女神たちのために 作:まるでダメな作者
始まり
「――――」
……何だ。
「―――!――――――!」
……誰かが叫んでいる?
「デイヴィット!ブラヴォーチームがやられた!あとは俺たちがやるしかない!」
……違う、これは
『ブラヴォーが拓いた道を無駄にするな。デルタ1から4は拠点に侵入し目標を確保しろ。生き残っている者はその場に残って退路の確保だ。』
「聞いたな、行くぞデイヴィット!」
これは
――――――――――――――――――
「ショックッ!!」
「―ッハァ!ハァ、ハァ……」
体中に痛みを感じる……つまり、まだ生きているということだ。
だが、体を動かすには少し時間がかかりそうだ。
出来る限り状況を整理するべく眼だけを動かして周囲を確認する。
……意識回復から間もないせいか、視界がまだはっきりとしないが目の前には黒髪の女性が居て、視界の端では胴体が折れて炎上している航空機が見える。 ―恐らく乗っていた輸送機だろう。
そうだ、俺は作戦区域に向かう為に輸送機に乗っていた……だが、突然輸送機の一部が爆発して操縦不能に陥ったんだ。パイロットたちが必死に墜落する機体を制御しようとしていたのは覚えている。
「指揮官!聞こえますか?」
徐々に視界が回復し、女性のことがはっきりと見えるようになった。
綺麗な黒の長髪に優し気な眼差し、青と白が印象に残る服装、そしてスリングで提げられた本人の雰囲気に似つかわしくないブルパップ式マシンガン。
彼女は……そう、マリアンだ。輸送機の中でこれからの作戦について簡単にブリーフィングをしたのを覚えている。
「私の声が聞こえますか?」
マリアンが必死にこちらに呼び掛けてきているのが聞こえる。……聴力にも問題は無さそうだ。
マエにも似たような事があったが、あの時は美女ではなく
「所属先は言えますか?」
「中央政府……ニケ管理部だ」
「そのまま手を頭の上にあげられますか?」
痛みをこらえつつ指示通りに手をあげた。
「あぁ、良かった……」
「……状況は……どうなってる?」
「作戦区域への移動中に乗っていた輸送機が対空火器の攻撃によって墜落しました。爆発音でラプチャーが集まりつつあります」
対空火器?だがあの墜ち方は……いや、今はもっと優先することがある。もう体の感覚も戻ってきている、体を動かすことに支障は無いだろう。
痛みは全く引いていないが、腹に力を入れて体を起こす。
「マリアン、墜落してから君の装備の動作確認はしたか?」
「え?は、はい!問題ありませんでした」
「よし、では今から君の指揮を執る。まずはこちらに攻撃しようとしているヤツを優先して攻撃してくれ。接近してくるラプチャーに関しては俺が確認し、攻撃目標を変更する場合はその都度指示を出す。」
身を隠し、かつ周辺の確認に適した場所は……あそこか
「指揮官が直接ラプチャーを確認するのは危険です!」
「自分の置かれている状況を認識できていなければ、その危険から逃れることも出来ないだろう?」
「……分かりました。ですが安心してください、貴方のことは私が必ずお守りします」
「頼りにしている。……本格的にラプチャーが近づいてきたな、俺のカウントが終わったら交戦開始だ」
……3……2……1
「交戦開始」
自分で書いてみて初めて分かる先達たちの偉大さ