86-エイティシックス- 獅子の来訪   作:Aa_おにぎり

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正直、陸上戦艦とかは情報が少ないので主が想像を膨らませています。


外伝#46 進んだ人類Ver.7.0

星暦二一四六年 十月

合州国中央部 第二八競合区域

 

その日、大陸と本土をつなぐ旧国境線の中央部で一隻の陸戦艇が大地を走る。熱核ホバージェットで進むその異様な姿をした一隻の陸上戦艦は予定されていた航路を進んでいた。

 

「体調に問題はなさそうだな」

「そうですか」

 

そしてその一室でリノはノーマルスーツを閉めて反対ではマルコが軽くため息を吐いていた。

 

「ったく、俺は軍医かよ」

「でも専門は生体工学じゃん」

「流石に俺もこれに関してはよくわからん部分ばかりだぞ」

 

マルコはやや疲れた様子で答えると、リノの眼を見る。

 

「しかし、前の赤い目の頃が懐かしいよ」

「もう一生このままの可能性もあるしね」

 

そう言い、ノーマルスーツを着用する彼は置いていたヘルメットを手に取る。一般的な白を基調としたものに青いラインが入り、肩には所属部隊の第112MS小隊の数字が縫われていた。

 

「今日は何回出る?」

「二回、警戒のみ」

「そうか…無茶すんなよ」

「分かってる」

 

そう答えると彼は部屋を後にしていた。

 

 

 

 

 

部屋を出たリノはそのまま通路を歩くと、そのまま格納庫に出る。

 

「第三小隊の発艦準備急がせろ!」

「カタパルト準備!」

「そっちのパーツを回してくれ!」

「パッキン持ってこい!」

 

格納庫では多くのMSがハンガーで仁王立ちで係留され、整備員が走り回っていた。

 

現在リノ達がいるのは陸上戦艦第三打撃部隊の旗艦アル・ギザⅡ。グラン・ザンドレル級陸上戦艦の一隻であり。同型艦は九隻存在していた。

半島国家の合州国は周囲を海に囲まれており、さらには水上都市のコロニーも存在している。そのためミノフスキークラフトが実用化される前はこの様なホバー走行を基本とした陸上戦艦が建造されていた。

 

元々のキング・トレー級やアイランド・フォーク級は一年戦争時の陸上戦艦の設計をMSが搭載できる様にしただけの代物で、ぶっちゃけいうと失敗作だった。

正確に言うと、MSをのせるために設計を大きくしただけでなんとも微妙な性能になってしまったのだ。こいつを配備するならビグ・ダブデでよくねと言う判断が出てしまうほどの出来栄えだった。

そのためその二つは二隻で建造が中止され、代わりにアレキサンドリア級を参考に設計されたグラン・ザンドレル級を建造していた。その結果は上場であり、優れた機能を発揮していた。

 

MS艦載機数は予備機含めて一六機、主な艦載機はジムⅢ系統のものだった。今度ジェガン系統のものが届くと言う噂も流れていた。

 

「行けますか?」

「はい、問題ありません」

 

リノはヘルメットを被りながら問いかけると整備員の一人が答えた。

 

「出撃します。準備を」

「了解」

 

陸軍はグラン・ザンドレル級、宇宙軍はラー・カイラム級を保有していた。どちらも戦艦と名が付くが、あくまでも前者は戦車の延長線上というのが笑える話だ。

 

「お気をつけて」

「ええ」

 

コックピットに乗り込みながらリノは確認を取ると、今の乗機であるジムⅢ・パワードの電源を入れる。

この艦に配属されて二ヶ月、新型機の操縦にももう慣れていた。

今回の任務は艦橋の上に立っての警戒だ。第112MS小隊は艦載機のための小隊であり、とある事情で陸軍の艦載機では通常の三機編成から、海軍のような四機編成に変更されていた。そのため旗艦のみ予備機は無かった。

 

格納庫から上に直接上がり、丁度船体の上に立つと。そこではメガ・バズーカ・ランチャーを設置して射撃準備を整えていたジムⅢ・ディフェンサーが待機していた。

 

「交代だ」

『了解』

 

背中に付いたGディフェンサーがよく邪魔にならんなと思いつつも、リノはその機体を操縦するクラウと交代した。

迷彩はダークイエローを基本とした草色の迷彩色の、ビッグトレーと同じ塗装を施していた。

 

現在アル・ギザⅡは停船中で、移動基地兼司令部としての役割を果たしていた。グラン・ザンドレルのみで構成されている本部隊はこの戦域を警備隊と共に確保していた。

 

『どうだい調子は?』

「ああ、特段問題ないな」

 

そして無線でテオパルトが問いかけると、リノはメガ・バズーカ・ランチャーを構えながら答える。

 

()()()?』

「……いや、確認できない」

『了解』

 

テオパルトの問いかけに一旦目を閉じたリノはそう答えると、彼は艦長と話していた。

 

「周囲に<レギオン>の反応はありませんね」

「ふむ……便利な能力だな。中尉の異能というのは」

「まぁ、非稼働の<レギオン>は確認できませんがね」

 

テオパルトはアル・ギザⅡの艦長と話しながら甲板に立つジムⅢ・パワードを見ていた。

そんな艦長と一兵士の短い会話に他の艦橋要員達は何とも言いずらい、微妙な反応を示して会話を記憶の中から消去したいと思っていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

二ヶ月前にアル・ギザⅡに配属されたリノ達は、早速前線復帰をしていたのだが。そこでリノは違和感を感じていたのだ。

 

「変な夢?」

「ああ、ここに来てからよく見るんだ」

 

船室でリノはベットに腰をかけながらクラウやいつものメンバーと話す。

 

「どんな夢なの?」

 

そしてお茶を持ってきたエリノラが聞くと、リノは腕を組みながら答える。

 

「<レギオン>の光学センサの視界が視えるんだ」

「?」

「何言ってるか分からんかもしれんが。とにかく戦闘中に<レギオン>の視点が視える時があるんだよ。それでその見ている景色ってのが、俺の乗ってるジムⅢで。そのまま撃たれて消えるんだ」

「……」

 

リノの言葉にテオパルトは少し考えた後に提案を持ちかける。

 

「じゃあさ、次の出撃の時。もう一度同じことがあったら試してみない?」

「何をだ?」

「その視点の詳細を探るんだよ」

 

そう言うとテオパルトはリノにある提案をした。

 

 

 

 

 

リノ達の所属する第112MS小隊は艦載機組を示す百番代を示し、後ろ二桁は第三機打撃部隊の十二番目の小隊を表していた。

 

『どう?』

「変化はないな……」

 

森の中を陸戦用にベージュを基本に胸部を青く塗られたリノのジムⅢ・パワードは進む。その手にはジェガン用のビーム・ライフルを持っていた。小隊四人はアル・ギザⅡから発艦して通報のあった区域に出撃していた。

 

『本当に予想が当たるの?』

『試してみるしかないだろう。何もかも手探り状態だ』

 

クラウが問いかけると、早期警戒型ジムⅢに乗るテオパルトは監視を行うと遠くにセンサー反応を見た。

 

「見つけた」

『総員警戒』

 

そこですかさずリノが無線で言うと、全員が警戒する。

 

「大丈夫なの?」

『そんときゃエラの砲撃に任せるさ』

 

リノはジムⅢ・パワードFAに乗るエリノラにそう答えると、ビーム・ライフル片手に前方の<レギオン>を見た。

地味にエリノラ良い機体乗せてもらってんだよな……。

 

「行くぞ」

 

無線で呟くと彼は目を閉じて意識を集中させた。

 

 

 

そして見えてくる平原と、その奥の森から視えるMSの姿。そしてビーム・ライフルの引き金を引くと見える光景はそのまま前方から飛んでくるビームを喰らって視界が真っ黒になった。

 

『どう?』

「当たった、そうやらテオの予想は当たりのようだ」

 

そう答えると、リノは持っていたビーム・ライフルを発射し、他の面々も同様に攻撃を始める。

 

『ったく、一個部隊と戦闘かよ』

『いいじゃん、こっちの方が圧倒的有利だし』

『信号弾発射!』

 

そこでテオパルトが後方から信号弾を上げると、レーザー通信が届く。

 

『こちら本部、状況を報告せよ』

「こちら112、現在敵部隊と交戦中。支援砲撃を求む」

『ーー了解、支援砲撃を行う』

 

通信を終えると、さらに後方に控えるアル・キザⅡの砲塔が旋回し、連装砲の発射準備が整う。メガ粒子砲と実体弾砲の両方を備えたハイブリット設計はどんな状況でも対応可能にすると言う設計思想があった。

 

「砲撃くるぞ!」

『『了解』』

『撤退するわ』

 

そして三人は一目散に対比すると、砲撃が飛び。前進してくる<レギオン>の真上に綺麗に着弾した。

 

「すげっ、初弾で当ててら」

『まあ歴戦の乗組員ばかりだし』

 

通常は移動しながらの砲撃で、尚且つ移動中の敵に命中させるのは困難であるが、熟練の乗組員の多い第三機打撃部隊は初弾で見事に命中させて敵部隊を蹴散らしていた。

 

 

 

 

 

その後も多くの戦場に出て色々と検査を行った結果、分かったのはリノの人の感情を見る異能が無くなった代わりに近場の<レギオン>の見ている景色を観れると言うのが今の所把握できた。

あとそれから、彼の遺伝子情報に混ざっていた青玉種の持つ異能とされる未来視の異能がやや開花していた。ただ、これに関しては本当に緊急時にしか発動しなかった。

 

「変な異能ね」

「確実にこの右目のせいだろうがな」

 

船室でリノは自分の席に座りながらそう溢す。船室ではテオパルトと同じなので、クラウ達もそう気にすることもなく気軽に部屋に入っていた。

 

「でもおかげで近くに<レギオン>がいるかどうかの確認がしやすいよ」

「センサーの反応外からでも分かるからな」

 

その異能の範囲は競合区域からレギオン支配域まで把握が可能だ。流石に奥地は無理だが、前線程度であれば視ることができた。

 

「感覚は異能と同じなの?」

「ああ、昔の頃によく似ている。懐かしく感じるよ」

 

リノはそう答えると、テオパルとは言う。

 

「でも良かったよ。ニュータイプじゃ無かったんだから」

「ニュータイプか……」

 

テオパルトの呟いた言葉にリノが答えると、クラウも同じ気持ちで言う。

 

「初めはおとぎ話かと思っていたけどね」

「まあ軍内部でも公然の秘密的なやつだから……」

 

やや苦笑気味にテオパルとは答えると、リノはそのまま部屋の窓の外を見る。

 

「でも陸上戦艦に乗るとはな」

「良いでしょ。元々の予定だったし」

「でもそこにエリノラはいなかったんだけどな」

「ハハハ……」

 

話を聞いていたエリノラが少し恥ずかしげにすると、クラウは慣れた様子でテオを見る。

 

「純愛ってすごいわね」

「ねっ、僕も思うよ」

 

そう言い、幼馴染四人は数ヶ月ぶりに船室で和気藹々とした会話を楽しんでいた。




やっぱりアイリス・アリスンの可愛さはずば抜けていると思う。

オペレーション・ハイスクールをやるか否か

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