86-エイティシックス- 獅子の来訪   作:Aa_おにぎり

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こっからしばらくオリジナルです。
本編はしばらく進みません。

ネトフリの最新作のドップがカッコ良すぎてプラモ化を望んでいる。


ーエイティシックス・オブ・トラベラーズー
外伝#1 南方見聞録その1


合州国が増えすぎた人口を海に移住させる様になってすでに一世紀が過ぎた。

 

沿岸の洋上には数百基のコロニーが浮かべられていた。

 

人々はコロニーの何層にも重ねられた人工の大地に住み、そこを第二の故郷とした。

 

数千万の海上移民たちはそこで子を産み、育て、死んでいった。

 

海上世紀〇〇七九年、合州国本土から最も遠い水上都市群サイド3はジオン公国を名乗り、合州国連邦政府に独立戦争を挑んできた。

 

開戦から一ヶ月余りの戦いでジオン公国と合州国は総人口の約半数を死に至らしめた。

 

人々は自らの行為に、恐怖した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ーーこの様に、海上移民者による独立掲げるジオン公国によって引き起こされ、国民の約半数を死に至らしめた一年戦争はア・バオア・クーにおける大攻防戦によって終結した。それがちょうど二七年前の出来事だ」

 

ホワイトボードの前で一人の教官が教鞭を執る。

 

「戦後、一年戦争の英雄ヨハン・イブラハム・レビル将軍の政策より。海上移民は進み、今日の合州国の礎を築いてきた」

 

教室には多くの生徒が座り、一部は無駄話をしていた。

 

「シーノイドの自治独立を叫んだ彼らの根底には、当時の合州国におけるコロニーとの主従関係の様な統治体制に問題があり。ジオン・ダイクンの提唱したジオニズム、所謂ニュータイプ論は間違った解釈から選民思想を生み、ギレン・ザビの様な反乱分子を生んでしまい……」

 

その瞬間、教卓を鞭が叩かれるような音がし、教師が怒鳴る。

 

「お前達!歴史の授業は、任官試験には必須だ。いくら履修済とはいえ、疎かにすると試験に落ちるぞ。幾ら合格率八割の試験とは言え、上も士官になるために必要な学力のないアホは雇わんからな。そもそも…「バンウッディ先生!またシャトルが!」……」

 

 

 

 

 

講義が終わり、臨時のシャトル便に乗るために生徒達は帰宅の途につく。

 

「また壊れたのかよ……」

「今月これで何度目?」

「理事長がケチなんだろ?上からの払い下げで十分だってさ」

「えぇ、私泊まる用意とかないんだけど」

「あたしも」

 

クラスメイトが出て行く中、ハルトやレッカもその中に入っていた。

 

「それじゃあ、明日の特別訓練は中止だな」

「うげっ、二日続けてバンウッディの特別講義とか。嫌だぜ俺は!」

「俺なら二分でレギオン戦争まで解説できるのになぁ」

 

クラスメイトはそう話すと、先頭を歩いていた一人があるものを見つける。

 

「うわっ!すげぇっ!ザクだ!!」

 

そう言い、校舎の暗くなった資料館の中に置かれていた一つのモビルスーツを見る。

 

「バンウッディめ、こう言うのがあるなら先に言えよな」

「なにそれ、凄いの?」

 

レッカが問うと、その男子生徒は頷く。

 

「モビルスーツの元祖だぜ」

「へぇ〜」

 

しかし、レッカ達はあまり興味のない様子でそのまま資料館の前を歩き出す。

 

「あ!おい待てよ!じっくり見ようぜ!」

「興味なーし」

「どうせ戦線に出ていない旧式機だろ?」

「だったらジェガン見てた方が為になるね」

「ケッ……ロマンのない奴らめ」

 

そう毒吐きつつも、その同級生はレッカ達の元に戻って行く。

 

 

 

 

 

この学生の生活が始まって早三ヶ月。特別士官学校という名の学校にハルトとレッカは入学していた。今日はコロニー研修で、サイド0にある軍事関係施設に来ていた。

サイド0には多くの政府関係施設が存在し、一年戦争後にレビル将軍によって建造された最も新しいコロニー群であった。

学生寮に帰るため、コロニーを結ぶシャトル乗り場で騒いでいる同級生を他所にハルトは海を見ていた。水平線が少し湾曲して見て、星が丸いのだと実感できる。目の前の景色に、自分はちっぽけな存在だと思わざるを得なかった。

 

「また考えてる?死神隊長の事」

 

窓の外を眺めるハルトにレッカが声をかける。

 

「そうだね。どこまでいったんだろうって……考えてた」

 

ハルトはそう答えると、レッカも横に立って同じく海を眺めると呟く。

 

「そうね……でも、あの死神隊長の事だから意外と帝国に保護されてたりして」

 

特別偵察任務の向かう先は、帝国がある方向だ。この学校に入って学んだから、色々と地理にも詳しくなったものだ。基礎教育課程から補講でやらされて来たから大変だった。ただ何となく、平和な檻に入れと言われているようでちょっと抵抗感があった。

 

特別士官学校に入り、軍人としての教育も行われ、今では自動小銃の扱いも教わる羽目。そして今はリノが持ち帰って来た情報で大忙しだ。レッカの乗ってきたジャガーノートや分解されていた部品は解析が進んでいた。何でも合州国のガンタンクをフェルドレスに換装する為の研究に使われるそうだ。既にいくつかの試作品は完成しているそうなので、ジャガーノートも反映させるそうだ。

 

「…どうだろうね」

 

ハルトは大海原の……この先にいるのかもしれない原生海獣の支配域を見ていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

合州国での生活は、はっきり言って仕舞えば八六区に比べれば圧倒的に良かった。ただ、そこのあの頃の楽しさはなかった。レッカが付いてきてくれたとはいえ、やはり寂しい。約束があるからそれを叶える為にも、やる事をやるしかない。

 

チチチッ!

 

「……ん、あ…あぁ……」

 

自分用に学生寮の一室でハルトは目を覚ます。あの八六区の隊舎と違い、しっかりした防音でとても静かだ。窓から差し込む陽の光を浴びてこれもまた柔らかいベットから体を起こす。レッカのいる女性寮は別の場所にあり、合州国の軍の規定上男女関係にはすごく厳しかった。自由時間に会ったり話したりは自由だが、行為に関しては凄く管理が厳しい。此処も、時折夜にうるさかった八六区よりも断然違うところだ。

 

「あぁ……眠む」

 

この数ヶ月、まともにフェルドレスにすら乗っていない。特別士官学校は戦時下に志願した兵士がどの軍に行くのか決める場所でもあり、今の合州国軍には陸軍、海軍、宇宙軍、海兵隊という風に分かれていた。宇宙軍というのは空軍の後継団体で、理由は簡単で宇宙空間に飛べる軍艦を多数保有しているからだった。

 

空中戦において上を取ることは戦闘面において非常に有利であり、その為合州国軍と公国軍は常に上を取り合う戦いとも化し、その領域はあっという間に宇宙空間まで達したそうだ。そのための装置としてミノフスキークラフトを搭載した軍艦が当たり前のように建造されていたそうだ。正直半分くらい何を言っているのか分からないからあれだけど、凄いんだってのは理解できた。

 

「あっ、おはよう」

「おう、おはようハルト」

 

部屋を出て共用の大部屋に行くと、そこにはすでに私服姿の同級生の姿があった。今日は休暇、外に出れる日だ。かく言うハルトも今日は、水族館に行こうとレッカと計画を立てていた。

リノ曰く、自分達は戦災孤児と言う事に書類上はなっているそうで、その通りに生活しろと言われた。実際、そうでもしないと面倒な事になるのはよく理解できた。なぜなら……

 

『エイティシックスを!子供達を守れ!!』

『共和国に制裁を!』

『共和国に革命を!』

 

ニュースの先、シュプレヒコールを上げるデモ団体の姿。そこに自分達の写真などは一切映っていなかった。恐らくはリノが手回しをしてくれたのかもしれない。その点がありがたかった。

 

戦い抜くエイティシックスの誇りの代わりに。俺たちは託された。合州国での見聞を集めるように。その為に、俺たちは休暇ごとに実に様々な場所に行ってきた。

 

近場の店や観光地、学校の訓練過程で向かった軍事基地やコロニー。

 

それでもまだまだこの国には見所があるのだと感じざるを得ない、それほどまでに広い国土。

自分達はそこで感じる、己と言う個人の小ささに。

あの戦場は世界のほんの一部でしかないのだと。

 

「ハルト」

「おう、今行く」

 

寮の前で私服姿のレッカが現れ、ハルトを呼び出す。そして、二人が出ていく様を後ろからまるで殺すかのような男達の視線にやや恐ろしさを感じつつハルトは寮を出て行く。

 

正直、レッカは同級生の中では人気な女子だ。と言うか、女子からも人気な女子だ。つまりはモテモテと言うわけで、そんなレッカと親しげによく話す俺は妬みと慾望の対象になるわけで……。

 

『お前とレッカ様が付き合ったら許さねえ!』

 

と言われる始末。まぁ、恋愛関係というよりかは戦友とか友人とかに近いし、八六区でレッカには色々と痛い目くらったから欲情なんて起こんないわ。

知覚同調を抜かれ、簡単に会話ができ無いのは不便だが。携帯を使い続けているとだんだんと慣れてきていた。

 

「じゃあ、今日は水族館だったっけ?」

「そう、それで予定は……」

 

寮から出るバスに乗り、二人は移動をする。携帯であらかじめ立てて言いた予定を確認する。リノから使い方を教わった乗換案内アプリだ。基本的に合州国の街にはモノレールか地下鉄、バスが走り回っていて、街と街の間は飛行機か特急列車での移動だった。

 

特別士官学校は、もう少しで卒業する。正確には四月に卒業し、その後は少尉の階級を貰って軍の仕事につく。リノ達は陸軍出なので、彼から陸軍にこれば色々と事情を合わせられると言われているから、二人は陸軍に進む。それは決定事項だった。

 

「「おぉ〜!!」」

 

水族館に到着したハルト達は、バスを降りて中にやや興奮気味に入って行く。

 

中にはアクリルに覆われた巨大な水槽があり、中には多くの魚が泳いでいた。周りには子供やカップルと思わしき人の姿もあり、ハルト達も違和感はなかった。ただ……

 

「すっげぇ……」

「こんなに大きいのね……」

 

その水槽の大きさと、その中で生きる魚の群れに驚愕していた。その見た目に圧倒されつつも、ハルト達は水族館を見回す。

 

 

 

 

 

水槽に植え付けられた珊瑚が岩礁を見て、ふとハルトは思う。

 

ーー此処にいる魚はまるで自分達のようだ。

 

水槽という檻の中でしか生きられない魚。……八六区という戦場でしか生きる道を知らないエイティシックス。

今も頭の中では一緒にシン達と行きたかったという思いが残っているし、それは変わらない。本当は行きたかったけど、連れてもらえなかった。

 

それが寂しい。

 

レッカもそれは思っているはずだ。後から行くとは言ったけど、それが何年後なのか分からない。もしかすると何十年も先の話なのかもしれない。

 

それまで自分達は耐えられるのだろうか。自分達を率いてくれた死神がいない事に。

 

 

 

 

 




初めて見たアナザーガンダム作品は丁度やってた鉄オルの41話……それ故に困惑と、若干のトラウマを覚えやした。
だからアナザーガンダムはそれ以降ほぼ見てないっす。意訳:アナザーガンダムネタはほぼ書けない。例外は水星だけだ。

オペレーション・ハイスクールをやるか否か

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