竜頭の錬金術師   作:ONE DICE TWENTY

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第六十二話 錬金術の禁忌「生体人形(失敗)」

 もう大体は解けかけているものの、肝心の部分に頭を悩ませているエルリック兄弟をさておいて、今僕はお父様の間にいる。

 報告はリビンゴイドの話。

 

「ヒトがヒトを作る。おめでとう、レムノス・クラクトハイト。これでおまえは一つ上のステージに上がったことになる。わたしとは違うやり方でも、辿り着く場所が同じであれば、わたしはそれを認める」

「ラストくらいの高性能だったらよかったんだけどね。まだ教えることがいっぱいでさ」

「ほう? おまえから見てラストは高性能か」

「高性能だよ。色欲名乗ってるくせに承認欲求を暴走させているわけでもないし、目立ちたがりってわけでもない。自身の魅力についてしっかり理解していて、それを武器にも盾にも使える知性。情報処理も暗躍もお手の物で、他のホムンクルス達との仲もいい」

「……竜頭の錬金術師。他はそうではないと?」

「なに、プライド。そうである自覚でもあるの?」

 

 強いて言えば、急造品ではなかった場合の憤怒がどうなっていたかも見てみたかった。

 ブラッドレイ程の切れ者で、それでいて長くを生き、老獪。人間社会に紛れ込み、しかして衰えぬ目と身体──なんてのだったら、ホントのホントに最強だったことだろう。

 

「……まぁ、いいですが」

「ふぅむ。そんなにラストが気に入っているのならば、おまえが前に保留した願いにアレを、というのはどうだ?」

「それは遠慮するよ。ラストから恨みを買いそうだし。それより、リビンゴイドの量産体制について話したいんだけど」

「ただの人形で良いのなら、中央の上層部、その一部の者達が作った肉人形があるな。どうせマトモに機能せんものだ。欲しいのならくれてやるが」

「ふむ。……少し実験がしたい。お父様、付き合ってくれたりする?」

 

 問いに、ざわつきが発生する。

 今ここにはお父様と僕、プライド、ラース、あと特に喋ったりしないけどグラトニーがいる。

 ただの監視役であれば子供たちを使えばいい。それをわざわざ。

 

 否、それ以上に。

 

「おお、実験。実験か。んん、良い響きだな。おまえの錬金術は所々が未知で面白い。いいだろう、付き合って──」

「父よ、あまりはしゃぎ過ぎないようお願い申し上げます」

「……はぁ。勿論わかっている。まったく、最近の憤怒(ラース)はグチグチチクチクとうるさくてかなわん……」

「貴方の突飛な行動の後始末をするのは我々ですから。クラクトハイト少将、君も軽々しく父を誘うなと釘を刺していたはずだが?」

「うん、だから重々しく誘ったよ。これだけホムンクルスに見られている場で、これから最も必要になってくる手駒の話を」

憤怒(ラース)、諦めましょう。どの道私や君では勝てませんよ。武力ならばともかく、口喧嘩ではね」

 

 へぇ、そんなに評価してくれているんだ。

 ……いや、これは「君は口先だけは回りますからね」って意味かな。どちらにせよ身に余る評価だ。ありがたく受け取っておこう。

 

「大総統、その肉人形のところに案内……は、色々面倒か。一体連れてくるとかできる?」

「ほう、私を顎で使うかね、竜頭の錬金術師」

「じゃあ浅い階層までお父様連れて行く?」

「……あまり敵を作る生き方や言動は控えるべきではあると思うがな」

 

 うん、そう思う。

 でもいつまでも頭を下げてられないんだよね。大総統には首を斬られた経験が二回あるし、そろそろ意趣返しも込めて行かないと。「いつでも殺せる手駒」じゃないよ、僕は。

 

「珍しく怒りを露にしていましたね。普段あまり感情的になることのない弟ですが、彼もしっかり私達と同じ人造人間(ホムンクルス)、ということなのでしょう」

 

 それは、まぁ確かに。

 心の底から怒ったのってvs傷の男(スカー)くらい? あれでさえも怒りではなく叱咤、って感じだったけど。

 憤怒らしい憤怒を発露しているのって……原作でも見たこと無いかも?

 

「レムノス、実験室には何が必要だ?」

「ああ、適当な檻でいいよ。作成方法もそこまで難しくないけど、多分一般の錬金術師にはできないから、今からやる方法が成功したら大勢を地面に並べて一気に、ってやり方にするつもり。成功したらね」

 

 リビンゴイド専用に作った身体ではなく、あの白人形にバッテリーボックスを作って、というやり方で成功するかどうかは怪しい。

 もし暴れ出したら、を考えて檻は必要だ。そして──もし可能なら、お父様にも手伝ってもらいたい。錬丹術は無理にしても、遠隔錬成の真似事くらいはできるはずだ。それだけの賢者の石が彼の中にはある。

 

 人間の肉体をパーツにして作り上げたリビンゴイド。

 それを、他の動物の肉で作ったパーツで代替できたらコストもかなり減る。量産体制が整えば、僕とお父様が掲げている野望のための人手も足りる。

 レティパーユと同じくらいの知性があれば、の話ではあるけれど。

 

 ま、そこは試行錯誤の領域だ。

 何よりお父様が見ていてくれるからね。アドバイザーとしてこれ以上良い人はそういないだろう。

 

 

 

 

 さて、地下に作られた空間。

 背後で座る若お父様と、部屋を蠢くプライド。

 そして真ん中の檻の中に白人形がいて、今僕がその人形に細工をしている。つまりバッテリーボックスを。

 

「……器用なものですね」

「ただの生体錬成だけどね」

「その"ただの錬金術"を使えないから、私達は君という人間より無用であると判断されたんです。こうやってどこで逆鱗を踏み割るかわかりませんので、君は褒められたら素直に受け取る、ということを覚えた方が良い」

傲慢(きみ)にそれを言われるとは思わなかった。そうだね、ありがとう。そうするよ」

 

 完全な球形ではなく多胞体に仕上げ、反射しやすい形に形成。

 その一つ一つに噴出口と吸入口となる目印を刻んでいく。蓋となる部分にも。

 

「よし、仮準備完了。プライド、お願い」

「……父に生み出されてから長い時が経ちましたが、鋳型として扱われたのは今日が初めてですよ」

 

 せっかく作りだしたバッテリーボックスin白人形をプライドに飲み込んでもらう。

 そしてすぐに吐き出して貰った後、その真隣に一本の木から作られた全く同一の形をした木人形が吐き出された。

 

「切削が専門なんですがね」

「自在に形を変えられて、包み込んだり縛り上げたりが可能で、容積が無限に近い、なんて。こんなにも鋳型としての才能のあるホムンクルスは他にいないよ」

「君にそういった手前、受け取らないわけには行きませんか。ありがとうございます、褒め言葉として受け取っておきます」

 

 これで、あとは軍上層部を唆してこの形の白人形をたくさん作らせたらいい。

 起動そのものは僕が遠隔錬成で錬成陣を一つ動かす必要があるから勝手に使われることもなし、と。

 

「お父様、始めるよ」

「ああ、始めておくれ、レムノス」

 

 一人分の賢者の石。賢者の石エネルギーをバチバチと放たせた状態でそれをバッテリーボックスへと落とし、蓋をする。

 そして遠隔錬成で陣の位置をズラして、そこへ思念エネルギーを送る。

 

「……」

「……」

 

 賢者の石と思念エネルギーを中心に、バッテリーボックス内部を反射し続ける錬成エネルギー。

 その力は──白人形の一つ目を開かせる。

 

 むく、と起き上がるソレ。

 きょろきょろと周囲を見て。

 最後に自身の体を──両手を見て。

 

「──!!」

 

 突如、耳をつんざくような金切り声を上げた。

 

「失敗だな」

「うん。やっぱり仮定の方が間違っていたと見るべきか」

「賢者の石の中にある魂。それを定着させる、というのは悪い考えではない。実際わたしもクセルクセスの民であればそれらしきものを作り出すことはできる。だが、どれもその長い苦しみの果てに狂い果てているからなぁ。人手として使うのは無理があるのではないか?」

「それならレティパーユはなんで上手く行ったんだろう……」

 

 宿ったのは「賢者の石の中にある魂のどれか」という仮定を崩す。

 ならば、レティパーユの人格は誰のものだ?

 

「これはわたしに戻しても良いか?」

「あ、もうちょっと待って。もう一個だけ実験したい」

「良い。好きにするといい」

 

 地面へいつも通りの竜頭を作り上げ、15秒を四つ重ねて限界量のサンチェゴを生成。

 そこからバチバチと溢れさせるのは錬成エネルギー及び思念エネルギーだ。思念急流とここまでは同じ。

 

 さらにそこへ、今までやってこなかったことをやる。

 

 思念エネルギーとは感情の発露だ。

 キメラ・バッテリーがそうであったように、苦痛の感情でも思念エネルギーの発露になる。そしてイリスが研究していたように、喜楽の感情ならば発露から吸入に切り替わる。

 

 なれば思念急流。僕は普段「黙れ」とか「止まれ」とかって思いを込めて思念急流を起こしているけれど、これをたとえば──嬉の感情に変えたらどうなるのか。

 

「む」

 

 機械時計が逆回転を始める。普段沈んでいく錬成陣が浮上し、頻繁に使うものが沈下していく。

 目印はつけてある。その腹部の目印から、錬成エネルギーを、思念エネルギーを──ゴッと吸い取る。

 

 ……あ、ダメだ。

 

 咄嗟に右手で手前のサンチェゴを壊す。機械鎧の右手を突き入れたんだ、精密機械であるサンチェゴは動作を停止し、溢れかえった錬成エネルギーが術者である僕に跳ね返ってくる。

 

「莫迦者、おまえの人材価値はおまえが思っている以上にあると言ったのを忘れたか?」

 

 それを、お父様が打ち消してくれた。そのままノーモーションで暴走しつつあった残り三つのサンチェゴも壊す。

 

「……ありがとう、お父様」

「よろしい。それで、何をしようとしたのだ?」

「ああ、アレは賢者の石から出る錬成エネルギーを無限反射させることでバッテリーにしているからさ、それを掠め取ってしまえば動けなくさせられるのかな、っていう実験をしたかったんだよ。ほら、全てが終わった後に一々全部殺していくのは面倒でしょ? できるなら目に見える範囲全部から吸い上げて掃除したい。そう考えての、だったんだけど」

「許容量以上の錬成エネルギーが錬成陣に入ったことで逆リバウンドとでもいうべき現象が起きたか」

「起きる可能性があったから物理的に破壊して、リバウンドに変えた、が正しいかな」

 

 生体錬成で作った皮膚の剥げた機械鎧を見る。

 サンチェゴは精密機械だから、その駆動力にこの機械鎧が負けることは無い。ただ皮膚は普通に皮膚だから、中の金属が見えてしまった。

 

「腕、義手だったのか」

「うん。元の腕はちょっと歪んでてね。邪魔だから切り落として、機械鎧にした。あ、そうだ。アレはもう吸収してくれちゃっていいよ」

「ん? あぁ」

 

 ノーモーションだ。

 しかもノールック。檻の中で金切り声を上げる白人形から賢者の石エネルギーが出てきて、お父様の中へ還っていった。

 

「……憤怒(ラース)

「はい」

「人間とは、こうも自らの身体に執着しないものだったか?」

「少なくとも彼が一般的であるとは言えないものかと」

「むぅ……」

 

 なんだろう。

 何か逆鱗踏んだかな。お父様は僕を見つめたまま、難しい顔をして止まってしまった。

 

「……やはりおまえも賢者の石を核にしないか? わたしにはノウハウがあるのだ」

「ああ、簡単に死にそうで怖いってこと?」

「事実だろう。先ほどのリバウンド、わたしが打ち消さねば体のどこが持っていかれていたかわからんぞ」

「だねー。僕らしくない実験をした自覚はあるよ。もっと安全確認をしてからやるべきだった」

「そういう話ではない。新たな実験を行う、研究を行うのは錬金術師の宿命だ。ゆえにそれはいい。だが、おまえの身体が脆弱な人間のままではいつか事故が起こると言っている」

 

 これは。

 

 ……これは、もしかして──純粋な心配?

 お父様が? 人間に?

 

「おまえは錬成速度にハンデがあるのだから、肉体をどうにかする術を手に入れておくべきだ。いや、それ以前にあまり危ないことを……そもそも此度の実験とてわたしが行えば良かった話で……」

「父、その通りです。これ……竜頭の錬金術師はどれほど優れた発想を持っていようと、脆弱な人間であることに変わりはありません。この鋳型も手に入った今、試行錯誤はこちらの錬金術師でも可能です。そも、竜頭の錬金術師は今日に至るまで働き詰め。一度休暇を出すというのは如何でしょうか」

「え、いや」

「休暇……は、余計に危ないだろうな。止めた所で止まる性質でもあるまい。だが、この件はわたしが与ろう。なに、おまえのおかげで実験欲も湧きに湧いている。原因究明も解明も任せるといい」

 

 マズい。

 これはつまり、「研究チームから外れてね」の通告だ。お父様からしたら善意なのかもしれないけど、お父様が作り出すリビンゴイドなんてどうせ性能がピーキーで暴走したり自由意志持ったりして最終的に裏切ったり計画を崩す要素になるに決まっている。

 ファーストペンギンは僕というか、見本は僕がやらないとダメなのに。

 

傲慢(プライド)、レムノスを第五研究所へ運んでおくれ。──傷はつけるな。いいな?」

「わかりました」

 

 ぎゅるんっと一瞬で黒が体に巻き付いた。

 ──硬い。普通の力で振り解くのは無理だ。賢石剣鎧は……まだ見せるわけにはいかない。

 

「安心したまえ、とかいう以前にな、わたしもやりたいのだよレムノス。おまえばかりズルいではないか。新しい発見ばかりをしおって、わたしにもやらせろ」

「……わかったよ。ただ、気を付けてね。一人しかいなくて貴重な人材なのはそっちも同じなんだから」

「なんだ、わたしの心配か? 良い、面白い。だが、それは些か舐め過ぎだな」

「父を君達人間と同じに考えないことです。──さぁ、自らの巣に戻りなさい、竜頭の錬金術師。父が実験を終えるまで、この場には立ち入りもさせませんので、悪しからず」

 

 浮遊感。運ばれているのだ。

 うわー。

 ……大丈夫かなぁ。お父様って傲慢捨てきれてないから、安全装置とか一切付けなさそうなのが……怖い、怖いなぁ。完成までこぎつけるのはいいけど、完成したら全部見せてくれないかなぁ。一体一体動作チェックさせてほしいなぁ怖いなぁ。

 

 ああ、どんどんお父様の「流れ」が離れていく。

 ……不安だ。

 

「先ほど父も言っていましたが、貴方は少しばかり我々を……父を舐め過ぎです。そう不安がらずとも、君よりも素早く、安全に、そして完璧に完成させますよ」

「別に実力は疑ってないよ」

「そうですか。ならば何を疑っているので?」

「……物の弾みで、グリードみたいなのが生まれて、反乱を起こしたら怖いじゃん」

「ああ、アレと遭っていたのでしたか」

 

 運ばれながら、影の化け物と話す。

 さっきまでイライラしていたプライドも、段々と落ち着いてきたらしい。どうやっているのか、影の身で「はぁ」と大きなため息を吐いた。

 

強欲(グリード)は……あれは例外ですから、基準にしないでください。父より生まれ出でておきながら、父に反旗を翻す。私達には理解の出来ない感情。……アレはどこにいましたか?」

「南部だけど、多分もう移動してるんじゃないかな」

「でしょうね。戦ったのですか?」

「一瞬ね。それより、なんか寂しそうだったよ彼」

「寂しい? 自らここを出て行っておいて?」

「うん。仲間が誰もいなかった。一人だった」

 

 ──そう。

 此度の歴史において、グリードの仲間となるようなキメラは少ない。

 イシュヴァール戦役を早期に終わらせたことでロアが、南部国境戦にいち早く錬成兵器を卸したことでマーテルが。他、ドルチェット含む数々の軍人が中央軍の手に渡ることなく普通の兵士としての日々を過ごしている。

 出自の分からない者は一緒にいるかもしれないけど、僕がぽこじゃかぽこじゃか賢者の石を作りまくっているせいで、軍内部の注目もキメラよりは賢者の石寄りだ。もしかしたらザンパノさんとかさえいないのかもしれない。

 

 この先、ブラッドレイに捕らえられ、新たな器に入るのか──それとも何も関係なく終わるのか。

 僕にはもう先読みの力はない。エドが人体錬成をしなかった、が影響大きすぎで大分キツい。アルが身体を失っていない、も結構でっかい。ウィンリィ関連とかどうなるんだ。魂定着云々とか。

 

 というわけで話を戻すけれど、グリードは多分かなりの少数と共にデビルズネストにいる。

 それも戦闘にあまり長けていないメンバーと共に。

 

 果たしてそれは。

 

「……これは忠告ですが、竜頭の錬金術師」

「"私達は君達人間とは違います。ですから同情は無用です"──かな?」

「エンヴィーやラストに言の葉の先を取るな、と教わりませんでしたか? 握り潰しますよ?」

「一番長く生きているくせに気が短いんじゃない?」

「それを私に期待しているのであれば、多少の敬意を持つことをお勧めしますよ。貴方はただでさえ気に障りますから」

「うん、善処するよ」

「……」

 

 ぺっ、と。

 吐き出されるような形で放り出されたのは、かつてカリステムが実験を行っていた場所。空になった檻にはジョルジオとモーガを始め、くっつけられた死刑囚が入っていたけれど、今はいない。

 最終完成形であるスライサー兄弟は目下修行中であるからだ。大総統になれなかった人たち、とね。

 

「父が実験を終了させたら遣いを出します。それまで無暗に近づいてこないように」

「了解」

 

 ……追い出されてしまったなぁ。

 まぁアレは完全に僕のミスだ。あんなにもお父様に大切に思われているとは思っていなかった。そりゃ確かに、大切な存在が派手に危険な行為やろうとして、防護服もなーんにもつけずにバチバチやってたら心配になるよね。

 

 腕の皮膚を錬丹術で治して。

 

 うん。切り替えよう。締め出されたのなら、他の、僕のできることをやればいい。

 

 しっかしお父様ったら、僕の理解力が高いね。うん、僕に休暇なんて出したらもっと危ないことやるよ。少将の肩書を使ってもっともっとね。そうされなくて本当に良かった。

 

「──おかえりなさい、所長」

「うん、ただいまアンファミー……レティパーユ?」

「あ、あれ。わかってしまうんですか、所長。姿かたちは完全に私にしたのに」

「気配でわかるよ流石に。……成程、そういう使い方は……アリだね」

「え?」

 

 よし。

 アイデアが湧いてきた。いいね、そうだね。

 一人でいるより二人以上でいることのメリットは、僕からじゃ絶対に生まれないアイデアが出てくる、ということだ。

 

 アンファミーユは悪戯のつもりだったのかもしれないけれど──これは、良いことを思いついたよ。

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