クー・フーリンの弟弟子   作:影後

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特異点F終了後カルデアにて

<藤丸律花>

「さて、カルデアに戻ったから話す。俺はカルデアにおけるマスターのメンタルケアカウンセラーとして仕事をしているリョウマ・ブリタニアだ」

 

「妻のモルガン・ブリタニアだ」

 

私達の前には翡翠の槍兵とクー・フーリン達から言われている人とその奥さんがいる。

リョウマ先生は現代のケルトという場所の戦士らしい。

 

「そうか、モルガンはアーサー王の姉の……」

 

「そうだ、詳しいな藤丸少年」

 

私はリョウマ先生が苦手だ。リョウマ先生はお兄ちゃんを藤丸少年、私を藤丸少女と呼ぶ。堅苦しいと言うか、みんなこんな感じなんだろうか。

 

「君達は部屋の位置は覚えているか。特異点攻略を終えたばかりだ、部屋で休むといい」

 

「え…休んで良いのですか?」

 

「当たり前だ、俺はメンタルケアカウンセラー。君達のサポートが目的だからな」

 

「え?レイシフトには参加しないんですか」

 

私達に任せっきりで後方で穏やかに過ごすとか許せない。格好いいと思ったけど、やっぱり外面だけの人なんだろう。

 

「…どう思っているか知らないが、我が夫は下衆ではない。貴様らの言うレイシフトの適性は我が夫は限りなく低い、今回転移したのも半ば奇跡だ」

 

「マシュ、本当なのか?」

 

「はい、リョウマ先生は魔術師として一流ではありますが、レイシフト適性は1割あるか無いか、今回成功したのは本当に奇跡です」

 

「運は高くてな」

 

「いや、リアルラックを言われても」

 

「…本当の話だ。我が夫はギャンブルでは何故か勝つ。しかもボートレースや競馬でもだ。私の知らぬ間に100万$を一点掛けしたときは思わず叩いてしまった。まぁ…勝ったんだが」

 

「…マジですか」 

 

「100万$が1250万$だ!稼がせて貰ったぜ!てか、なんかギャンブルには異状に強くてな。カジノやらを荒らしては稼いだ8割をカジノで使うっていう生活も一時期してた」

 

「え?どうしてですか」

 

お兄ちゃん、この人碌でもないから。聞かないでマジで。

 

「狙われるんだよ、マフィアとかがな、裏で動いたりしてんのさ。んで、一人勝ちしても8割金を落としていく。プラスは減るがその分仲良くやれるわけだ」

 

「へぇ……待ってください、狙われたんですか?」

 

「あぁ、我が夫はシカゴでな。2年前、マフィア壊滅のニュースが流れたろ。あのときの我が夫は酷かった、血を見ては笑い、銃弾を弾きながらゲイ・ボルクで人間を一人残らず殺して見せた」

 

「うわぁ……ソレ大体的にニュースになってましたよね?マシュも知ってる?」

 

「はい、リョウマ先生は当時からカルデアに所属していましたので。まさか、休暇中にしでかすとはと前所長とドクターが頭を抱えていました」

 

やっぱり危険だ、お兄ちゃんがこの人の影響を受けたら不味い。

 

「さて、我が夫。クー・フーリンが話したいそうだ」

 

「わかった、ではな。藤丸少年、藤丸少女」

 

そう言って先生は消えた、戦闘中の翡翠色のタイツだし、クー・フーリンとかとも同じ。

ゲイボルグも持ってるし……お兄ちゃん、私は必ずアイツを監視するから。

 

――――――――――――――――――――――

あの男は結局何もしていない……訳じゃない。

私が呼んだアルトリアセイバーと何故か殺し合ったり、クー・フーリン達と仲良くしたり奥さんとキスしてたり………

正直、あの男のサポートで何度か助けられもした。第4特異点では死ぬ寸前、無理矢理レイシフトしてきた彼奴に助けられたうえ、グランドキャスターを名乗ったソロモンにゲイボルグを突き刺すなんて言う暴挙もしてみせた。

あのとき、あの男が居なければ私達は危なかった。

 

「……やるしかない、でも……あの男は信用ならない」

 

私も、固い女だ。

 

――――――――――――――――――――――

〈藤丸立香〉

 

「…あの、なんでリョウマ先生が戦闘服着てるんですか」

 

俺達がブリーフィングルームに入るとゲイボルグを持って翡翠の戦闘服を着たリョウマ先生が立っていた。

 

「今回のレイシフトにはリョウマ先生の希望により、第三のマスターとして参加します」

 

「サーヴァントは、俺だ。悪いな、王女様」

 

「いえ、クー・フーリン。貴方に課す命令は一つです。我が夫を最後まで見ていなさい。手出し無用です」

 

「…モルガン、何を」

 

「愚妹、貴女に話す事はありません。我が夫、必ず帰りなさい」

 

「…我が妻、必ずや」

 

「それで、リョウマ先生の目的って?」

 

「……今俺の秘密を話す。何故ゲイボルグを持ち、何故生身で英霊を殺せるのか……それは、俺が影の国の女王。スカサハの弟子、つまりクー・フーリンとコンラの弟弟子だからだ。そして、俺には一つだけゲッシュがある。それは……スカサハを殺すこと。スカサハを殺すというゲッシュの誓いをたてた。これが成されれば、俺はより強くなる。そして、スカサハを殺すという事が俺が師から別れ、師を忘れ、師から受けた屈辱すら払拭せしめる事ができる」

 

「なぁ、キャスターの俺。リョウマ、大丈夫か?」

 

「昨日からカルデアのランサーに片っ端から勝負吹っ掛けてる。マジで師匠殺す事しか考えてねぇよ」

 

「師を殺せば、俺は本気でモルガンを愛せる。

俺に屈辱を与え、俺を縛る枷となったあの女を殺せる」

 

「てか、なんでわかんだよ」

 

「感じる…感じるんだ。影の国の気配、濃蜜な殺意と闘争心を」

 

リョウマ先生は普段と全く違う、バーサーカーみたいだ。

 

「でっでは、レイシフト開始します」

 

「えっと……レイシフトの成功率は変わらず10%だけど」

 

「ダ・ヴィンチちゃん。10%もあれば問題ない、俺には0か100しかない」

 

リョウマ先生も一緒に今回の特異点攻略が始まった。

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