2年連続でトレーナー試験に落ちた男とトウカイテイオーの話 作:キンニャモニャ
それは掛け違いの起きなかった世界。本来の世界の話である。
「ゴールドシチーですか……。トレーナーを目指すからにはウマ娘がレースで全力を出せるような環境を整えることが重要です。ですが、肝心のウマ娘が心の底からレースとモデル業のどちらも全力でやり切りたいというなら、それに共感して支えてあげるのが大人でもあるトレーナーの役割だと思っています。……え、1人の女性として? いやーきついでしょ」
トップ成績でストレート合格した男は運命のウマ娘に出会う!
「メジロマックイーンと申します。私はメジロのウマ娘。華麗に、優雅に、完璧に勝利することをこの名に義務付けられておりますわ。私のトレーナーになるのは相応の覚悟が必要です。貴方にはありますか? 周りの期待に応えて、私と歩み続ける覚悟が……」
「望むところだ。俺の持つ力で、全力で君を支える!」
夢――悲願達成のために
「天皇賞を制覇する。それが私の夢であり、メジロの悲願でもあります」
「おう」
「私は幼いころから、それに勝つことを期待されてきましたわ。そして私自身も勝ちたいと願っています。ですが、その道が容易でないことは、多くのメジロのウマ娘が証明しています」
「おう」
「もし、私との関係を今一歩だけ進めて、メジロの使命を共に背負うというなら、今まで以上の覚悟が必要になります。本当によろしいんですの?」
「おう!」
「では、今日から私たちは一心同体です!」
「おう! ……え?」
「ようこそ、メジロ家へ。歓迎いたしますわ」
「ちょ、ちょっと待って! 話が違う!!」
2人は切磋琢磨していく!
「トレーナーさん、今日は腰の部分を中心にお願いします」
「だから、腹回りを誤魔化すためにマッサージを利用しようとするんじゃない。あとでプールに行くぞ」
「はい……」
時には苦難に遭い
「と、トレーナーさん、あそこにすごく美味しそうなスイーツが……!」
「耐えろよー。レースは明後日だぞー。我慢したあとの方がもっと美味しくなるぞー」
「ううぅぅぅ」
時にぶつかり
「行かない。絶対に行かない」
「トレーナーさん、そんな意固地にならないでくださいな。固い行事への参加ではありませんわよ。ただ、私たちの休暇に、トレーナーさんもご一緒していただきたいだけです。日頃のトレーニングの延長みたいなものですわ。私たちはいつも一緒に居るでしょう?」
「だからってメジロ家の家族旅行に同行するのは違うだろ! 知り合いの家族旅行に単身で付いて行って、呑気に楽しめるほどガキじゃねーぞ!」
「知り合いだなんて冷たいことを言いますのね。私たちは一心同体ではありませんか。夏合宿のときの様に、みんなで楽しむだけですわよ。風光明媚な観光地に行ったり、その土地で取れる食材を使った美味しいお食事を頂くだけです」
「そこにはメジロの当主もいるんだろ? 俺が担当してないウマ娘とかも」
「……まあ、いますわね」
「絶対に行かねー」
2人は仲を深め合う
「トレーナーさん、たまたま野球のチケットを手に入れたのですが……」
「次の土曜日か。予定あけておくよ」
「約束ですわよ。野球観戦はとても楽しいですが、トレーナーさんが一緒でないと嫌ですから。願わくは、これからもお付き合いくださいましね」
「いつでも付き合うさ。マックイーン、君がトゥインクルシリーズ卒業した後も、君が許すならその先もずっと」
「トレーナーさん……それって……!」
そして、最強の敵へと立ち向かう!
「おばあ様がドリームトロフィーリーグに移ったのだから早く子どもを作れと仰っていますわ……」
「は? え、3日前に交際を始めたって報告したばかりだよな。それなのにもう?」
「ええ。次のメジロをたくさん産むようにと……できれば、もう少しゆっくりしたかったのですが」
「……しゃあない、乗り込むぞ。3200の場に引きずり込むんだ。思い出のレースを思い出させてやろう」
「……やむを得ませんわね。下克上です」
2人の元に、新たな仲間が集う!
「あ、あの! あたし『達』だけに訂正させてください! マックイーンの目がちょっと……!」
「あはは……全く勝てなくて契約解除になった身だけどさ。それでも良いなら受けさせてもらうよ。……もう一度だけ、私も信じてみるよ」
「わたくし達のトレーナーは、当然トレーナーさまがなるものとばかり思っておりましたが、そうではなかったのですか?」
「きゅんきゅんどきゅん♪ ……み、見た? 今、見たでしょ!」
※ウマ娘時空です
手強いライバルたちもやってきた!
「ねえ、お兄ちゃんって呼んでもいい? …………なんで怖がるの?」
「マックイーンをいじめるやつはボクが許さないんだからねっ! ……あれ、聞いてる?」
頼れる仲間たち!
「トレーナーさん、今日がお誕生日でしたよね? はいプレゼントです! ええ、もちろんザバスです!」
「え、ヘリオスも連れて来い? 2人まとめてタコ部屋に放り込む? トレーナーが監督するの……!? また赤点取ったら百叩き!? ……はい、呼んできます」
「ではトレーナーさま、ふわふわ雪合戦を始めますわよ。とやぁ~……!」
「……初めから信じてるに決まってるでしょ。じゃなきゃ、たとえ担当トレーナーでもあんなマッサージ許さないわよ。おかげで人の視線くらいなんとも無くなったんだから……!」
ライバルたちは静かに爪を研ぐ
「あ、お兄ちゃん! つーかまーえたっ! えへへ、今日はカレンに……え、マックイーンさんがレース前なのにスイーツのお店に向かったから止めにいかないと? ……ねえ、どうしてそんなわかりやすい嘘つくの?」
「見つけたっ! 今日こそはボクの話を……って、だから無視しないでよーっ!」
男と彼女を中心に世界は変わっていく
「一夫多妻制? ははは、今時それは流行らないだろ。チームを作って担当するならわかるが、複数のウマ娘と恋仲になる? 刃傷沙汰、待ったなしだな」
「10枠のうち半分は担当バで埋まりますから覚悟してくださいましね」
「え?」
裏で暗躍するものたち
「ええ、おばあ様。これが妥協点、ですわね。法律改正までされたら私も認めざるを得ませんわ。……メジロの次世代のために、我慢しませんと」
それは周りの人すら変えていく
『久しぶり。大学卒業以来だよね。元気にしてた?』
「お兄ちゃん、カレンの枠を忘れちゃダメだからね。はい、指切りしたから約束やぶっちゃダメだよ。…………だから、どうして怖がるの?」
「どうせマックイーンくらいでしょ? 仕方ないなー、しっかり甘やかしてくれるならボクが……え、もう7人もいるの!?」
今、感動のストーリーが幕を開ける!
「絶対に譲りませんわよ! テイオー!!」
「この距離でボクに勝てると思わないでよっ! マックイーン!!」
暗転
リノリウムが映しだされ、歩く音がこだまする
1人の男が無愛想な顔でトレーナー室へと向かう
それを見た新人トレーナーたちがヒソヒソと話し合う
「おい、アレ……」
「アレが噂の……」
「「メジロトレーナー」」
メジロトレーナー ~ウマ娘に青春を捧げた男~
20XX年2月24日世界同時公開!
ネタですよ。
メジロトレーナーのヒミツ①
恥ずべきことがないのなら、自分の心に素直であるべきだと思っている
メジロトレーナーのヒミツ②
外圧がなければ、もっとゆっくりと恋愛過程を楽しみたかった
メジロトレーナーのヒミツ③
メジロ家のウマ娘たち以外で接触が多いのはトウカイテイオー。次点はカレンチャン