私は私が書きたいものを書く。
1話:金髪幼女ちゃんですけど
目が覚めたら金髪おかっぱの死神になっていた。
何を言っているのかわからないと思うがアタシにも分からん。
この言葉で分かる人は分かると思うが、アタシはかの有名なオサレ漫画に出てくる平子真子になっていた。
いやマジか。これ異世界転生いうやつか?いや異世界憑依??
水たまりに映った自分の姿を見下ろす。将来綺麗な長髪になる予定な金の髪は短く、好き放題に跳ねている。その姿自体もかなり幼い。小学1年生ぐらいの身長だ。身に着けている服も襤褸の和服になっている。
順調に成長したなら、アタシが知っているあの姿になるだろう顔つきをしている。
顔を上げて周りを見ると、建物もいかにも昔といった感じのあばら家がポツリポツリと建っているだけ。
流魂街だなとすぐに理解できた。
だけどここに問題が一つ。
「なんで平子真子なのに女なん……?」
そう。なぜか性別が女になってしまっていた。
え、これアタシってホントに平子真子やんな?平子だと思っている異常者とかじゃないよな?
でもわかる。自分の名前はわかる。真子って名前なのはわかるから多分平子真子のはず。
……アタシホンマにこの名前名乗ってええの!?原作ファンとかに怒られへん!?
前世が女やったからそこだけはありがたいけどなんでなん!?
てか平子真子とか大好きですけど自分がなるのはちゃうやん!!
なによりアタシが仮に、ホントに平子になっていたとしたら前世にあたるアタシは死んだんかッ!?
受け入れがたい事実に直面して頭がパンクしそうだ。
ここが室内だったなら頭を抱えて床を転がっていたかもしれない。
……ひとまず、なったものは仕方がない。冷静に考えよ。
まず自分は平子真子になった。これは前提条件で進める。
そうすると原作通りならアタシは五番隊の隊長になって、副隊長は藍染になる。
でその数十年ほど後で虚化の実験とかで藍染に裏切られ、仮面の軍勢として現世に身を置く。
その後、一護の修行に協力したりして空座町で藍染と戦って負けると。
で??隊長に復帰して滅却師に侵略されて、護廷隊助ける為にめっちゃ走り回って終わってなかった?
「スーッ……」
後半ほぼ出番ないとちゃう……?
いや平子と雛森ちゃんが大前田とか助けたりしてたし必要やったけど、もう少し貢献とかしたい。
あわよくばもっと犠牲とか減らしたい。めっちゃ死んでたやん。最終章死にまくってたやん。
戦争なんて人が死ぬのは当たり前だと思うけど、死なん方がええのは当たり前やろ。
もっと平和な世界になってほしいと切実に望むわ。
その為にアタシが出来る事ってあるんか……?
平子っていえばあれや。副隊長時代なら藍染をなんとか出来るんちゃうか?
……いやアカン。アイツ居らんかったら千年決戦篇で詰む。
それより前に、藍染が暗躍してくれないと一護と石田が産まれない。
てことは藍染の暗躍見過ごせと?犠牲者でるのわかってるのに見過ごせと?ひよ里等が仮面の軍勢になって百年間も追放されるの見逃がせと?
いやつっら……。嫌やわ、なんとか助けるように動きたい……。
こんな前世の記憶が役に立たんことある?雁字搦めになって身動きできへんやん。平子のポジションめっちゃ動きづらいわぁ…。
でもやるしかないやん。犠牲減らしたいとか思うんならアタシがやるしかないやん。
……難しい事考えるのは嫌いやけど、幸いアタシは平子真子。実力は最後まで生き残っていることから折り紙つき。隊長になれるなら出来ることは多いはず。
とするとやっぱ。
「……とりあえず、死神なるか」
そうしないと何も始まらないからな。