正直、八巻以降の展開はすでに完成して居るけど、肝心の七巻の展開を模索中なので次回の更新は未定です。
誠に申し訳ありません。_|\○_土下座
その日、リノはある場所に来ていた。
休暇を貰ってから一週間。ヴァルト盟約同盟に
流石は国土を囲うように聳え立つ山脈の根本に生える槍の様に鋭く、黒い針葉樹。
そしてその森の中に埋もれる様に隠匿されて居た建物を見る。
針葉樹林の中に埋もれており、航空偵察を防いでいるその施設の中を車は九十九折りになった道を走る。
そして職員一人一人がIDカードをチェックする形でようやく金属製の扉が開いて、リノを迎え入れた。
「……状況はあまり芳しくないと聞きました」
そして建物の中に入った途端、リノが聞くと此処に派遣されていた合州国軍の兵士が答えた。
「はい、四カ国で尋問に当たって居ますが……」
現在、この施設に収容され居る者……いや、物と言うべきだろうか。いずれにしろ状況は良くないと言うことだけは理解できる。
現在、此処には連邦、連合王国、合州国、そして同盟の四カ国の情報部が集まっていた。
「一ヶ月かかっても成果は何もないですか……」
「はい、彼女の生前の名前さえも駄目でした……」
名前と階級、生年月日や認識番号。
どれも戦時条約で捕虜が答えなければならないといけない情報だ。
無論、それは人に対してのものであり。
豚に法律も国もないのと同様、機械に法律も国も無かった。
腕のいい尋問官は傷を付けずに簡単の情報を抜き出すというが、自分にそこまでの話術はなかった。
「コミュニケーションに一切応じませんでした。音声、文字、全て無反応」
「それはそれは……」
「そもそも、
「じゃあ、なぜ自分を呼んだのです?こんな所に……」
何度も折れ曲がった階段や廊下を渡りながらリノは問いかける。
そして突き当たりの三重の金属製の扉が開いた。
そこには色とりどりの軍服を着た者がおり、入って来たリノを一瞬だけ見ると、その後は課せられた作業を淡々と続けていた。
そして、元情報部出身と言う事で彼女もいた。
「調子は……よく無さそうだな」
「うん……そうだね」
そう言い、リノは目の前のソファーでぐったりと横になっているエリノラを見ていた。片手に目覚まし用の濃いめブラックコーヒーを飲みながらそう呟く彼女の目にはやや隈ができていた。
「全く成果が出なくて本当に人格が残って居るのか分かんなくなって来た」
彼女は赤い髪を持って居る事から焰紅種の縁戚であると一目で分かり、エリノラは彼女の思考を読み取ろうとした様だがどうも失敗したようだ。
「なんか、隙が全然ないから見る事すら出来なかった」
どうやら、エリノラの異能である触れた相手の記憶を見る異能は機械相手には難しいのかもしれない。一瞬、すごいぼやけたものが見えたと思ったらすぐに真っ暗になったという。
「なるほど……」
話を聞き、異能の感覚とやらはなんとなく不思議なものだと思いながらも、リノはアクリルと何重ものガラスの向こう側に鎮座する
脚部を外され、その上で複数のボルトで床に固定された一機の斥候型を……
月光を思わせる白群の装甲に、この個体だけの天満月の金色の光学センサ。鹵獲以前から存在していなかった武装に、描かれた三日月に凭れる女神のパーソナルマーク。
<無慈悲な女王>
「結局何も成果はなし…か……」
用意されたホテルで朝食を取るリノはフォークに刺したソーセージを口の中に入れていた。
ビュッフェ形式の朝食で目の前に広がる光景を横目に、リノがつぶやくと反対側で座っていたエリノラが答えた。
「でも、動きはあった。それだけでも大きな成果」
そう言い、彼女は最後のデザートとしてフルーツの入ったヨーグルトを食べていた。彼女がそう呟いたのも訳があった。
理由としては、リノが来た後にシンやヴィーカがやって来てマイクや偏光装置を切った状態で<無慈悲な女王>の話しかけていたのだ。
どうやらヴィーカは前々から気になっていたと言う、シンの異能はレギオンにも届くのではないかと言う仮説だった。
そう言われ、試しに声をかけてみたところ、やはり意思疎通は出来なかった。
しかし、エリノラは一瞬、ほんの一瞬だけ月色の光学センサが動いたのを確信したと言う。
「今、思えば動いとけばよかったと。ちょっと思ってる」
「いやぁ、あの状況じゃあ難しいでしょ……」
そう言い、リノはあの時の状況を思い出しながら話していると二人の横に誰かが座った。
「何話してんの?」
それは彼らの中でも最年長に入るカイエだった。すでに二十歳を超えて居る彼女は時々リノ達と酒を酌み交わす事もある仲だが、今日は少しだけ様子が違った。
「ん?いやぁ、仕事の話だよ」
「仕事ねぇ……」
「そう言う貴方はなんでこっちに来たの?」
エリノラはそう聞くと、カイエは少し興味津々に二人に聞く。
「婚約者同士のお二人に、うちの指揮官と大隊長の感情を接近させる方法を聞こうと思ってね……」
「あぁ……」
「そう言うことね……」
そう言い、二人は納得した様子で遠くに映る赤目の青年と、白銀の少女を見ていた。
するとカイエは面倒そうにその白銀の少女の方を見ながら言う。
「問題なのは指揮官殿が自覚をしていないことなのよね」
「マジ……?」
思わず信じられないと言った様子でリノは思わずカイエを見ると彼女は頷き、それを見たリノとエリノラは頭を抱えた。
「冗談だろう……」
「あんな生活して居るのに??ウッソだろおい……」
そう言い、二人は朝食に出たシリアルを食べながら唖然となってしまっているとカイエは詳しく話す。
「シンの方は覚悟決まって居るんだけどね……みんな困って居るのよ」
「なるほど、そこで俺たちに聞いてきたと?」
「大正解」
「……」
話を聞き、やや面倒だと思いながらもリノ達は今までの経験を思い返しながら作戦を考える。
「しかしなぁ……俺たちは元々同じ場所で育ってきた仲で、そのまま成り行きって感じだったからな……」
「それでも、何かアドバイスが欲しいんだよ」
カイエは懇願するように先駆者から話を聞こうとし、エリノラが顎に手を当てながら考える。
「うーん、まずはレーナの逃げ道を塞ぐところからね」
「そうだな、その方が手っ取り早い」
「で、どうする?」
そう言い、三人は話し合っていると、リノがふと思いついた。
「……なぁ、こう言うのはどうだ?」
「「?」」
するとリノは二人にある提案を持ちかけた。
「ーーーはい、よろしくお願いします。では……」
朝食後。リノは電話を終え、携帯をしまいながらホテルの屋上でタバコを吸っていた。流石にホテルの中で吸うわけにも行かず。喫煙者はこうして寂しいホテルの屋上に追い出されてタバコを吸っているとふと後ろから声をかけられる。
「やぁ、ここに居られましたか……」
「貴方は?」
其処には一瞬女性のように髪が伸び、顔立ちもそれっぽい人がいた。軍服を見るに同盟軍の大尉だろう。
そう思っていると、その軍人はリノに敬礼をしながら挨拶をした。
「初めまして、リノ・フリッツ少佐。私は同盟軍のオリヴィア・アイギスと申します」
「アイギス……と言うとベル・アイギスは……」
「えぇ、私の祖母です」
そう言うと、リノはタバコを慌てて消しながらオリヴィアに敬礼する。
「初めまして、オリヴィア大尉。リノ・フリッツ少佐です」
そう言うと、オリヴィアは少しだけリノの律儀な性格に少しだけ面白く思いながらもリノが手を下ろしたので同じく腕を下ろしていた。
リノは香水の香りがするから本当に女性じゃないかと感じながら見ていると、オリヴィアは先ほどタバコを吸っていたリノを見て思わず言う。
「噂には聞いていましたが、ヘビースモーカーなのですね」
「すみません。こうしていた方が、戦場で食糧に困った時に良いと昔の上官に教わったものでして……」
「なるほど、タバコで食欲を抑えるアレですか……」
そう言いながら、オリヴィアはリノと挨拶をするとタバコを吸い終えたリノは其処でふと気になったことがあってオリヴィアに聞く。
「しかし、なぜ大尉はここに?」
「例の部隊の新装備の教官として此処に……」
「あぁ、噂の……」
「今から、彼らの訓練を行う予定です」
そう呟きながらリノは屋上を後にし始めるとオリヴィアと例の新兵器について話をしながら屋上を後にしていた。
せっかくの休暇が始まったばかりであるが、色々と悩みがてんこ盛りだ。
「これが所謂、青春ってやつかねぇ……」
そんな事を呟きながらオリヴィアと別れたリノはホテルを歩いて例の無自覚少女をどうくっつけるかの模索をしていた。
オペレーション・ハイスクールをやるか否か
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やってほしい
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やらなくていい