<レギオン>の阻電攪乱型によってレーダーと空を封鎖された世界各国の軍隊。しかし熱核技術など、宇宙技術に関して一歩抜きん出た技術力のあった合州国ではその点の問題はほぼ皆無であった。
なぜなら、宇宙戦仕様の戦闘機を配備すれば問題なかったからだ。レーダーに関しても一年戦争前から存在が確認されていたミノフスキー粒子の影響で、もともと長距離通信ができない状態にあったのでこう言った状況に前例があったのだ。
だから<レギオン>の攻撃があっても実を言うと通信問題での混乱よりも奇襲攻撃による問題の方が大きかった。
そしてマッキー山脈近くまで南下させられた政府としては、何としても占領地域の奪還が急務であった。一応の予定では大統領選に合わせて二一四七年の冬から二一四八年の春頃を予定していた。
そしてその前哨戦としてとある作戦が進んでいた。
星暦二一四七年 三月
大陸南部洋上
沖合は原生海獣がいる影響と、レギオン戦争勃発により海の開拓は遅々として進んでいないが。それでも襲撃してくる原生海獣を返り討ちにできる戦力を今でもこの国は保有していた。
そしてジェット機の音を響かせながら軍艦色に塗装されたミデア改が降下して来る。
着艦するはかつてジオン公国が建造した巨大ホバー空母グラーフ・ツェッペリン、現在はその第三次改装型であった。そのため、艦橋の形状は連邦系のものによく似ていた。
Y字型の特徴的な船体は元は洋上のMS基地として建造されており、その艦載機数や司令部の能力から移動基地として十分すぎる性能を発揮していた。
主な艦載機は宇宙戦仕様のセイバーフィッシュⅡや最新のダガーフィッシュ、MSはシージェガンやゼー・ズールなどであった。
一部は露天係止されており、無理矢理爆装したライトライナーを肩から担いで発艦をしていた。
『艦載機発艦用意!』
『エレベーター上げろ!』
周囲にはモンブラン級ミサイル駆逐艦やヒマラヤ級航空母艦、上陸用エアークラフトのバスに乗り込んだMSが待機しており、上では複数のサブブライトシステムに乗ったジェガンやギラ・ズールの姿が確認できた。
「今日は絶好の作戦日和と言うべきか」
「はい」
アーノルドは作戦指揮所となるグラーフ・ツェッペリンのCICで陸軍部隊の指揮を執る命を受けていた。
「作戦準備は?」
「問題ありません。各部隊配置につきました」
同乗する陸軍士官が答えると、海軍にも連絡が行く。
「これはオデッサ作戦のような重要な作戦だな」
「ああ、国土奪還の前哨戦だ」
前線で待機しているアル・ギザⅡの格納庫でリノ達は話す。
「目標はケリフォルニアベースの奪還。二個艦隊と一個打撃部隊……今度予定されている大攻勢の前哨戦だ」
「ケリフォルニアベースって重要な施設あったっけ?」
エリノラの問いにクラウが答える。
「重要な軍事施設よ。中にはMSの製造工場もあるくらいだし、何よりマスドライバーをこれ以上敵に奪われていく訳にはいかないのよ」
「な、なるほど……」
そこで納得できた彼女はそのままハンガーの自機に向かう。
「しかし、まさかこんなにも早く前哨戦をするとはな」
「大統領選に備えた作戦だ。予定通りだよ」
ハンガーに上りながらリノとテオパルトはそんな話をすると、それぞれのハンガーに分かれる直前にリノが言う。
「無茶すんなよ」
「…ふんっ、君こそ」
そう言うと二人は軽く拳を合わせた後にヘルメットを被って二人はコックピットに移動する。
「ふぅ……」
そしてコックピットに乗り込むと慣れた手つきでMSを起動させると、そのままロックの外れたハンガーを歩いて用意されていた94式ベースジャバーに乗り込む。目の前ではカタパルトに乗った別の小隊が順次発艦して行く。
『第五小隊発艦完了』
『続いて第一二小隊の発艦準備』
唯一の四機小隊の自分達第112小隊、先頭を務めるは自分のジムⅢ・パワード。ついている車輪を動かしながらベース・ジャバーをカタパルトに乗せると無線が聞こえる。
『カタパルト準備完了』
「了解……第112小隊、発艦する」
『了解、武運を』
その瞬間、カタパルトが点火され。一気に加速してリノの乗るベースジャバーは発艦して行く。
続いてエリノラ、クラウ、テオパルトの順で発艦して行くと空にMSが上がって行った。
その時、岸壁に<レギオン>の戦車型が佇み、海を見ていた。
機械の冷徹な光学センサーはいつ来るかも分からぬ敵に備えて海岸線沿いを監視していた。
疲れることのない戦闘機械はただひたすらに敵の襲撃を警戒していた時。突如海上から無数の砲弾が飛び、岸壁にいた戦車型はあっという間に吹き飛ばされてしまった。
「砲撃、開始!」
「撃ぇっ!!」
その瞬間、ヒマラヤ級や艦隊全艦から対地ミサイルや砲弾が無数に飛んでいく。それと同時に飛行していたMSからもビームが飛んでいく。
「よしMS部隊は前進を開始!」
「陸軍第五師団も前進を開始」
「第三打撃部隊も同様に前進を開始しました!」
グラーフ・ツェッペリンのCIC、そこで陸軍側の指揮を取るアーノルドはやや冷や汗を掻きながら映像を見る。
「(頼んだぞ)」
そして内心、テオパルトが無事に帰って来ることを願っていた。
「降下するぞ!」
『『『了解』』』
前線に降り注ぐ砲弾を視認してリノ達はそのまま地面に強行着陸する。上空待機をしていた彼らはケリフォルニアベース奪還作戦開始と共に前線の<レギオン>部隊に攻撃を仕掛けていた。
地面に着陸したリノはそのまま持っていたビーム・ライフルの引き金を引いて<レギオン>の重戦車型をまとめて撃ち抜く。飛翔して来る近接猟兵型のロケット弾攻撃をシールドで受け、その脚で斥候型を蹴り飛ばす。
「気をつけろ!どこにでも敵がいるぞ!」
無線でそう叫ぶと、近くでテオパルトが言う。
『新たな増援を確認。重戦車型と戦車型の混成部隊だ』
「了解。各自、重戦車型には気をつけろ。ホーンドアウル、敵のパックフロントは?」
『今のところ確認されず!』
テオパルトはそう答えると、リノは内心安堵する。あの後、共同墓地に受け取った危険手当を全て注ぎ込んで部隊全員の墓を作った。遺族の一人一人に連絡を入れ、直接その最期を伝えた。
一番辛かったのはオウルの時だった。何せ自分とほぼ同い年の青年が死んだのだ。残った遺族は『なぜ貴様が生き残った。孤児のくせに』と罵った。
しかし罵られたところで、神の振ったサイコロの采配で俺は生き残っていた。
ただそれだけの事だった。
「よし、このまま他部隊と合流ののちに前進する」
そう言うと、その瞬間エリノラの持っていたジェガン用のハイパー・バズーカが火を吹き。増援の<レギオン>部隊の一角を吹き飛ばす。
『敵、長距離砲兵型。二時方向、距離六千!』
「迎撃!」
『了解』
そこでクラウは持っていたロング・ライフルが狙撃を行うと、そのま横薙ぎで砲陣地を形成していた<レギオン>部隊をまとめて破壊する。するとそこで他部隊と無線が繋がった。
『こちら105小隊。112応答せよ』
「こちら112、現在六五地点にて橋頭堡を確保中」
無線が繋がるほどの距離に部隊がいる事を確認し、リノは現在位置を答える。
リノの小隊はほぼ予定位置に着陸しており、敵中とは言え効率的に敵の排除を勤めていた。
『了解、112は現位置で待機。こちらも向かう』
「了解」
ビーム・ライフルで敵を撃ちながらリノは癖で敵の近接猟兵型の誘爆を狙う。
「予想より多いな……」
しかし増援の量が多く、リノは一瞬だけ二〇三高地のあの景色が過ったが、それでも忘れるように引き金を引く。
「ホーンドアウル」
『何?』
「少しここ任せるぞ」
『え?』
無線でそう答えると、リノはビーム・サーベルを取り出してそのまま背中のスラスターを吹かして上昇する。
「あの馬鹿……」
そんな光景を見ながらクラウは半分呆れているも、見える範囲なのでそれほど気にしていなかった。
「せっかくの近接型だ。こっちの方が性に合う」
そして放物線上に落下して行くのを見てリノはそのまま戦車型をダイナミックに踏みつけながら着地すると、そのままビーム。・サーベルを振る。
高温に晒された近接猟兵型は余波熱で前と同じく誘爆を引き起こす。
そしてそのまま彼は足裏のスラスターを動かして後ろに飛ぶと、先ほどまでいた場所に複数の砲弾が叩き込まれた。
その方角には地面に半埋め込み式になっていた戦車型のトーチカがあった。その数は無数だった。
「ヤッベ」
咄嗟にスラスターを動かしてとっとと退散すると、先ほどまでいた場所に戻ってきた。
『その様子じゃあ失敗?』
「ああ失敗失敗。敵のトーチカが大量にあらぁ」
彼は軽く言うと、テオパルトが短く呟いた。
『なるほど……』
「支援砲撃を要請してくれ。座標は……」
この中でも最も通信に長けたテオパルトにリノはアル・ギザⅡからの支援砲撃を要請していた。
『敵、トーチカ!12−15−13、11−16−19!』
陸上を進む第三打撃部隊は支援砲撃のために方の仰角を付ける。
ドドンッ!ドドンッ!
実体弾砲塔から砲弾が飛ぶと、前線に土煙が上がる。
「砲弾はありったけ撃ち込め!主砲メガ粒子砲、射撃開始!」
そして艦隊は進軍を行い、艦隊は北上を続ける。目的は発艦したMS部隊の築いた橋頭堡までの前進とケリフォルニアベース上陸部隊との合流であった。
「ケリフォルニアベースとの連絡は?」
「まだ制圧しきれていないようです」
レーザー通信で洋上のグラーフ・ツェッペリンから状況を聞いた艦長は次に時間を聞く。
「予定地点到着までは?」
「あと三分です」
そして情報を知った彼は少し考えた後に新たな指示を出す。
「発艦した部隊にレーザー通信」
そして強行着陸した地で他部隊と合流したリノ達は、そこで通信をしていたテオパルトが叫ぶ。
「新たな指令を受信」
『何だ?』
「所属MSは艦隊到着後に西方に転身せよ……です」
『了解』
MSの中隊長が頷くと、ハイパー・バズーカの一斉射撃が飛んで行く。
艦隊進撃路を啓開したMS中隊はそのままアル・ギザⅡの到着を待つと後方から訪れたグランペルリを視認する。
「もう後続部隊が居るのか」
『あとは彼らに任せましょう』
グランペルリの連結されたカーゴと共にその側を複数のマラサイが進軍していた。
そこで補給と戦場で小休憩を受けたリノ達はそのまま後続部隊に奪還した地域の防衛を任せると、そのまま艦隊と共に進路を西に転身した。
オペレーション・ハイスクールをやるか否か
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やってほしい
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やらなくていい