る全員とだ!あの時いなかった連中と、ナザリックを攻略していない連中と、あの時と同じ感動を―――いや、あの時以上の感動を味わいてぇ!」

 

 ナザリックを攻略していないメンバーと、ナザリック攻略時以上の感動を味わいたい。今居るギルドメンバーの半数近い人数が、攻略以降にギルド入りしたメンバー達だ。

 

 だから言うのだ、馬鹿をやっていない連中と、馬鹿がやりたいと。

 

「だからやろうぜ、攻略をよ!トリニティが無理だった?上等じゃねぇか!なら俺達は奴らより少ない人数で、一発で攻略してやろうぜ?№1ギルド様がさぞ悔しがるだろうさ!だから...頼む...俺はまた馬鹿がやりてぇ...()()()()()()()最高のメンツでだ!俺は―――」

 

―――()()4()1()()で馬鹿がやりてぇ。

 

 そう言葉を言い終わり、建御雷がゆっくりと頭を下げていく。一人の男からの、不器用で、武骨な言葉を聞き、皆が真剣な眼差しで見つめ続ける。

 

 そして、しばしの沈黙の後に、一人の男が口を開いた。

 

「はは、建やんらしいなぁおい。そうだな、今思い出したわ...俺は馬鹿だったんだよな。」

 

 なぁにひよってたんだろうな、と一人の男が言葉を続ける。この男の名前は弐式炎雷、攻略メンバーで建御雷の親友だ。その男が言う、建やんに賛成だと―――俺も馬鹿やりてぇと。

 

 そして、その弐式の言葉を皮切りに各々が口を開きだす。

 

「そうですね、確かにあの時もそうだった、ギルドが大きくなり、私とした事が初心を忘れてしまってたみたいですね。いいでしょう、やりましょう攻略を、私に任せて下さい!」

 

「あぁ?急に恰好つけだしたぞコイツ...まぁ、それはそれで、その意見賛成ですよ、建御雷さん、というか俺が持ってきた話ですしね。」

 

「はぁ~、しょうがないなぁ~もう、私居ないと始まんないしね、ねっ、やまちゃん。」

 

「うん、そうだね、かぜっち。僕も賛成だよ、建御雷さん。相変わらずの馬鹿だね、でも、その馬鹿一回やった僕も、やっぱ馬鹿なんだろうね!」

 

 たっちが、ウルベルトが、茶釜が、やまいこが、次々に賛成の意見を上げていく。

 

「うへぇ~マジかよ~、まぁ、皆が良いなら俺も良いけど...知らないよ?俺は止めたからね...あれ?俺前もこんな事言ってなかったっけ?」

 

「俺は戦力外だと思うけどなぁ~、まぁ、特攻隊くらいにはなるか?」

 

「おぉ、良いねぇ音改、俺もそれで行こうかな♪俺、鍛冶しか取り柄ないし。ロケット爆弾でも抱えて突っ込んでやろうぜ♪」

 

「あらら、私は只恐竜が見たかっただけなんですが、なぜこんな事に?...まぁ、私は別に失う物ないんで良いですよ?どうせスライムだし。」

 

 賛成の意見が続々と集まり出す。そして、最後にメンバー全員が、有る人物の方向を向いていく。

 

「だそうだぜ?ギルマス?へへ、どうするよ?」

 

 建御雷がそう、ギルマスに―――モモンガに言葉を投げかけていく、そして、皆の様子を静かに見守っていたモモンガが、その言葉に対し、非常に朗らかな声で言葉を投げ返していく。

 

「ははは、そうですね、皆さんやる気見たいですし、これは攻略決行で決定ですかね。勿論、俺も参加しますよ?41人の馬鹿騒ぎ、派手に行うとしましょうか!」

 

 その言葉を聞き、全員に熱が籠っていく―――そして建御雷が、少し恥ずかしそうにしながら、モモンガに喋り掛けていく。

 

「なぁ、あのさ、モモンガさん...なんか熱く語っちまったけどよ...そういや今日るし☆ふぁーの奴居なかったわ...あいつどうするよ?一応OK貰わなきゃだろ?」

 

「ん?あぁ、るし☆ふぁーさんには皆で恐竜を見に行くと伝えましょう。そしてそのままダンジョンまで連れて行きます。」

 

「雑だなおい!」

 

「ギルマス特権です、あの人には、たまにはそれくらいしても良いと思っているので。」

 

 るし☆ふぁーの意見も聞かず、強制参加が決定していった。

 

 

 

 

 




どうも、皆さん初めまして。ARKサバイバーちひろです。

オバロ×ARKと言う作品が読みたく、待ち続けてどれくらいになるでしょう。
やはりARKの知名度は低いから中々でませんね。
クロスオーバーと言う物が難しいと言うのもあるのかな?
それとも、只々需要が無いから?
まぁ、良く分かりませんが、取りあえず読んだ事はありませんね。
なのでちひろは思ったのです。
じゃ、自分で書いちゃおって。
ARKが好きな方も、オバロが好きな方も、両方好きな方も楽しんでいただけたらこれ以上の喜びはありません。



・トリニティ

上位ギルド3つが対2ch連合を目的に、連合して出来たギルドらしいです。Web版の設定ですがギルドランキング1位らしいです。

最初は連合ギルドと言う事で、一時的な協力関係なのかな?と思いましたがWeb設定にギルドランク一位という設定があるらしいので、協力関係ではなく、完全に合併した物だと判断しました。

最初はセラフィムと言うギルドが過去ギルドランク一位の座に就いた事があるらしいのでそちらにしようかなと思ったのですが、明らかにこちらの方が凄そうだったのでこちらにしました。

セラフィムだとアインズ・ウール・ゴウンと因縁もありますし、ちょっと面倒くさいなと思ったので。


短編なので四話で突き抜けます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいですね。
それでは!シュバ!
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