実写版ONE PIECE ~ポリコレを添えて~ 作:チェシャ猫もどき
今回はゾロです
迷うくらいなら投稿してやるという気持ちで書いています
ロロノア・ゾロ。
ONE PIECEで最初にルフィの仲間になった世界一の剣豪を目指す一味の副船長的なポジションの男だ。
ゾロの強さや生き様は男女を問わず魅了し、登場人物の中でもかなりの人気を誇っているのだが、
「ゾロの女性(男)ってなんですか!?」
ゾロの資料にある女性(男)。
さっきのルフィについてのやり取りでゾロも女にされているのだとわかりたくないがわかる。
だが、その後の(男)がどういう意味なのかがわからない!!
「ほら、ゾロの過去って女性差別じゃないですか」
「またそれか!!」
予想はしていたがやっぱり女性差別で来やがった!
「ゾロの幼馴染みのくいなが言っているでしょう。『私も男にうまれてくれば』と」
「まぁ実際に言ってますし、百歩譲ってそれが女性差別だからゾロを女にするとして(男)がわからないんですけど!」
主人公のルフィを女にしたから他のキャラクターの性別を変えるのは分かりたくもないけど分かるが、(男)が分からない!
女なのに男はどういうことだよ!
「くいなが父親に『女の子が世界一強くなんてなれない』と言われた時の絶望。いつか男より弱くなってしまうかもしれないという恐怖。それらの恐怖と絶望からくいなを救うためにゾロは言うのです『実はおれも女なんだ』と」
「いや、どういうことなんだよ!!」
たしかにくいなは父親に女の子は世界一強くはなれないと言われて『私も男に生まれてくれば』とゾロに言ったが、そこからどうして『実はおれも女なんだ』というセリフが出てくるんだ!?
いくら子供の頃とはいえ、ゾロはそんな嘘をついたりしないだろう。
「ゾロは体は男ですが心は女性の性同一性障害ということにします。男に生まれたかった女性と女に生まれたかった男性。マイノリティ同士力を合わせて生きていくという素晴らしい友情です」
「本気で言っているのお前!?」
なんで!?
どうしてゾロを性同一性障害にする必要があるんだ!
「くいなも男に生まれたかったって言ってるけど、性同一性障害ってわけじゃねぇから!それにそれを聞いたゾロが『お前はおれの目標なんだぞ』って言って、どっちが世界一の剣豪になれるか勝負だって、男も女も関係なく対等な関係で競い合っていこうとしていたんですからゾロを性同一性障害にする必要なんてありません!!」
たしかにくいなは男に生まれたかったなんて言ったが、心と体の性別が違うから言ったわけじゃない。
自分も男に生まれていればとは思いはしただろうが、それもゾロの言葉によって救われたんだ。
男も女も関係なく競い合っていこうとする二人をわざわざ性同一性障害にする必要なんてないはずだ!!
「でも、くいな死んだじゃないですか。それも家の階段から転んで死ぬというONE PIECE世界の人間の耐久力では考えられないような原因で」
「いや……まぁ、それはそうだけど。ほ、ほら、くいなは一般人だから」
くいなはゾロと約束した次の日に階段から転んで死んでしまった。
ONE PIECEは少年漫画で強敵とのバトルがあるから死んでもおかしくないようなケガをすることはしょっちゅうある。
だがそれは読者として戦いを見続けているから感覚がマヒしているだけで、ONE PIECEの世界の人間でも一般人は現実の人間のようなものなのかもしれない。
だからくいなが階段から転んで死んでしまってもそれはおかしくはないはずだ。
「ですがいくら一般人じゃないからと言っても麦わらの一味の耐久力は無理がありませんか?おもにアラバスタ編のゾロとウソップ」
何も言えなかった。
アラバスタ編におけるバロックワークスのエージェントであるスパスパの実の能力者である全身刃物人間のMr.1。
彼の攻撃は石の柱や建物を容易く切断するほどの切れ味なのだが、それを何度も喰らってもゾロは死ななかった。
攻撃を喰らいゾロのすぐ後ろにある柱は切断しているのもかかわらず、攻撃をモロに喰らったゾロの体は切断しなかった。
ウソップが戦ったMr.4は能力者ではないものの4トンのバットで戦い、ウソップはその4トンバットのフルスイングを顔面に受けたのに生きていた。
いくら一般人よりも強く、鍛えているとしても説明つかないだろう。
「あれだけゾロやウソップが傷付いても死なないのにくいなは階段から転んだだけで死んだ。これはつまり男は強いからどれだけ傷付いても死んだりしないが、女は弱いから階段から転んだだけで死ぬという男尊女卑のメッセージが込められているのです」
「そんなわけねぇだろ!!」
彼の言うと通り麦わらの一味の耐久力、おもに男性クルーの耐久は凄まじいものがあるが、だからと言ってそれが男尊女卑にはならないだろう!
むしろ女性を大切にしているからこそ女性が傷付く描写をしていないんじゃないのか!?
「そんな男尊女卑をなくすためにくいなは階段から転びはしますが死にません。階段から転ぶという大けがをしても死ななかったことでくいなは女性でも強いということに自信を持ち、ゾロと一緒に世界一の剣豪を目指すのです」
彼が何を言っているのか理解出来なかった。
いったん整理しよう。
階段から転ぶ。
これはいい、原作でもくいなは階段から転んだ。
だけど、目の前の彼は言った。
死にません。
ゾロと一緒に世界一の剣豪を目指すと。
つまり
「いや、くいな死なねぇのかよ!!」
原作で死んでしまったキャラクターが生きているのはどう考えてもおかしいだろ!
原作漫画の実写化であって二次創作じゃねぇんだぞ!!
「どうしてくいな死なないんだよ!死んでしまったくいなの和道一文字を受け継いでゾロは三刀流になったんだぞ!どうする気だこら!!」
「落ち着いてくださいちゃんと説明しますから」
言いたいことはたくさんあるが、いったん彼の説明を聞こう。
理由を聞きもせずに否定するのはダメだ。
万が一も無いとは思うが、納得出来る理由があるかもしれない。
「まず一本の映画だけではONE PIECEの物語をすべて描ききることは出来ません」
「そりゃそうだ。20年以上連載していて100巻を越える作品だからな」
ONE PIECEを実写化するためのハードルのひとつに膨大すぎる物語の長さがあった。
二十年を越えるほど連載された物語は長過ぎるかつ、どの物語も面白く大切なためにカットするのも難しかった。
映画は長くても二時間くらいが限界で、それ以上の作品もあるにはあるがそれだと見る人に負担がかかってしまう。
なので、ONE PIECEも映画にするにあたってある程度はストーリーをカットしないといけないとは思っていたが、だからと言ってくいなを生かす理由は無いだろう。
「ONE PIECEの序盤の登場人物はルフィ、ゾロ、ナミの三人だけです。少ないからといってウソップまで登場させようとしてストーリーを詰め込んでしまえば展開が駆け足になって雑になってしまいます。だからこそのくいなです。くいなが生きていることで人数が増えます。麦わらの一味の序盤の少なさを解消しつつ、くいなと戦う敵を増やすことで人数不足の解消と物語の厚みを増やすという二つの問題を解決することが出来るのです」
彼の言いたいことは理解はできる。
たしかに序盤の麦わらの一味はグランドラインに入るまではルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジの五人しかいないし、たった一本の映画ではウソップとサンジを登場させて一味に入れるのは出来ないだろう。
だから、映画オリジナルのキャラクターを出すことも理解は出来るが
「でも原作で死んでいるキャラクターを、しかも主要人物のバックボーンにかかわる人間を出すのはおかしいだろ!!ゾロを三刀流じゃなくて二刀流にする気か!!」
オリジナルキャラクターを出すのは分かる。
映画オリジナルストーリーということにすれば行けなくはないのかもしれないが、くいなは無理だろ!
くいなとの約束は生きているからなんとかなるとしても、死んでしまったくいなの形見である和道一文字を受け継いで三刀流になったのだから元々二刀流だったゾロが意味もなく三刀流になるのは難しいだろ。
「約束は生きているくいなと競い合うという形にすれば問題ありません。三刀流の件は二人揃って三刀流ということにすればいいでしょう」
「よかねぇよ!!一対一の戦いが二対一か二対二になるだろうが!!」
ゾロに限らずONE PIECEは登場人物が一対一で戦うことがほとんどだ。
それなのに二人揃って三刀流なんてしたら一対一は出来なくなるし、ゾロと敵で一対一をしたとしてもくいなが生きているから三刀流じゃなくて二刀流で戦うことになってしまう。
そんなの原作のファンは絶対に納得しないぞ!!
そもそも二人揃って三刀流というのも納得出来るか!!
「では体は男性なので手に持った刀と股間の」
「ぶっ殺すぞテメェ!!」
なにとんでもねぇことを言おうとしているんだコイツは!!
理由がまさかの下ネタは絶対に許さんぞ!!
「もういいです!!ゾロについてはいったんここまでです!!」
ダメだ、このままゾロについて話していたら違う意味でどんどんおかしなことになりかねない。
幸い、いや最低なことおかしなところは山のようにあるのだ!!
「次です次!ナミのこれはなんですか!!ナミ黒人女性(太)って!!」
いろいろ書きましたが、ゾロを性同一性障害にする必要性を説明しきれていないのは秘密だぞ!