86-エイティシックス- 獅子の来訪   作:Aa_おにぎり

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宇宙世紀関連のMSで出して欲しいのあればコメントにお願いします。

一応の条件
U.C.0096年前後までの機体。
アナザーガンダム関連は無理。
A.O.Zも一応おけ。

無理なやつは出た機体から考えて回答します。なるべくご要望にはお応えするつもりです。
ただ、物語の進行上名前のみの登場となってしまう可能性がある事をご了承下さい。


外伝#2 南方見聞録その2

水族館の観光から暫く経った頃。今日は特別士官学校の卒業直前、今日は前線に来ていた。正確には……

 

「そっちの補給物資は第四三補給所に持っていけ!」

「こっちは次に来る列車に乗せろ」

 

後方で補給用物資を運ぶ役割をさせられ、レッカはフェルドレスの操縦桿ではなくトラックのハンドルを握っていた。

 

「……なんで私がこの仕事を?」

 

思わずそんな疑問が浮かんでしまうが、これには事情があった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

国境線沿いに要塞を建造するにあたって物資が送られていたのだが。建設師団は今は最優先で一年戦争時の要塞ルナツー、コンペイトウ、ゼダンの門の移設工事にあたり、そのほとんどが借り出されており、それら要塞の移設工事が完了するまで、ジークフリート要塞戦線の建造に士官候補生が駆り出されていた。

 

「ういっしょ……」

「はいやぁ……っ!!」

 

かくいうハルトもツナギ服を着て片手にはシャベルを持っていた。今は〈レギオン〉用の空堀を掘っていた。

 

「おーい、ハルト〜!こっち手伝ってくれ!」

「はいはーい」

 

〈レギオン〉の支配域方面にはモビルスーツや戦車が並んでおり、ザクタンクやガンタンクが前方にドーザーを付けて空堀を掘り、その深さは実に三メートルを越えようとしていた。

 

「計画じゃあ、八メートルまで掘るって聞いてるぜ」

「バカじゃねえの?そこまで掘れるってかよ」

 

休憩に入り、片手にあの経口補給液を持ちながらハルト達は話す。現在も構築が進んでいるジークフリート要塞戦線はハルト達のいる場所からも永遠と続いており、地平線の彼方まで茶色い線が見えていた。

 

「お疲れ」

「あぁ、レッカか……」

 

ハルトの見上げた先、そこには物資を運んできたレッカが立っていた。

 

「まさかトラックを運転することになるなんて思わなかったわ」

「それは同感だな。あの操縦桿が懐かしいよ」

 

そう言い、ハルトはあの頃のアルミの棺桶で常に感じていた操縦桿を手で再現していた。このままだと一生フェルドレスに乗れないんじゃないかと恐怖を感じた。たまに連絡を入れてくれるリノ曰く、試作品を回してもらえるらしいが、どんなものなのか想像がつかなかった。

ハルト達がそんな話をする中、同じ士官候補生はと言うと……

 

「はーあ、初めての仕事が工事とはな……」

「仕方ねえだろ、俺たちはまだどの兵科に就くのかさえ……」

 

ウウゥゥウ〜〜!!

 

その瞬間、アラートが鳴り響きハルト以外は一瞬驚いてしまった。

 

「な、なんだっ!?」

「敵襲!ヒヨッコどもは避難しろ!!」

 

〈ケルベロス〉で囲んだ兵士が重機関銃片手に飛び出し、ハルト達も慌てて工事をほっぽり出して逃げ出す。ハルト達もそれは変わらず、走って後方の掩蔽壕に逃げた。

 

上ではすでにモビルスーツからビーム兵器による攻撃が飛んでおり、ネモの一七〇ミリカノン砲の攻撃も飛んできていた。

 

「早く走れっ!!」

「うわっ!?」

 

後ろの爆発に押されるように掩蔽壕に逃げ込むと、そこでハルト達は中で震える同級生を見て思わず感じる。自分たちにとって戦場は真横にあるのが当たり前だった。だけど、今目の前にいる同級生は初めての戦場に震えていた。先ほど軽口を叩いていた奴も戦闘で揺れる地面に恐怖して何もと言葉を発していなかった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

暫くして戦闘が止み、上官から外に出てていいと許可がでた。ハルト達は隠れていた掩蔽壕から出ると、そこには煙の上がる戦場があり、視界の遠く。そこには擱座した〈レギオン〉の戦車型や初めて見る大きさの機体があった。

 

「……」

 

その光景に、ハルト達は思わずモビルスーツを見上げる。今いる戦域にリノ達の乗ってきたジェガンは居ないが、代わりにネモと言う機種のモビルスーツがこの戦域を担当していた。人間の生身で見るその大きさに自分がまるで虫になった気分だ。被害も殆どなかったようで、一方的に〈レギオン〉を叩いていたその姿に唖然となってしまう。

横では同級生達が撃破された〈レギオン〉に興味津々で見ていた。

 

「あれが……レギオン」

「初めて見た……」

 

八六区では散々見てきた〈レギオン〉、ただ見たこともない〈レギオン〉はなんなのかと思っていると、誰かが呟く。

 

「すげぇ、あれが重戦車型か……」

 

重戦車型。

まず間違いなく、あの巨大な〈レギオン〉のことだろう。共和国では見かけなかった機体だ。上官によれば、あの重戦車型はこの戦線にはよく現れる敵のようで、ああやって戦車型と重戦車型で構成された部隊でよく襲来してくるそうだ。それを見ただけで、あの戦場は地獄のほんの一部でしかなかったのだと感じた。

 

 

 

そして、〈レギオン〉は共和国なんかには本気でなかったのだと……

 

 

 

曲がりなりにもこの半年間でまともな教育を受けてきたからわかる。〈レギオン〉にとって共和国はただ狩場でしかなかったのだと……。〈レギオン〉にとっての本当の戦場は……此処。

 

だってこんな圧倒的な戦い、今の〈レギオン〉じゃあ勝てっこない。と言うかモビルスーツがいる限り、〈レギオン〉は負け続ける。今の目の前の様に……。

 

「お前ら!重機持って来い!トラックで引っ張るぞ」

「「「えぇ〜……」」」

 

今回の戦闘での戦死者は対応が素早くできたから、死者はゼロ人だった。そう、本当の意味での……戦死者ゼロの戦闘。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

合州国の歴史は常に帝国という強大な仮想敵がいた。帝国という巨大な敵を前に、情報収集は欠かせなかった。それは帝国が開発した〈レギオン〉も然り。

 

「基盤見つかったか?」

「だーめだ、全部灼けっちまってら」

 

撃破した〈レギオン〉を分解している工場。此処は主に戦車型を解体する工場であり、工場の外には足をもがれて積まれた戦車型が大量にあった。

 

「はぇ〜……」

「まるで車の解体屋だな」

「同じだろ。実際」

 

ハルト達はトレーラーに士官候補生としての後方任務の一つである〈レギオン〉の残骸の輸送に当たっていた。あんまり覚える気はない同級生と共にトレーラーを運転していた。此処最近は大型車しか動かしていない気がする……。何せ、歳を覚えていないから運転年齢なのかも分からず、結局身長は足りているという理由でハルト達は運転免許も取っていた。

 

「オーライ、オーライ……」

 

後ろではクレーンが動き、回収した戦車型を動かしていた。その間は仕事が無いハルトは呆然と積み上げられた戦車型を眺める。既に中の弾薬は抜かれており、爆発することは無い。しかしハルトは、そこでそもそも共和国と合州国で〈レギオン〉に対する見方が違うと感じてしまった。共和国では撃破した〈レギオン〉はそのまま放置していた。たまに〈スカベンジャー〉がその装甲を剥ぎ取っていたこともあるが基本的には置きっぱだった。

そして撃破した〈レギオン〉は中身を全部剥ぎ取った後は溶鉱炉で溶かされてモビルスーツの建材となるそうだ。合州国にとって〈レギオン〉とは研究する材料であると共に、資源の供給元でもあったのだ。なるほど、これが俗にいうサステナブルかと感じていた。

 

そんな戦車型の解体を担当しているのは元特別士官学校の生徒だ。戦争開始序盤に志願して此処で働いているそうだ。

 

困った時の入隊事務所。

 

合州国にある諺である。戦時下の現在、仕事がない場合は入隊事務所に行けば何かしらの職にありつける為に作られた言葉であった。この工場に配属された人員の目的は〈レギオン〉の基盤の確保。基盤さえ残っていれば情報収集ができるということで、積極的に基盤の部分を探していた。

工場の壁には戦車型の設計図らしきものが書かれており、そんな詳しい所まで分かるのかと思ってしまう。

 

「おーい、ハルト〜!次の仕事だぞ〜」

「ん、分かった」

 

朝からこき重労働に使いやがってこの野郎……。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

今日の仕事が終わり、クタクタになって後方基地に帰った矢先。ハルトはある人物に出迎えを受けた。

 

「よう、仕事は終わったか?」

「っ!おぉ、リノじゃん!」

 

そこには自分達を合州国まで運び、その後も色々と世話になったリノが居た。

 

「なんで此処に?」

「近くで仕事があったんだ。そのついでだな」

 

ライトグレーの軍服を着て、少佐の階級を持つリノは帽子を被っていた。

リノとハルトは基地の外に出ると、そこで近くのあったベンチに座った。

 

「どうだ、此処での生活は?」

「……だいぶ慣れて来たかな」

「そうかい……」

 

片手にコーヒーの入った紙コップを持ってそれを口にしていると、リノは暗くなった空を見上げながら呟く。

 

「此処での生活はどう感じる?」

「……いいと思うよ。毎日温かい風呂に飯がある。こんなに嬉しいことはないね」

 

そう言い、ハルトは目の前の舗装されて綺麗に整備された基地を見ながら答える。八六区という戦場を抜けて、今は此処にいる。

だけどまだ自分は戦場に囚われている。出なければこんな軍にまた所属しようだなんて思わない。

 

「……リノはさ。なんのために戦っているの?」

 

ふと、そんな疑問が溢れる。それはずっと気になっていた事だ。自分達エイティシックスは戦い抜く事を誇りとしていたが、リノ達が戦う理由は何でなのだろうと。

 

命を張って戦う理由はどんな物なのだろう。

 

少し気になってつい聞いてしまった。後からしまったと思っていたが、リノはそんな問いに小さく笑うと教えてくれた。

 

「ふっ……そんな事か」

 

まるで当たり前のような事を聞いて来たように答える。

 

「俺は…孤児院育ちの身だ。戦争が始まる前からな……」

 

するとリノは遠くを見つめながら言う。

 

「俺はこの国で生まれ、育ってきた。……俺が戦って居るのは簡単さ。

 

 

 

……守るためさ。この国を」

 

 

 

「……守る」

「そう、守る。家族を、友人を、仲間を、今まで俺が生き抜くために協力してくれた人に恩返しをするために。俺は命を張っている」

 

リノは飲み干した紙コップを横に置くと腕を組んでベンチに深く座り込んで言う。

 

「人ってのは誰かの助けがないと生きられない。この世に本当に一人で生きてける奴なんていねえんだ。

俺はそれを孤児院で教えてもらった。俺が戦う理由はその時に向けられた好意を、笑顔を、それらを守るためであれば。俺は命を張れるに値する崇高の価値だ」

「……」

 

その目は確固たる強い視線であり、これが俗に言う男の目という物だろうか。ハルトはリノの戦う意味を聞き、リノにはエイティシックスにはない家族というものが居るという事を実感させられた。

 

 

 

ただそれが、自分には嘘を纏っているようにも見えたのは気のせいだろうか……?

 

 

 

「じゃあな、次会うときは士官学校卒業後だ」

 

リノは立ち上がるとそのまま歩き出してしまった。

 

「あ、うん…そうだな……じゃあな!」

 

そう言い残すとリノはそのまま去っていった。




今度の新作ガンダムのCGデザインめちゃ良い。
いつかジムヘッドのヘルメットを作ってみたい……。

オペレーション・ハイスクールをやるか否か

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