共和国でレーナと合流したリノ達は作戦を聞いていた。
「参加戦力はスピアヘッド、ブリジンガメン、ノルトリヒト、リュカオン、サンダーボルト、ファランクス、クレイモアの計七個戦隊とストライカー戦闘大隊、この戦力を持って作戦にあたります」
レーナが説明すると今度は作戦目標の説明をした。
ホログラムに映し出されたシャリテ中央駅の3D地図と作戦概要が伝えられ、レーナが詳しい指示を出す。
「施設への侵入はスピアヘッド戦隊とクレイモア戦隊が中央駅舎のメインシャフトから。ノルトヒト戦隊とサンダーボルト戦隊とモビルスーツ一個小隊が第一階層南部ブロックに繋がる地下鉄トンネルから同時に侵入します。帰路の確保としてガンタンク小隊と二つ目のモビルスーツ小隊を。スピアヘッド戦隊、ノルトリヒト戦隊が突入を担当し、クレイモア、サンダーボルトはバックアップを」
レーナの一皮剥けた指示にリノは面白そうに見る。今回は来ていないが、ウルフスキンのカメラ越しにレーナの指示を見ている他の隊員達もおそらく同じような事を思っているだろう。
『初々しい指揮官だ』と……
「ブリジンガメン戦隊は作戦本部の直衛、リュカオン戦隊は予備控置となり、ファランクス戦隊は……」
「私が借りるってことで良いのね」
そう言ってアンリエッタ・ペンネローズ技術大尉が手をあげる。
彼女は共和国で知覚同調に関する第一人者ということだそうだ。ついでに言えばレーナとは友人の関係でもあるらしい……。
彼女は連邦の救援派遣軍からの要請で別途任務の為に今作戦に参加するそうだ。
「ええ……なお、作戦域はレギオンの支配下です。この作戦に先立ち、救援派遣軍にストライカー戦闘大隊が半径一〇kmの制圧を行います封鎖限界は八時間。その間に目標を撃破してください」
「施設の通信に関しては戦闘大隊のMSと救援軍から派遣される装甲歩兵部隊に任せます、後方連絡線に関しては安心して下さい……作戦は以上です。何か質問は?」
そう言うとシンとリノが手を挙げた
「ではまずノウゼン大尉から」
「大佐。本作戦中は俺の索敵はあてにしないでください」
「了解しました……ですがなぜ?」
レーナがそう聞くとシンは三次元の把握については慣れていないと言ってレーナは了解した。
シンの異能であるレギオンの居場所が分かるその能力はシンの好意から合州国にも使用され、大変重宝されていた。
彼曰く、二次元であれば確実に間違わないのだが、立体となると途端に自信をなくすそうだ。
そんな訳でシンと話を終え、レーナはリノに聞く。
「では、次にリノ中佐」
「失礼ですがミリーゼ大佐殿。そのシャリテ中央駅の地図は誰から渡された者ですか?」
「共和国臨時政府からです」
そう言うとリノ達は一瞬固まった後、大きなため息をついた。
「はぁぁぁぁ……聞いててよかった……」
「「「「?」」」」
始めは疑問に思うシン達であったが、徐々にその意味を理解できた。
しかしレーナはうまく理解できていない様であった。
「ミリーゼ大佐。貴方の正直なところは称賛します。ですが今はそれが仇となっている……」
「え?」
リノはハッキリと言う。
「大佐、その地図は信用できない。他の場所から地図を取り寄せた方がいいです」
「何故で……まさか?」
レーナはある疑念が浮かび、リノは肯定した。
「そう、今の共和国臨時政府には
奴らと言うのが誰なのか。シン達は一瞬で理解し、レーナは戦慄した。
まさか、此処までして彼等を抹殺したいのかと。
そして地図の矛盾点を確認すると幾つかの場所でそれは発見された。
「やっぱ馬鹿だな」
「馬鹿ね」
「阿保や」
「呆れるな」
リノ達はもはや呆れてしまっているとレーナは慌てて作戦の練直しをしていた。
その様子を見てリノは若干かわいそうに感じていた。
「まぁ、コレで無駄な処理をしなくて済んだな。なぁ、死神ちゃん?」
「……」
オッドアイと赤毛が特徴な女性がシンにそう煽る様に聞く。確か名前はシデン・イーダと言ったか……
リノはシデンのある部分をじっと見ていると横にいたエリノラに思い切り靴を踏まれ、思わず声が漏れそうになってしまった。
すると作戦室にいた少女……連邦軍のマスコットだと言う少女フレデリカ・ローゼンフォルトと言う十歳の少女が声を上げる。
彼女は相手の状況を透かし見る能力を持っているそうだ。
それ以上の事は何も知らないのだが……
ただ、フレデリカにエリノラはえらく可愛がっていた。
「大変じゃのう、こんな事をされて」
えらく古風な喋り方に思わず吹き出してしまいそうになっていたが、そこでクレナが小首を傾げた。
「アタシらが突っ込むのはいいけど。なんか、こう、地面に突き刺さって爆発する爆弾とか使えないの。なんだっけ、バンカーバンカー?」
どうももらった怪獣映画に出て来たのを見て知ったそうだ。文字通り防御陣地を貫通して中で爆発する爆弾で何発か落とせば制御系を破壊できると考えたようだ。
「
「んっと……?」
クラウの説明にクレナが?マークを浮かべるとライデンが横で分かりやすく説明する。
「要は高いところから重いもん地面に落とすとめり込むだろ?だけど地面のそばで落としても減り込まないだろう?バンカーバスターもすげぇ高いところ持って行かないとこないだの映画みたいに貫通はしねんだとよ」
「へぇー……」
「まぁ、もし撃ち込めたとしても最下層の核融合炉まで吹き飛ばすから。そうすると街ごと全部吹っ飛んでみんな仲良く
ケタケタと笑うリノにシン達は『冗談じゃない!』と同じツッコミを内心思っていた。
そして定期運転だと言うシデンとシンの口喧嘩が始まり、シデンは堂々と任務放棄を使用していた事に若干の不安を覚えた。
するとシンがレーナに効いた。
「侵入路の線路にはおそらく埋没したであろう戦車型か対戦車砲兵型が居ると思われますが。それの対応は?」
「対策は打ってあります」
レーナはそう言うとリノ達を見ていた。
レギオンに疲れはない。よって命令に従いトンネル内でいつ来るかもわからぬ敵を待ち続けていた。
すると音楽の様な音が響き、戦車型のセンサーがあるものを捉える。
ガリガリと火花を散らしながら後ろでロケットに点火し、恐ろしい速度で突っ込んでくる、瓦礫のたっぷり詰まったアルミ合金製電車は爆音を鳴らしつつ大きく脱線し、埋没した戦車型諸共押し潰した。
『全ロケット正常に作動。質量爆弾の投入に成功。障害物を除去しました』
管制員の声が通り、レーナが指示を出す。
『了解しました。ヴァナビースHQより全機。突入開始』
レーナの大胆と言うか、恐ろしいと言うか……駅近くの車両基地で列車に瓦礫を積んでロケットを取り付けて点火したリノ達はあの時から随分と変わってしまったレーナに驚くしかなかった。
ハルトの提案でその列車にスピーカーを括り付けて音楽を流して『この気を逃すな!無人在◯線爆弾、全車投入!』と、とある怪獣映画のセリフを叫び、リノ達は思わず大笑いしてしまっていた。
「なぁ、本当にあのお嬢ちゃんなのか?」
『そうね……間違ってはいないと思うけど……』
「誰?こんな危ない子にしちゃったの……??」
レーナを知っている二人はそんな事を呟きながらビーム・スマート・ライフルで続々と襲来してくるレギオンに攻撃をしていた。
「やれやれ、戦車も動かさないといけないから忙しいな」
ドンドンッ!
ドンドンッ!
ドンドンッ!
リノの足元には四両のM61A5E3 Mod.7が砲撃をしていた。
半自律型プログラムが組み込まれたその戦車は自慢の連装砲を駆使してビル屋上に潜んでいたレギオンに向かって砲撃をする。
一五五ミリの炸裂徹甲弾は屋上を丸ごと吹き飛ばし、レギオンを掃討する。
その砲撃力は絶大で、既にいくつかのビルは足元から崩壊をしていた。
この試作無人機は動く目標に撃つ移動砲台くらいしか能力がないが、それでも十分レギオンには通用していた。
IFFも無事に機能しているので味方との誤射も無く、MSの援護をしていた。
元々は九両が送られて来たが、今回は四両のみ連れて来ていた。
元は人の動きを真似ているようで、回避や散開も学ぶようになって来た。
「腕が欲しくなるな……」
リノは思わずそう呟いてしまった。するとクラウが通信で話しかけて来た。
『だからって能力使うんじゃないよ?』
「聞こえていたのか……」
『当たり前でしょ?』
片手に面制圧用のジャイアントガトリングと、肩にスプレーミサイルランチャーを取り付けたクラウのジェガンSCがジト目で言う。現在リノの隊長を務める第一MS小隊は退路の確保のためにトンネル付近でガンタンクと共に制圧射撃をしていた。
エリノラ率いる第二MS小隊はメインシャフト上部から援護を行っていた。
編成はそれぞれハミングバード、EWAC、リゼル、ジェガンSCの四機であった。
今回、EWACジェガンには5インチマシンガンを持たせてあるので一定以上の戦力にはなっていた。
SCはビーム・スナイパーライフルではなくハイパーバズーカとジャイアントガトリング、一八〇ミリキャノンを持って来ていた。
ボォォォォォォォォォォォォ!!!
船の汽笛の様にも聞こえるガトリングの砲声は突っ込んできた戦車型をズタズタにしていた。
「オストリッチ、残弾の方は?」
『問題なし』
「了解、EWACはグリズリー達と通信がいつでもできる様にしておけ。リゼルは俺について来い」
『了解であります』
リゼル搭乗員であるコップ少尉はガンダムの後を追う様に歩き出す。
目標は接近中の戦車型四〇機、持っていたビームライフルをそれらに向ける。
キュゥン!キュゥン!
チュォォォォォンン!チュォォォォォンン!
ドォォン!!ドォォン!!
ビーム兵器とM61の砲弾が着弾し、リノ達はレギオンの攻撃を凌いでいた。
作戦開始より三十分後の出来事であった……
オペレーション・ハイスクールをやるか否か
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やってほしい
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やらなくていい