クー・フーリンの弟弟子   作:影後

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特異点F

「はぁ…はぁ…まだだ……アンタを殺せてねぇ!アンタを殺す、ソレがアンタに送れる最高の贈り物だろうが!!」

 

「甘いぞ、リヨ」

 

「穿け、ゲイ・ボルグ・ダブル!!」

 

受け取ったゲイ・ボルグは2本、そのうち一本を先生に向かって放つ。

 

「甘い、ゲイ・ボルグ」

 

弾かれ、そのまま何処かに飛んでいく。それを戻ってくる様に念じれば、すぐに右腕にゲイ・ボルグは帰ってくる。

 

「アンサズ!」

 

「無駄だ」

 

隙をついて放ったルーン魔術もゲイ・ボルグにて打ち消され、逆に放たれる。俺はそれをゲイ・ボルグで打ち消しながら、ただその肉体を貫くために走り続ける。

 

「甘い……やはり、お前は私を殺せないか」

 

「せ……先生」

 

俺は先生に捨てられる様にこの国から消えた。

ソレが10年前、歳で言うと15歳の頃だった。

昔話をしよう、俺は型月の寄りにもよってGrand Orderに転生した。生きたい、それだけだ。まだ年若い俺は魔術師だった家を利用し、ケルト神話を調べた。生きているはずの存在に師事を得るためだ。俺は賭けに勝った。まだ6歳という若さで俺は影の国に渡り、スカサハに槍とルーン魔術を教わった。だが、それも昔の話。今は25歳、二度と彼処へは戻れない。先生を殺すことも出来ない。

 

「やぁ、リョウマ君。スタッフのカウンセリング、ありがとう」

 

「いえ、レフ・ライノール教授。自分の仕事ですので」

 

ポーカーフェイスを忘れない、俺は生き残る。何か有れば必ずゲイ・ボルグで貫いてやる。

 

「そうだ、今日は新しくレイシフト適正のある子が来るらしい。その子のカウンセリングも頼むよ」

 

原作の開始、俺は適当な理由をつけて会議を回避した。目的地はコフィンのある場所だ。Aチームのメンバーやらが死のうが別にどうでも良いが…

オルガマリー所長はだるい。今の所長は原作よりも軟化し、レフ、レフ言わなくなっている。

爆弾の位置を調べ、所長と離れた位置に移動する。隠しカメラ等が無いのは理解している。ここの監視カメラも映像を差し替えている。問題ない。ただ、ここでどうなるかは俺は知らない。俺の目的は人理修復をし、もう一度影の国に向かい先生を殺すことなのだから。

1時間程経過したのを確認した。コフィンが設置された部屋から離れ、俺の執務室もとい工房に。

 

「戻ったか、我が夫」

 

「モルガン、いや…何も言うまい」

 

「式は何時だ?」

 

「来年と言いたいが、話していた時がきた。俺達の生活。そして、人類の未来を取り戻す時が」

 

俺はこの世界ではない、別世界のドイツ・ベルリンにて何故か現れた聖杯、そして聖杯戦争に参加した。その時から共にいるのがキャスターであるモルガンだ。彼女と俺は本気で愛し合い、今まで共に生きている。世界を渡った事にも納得してくれた。最高の妻だ。勿論、受肉している。その時に色々と面倒な事になったりしたが……許さんぞ、アーチャー、ライダー、セイバーめ。

 

「爆発か」

 

「我が夫」

 

「ソレやめないか?リョウマっていってくれよ。君にそう言われたら……堅苦しいっていうか」

 

「そうだな……リョウマ、行こうか」

 

頬を赤らめながら話す彼女を美しいと思いながら、俺は先生から貰った俺専用の戦闘着に着替える。クー・フーリンは青だったが、俺は翠。

翡翠の槍兵の異名は伊達じゃない。

 

「まったく、入った瞬間かよ」

 

「そう言うなリョウマ、雑魚が来たぞ」

 

「前衛は俺だ」

 

「援護は任せろ」

 

モルガンの杖から炎が放たれ、俺の前にいた骸骨が死んだ。いや、砕けた。

 

「ゲイ・ボルグ・ダブル」

 

ゲイ・ボルグを両手に出現させ、骸骨達を穿く。

ゲイ・ボルグの先端が骸骨の胴体に付く度に砕け散り、俺を背中から襲おうとした骸骨はモルガンが倒す。俺が穿き、モルガンが焼く。

その夫婦の共同作業にて、俺を狙っていた骸骨は滅ぼされた。

 

「□□□□!!!」

 

「バーサーカーだとぉ?!」

 

ゲイ・ボルグで振るわれた拳を防ぎ、体制を立て直す。だが、その隙をバーサーカーは許さない。

 

「冗談じゃあない!」

 

「貴様!我が夫に何をする!」

 

「くそ…てめぇ知ってるぞ!ヘラクレスだ!奴は…っとゲイ・ボルグ!!」

 

俺は奴の心臓にゲイ・ボルグを突き刺すが、バーサーカーは止まらない。

 

「くそ、あと何回殺せばいい?!」

 

「リョウマ、どういう事だ!」

 

「奴の魂は12ある!今までの戦闘でいくら削れたか俺は知らん!もっというと今ゲイ・ボルグ刺したが、マックス12だったら、おわグォぉ!」

 

ゲイ・ボルグを捕まれ振り回される。

 

「ぐっ…ぐぶっ」

 

壁に打ち付けられ、体から血が溢れる。

 

「リョウマ!バーサーカー!覚悟しろ…我が方具にて…貴様を滅ぼす」

 

「待て!モルガン!!」

 

「暗き湖よ、来たれ。それは絶えず見た滅びの夢。報いはなく、救いはない。最果てにありながら、鳥は明日を歌うでしょう。どうか標に――『はや辿り着けぬ理想郷

(ロードレス・キャメロット)』

 

「ちぃ……所々バーサーカーが抜けてないな!」

 

ロードレス・キャメロットの餌食となるヘラクレス。だが、奴の命はまだ尽きていなかった。

 

「行くぜ…俺の……俺だけの。

その命、我が槍の贄となれ。

裂き穿つ、抉り穿つ…

『穿き穿つ死翔の槍

(ゲイ・ボルグ・ダブル)』」

 

2本のゲイ・ボルグが俺の両手から放たれる。

全魔力を纏ったその2撃はヘラクレスの肉体を裂き、抉った。

 

「…終わりだ」

 

斃れ、蘇る様子のないヘラクレスいや、バーサーカー。俺は一瞥し、モルガンの下へと向かった。

 

「元気か?我が妻、」

 

「当たり前だ、我が夫、」

 

燃え盛る街で今だけは、二人だけの時間を謳歌しよう。俺はモルガンとの口付けを人が来るまで続けた。

 

「なっ!」

 

「どうしたの…うわぁ…」

 

「先輩、どうしました?」

 

「「マシュには早い!」」

 

「みっ…見えません?!」

 

18歳位の少年少女、そして鎧を着たマシュ・キリエライト。モルガンとの抱擁を見られてしまったが、今はどうでもいい。

 

「なんだ、居たのか」

 

「む…夫婦の時間を覗き見るとは」

 

「いやこんな所でしてる方がおかしいだろ!」

 

「そうですよ!マシュだって居るんです!!」

 

「あ!この声、リョウマ先生とモルガン先生じゃないですか?」

 

マシュ・キリエライトの言葉に二人は驚いた様にこちらを見ている。

 

「自己紹介が遅れたな。カルデアの精神カウンセラーを務めている。リョウマ・ブリタニアだ」

 

「妻のモルガン・ブリタニアだ。魔術教師をしている」

 

「ご夫婦なんですね」

 

「…愛する妻だ」

 

「はぁ…羨ましい」

 

「ふっ…お前も我が夫の様な素晴らしい男性に出会える」

 

「皆さん!あれを!!!」

 

そう言われ、見た方向には骸骨を魔術で焼き殺す女性がいる。

 

「燃えなさい!」

 

ルーン魔術を使い、骸骨達を燃やす女性。カルデアの所長であるオルガマリー・アニムスフィア。

その人だった。

 

「あら、そこの落第生二人も生きてたのね。それに……先生!リョウマ先生、モルガン先生、どうです!ルーン魔術も完璧に扱えます!」

 

「…悪くない。リョウマ、どう思う」

 

「悪くない…だが、甘いな。ルーン魔術とはこう使う。アンサズ!」

 

当たりを燃やすアンサズのルーン、生き残りの骸骨が瞬時に灰となる。

 

「流石だ、リョウマ。死んだら英霊となれるか?」

 

「冗談はよせ、英霊の座につけるほど…俺は良い人間じゃない」

 

俺は話を切り上げ、指示を出す。

 

「…ここは霊脈の収束地だ。いい加減出たらどうだ。ロマン、職務怠慢の君らしくないな」

 

『気づいていたのかい?!どうやって』

 

「…教えるものか。それよりもだ、ダ・ヴィンチ。居るな」

 

『はいは~い、ケルトの英雄に呼ばれるとはね』

 

「ケルト?」

 

「知らなくて良い、ダ・ヴィンチ。医務室の俺のデスクから聖晶石を回収してくれ。新入り君達に召喚してもらう」

 

「待って、リョウマ先生!聖晶石を所持しているのですか?!」

 

「オルガマリー、機密事項だ。取り敢えず、オルガマリー、そこの二人だから9つあればいい」

 

『あれ、君は……そうだったね』

 

「何を考えたか知らないが、俺にはサーヴァントは要らない。妻さえ居ればいい」

 

「リョウマ」

 

『あ~っと送ったよ。使い方は教えて上げてね』

 

「了解だ、この案件が終わったらロマン。話がある、ダ・ヴィンチもだ」

 

『了解』『わかったよ』

 

「さて、オルガマリー。どうやるかやってみろ」

 

「はい、リョウマ先生」

 

オルガマリーは俺に頭を下げた後、マシュ・キリエライトから盾を借りる。それを地面に設置し、

 

「悪いな、まだだ」

 

俺はマシュの盾を蹴り上げるとそのままマシュへと渡す。

 

「まだ居たんですね、生き残り」

 

『サーヴァント?!』

 

「ロマン…てめぇ……」

 

「ランサーにアサシン、私達が倒したのはバーサーカー。後居るとすればライダーとキャスターか」

 

「……フッ……フハハハハフハハハハフハハハハフハハハハフハハハハフハハハハフハハハハフハハハハフハハハハフハハハハ」

 

俺は笑った。哂った。嗤った。揃っていた。アサシン、ライダー、ランサー、そのうち俺はランサーに向け、ゲイ・ボルグを向ける。

 

「…貴様、ランサー(槍兵)だな」

 

「…如何にも。お主、(クラス)ランサーか」

 

「いや、違うね。俺は人間さ、でもなぁ……ランサーのサーヴァント?少なくとも俺が負けていいのは、先生と兄弟子だけなんだよ。だからなぁ……武蔵坊弁慶!貴様に……一騎打ちを申し込む。源義経の守り人よ。我はケルトの戦士リョウマ」

 

「……いざ」「勝負!」

 

弁慶の泣き所は決して狙わない。確実にゲイ・ボルグで心臓、霊基を穿き、殺す。俺のゲイ・ボルグと弁慶の大長刀がぶつかり地面が割れる。

 

『彼はサーヴァントじゃないのかい?ロマン』

 

『うん、まぁ……人間だよ。確実に死んだら座に行くだろう』

 

弁慶が振り下ろせば俺は右手で出したゲイ・ボルグで大長刀を弾き、左手に出したゲイ・ボルグで心臓を狙う。しかし、流石は弁慶だ。俺の行動を予測し後に回避する。

 

「流石だな、狂化されていても……その太刀筋」

 

「拙者は生前の影法師、だが経験を忘れたわけではない」

 

「だろう……な!」

 

ゴウと俺の周りの空気が叫ぶ。ゲイ・ボルグが空中に消え、俺は素手で弁慶に殴りかかる。 

 

「無駄ッ!!!」

 

俺の腹を大長刀が貫く。血が溢れ、意識が沈む。

 

「先生!!」「嘘」「そんな」

 

「………」

 

「その人間は死にましたか、アサシン。残りを刈取ります」

 

「お前達、私の後に。マシュ・キリエライト」

 

「はい!モルガン先生!!」

 

マシュ・キリエライトとモルガンがアサシンとライダーの前に立ちふさがるのが見える。

 

「アンサズ!」

 

「ヌゥ?!」

 

「熱い…熱い……熱い………駄目だなぁ。先生に言われてんだ。お前は戦えば戦う程強くなれる。私を殺せるようになる。だから……死物狂いで行き続けろってさ。それに……傷なんて無いぜ?」

 

俺の身体が燃える。それは神話に存在する不死鳥、朱雀の力の劣化であり呪い。

モルガンとの願いのために聖杯に与えられた力。

〘寿命以外で死ねなくなる〙これがモルガンと俺を繋ぐ呪い。受肉した彼女が死のうと、俺は寿命まで死ねない。彼女を守る、その為の力。

 

「はぁ…残念だぜ、武蔵坊弁慶。アンタは死んだ」

 

「なっ…」

 

俺のゲイ・ボルグが背中から弁慶の心臓、霊基を破壊した。

 

「ゲイ・ボルグは必中なのさ。俺は心臓に当たったという結果を最初に作り、投げるという課程を作ったんだよ。甘かったな」

 

「無念」

 

消え逝く武蔵坊弁慶、俺を見て不気味な顔となる、少年少女とサーヴァント達。

 

「ふむ……後5手早く倒せなかったのか?」

 

「そうだなぁ…面白い映像を考えての行動だが、もっと早く倒せた。遊びすぎたな」

 

そして俺は少しだけ本気を出した。

 

「グッバイ…ライダー」

 

ライダーの頭を穿く様にゲイ・ボルグが貫通している。同じ女であるアサシンとオルガマリー、新人ちゃんは悲鳴を上げる。

 

「所長!」

 

「ムゥ!」

 

流石に殺し合いに慣れていないオルガマリー。アサシンの人質になり、涙すら流している。ここでゲイ・ボルグを投げてもいいが、オルガマリーも死ぬ。モルガンを見るが案の定、気にしていない。いや、気にする必要がないのだろう。感じる、サーヴァントの気配を。だが、敵意は感じない。

 

「ベルカナ」

 

聞き覚えのある魔術。だが、気配は愚か姿も感じない。

 

「聞こえるか、すぐそこから離れろ。あと、ランサーのサーヴァント。あの嬢ちゃんを助けな」

 

俺はアサシンの腕を噛み逃げ出したオルガマリーを得意の足で救う。

 

「待て!貴様!!」

 

アサシンが何か叫んでいたが、巨大な腕がアサシンを掴んだ。

 

「我が魔術は炎の檻。茨の如き、緑の巨人。

因果応報。人事の厄の清める杜ー」

 

ロマンが解説で五月蠅いが、俺はその存在に感激すらしている。あったことのない兄弟子、既に死んでいるケルトの英雄。

 

「焼き尽くせ、木々の巨人。炎の檻となりて――『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!!」

 

案の定、オルガマリー達は警戒している。

 

「モルガン、彼女達についていてくれ」

 

「わかった、リョウマ。帰ったら……な」

 

「……判ってるよ」

 

俺はモルガンにキスをし、ケルトの大英雄の前に跪く。

 

「おいおい、何もそこまで」

 

「ケルトの英雄クー・フーリン。我が師スカサハからゲイ・ボルグを授かりし男。我はリョウマ。スカサハよりゲイ・ボルグを授けれし男。クー・フーリン、敢えて光栄だ」

 

「へぇ…ランサーの英霊かと思ったが人間か。ガキどもを離したのは聞かれたく無いからってところか?」

 

「それもあります、それに……私の目的は我が師スカサハを解放することですので」

 

「ちぃ……師匠まだ生きてんのかよ」

 

「……何分、貴方様と比べられまして。修行も酷いものでしたよ」

 

「それを生きてゲイ・ボルグを貰うか、お前中々いい筋してたんだな」

 

同じ師の下で学んだもの通し、やはりわかり合うものがある。

 

「しかし、槍兵である貴方がドルイドとは……」

 

「本職じゃねぇよ、ったく何で魔術師(キャスター)なんだよ」

 

「そうですか?では1本貸しますか?自分は2本あるんで」

 

「マジか、ありがてぇ!っと…俺のゲイ・ボルグとはやっぱ違うな」

 

「当たり前です、同じ名前でも俺が持つのは裂き穿つ槍と抉り穿つ槍。ですが…まぁ、無いよりはマシでしょう」

 

「まぁな、感謝するぜ。弟弟子」

 

「ゲイ・ボルグ、貸したんだから手伝ってくださいよ。兄弟子」

 

俺は兄弟子との会話を止め、モルガンの待つ場所へと向かった。

 

「うむ、その笑顔。貴様がリョウマの話していたクー・フーリンか、私はリョウマの妻。モルガンだ」

 

「へぇ…面白い。人間かと思ったが………」

 

「クー・フーリン、貴方も相当女癖が悪いと思うが、私が彼女と結婚することに問題はないだろう。それより、先生は中々貴方を好いていたぞ?」

 

「まじかよ……はぁ……」

 

そして新人達に兄弟子を紹介し、停滞していたサーヴァント召喚を行う事となった。

 

「召喚ですか」

 

「安心しろ、正規のじゃない。詠唱がなくとも俺が居れば何とかなる。マシュ・キリエライト、盾を」

 

マシュが盾を設置したのを確認し、二人を見る。

 

「あの、リョウマ先生。私も召喚するのですか」

 

「当たり前だ、お前にないのはレイシフト適正だが、マスターにはなれる。それにお前はここにレイシフトしてきた。適正もギリギリで発現したんだろう」

 

適当な事を述べるが、それしか思い当たらない。

 

「じゃあ、俺から」

 

「立香先輩!」

 

「サーヴァントランサー・クー・フーリンだ。あん?何でキャスターの俺が居るんだ?」

 

「まじかよ」

 

「次はこの私!藤丸律花が行きます!!」

 

「サーヴァントランサー・アルスターのクー・フーリンだ」

 

「「よぉ!若い俺!」」

 

「よぉ、俺!」

 

「クー・フーリンが沢山だ!」

 

「……貴方方、ランサーか?ランサーだよな。クー・フーリン」

 

「おい、ちょっとやばくねぇか?」

 

「何か見覚えのある槍持ってるし」

 

「影の国の王スカサハの弟子にして、ケルトの戦士貴方方の弟弟子だ。お会いできて光栄だ」

 

「まじかよ、現代に居るんだな!師匠に殺されない奴」

 

「次は私です」

 

「サーヴァントランサー!光の御子の子!コンラです!あれ!父上が沢山いる?」

 

「「「「コンラ!!!」」」」

 

コンラ、悲しき子。先生に捨てられ、母親に居ないものとされ、父親に殺された。

 

「父上!父上!!コンラやりましたよ!英霊になれました!あと、お祖父様から聞きました!コンラは父上を一切恨んでおりません!むしろ、ケルトの英雄と死合えたのは最大の名誉です!!」

 

コンラの言葉でクー・フーリン3人が涙を流している。そりゃそうだろう、しかし、先生は何故コンラを捨てたんだ。嫌っては居なかったはずだが、

 

「そうか…惚れた弱みか」

 

「どうした?」

 

「いえね、スカサハ先生がコンラ兄弟子を捨てた理由をね。考えたらコンラは愛弟子クー・フーリンと妹の間に出来た子供、愛そうにもこう…色々あったんだと思います」

 

そんな雑談を終えて、俺達は目的聖杯戦争を終わらせる為に動いた。

 

「……貴様!アーチャーだよな?遠坂凛のサーヴァントだった!」

 

「む?!貴様はランサーモドキ!それになんだ!いつからランサーは増えた?!」

 

「「「増えてねぇ」」」

 

クー・フーリン3人と俺からも文句が言われるアーチャー。

 

「なんでさ!」

 

こいつ、若干衛宮士郎入ってるだろ。

 

「まて…貴様が居るという事は」

 

「あのときのアーチャー……貴様は許してはおかない。我が夫の腹を射抜いた事は!!」

 

「熾天覆う七つの円環」

 

モルゴースを熾天覆う七つの円環で防ぎやがった。衛宮士郎め、面倒臭いことを。

 

「兄弟子が居るんだ、俺も見せないとな!」

 

「よ!やってやれ!」

 

「弾かれんなよ!!」

 

「その命、我が槍の贄となれ。

裂き穿つ、抉り穿つ…

『穿き穿つ死翔の槍

(ゲイ・ボルグ・ダブル)』」

 

「コンラの弟弟子!凄いです!!コンラもやってみます!!お祖父様、お守り使います!

『四秘宝のルーの槍(ブリューナク)』」

 

「なぁ!貴様等は加減を…」

 

あのアーチャーは俺のゲイ・ボルグに盾を破壊され、コンラのブリューナクにて完全に霊基を破壊され消えた。

 

「まてコンラ!お前、今親父のこと呼ばなかったか?!」

 

「はい!お祖父様からお守りとして受け取りました!」

 

「親父過保護すぎだろ」

 

「秘宝を渡すか普通」

 

クー・フーリン3人はコンラの宝具に不安がある。当たり前だ、太陽神ルーの所持品の一つが英霊として召喚されるにあたり、祖父からお守りとして与えられる。しかも、かのブリューナクときた。

 

「まぁ、ゲイ・ボルグが4本、それに……ルーの至宝まである。完璧だ、さっさとこの特異点終わらせるか」

 

ケルトの人間には強者との戦い以外はないのである。

 

「……気の所為……いや違う!貴様等!何故ランサーが増殖している」

 

「「「「してねぇよ(です)(いない)」」」」

 

セイバーオルタは頭が痛くなった。記憶にあるゲイ・ボルグが何故か4本に増え、若いランサーとキャスターのランサーとランサーのマスターと子供のランサーと………

そして、頭を痛めているセイバー・オルタにモルガンは笑いを交え、声をかけた。

 

「無様ですね、我が愚妹」

 

「モルガン、受肉しているな」

 

「えぇ、我が夫が。さて、倒れなさい。『はや辿り着けぬ理想郷❲ロードレスキャメロット)』」

 

「『約束された勝利の剣(エクスカリバーモルガン)』」

 

「あれ、考えたら俺ってモルガンと結婚してるからアーサー王の兄貴になるんじゃね?」

 

「?!」

 

「確かに、それでお子さんは?」

 

「そうだな、出来たらあの見た目で叔母さんって呼ばれ」

 

「……フッ」

 

「なんだ、モルガン」

 

「いや、貴様の恋人の衛宮士郎はどうしたのだ。てっきり私を伯母にするのではなかったのか」

 

その言葉が癪に障ったのか、セイバー・オルタは怒りを顕にした。

 

「黙れ!シロウは私の大切な存在だ!」

 

「ならば、何故その存在は居ない?」

 

「シロウは…シロウは生きている!勝ち進み、聖杯に願えば」

 

「愚かな、自分を守護する魂にすら気付かんとは」

 

「なにを」

 

「なぁ、セイバー。第五次聖杯の時の好だ。お前の鞘、今何処にあんだ?」

 

「それは、私が……無い?何故!何故だ!鞘は確かに私が」

 

〘なぁ、セイバー。もう、もう良いよ、俺は、俺は大丈夫だからさ〙

 

それは一つの魂だった。

ずっとそばにいた、気付かれなかった。

墜ちた姿でも、彼には大切なパートナーなのだから。

 

「シ…ロウ」

 

〘なぁ、セイバー。俺が……俺がセイバーを苦しめてる。なら、俺が〙

 

「待て!シロウ!何故だ!私は!私はお前の蘇生を」

 

〘セイバー、俺だけじゃ駄目なんだ。藤ねぇ、遠坂、桜、イリヤ、そして、セイバー。皆で、皆で家に帰ろう。ちゃんと、セイバーの好きな料理作るから…だから、皆で〙

 

限界だったのだろう、全てのサーヴァントは何故か黒化していた。しかし、セイバー・オルタだけは汚染されていない。他のサーヴァントを黒化させた原因である存在がだ。

それは、たった一つの思いによる力だったのだと、モルガンは泣きすがる妹を見ながら理解した。

 

「待て…待って下さい……嫌!置いて行かないで…」

 

〘ごめん……でも、もう俺は〙

 

「シロウ!シロウ!!」

 

泣きじゃくるセイバー・オルタはじっと鞘を抱き締めていた。自身の愛した男がそれを使ってずっとそばに居てくれた。それだけで、苦しかった。

 

「…シ……ロウ……シロウ」

 

「愛してくれた存在にも気付かず、哀れにも諫められるか。衛宮士郎、我が愚妹には過ぎたる男だったな」

 

「…殺せ」

 

「……泣いてる女を殺せるほど、俺達も落ちぶれちゃいねぇよ」

 

「ったく、あの坊主も」

 

「………まさか、たかが人間の魂が私の邪魔をしていたとはな!」

 

「……レフ・ライノール。無様だな、自身の計画通りに進まず出てきたか」

 

「あぁ、君には悉く苦労させられたね。リョウマ君、まさか……現代において英霊となれる存在だなんて」

 

「…舐めるなよ。貴様の計画などお見通しだ。悪魔よ、どの悪魔か恐らくはソロモンの配下なのだろう?」

 

「まったく……はやり君だけはここで殺すべきか」

 

「生憎、俺には加護がある。殺したけりゃやってみな」

 

リョウマはゲイボルグを出現させるとレフ・ライノールに向かって投げる。

 

「無駄だ」

 

「馬鹿だな、ロマニ・アーキマン!」

 

「判ってる!!」

 

レイシフトの時間稼ぎはできた。残るのは俺、セイバー、モルガン、キャスターだけだ。

 

「さて…貴様の主に伝えろ。現代の英雄が必ずや、その心臓を貰い受けるとな!」

 

「貴様にはつくづく嫌気が差す!オルガマリーは愚か、大半の命を救うとは……良いだろう、現代の英雄。翡翠の槍兵!貴様は…必ずや殺してやる」

 

レフ・ライノールが消えた。そして、俺は崩壊する特異点を見続ける。

 

「んで?キャスターとセイバー、あんたらはどうするよ?」

 

「…私は死ぬ。もう、やり残したことはない」

 

セイバーはそう言うとエクスカリバーを自身の喉に突き刺して自害した。

 

「んで、俺が勝者かよ。なぁ、お前に付いてけば色々楽しそうだよな?」

 

「兄弟子、ようこそ。カルデアへ」

 

「ふむ、では帰ろうか。我が夫、アルスターの光の御子」

 

聖杯とクー・フーリンキャスターという仲間を得て、人理修復の度に繰り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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