コードギアス 「破壊」の聖騎士   作:SOLUNA

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皆さんあけましておめでとうございます。

大学生活も、後もう少しで卒業を迎え、少し内心も落ち着いたことで、心機一転して、アニメを見てハマったコードギアスの小説を書こうと思い、今回もう一つ熱中している「ロボット・コンチェルト」をオリジナル設定も交えてクロスさせて、投稿いたしました。

お気に入りいただけたら幸いです。

では、どうぞ!


プロローグ

 

かつて世界を巻き込んだ大戦があった。

 

各国は進化した技術を存分に発揮する兵器を多く投入し、 世界の6割以上が滅びるまで戦いは続いた。 一度滅んだ世界は、 世界を統一する 「機関」 によって管理・再構築され、 人々は新しい生活を手に入れた。

 

その後世界は、復興を終え新たな進化を遂げた《NEO COLONY CITY》、荒廃しながらも独自の発展を遂げた《FORGOTTEN CITY》、完全に荒廃し廃棄された《SCRAP VALLEY》の三つのエリアが形成された。

 

そして、各企業や団体が独自に開発を進める 「デュエロイド」 を駆使して繰り広げられるロボットバトル「グラップルデュエル」は時を経て、より過激で強力な武装を搭載した本格的な「戦闘エンターテインメント」へ、そこから新たなる争いへと変貌していった。

 

それにより、《NEO COLONY CITY》と《FORGOTTEN CITY》はそれぞれの技術力を以って対立し、内戦が勃発するなど混沌を極めていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は一つの国の王だった。小国ではあったものの、非常に平穏な国だった。

 

だが、そんな平穏な日々は長く続くことはなかった。

 

ある日、世界を巻き込んだ大戦が始まった。俺の国も当然その戦火に巻き込まれた。国は人口の約3分の2が犠牲となり壊滅状態に陥った。

 

戦いの最中、俺は重傷を負い生死の間を彷徨い続けた。

 

そして、再び俺が目覚めた時には全てが変わっていた

 

俺は戦い続けてきた、来る日も、来る日も・・・・。

 

だが、一向に安寧の日は訪れることはなかった。

 

訳など分かっていた。

 

俺は戦い続ける為の一つのパーツでしかない。世界はパーツのことなど見向きもしてくれるわけがない。

 

そんな俺に戦う以外に意味があるのだろうか?今の自分には分かる訳がない。

 

だが、いつかその答えが見つかると信じて、また戦果の中に身を投じていく・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

30XX年、完全に荒廃し廃棄された《SCRAP VALLEY》の上空を10M級の一機の「デュエロイド」が高速で飛行していた。その名は「ヴォルターF」といった。そのヴォルターFを操縦しているのは、そのヴォルターFを操縦する為に、戦う為だけに生み出された存在《コードネーム:ABIR-99》だった。

彼は今現在は傭兵でもありながらテロリストの一面も兼ねるワンマンアーミーとも呼べる存在だった。そんな彼はさまざまな組織や依頼人からの依頼をほぼ100%でこなすほどの腕前でもあった。

 

そんな彼は、とある人物からの依頼を受けて《SCRAP VALLEY》のとある地点を目指していた。

 

「あそこか?」

 

その地点を99は見つけ出し突入口を開くために、ライフルで崩れかけた扉を破壊し中に侵入した。中は殆ど崩れかけていたが、そこらで何かの実験が行われていたのか機材が散乱していた。そして、目的のものを発見すると、コックピットの中から拳銃と太刀を手に取り、その装置に近づいた。その装置は何かの転送装置のようなものだった。

 

「何かの転送装置?一体何のために使っていたんだ?」

 

それを調べるために、付近の機材と共に散乱した資料を手に取り、一通り読んでみることにした。一通り読んでいると、99は驚くべきものを目にしたのだった。

 

「な・・・!これが異世界へのワープ装置だと?!こんな所でこんな物が?」

 

さらに読み進めていくと99は更に恐るべきものを目にしたのだった。

 

「何故あいつの名前が此処に?まさか奴はまだ生きているというのか?!」

 

その事実に99は驚愕するしかなかった。そして、改めて、そのワープ装置について読んでいると、とある単語に目をつけた。

 

「やはり『ギアス』が関わっていたのか。奴もが関わっているのなら尚更か」

 

すると、そのワープ装置が突然轟音を立てて、赤い鳳の紋様が浮かんで起動を始めた。そして扉がゆっくりと開き始めた。

 

「!?」

 

それを見ると、99は反射的にヴォルターFのコクピットに戻った。そして、その直後99とヴォルターFは装置の中に吸い込まれていった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

そして、装置に吸い込まれて激しい光に包まれた後、それが収まった後に99が見たものは当たり一面に広がる氷床だった。

 

「どうやら、ここは南極大陸にいるようだな。ここにギアスの門があるということか」

 

99はモニターに示されている方位磁石からそれを察した。だが、すぐに表情を曇らせた。

 

「だが、奴の痕跡はないか。当然か」

 

そういうと、南極大陸から直上に飛び立ち250KMまで上昇し、そこから日本が見える位置まで高速で移動し再び大気圏に突入して行った。そして、大気圏に再突入して高度を下げると、日本の全体が見えてきた。

 

「やはり、この世界にも日本はあるのか?」

 

そして、降下地点を街を見渡せられる限り高いところに設定したのち、降下していった。そしてヴォルターが降下して降り立ったのは全体の3分の2から折れて破壊された東京タワーだった。そして、その東京タワーから見渡せたのは、さも戦争の後に破壊されたかのような街並みだった。

 

「見慣れた光景だな、この世界でも戦か・・・」

 

そんなことを呟いた時、コクピットに何かを知らせるアラートが鳴った。見ると、やや離れた新宿方面で戦闘が行われているようだった。自分の体が特異な事もあるが、その戦闘の感覚に誘われるかのように、その場所へと向かっていった。

 

 


 

 

【カレンSIDE】

 

 

私、紅月カレンは逃げていた。トレーラーから自身の愛機である赤色に塗装されたグラスゴーを駆ってブリタニアの航空部隊を討った後、エリートパイロットが乗る新型のサザーランドと交戦したが、自分のグラスゴーのスラッシュハーケンの不具合や損傷もあって、損傷部位のパージで隙を作りそのサザーランドから逃げていた。ただ逃げるだけでなく不意打ちで一般のパイロットの乗るサザーランドを倒していた。

 

そして、何よりも誰かはわからないが優秀な指揮官のような人物が無線で指示を与えていて、自分達レジスタンスはブリタニア軍に対して攻勢に出ていた。

 

もしかしたら、勝てるかも。

 

そんな期待が胸の中で膨らんだその時だった。

 

私が通っていた道の傍にある建物に銃弾が当たった。まさかと思った。振り返ると、サザーランドが3機後ろから迫っていた。私はフルスロットルでサザーランド達から逃げた。そして視界が開けた所で、私は息を呑んだ。何と出口に更に2機のサザーランドが待ち受けていた。そしてその手にはアサルトライフルが握られており、その銃口はハッキリと自分を捉えていた。

 

(お兄ちゃん・・・!)

 

自分の死を直感し、行方不明の兄を思い目を閉じた。

 

 

だが、何も起こらなかった。不思議に思い目を開けると、轟音が鳴り響き、一瞬でアサルトライフルを持っていたサザーランドがコクピットを正確に撃ち抜かれて破壊されたのだった。そして、自分の後ろから来ていた3機のサザーランドも一瞬でコクピットか、もしくは両腕と頭部を吹き飛ばされて戦闘不能に陥ったのだった。

 

私は何が起こったか分からずじまいだったが、ふと攻撃が来た上空を見上げると、自分の目の前へ何かが降りてきた。日光が眩しくて初めはよく見えなかったが、眩しさに慣れると、その存在の全貌が見えた。

 

それは自分が乗っているグラスゴーやブリタニアのサザーランドよりも大きく、約9〜10Mくらいの大きさのKMFのような存在だった。人型だが両腕の側面から羽のようなパーツが生えており、まるで聖騎士のような印象を受けた。威風堂々とした佇まいのその存在に見惚れていると、再びその機体は飛翔し飛び去っていった。私はグラスゴーを走らせその跡を追うのだった。

 

 

 

 


 

 

 

【99SIDE】

 

新宿からの戦闘の光を追ってやってきた99だったが、ふと下を見ると、街の中を青色の人型のメカが走っているのを確認していた。

 

(アレがこの世界の代表的な兵器なのか?俺の乗っているヴォルターよりもやや小さいな。全長は4〜6Mくらいか)

 

そんなことを思いながら、上空から戦闘を見ていた99は何かを発見した。

 

(ん?あれは・・・?)

 

見ると、青の人型兵器に追われている赤色の人型兵器を見つけた。かなりボロボロになっており、そんなに長くは持たないだろうと99は結論づけた。放っておこうかと思った99だが、仕方ないとライフルを構えた。赤い人型兵器の前方を塞いでいる2機の人型兵器を2発で撃ち沈めた。そして、その背後を追っていた3機もわずか6発で両腕とコクピットを破壊し戦闘不能に追い込んだ。そして、その無事を確認するかの如くその目の前に降り立った。

 

「ひとまず無事なようだな」

 

そう呟くと、今一度状況を確認するために場所を移動した。移動している最中レーダーに凄まじい勢いで次々に兵器を粉砕している反応があり、球状の壁面のディスプレイにモニターが現れ、その存在を映し出した。その姿は白い鎧を纏った聖騎士のような存在で、どこか自分のヴォルターと似ていた。

 

(こいつはさっきの奴らとはすこし違うな)

 

それを確認すると、その存在が何かを追っていることに気づき、その場所に近づいてみると、青色の人型兵器を追っているのを確認し、その道に立ち塞がるようにして、降り立った。

 

(さあ、来い。お前の力を見せてみろ)

 

 


 

 

【スザクSIDE】

 

 

(絶対に逃さない!)

 

僕はランスロットを操ってランドスピナーをフルスロットルに、目の前にいる指揮官機と思われるサザーランドを追跡していた。自分に向けて放たれたライフルの乱射を避けてランスロットはさらに距離を縮めた。そして、右腕の強化スラッシュハーケンをサザーランドに向けた。

 

(これで仕留めた!)

 

そう僕が心の中で呟いたその時だった。

 

 

 

 

ド・ドウン!

 

 

 

 

 

突然僕のランスロットのコクピットにアラームが鳴り響いた直後、目の前に2発の射撃が降り注ぎ、僕とサザーランドの間の地面を大きく抉った。その直後、サザーランドを護るかのように白色のKMFのような機体が立ちはだかった。その姿は、僕のランスロットにどこか似た姿だったが、大きさはその二回りも大きかった。

 

その機体は自分の前から退く素振りを全く見せない。

 

「邪魔するならっ!」

 

ランスロットは一気にスロットルを踏み、右腕のメッサーモードのハーケンをその機体に突き出した。ランスロットの全パワーを右腕に集中させたその突きはその機体を貫くと考えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、その考えは直後に大きく裏切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバアアアアアアン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか白い機体の右手に長剣が握られており、その抜き放った長剣によってランスロットの右腕は左斬上に斬られ宙を舞っていた。

 

 

「え?」

 

 

僕はその事実にただ驚くしかなかった。だが、そんな僅かな空白を生んでしまったことが僕達の運命を決定づけることになってしまったのかもしれない。白い機体は間髪入れず、今度は左手に逆手持ちで右側の腰に懸架していた長剣を抜き放ち、ランスロットの左脚を斬り落とした。そして、そのまま左腕の長剣を素早く持ち替えて右薙で頭部を、そして右腕の長剣で残った左腕を両断し、完全に僕のランスロットを達磨にしてしまった。

 

 

「・・・・・・!?」

 

 

あまりの一瞬の出来事に僕はただ呆然とするしかなかった。すると、達磨にした僕のランスロットにまるで興味がなくなったかのように、後ろのサザーランドを一瞥した後、飛翔し何処かに姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ブリタニア軍によるシンジュクゲットーの掃討作戦は、レジスタンスを指揮する謎の存在と、たった一機の未確認の大型の機体によって大番狂せの結末を迎えることとなった。ブリタニア軍は、その掃討作戦の指揮者であるクロヴィス総督を亡くし、30機以上の多くのKMFを失う形で掃討作戦を終えることとなった。だが、この結末はそのブリタニア軍にとっても、それと戦ったレジスタンスにも驚きだった。

 

その後、ブリタニアとレジスタンスはその結末の一因となった巨大な機体について全力で調査などを進めているが、その後の詳細は依然として不明のままである。




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