作者、ソシャゲのストーリーでガチ泣きして執筆が数時間中断した模様。
ブルアカヤバすぎ……ワシめっちゃ泣いた。だからめっちゃオススメ(唐突な広告やめれ)。
かつかつと瑪瑙の床を惜しげもなく歩き、王子殿下が俺たちに歩み寄る。
きている軍服からは合州国南方地域の乳香の香りが漂う。
秀麗な顔立ちに相反して身に馴染んだ軍装の威圧と謹厳。思わずレーナは取るべき礼も忘れて見つめていた。
「本当に王子殿下……自らなのですね」
そう言うとヴィークトルは大仰に片眉をあげる。
「うちの弱みは握っているはずだがな……連合王国は『レギオン』の元となった『マリアーナ・モデル』の開発元だ。『レギオン』の戦争が終わっても周辺諸国から面倒な目で見られる可能性が高い」
確かに人類というものは災禍があると何かしら原因を求める。それが例え飛躍していようとも他人に理不尽をなすりつけるために、誰かのせいにして責めるために……。
「レギオンを作った帝国の後進の連邦よりかはマシだろうが。責任を問わせぬために
そう言い方を飄々と竦める。リノは一連の行動がいかにも王族らしくないと感じていた。
「それで王族自らドサ回りだ。連邦もそうだろう。第86独立機動打撃群。他国救援を任とする少年少女ばかりの精鋭部隊同じことをむくつけき男どもがやっても絵にも美談にもならんが、悲劇的なルーツを持ついたいけな少年兵ともなれば話は別だ」
「っ……!?」
「……」
不意打ちにレーナは驚き、リノは無言で肯定をする。
今の第八六機動打撃群はようは連邦の外交道具である。
俺たちがここにいるのも、合州国政府が戦争の引き金とも称される戦前に合州国が帝国に対して実施した経済封鎖、《帝国包囲網》を行った責任としてエースを諸外国に派遣させているのだと理解した。
やれやれ、政治も面倒だ。
こんな一個大隊をしばき回すくらいには冷酷なのだ。
所詮同じ人とはいえ、他人には冷酷になれるのが人でもある。
少なくともリノは人の八割は醜いクズだと思っている。
でなければ虐めやパワハラが今になっても消えないのは何故だと言うことになる。
人は常に自分より下を作ることで不平不満を晴らして来た。
虐めやパワハラも、自分より弱そうな立場にあり、反撃されないだろうからやるのであって、自分より強い相手にいじめなぞ起こさないのだ。
そんな自分勝手な思想が、ここまで繁栄をもたらしたのだから不思議という他無い。いや、だからこそと言うべきなのか。
リノはそんな事を考えているとレーナが口を開く。
「殿下……ですがそれは……」
するとヴィークトルは社交的に微笑む。
「ヴィーカでいい。敬称も虚礼も不要だ。軍では時間の無駄になるこちらも卿らのことは家名で呼ぶ。それが非礼になるのであれば改めるからそう言ってくれ」
するとリノは口を開いた。
「殿下、私には同じ苗字の者がいるのですが……」
「ヴィーカでいいと言っているだろう……そう言えばそうだな。では、そこは分かりやすく名前で呼ばせてもらおう」
そう言い、リノとクラウは必然的に名前呼びが確定した。
「……ま、交流としては非礼の部類だがそれほど余裕もない。そう思って許してくれ。何しろ、」
そう言ってヴィーカは窓の外を見ると……
「見ての通り、我が連合王国は非常に危険な立ち位置にいるのだからな」
そう言って見せた外の世界は銀の雲に覆われた空模様であった
「阻電撹乱型……」
「ああ。いくら王国が白喪の女神に愛されているとはいえ。流石にこの季節まで彼女のヴェールに閉ざされる事はない」
そう言って笑って居ない目でそう言う。
連合王国の冬の景色の様に冷酷な眼差しで。
「あの阻電撹乱型の超重層展開によって王国は急速に寒冷化している。王都を含め、国土の南方は奴らの翅の下にある形だ」
そう言うとレーナはいつ頃から始まったのかと問うとちょうど春先からだと言って、ちょうど『放牧犬』が主力化した時期と同じであった。
「(やはりそうか……)」
リノは外の雪景色を見ながらそう思う。
「南部の穀倉地帯はこのままだと壊滅らしい。……元より太陽の乏しい我が国はエネルギーの主力は地熱と火力、原子力だが、生産プラントを全て食糧生産に回しては今度は防御がもたなくなる。今は合州国から食糧を輸入しているが、このまま締め上げられれば、来年の春には我が国は存在しないだろうな」
そう言ってヴィーカは3Dホログラムを展開するとレーナは応じる。
「同じ手を使えば国土の広い大国はともかく、それ以外の国家は保ちません」
「ああ。だから連合王国を試験場しているのだろう。今ここで奴らの目論みを挫く。幸い三国の目的は同じだ。卿らが求める<無慈悲な女王>は<レギオン>梯団奥、阻電撹乱型の生産拠点である竜牙大山内部に存在している」
そう言ってホログラムに映されたのは竜骸山脈奥深く。直近の戦線からの距離と敵総数の推定が表示された。
「竜牙大山の挺進及び制圧。それに伴う『無慈悲な女王』の鹵獲が、この共同作戦の目標という事ですね」
「その通りだ”鮮血の女王”。卿らには月を射落してもらう」
そう言うとレーナは口を開く。
「殿下」
「ヴィーカだ、ミリーゼ」
「失礼、ヴィーカ。作戦にあたり、あなたの直営部隊の戦力を確認させて下さい。ーーー連合王国は自律式の無人兵器を国防に利用していると聞きます」
それが国力において連邦の劣る連合王国が領土を防衛できている理由だと。
ヴィーカは皮肉げに笑う。
「半自律式、だ。〈レギオン〉と言う事例を目の当たりにしながら、完全自律式の無人機を戦線に投入する愚策は取らんよ。そもそもレギオンと同等の自律式の再現には、連合王国も至っていないしな」
「それは……ヴィーカでさえも、再現できないと?」
「いいや?単純に俺にそのつもりと時間がない」
リノは二人の会話を聞いて、専制君主国家独特の価値観を見た。
懸かっているのは無数の命と国土だと言うのに……それを時間がないからとあっさりと切り捨てる。その価値観に……
「卿らの言う無人機は〈アルカノスト〉と言う。半自律式、集団戦仕様のフェルドレス。……全軍における比率は有人機の〈バルシュカ・マトゥシュカ〉と半々というところだが、俺の直営部隊に限ってほぼ全機が〈アルカノスト〉だ。〈パルシュカ・マトゥシュカ〉は俺の機を含め、指揮所直衛しかいない」
「半自律式……という事は、人間にーーー指揮管制官による遠隔操作ですね。操作方法は無線、ですか?阻電撹乱型の電磁妨害をどうやって突破を?」
「〈アルカノスト〉は卿らのいう知覚同調と呼ぶ技術で指揮管制官と接続している」
知覚同調
共和国が開発した画期的な通信機能であり、数多の子供達の犠牲で成り立った悪魔の技術である。
合州国も、知覚同調に関する技術は徹底的な情報秘匿が行われている。
でなければ兵士がこの機械を叩き待ってしまう可能性があるからだ。
リノは静かに話を聞いていた。
「どう、やって……」
「ああ、今見せてやよう。ーーーレルヒェ、いるか」
「無論、お傍に」
「紹介する。中に入れ」
「はっ」
そう言い、扉が開き。
キビキビとした動きで跪く。
「お初に御目文字仕る。それがしはヴィークトル殿下の剣にして盾。近衞騎士レルヒェとしまする」
高く透き通った可憐な声が言う。
「共和国の鮮血の女王殿も、連邦の死神殿、人狼殿、単眼姫殿、合州国の若獅子殿も、暴熊殿も、ご武名はかねがね伺っておりまする。特に死神殿には一手、ご指南頂きたいところですな」
繰り返すが、可憐な声が言った。
「また其方の愛おしい姫君には、ようこそ、我が白雪の国へ。雪遊びなどいつでもお相手仕るゆえ、どうぞお声掛けくだされ」
しつこいようだが、可憐な声が言った。
「……すまんちょっと待てくれ」
ヴィーカは軽く手を上げてつかつかと件の人物に歩み寄り、その頭上で怒鳴った。
「レルヒェ!その話し方、この機に改めろと言っただろ!」
「なっ……殿下!何を仰せあらるか!これはそれがしの忠誠の表れ、如何な殿下のお言葉と言えど応じるわけには参りませぬ!」
「主が嫌がる言葉使いを忠誠と言い張る奴があるか!馬鹿なのかこの七歳児!」
「良薬と同様、忠言とは苦しいものにございまするぞ、殿下!故にそれがしも涙を呑み、あえて殿下に厳しく接しておるのです!それを疑われるとは、それがし、無念っ……!」
「あああああまったくああ言えばこうこう言えばこう言う……!誰だこいつの言語調律やったやつは……!」
「……恐れながら殿下。それがしの調律は全て殿下ご自身が」
「わかってる今のは愚痴だ!流せ!」
「は、これは無礼を……」
そんな想像とは違う様子のヴィーカにエリノラは笑いそうになってしまったが、リノはふとシンの方を見た。
するとシンは強張った様子で二人を眺めていた。
正確にはレルヒェという燕脂の軍服の少女だけを……
「(まさか……)」
リノはそんなシンを見て思わずレルヒェを見る。
シンがヴィーカにレルヒェをの事を聞くと、彼は面白そうな目をした。
「さすが、死神の異名は伊達じゃないな。……レルヒェ」
「は」
「見せてやれ」
「はっ」
レルヒェはハキハキと立ち上がると騎士が兜を外すように……
己の首を外して持ち上げた。
「な……!?」
思わずギョッとしてしまい、レーナも無意識に後ずさってしまっていた。
フレデリカも凍りつき、ライデンやシデンも驚いてしまっていた。
シンですらも険しく目を眇めていた。リノやエリノラも思わず目を細めた。
ヴィーカは一人整然としていた。
「紹介しよう。彼女は人工妖精〈シリン〉一番機。我が連合王国の技術の枠にして護国の要。半自律戦闘機械〈アルカノスト〉ーーその制御コアユニットだ」
こちらの諸事情でリノに関してすこし設定変更を行いました。
いやぁ、一二巻読んだけど最初の頃のシンからだいぶ変わってて面白いと感じましたね……
あと挿絵の驚くレルヒェめっちゃカワよ。
オペレーション・ハイスクールをやるか否か
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やってほしい
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やらなくていい