アストリア合州国 バージニヤ州 国防総省 統合参謀本部
そこではプロジェクターに映し出される映像を閣僚達が見ている。
「……以上より、近日中にレギオンによる大攻勢がある確率は九八%です」
「「「「……」」」」
全員が険しい表情となり、一人の閣僚。アーノルド・フィッシャー少将が疑問を呈する。
「その大攻勢時のレギオンの戦力はどのくらいかね?」
「はっ、《15−13》による予想データではーーーーー」
報告官の口からは信じられない数のレギオンの襲来が予想されていた。
「そんな数がジークフリート戦線に襲い掛かるのか……?」
「いくらなんでも数が多すぎる」
「何かも間違いでは?」
「だが、《15−13》は過去の実績もある上に、あの超長距離砲の事もある。あながち間違いでは無いかもしれん」
「まだジークフリート戦線は完成していないんだぞ。もし抜かれた場合の対応はできているのか?」
「〈ルナツー〉、〈ソロモン〉、〈ア・バオア・クー〉の要塞工事は完了しています。北部工業地帯の南方への疎開も完了していますので対応は可能かと……」
閣僚が対応策を模索する中、アーノルドは報告官に聞く。
「マッキー山脈のレーダーサイトは?」
「常時警戒を行なっております。依然としてレギオン支配域奥地までレーダーは届いておりませんが……」
「そうか……」
数週間前に存在を確認したギアーデ連邦。その国家はギアーデ帝国内で起こった民主化革命ののちに建国された国家であると情報があった。
その連邦からも近々レギオンによる大規模攻勢が行われると注意喚起がなされていた。
国境沿いのジークフリート戦線の着工率は七三%、砲台の設置が〈レギオン〉の襲来により、予定よりも遅れていたのだ。
前線からの報告では工事中に護衛でMSが出ていると言う。
戦闘後に残骸の撤去などで工事が遅れているそうだ。
いつ〈レギオン〉の攻勢があるか分からないのだ。将官たちには焦りの色が見えていた。
レギオンは多数であるが故にそう呼ぶ。
昔、孤児院にあった聖書にそのような事が書かれていた。
本来、
夥しい数の斥候型と戦車型
街を、平原を、河を、無数の金属の光沢と青いセンサーが灯り、大地を走り抜ける。
それが視えた俺は飛び上がるように起きる。
「どうしたの?」
「……レギオンが来る」
横で一緒に寝ていたエリノラがリノを見て、目を細める。
「また……使ったの?」
「今日ばかりは許してくれ。出るぞ」
「みんな起こしてくる」
そう言い、パイロットスーツに着替えると二人は部屋を出る。
この一分後、基地にアラートが響き渡る。
「いきなり叩き起こされたぞ」
ガンタンク上部の装甲射撃砲台に乗り込んだ一人がつぶやく。
それを宥めるようにアノラが言う。
「まあ、落ち着け。我らが隊長殿の
「毎回ってわけでもないでしょうに」
「飛んだ時間に起こされたもんだ」
「そこは軍人だから諦めろ」
「(´・ω・)」
そう言うと噂の大隊長から通信が入る。
『総員傾注、レギオンの大攻勢が始まっただろう。総数は不明、すぐに出るぞ』
その方と共にいつもとは違うアラートが基地に響く。
それは非常事態を知らせる、通常のアラートよりも危険度が高い物だった。
「まじかよ……」
「こりゃ冗談言ってらんないね……野郎共!今日は絶好の狩場だ!存分に喰ってけ!!ただし喰われるんじゃないよ!!」
『『『『『了解!!』』』』』
ガンタンクやモビルスーツが基地から飛び出し、戦場へと向かう。
ジークフリート戦線 ルナツー要塞 管制室
「これは……」
「全部レギオンなのか……」
そこにはレーダーに埋め尽くされるほどのレギオンのマークが記され、ジークフリート戦線の5インチ砲台が射撃を開始する。
「レギオンが地雷原を突破!!」
「第一一七守備隊から交戦報告!!」
「同様に一四五、五六、他多数からも同様の通信あり!!」
「……来たか」
要塞司令はすぐに非常事態宣言を発令。
これに伴い各前線基地からモビルスーツ隊が発進、防衛戦を開始した。
合州国は半島国家である。下に伸びるその国土は戦力を集中しやすく。非常に防衛に適していた。
しかし、それはレギオンにも言える事で、数多のレギオンは大波となってジークフリート戦線全域に襲いかかった。
彼らは地雷原を斥候型を使い潰す形で前進し、これを突破。
レギオンが通れないように大穴を開けた塹壕も斥候型や近接猟兵型を落として埋めて均し、土の壁まで坂を作る。
5インチ速射砲の砲撃で戦車型は坂を上がった瞬間に狙い撃ちされ、斥候型は綿密に計算され、地下化された陣地で射撃をする。
ダダダダダダダダッ!
ダダダダダダダダッ!
ダダダダダダダダッ!
13.2mmという合州国独特の口径の機関銃は斥候型、近接猟兵型を粉砕する。
綿密に測量された後方の自走砲部隊は的確に狙いを定め、一五五ミリ砲弾が着弾、爆炎を上げる。
この時、自走砲部隊は撃てば当たるということで使用期限が近い弾薬から撃ちまくっていたという。
「クソガッ!どんだけ来るんだよ!!」
「こっちは弾切れだ。援護を!!」
「モビルスーツはどうなってる!?」
「後十分で到着します!!」
「自走砲の援護を要請しろ!!」
ジークフリート戦線各陣地は怒号が飛び、衝撃波が飛ぶ。
ドガァァァンン!!
5インチ速射砲が戦車型の砲撃で吹き飛ぶ。
「くそっ!砲台が吹っ飛んだ!!撤退を……」
隠匿砲台の守備隊が撤退指示をしようとした時、目の前が光に包まれる。
そして、今まで襲ってきていたレギオンが一斉に溶けて無くなった。
「何が……」
そう思うのと同時、凄まじいエンジン音と共に、青と白の機体が目の前を過ぎ去る。
「あれは……」
守備隊の男はその機体を見るとそれは空中で変形し、持っていた長砲身の銃と両肩にある連装砲が同じ方向を向き、一斉に六本の青白い光線を放つ。
チュィィィィィィンン!!!
戦線をハサミで焼き切るようにその光線は減衰距離ギリギリまで光線を放つ。
そして、そのモビルスーツはレギオンの軍団の中に入るとひたすらにビーム兵器を撃ちまくる。
「あれが…噂の…ガンダム……」
砲台で、圧倒的な火力を見せるその巨体は。彼らには戦場を掛ける雷のようであった。
守備隊が唖然としているとそのガンダムから通信が入る。
『こちら、参謀本部直属《ストライカー戦闘大隊》隊長リノ・フリッツ中佐だ。第四〇六防衛守備隊。生き残っていれば返事をしろ』
「こちら、四〇六守備隊。援護に感謝する」
『モビルスーツ隊は間も無く到着する。それまで耐えてくれ』
「了解、そちらも武運を」
そう伝えた後、新型ガンダムは機体に取り付けられた八つのロケットエンジンが火を噴き、どこかへと飛び立つ。
それと同時に後方からの砲撃音とビーム兵器特有の桃色の光線が目に映る。
モビルスーツ隊が到着したのだ。
「……野郎共!!生き残ったら新型ガンダムを見た事を他の奴らに自慢するぞ!!」
「「「おう!」」」
野郎共の雄叫びと共に兵士達は運ばれてきた一三.二ミリ弾薬ベルトを銃に嵌め込んだ。
「予想以上に数が多い……」
上空で戦線を確認したリノは冷や汗をかく。月夜に照らされ、輝く金属のそれは天の河のように戦線を彩る。
すると通信機に連絡が入る。
『隊長、第六七号砲台から援護要請あり』
「手隙のガンタンクを向かわせろ。グリズリー、聞こえているか!!」
『ええ、もちろん』
「今から戦線を飛ぶ。援護してくれ」
『……了解』
エリノラは心配をする声で返答をし、リノの後を追いかける。
『レギオンの奴ら、塹壕を埋めて登ってる』
「とんでもない事をするもんだ」
一直線に着弾する砲弾を見ながらリノは持っているビーム・スマート・ガンを撃つ。
キィィィィィィ!!!
しかしこのビーム攻撃も今の軍勢には焼け石に水である。
「ハハハ……冗談だろう?」
リノは苦笑すると目を大きく見開いて、レギオンの一行を視界にとらえる。
……バギバギッ!
右目が一瞬だけ十字に青く輝くと装甲板の砕ける音と共に、六〇両ほどの戦車型と近接猟兵型、斥候型が剣山のように突き出した流体マイクロマシンによって撃破される。
「(後で怒られる覚悟でやるしかない……!!)」
リノは青く輝く右目をなるべく多くのレギオンを視界に入れながら同時に低空飛行をしながらビーム兵器を放つ。
「バケモンだ……」
ガンタンクから掃射する一人の兵士が言う。
目の前には大量のレギオンとそれに真っ向から突っ込み、命の危機も顧みずにレギオンを大量に撃破していく共和国の子供達であった。
死に行くことを強制され、逃げられない戦場に囚われた哀れな共和国が生んだ化け物。
だが、今はどうだ。
『ファルケ、そっちに二機いる!』
『ひぇー、数が多すぎて腹パンパンだあ!!』
『ボサッとしない!!行くよ!』
『隊長がいないとこうも大変だな』
戦闘を楽しんでいる。
余裕がありそうにも感じ取れるその声はどこか狂気的であった。
「あんな子を仲間として受け入れるのが合衆国だ」
「隊長……」
アノラは戦場で闊歩している彼らを見て、憐れむように見ていた。
ガンタンクの二〇〇ミリ砲の砲撃音が鳴り響き、衝撃波が押し寄せる。
「さ、ぼさっとせずに屑鉄を撃つよ!首ぃ持ってかれるな!!」
「はい!」
ダダダダダダダダダダダッ!
機関銃の音が響き渡り、レギオンの大攻勢第一波はなんとか堪え切った。
『第二波が来る』
リノがそう呟き、遠方から飛来する軍勢を見る。
エリノラは疲れている様子のリノを見て聞く。
「リノ、そろそろ戻ったほうが……」
『俺たちが引いたら戦線が崩壊するかもしれない』
『もう、モビルスーツ隊も到着した!第二波も既に前線に報告は入っている!』
『戻れ、リノ!君はこれ以上戦うのは危険だ!』
クラウとテオの叫び声が聞こえるも、リノは機体を旋回させて第二波に向けて突っ込む。
『あの馬鹿っ……!!』
『隊長を見失うな!追いかけろ!!』
『リノ……』
先に突っ走ったリノのハミングバードをエリノラ達は急いで追跡をする。
同じハミングバードでもリノの機体は生産性度外視で只々推進力を上げた逸品で、同じエリノラの二号機でも追いつくのには時間がかかった。
彼らが到着をした頃にはリノのガンダムは既に戦闘を始めていた。
『あの馬鹿隊長を戦線から引っぺがす!お前らも手伝え!』
『りょ、了解!』
クラウに続き、他のMSも一斉にリノの機体に向かって飛んでいった。
「さぁ、こいよ屑鉄…」
リノは映像に映る数多のレギオンを見て狂ったような笑みを浮かべていた。
皆さんの好きなガンダム艦艇は何ですか?
よかったら教えてください。
もしかすれば出すかもしれません。
ちなみに作者はオリジン版マゼラン、イグルー版サラミス、ラー・カイラムが好きです。
オペレーション・ハイスクールをやるか否か
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