エリノラから高機動型を逃した報告を聞いたリノ達は拠点内部でシン達スピアヘッド戦隊と合流を果たした。
「奴が来る。迎撃準備・・・・!!」
『くそっ!シールドをもって来れば良かった』
『EWACは下がれ!』
『了解』
一個小隊、四機のMSは迎撃のために通路一杯に機体を蹲らせると外にいるアノラ大尉から通信が来た。
『外のEWACが高機動型を捉えた!狙いはあのスピアヘッドの死神!!到達時間はーーーおよそ三〇〇!!』
「そうか・・・・総員、バルカン砲での攻撃を優先せよ!相手は早いから既存の銃ではレートが足りない!!」
本来は超至近距離攻撃用のバルカン砲の使用に誰も反論せずに持っている小銃を一旦置くとバルカン砲を兵装選択する。するとリノ達は
ーーーブオオオオオオオオ!!
咄嗟にMSの60mmバルカンが火を吹く。夥しい薬莢と発砲音がする中、それは視界にとらえた。刹那、一斉に砲火が混じる。
しかし高機動型はその忌々しい程の反応速度でチェインブレードを岩壁に突き刺し、急制動を掛けこれを制する。共に行動をするアルカノストとの包囲の中央に高機動型は堕ちる。
その瞬間、高機動型は光学迷彩を展開し、レーダーと有視界共に姿を消す。
だか、変だ。何故ここで光学迷彩を利用するのか。それに、いまの高機動型は流体装甲を過剰に積んでいるようだった。
そう、
「(っ!まさか・・・・!!)」
『各機、遮蔽に隠れろ!!砲撃がーー!!』
その瞬間。流体装甲は形を変え、古代の攻城兵器を思わせるような形となった。針状結晶のように細く、削り出されたような銀色の砲弾は周囲に容赦なく降り注がれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
高機動型が暴走した。それに倣うように一部の部隊も作戦行動から離反し、敵司令部を叩き始めた。
全く無駄な行動にため息をついた。既にあの機体から必要な情報は取り終えた。だから自由にさせている。私からの指示があれば元に戻るが、敢えてしなかった。
予想が当たれば、思っている通りの結果になるであろうからだ。
根拠はないに等しいが、あの機体は最強であれと命じたのだ。独特の進化を遂げるに違いない。それを眺めると言うのも意外と面白いのかもしれない。
そんな風に思いながら私はただある機体だけを眺めていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
チュォォォンン!!チュォォォンン!!
上空で援護射撃が通る。エリノラ大尉のガンダムのビーム攻撃で突如として現れた重機甲部隊は撃破されている。しかし、続々とやってくる増援に撃ち漏らしも多く、ヴァナビースの残弾も心許なくなってきた。
『ちぃ・・・・いちいち面倒な・・・・』
そんな恨み声のような声が聞こえ、エリノラは言っていた。
少々、危なくなってきたかもしれない・・・・
◇◇◇◇◇◇◇◇
「うぉぉ・・・・損害は・・・・」
流体装甲による攻撃の後、リノは状況を確認した。あの高機動型は明らかな執着を持ってシンを追いかけた。
回廊を飛び、どこに行ったのか・・・・
おまけに先の攻撃でここにいるフェルドレスの殆どが破損。MSにも被害が出ていた。
『やられた。関節がブチ抜かれた』
ジェガンの弱点でもある脚の関節。そこを抜かれ、ジェガン一機は行動不能に。だが、これはまだマシな方だった。もっと酷かったのは・・・・
『ダメだ。通信設備、レーダー機能が壊れている・・・・』
そう、EWACジェガンに乗るテオだった。ちょうどその時、屈んでいたテオの機体は流体装甲の攻撃をモロに喰らい、見るも無惨にズタズタにされていた。幸いにも融合炉の爆発はなく、動くこともできるようで油の切れたブリキの如く立ち上がった。
『・・・・取り敢えず動けるからこっちは撤収するよ』
「了解した。こちらはノウゼン大尉の捜索を行う」
『了解』
そう言うと三機のMSはズルズルと動けなくなった機体を引き摺りながらその場を後にする。それを見るとリノはライデンに通信を合わせた。
「ライデン。聞こえているか?」
『あぁ、勿論』
「これからどうする?」
現時点で作戦目標である自動工場型及び発電プラント型の撃破を確認。残るは〈無慈悲の女王〉の鹵獲だけとなった。
シンは現在高機動型と交戦中で行方不明。
となると・・・・
『あの馬鹿を追いかける』
「だな、じゃあまずはこいつを退かすか・・・・」
そう言い、リノはシンが作った岩のバリケードを退かそうと機体を動かそうとした時、セオが通信に入ってきた。
『ねぇ、二人とも。あれ・・・・』
「『?』」
『下。岩の影、なんであんな所に・・・・』
セオが工学センサを向けた場所を向くと、そこには・・・・
「なっ・・・・!!」
月光のような斥候型がいた。
しかし、その斥候型は武装を持たず、眼科にいるはずなのに女王のように立ち、冷ややかな目をしているような気がした。
〈無慈悲の女王〉
そのことに驚愕をしていると〈無慈悲の女王〉は機体を翻し、特有の無音で足を動かす。その後、ライデンがハッとしたような声で言う。
『ーーー追うぞ』
「あぁ・・・・」
『!?シンを探すんじゃないの?!』
セオの問いかけにリノは淡々と短く説明する。
「俺たちがここを歩いていたのは何故だ。〈無慈悲の女王〉がある場所に行くためだろう?だか、ここは今封鎖されている。なのにここにあの機体がいたのは何故か・・・・」
確証はない。だが、やる価値はある。
「コイツが来た道が迂回路だ!!」
『行くぞ・・・・!!』
そう言い、ライデンとリノは先に岩道を降りて進み始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
追い込まれた先は竜牙大山の、おそらくはもっとも深い場所にある地下洞窟だ。外の光など入るはずもなく、当然無明の闇に閉ざされているべき場所。
けれどその広大な空間は人の目でも見渡せる程に明るい。光は朱く、そして眩い。
朱い光の只中、あまりの高温に大気さえも朱く見える気がする。
暗視モードの<ジャガーノート>も光量をカットした状態で補正されていた。
光源ははるか眼下。
ここは活火山。そう、溶岩だ。摂氏何百度にもなる灼熱の坩堝。それがまるで地下湖のように洞窟の底を満たしていた。
その中に飛び石のように岩が混在し、高機動型はその中でもっとも足場の大きい中央に居座っていた。
ーー逃がさない
そう言っているようにも感じ取られる佇まいにシンはふぅ、と一息をつく。
「ーーあくまで一対一で決着をつけたい、と言うことか」
そう言った事をしないレギオンが全くあり得ないわけではない。
思い出すのは特別偵察任務初日に出会った重戦車型・・・・・兄の囚われていたあの機体だ。だが、それと違うのはあいつは純粋な機械知性であるという事だ。
ただの機械のくせに・・・・
人を取り込んだわけでも無いのに・・・・
高機動型が動く。その漆黒の機体が
後脚は地に残したまま前の一対が持ち上がる。合わせて前脚周辺の装甲とフレームが変形する。足が折り畳まれ余剰パーツは横原の追加装甲となる。
ついでに後脚のシャフトが延長し、踵に当たる部分が長く突き出す。鋭く尖ったシャフトが岩の表面に浅く食い込む。
ぐいと頭と背を反らせ、けれど重心は前に、まるで獣のような前傾姿勢。
それは古代の恐竜ようなーーーいや、この場合は・・・・
「人の真似事か・・・・?」
獣が無理やり人の真似をしているような。
だが、それは妥当と言えるかも知れない。人類の進化は初めは地に手足をつけて生活をしていた。そこから何万年もの時間をかけて二足歩行となっていた。
ーーある意味では究極体なのだろう。だが・・・・
「人の形になっても良いことは何も無いというのに・・・・その執着もそうだ」
おそらくこの高機動型の目的は<アンダーテイカー>を撃破することだろう。だから合理性を無視して発令所を狙ったのだ。だから味方のいないこの場所までわざわざ<アンダーテイカー>を追い込んだ。
いずれもレギオンらしからぬ行動だ。
ーー全てはシンを倒すという執着のために
「機械のお前には要らないだろうに。ーー出来損なったな」
それが聞こえたかは分からないが。高機動型は猛然と、その二脚で地を蹴った。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「チッ・・・・数が多い・・・・」
予備陣地で攻防を繰り広げるエリノラは上空を飛行しつつ牽制射撃でビーム・スマート・ライフルを弾く。それと同時に地面に着陸し、襲ってくる洗車型を踏みつける。
「これでも・・・・くらえぇぇ・・・・!!」ダダダダダダダダッ!!
着地したエリノラは持っていた127mm自動小銃を持つと引き金を引き、戦車型数両をズタズタにする。
まだ、行けない。
行きたくない。
リノと約束したから。
あの日、約束したから。
死ぬかも知れないという恐怖はそこには無かった。
ーー有るのは過去の思い出。
ーー有るのは過去の記憶。
ーー有るのは過去の事実。
あの日、二人で決めた約束。
そう、あの日。孤児院の遊具の上でまだ
『何があっても俺が守ってやるよ』
あぁ、今でも昨日のように思い出せる。
だったら尚更
ここでくたばる訳にはいかない。
「ーーー舐めるなぁァァァァァアアアアア!!」
そう叫ぶと同時、レバーを動かして戦車型を蹴り上げる。クルクルと回転しながら飛んでいく戦車型はそのまま地面に放物線を描いて落ちると爆発を起こした。
「ウォラァァァァァアアアアア!!!」
この時、今までに無い程感覚が研ぎ澄まされた気がする。レギオンがどこにいるかよく
ーーーチュォォォンン!!チュォォォンン!!
「ーーまずは二つ」
右背面からガンダムを狙っていた重戦車型を撃ち抜いた。左手にビームサーベルを持ち、今度は前方の戦車型に向けて振り回す。
ジュウ、という音と共に戦車型は両断され、蹴り飛ばされて斥候型が押しつぶされる。
近接猟兵型も同様に潰され自爆を起こした。
今までに無い程襲いかかってくるレギオンに疲れが出始めていた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
そして、その一瞬の隙ができた時。レギオンの重戦車型の砲口がジロリと自分のコックピットを向く。
しまった。
そう思った時、一本の緑色の・・・・高圧型ビームスナイパーライフルのビームが重戦車型を貫く。
ビームの飛んできた方を見るとそこにはベースジャバーの上に乗り込んで狙撃体制をとっていたオストリッチのパースナルマークのジェガンSCがいた。
『お疲れ、副隊長』
聞き慣れた声が聞こえると他の隊員達の声が聞こえてきた。
『ちょっと、単騎で突撃なんぞしないでくださいや』
『そうですよ。こっちは隊長に殺されたくありませんよ?』
『うわぁ。これ、全部副隊長が?スッゲェ・・・・』
『援護するよ。総員射撃開始』
それと同時に雪原に数多のビームが飛び交った。
オペレーション・ハイスクールをやるか否か
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やってほしい
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やらなくていい