クー・フーリンの弟弟子   作:影後

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第5特異点開幕

「ここまで来ると、俺のステータスは幸運Eか?」

 

「おいおい、その槍持ってて言う言葉かよ」

 

「まさか…お前がドルイドの真似をするとはな!クー・フーリン!!」

 

「けっ!叔父貴もなんだよそれ、別にドルイドだろうが良いだろうが!」

 

キャスター兄弟子とレイシフトに成功したのだが、何故か目の前にフェルグス・マック・ロイが部隊を率いて立っていた。

 

「それで、そちらの御仁は誰だ?」

 

「俺の弟弟子だよ、師匠に俺以上にしごかれたな!」

 

「……なら、我等の軍に来るか?ケルトの戦士なら、共にな」

 

確かに、尊敬するアルスターいやケルスの戦士達は敵なのか味方なのか。

案外そちらに付けば目的は達成することができるかもしれない。

だが、どう見てもケルト陣営は人理修復を邪魔するアイツらによって……まぁ、敵だろう。

 

「待て、なぁ叔父貴。もしかしてだ、メイヴ居るのか?」

 

「あぁ、我等の女王だな。そして……やはりか、クー・フーリン」

 

「生憎だな、俺は彼奴が嫌いだ。それにだ……今は、この弟弟子のお目付け役なんでな」

 

「俺もだ、フェルグス・マック・ロイ。では言おう…その心臓、貰い受ける!」

 

地面はえぐれ、彼のカラドボルグがゲイ・ボルグを受け止める。

 

「ふっ…一本受け止めたぐらいでな……哀れだ」

 

俺がフェルグス・マック・ロイを狙ったのはあえてだ。事前にもう一本を投擲し、邪魔なケルト兵達を殺す。

 

「ほう、流石だな。だが」

 

「ちぃ…ベラカナ!」

 

ルーン魔術であたりを焼き払ったのだが、ソレをフェルグスはカラドボルグで打消す。

 

「流石セイバーか!いやはやなんとも……殺しがいのある!!」

 

「クー・フーリン!良い弟弟子だな!!俺も危ないぞ!!」

 

「ちぃ…叔父貴と弟弟子の邪魔するなよな!魔力貰うぞ!燃え盛る木々の巨人、焰の檻となれ!『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!」

 

ケルトの兵士達が燃える、ドルイドであるクー・フーリンだが、その実力はキャスターでも引けを取らない。

 

「行くぞ!フェルグス・マック・ロイ!!!」

 

「あぁ……クー・フーリンの弟弟子よ!!」

 

「螺旋、準備!」

「真の虹霓(こうげい)をご覧に入れよう!

『虹霓剣(カラドボルグ)』ゥゥッ!!」

 

「行くぜ…俺の……俺だけの。

その命、我が槍の贄となれ。

裂き穿つ、抉り穿つ…

『穿き穿つ死翔の槍

(ゲイ・ボルグ・ダブル)』」

 

因果逆転の魔槍が俺の手を離れる。

このままフェルグスを倒せる。

彼の宝具では俺を倒すことはできないのだから。

 

「流石だな、クー・フーリンの弟弟子よ」

 

「………」

 

肉体の半分がえぐれ、立つこともままならない。

一撃で殺してほしかった。

 

「因果逆転の槍、それを持つにお前は相応しい。クー・フーリン、次は共に戦おう」

 

「あぁ…叔父貴」

 

フェルグスが退去したと同時に俺の身体が火に飲まれる。

そして、新たな肉体として再生した。

 

「不死身の身体かよ」

 

「80年だけですよ、それに……痛みもある。今回は恐ろしい。ゲイ・ボルグを理解しているから共に死ぬことを選んだ。この、呪いが無ければ……」

 

「あぁ…弟弟子、彼奴と」

 

「父上!大丈夫ですか!!」

 

「コンラ兄弟子、音量が……」

 

「あっ…ごめんなさい、リョウマ弟弟子」

 

「てまぁ……コンラ、安心しろ。何つっても俺達は3人のクー・フーリンだぞ?メイブなんかに負けるかよ」

 

「はい!父上!」

 

「だから、お前も俺とお前の弟弟子の勇姿を見ろ、こいつはスカサハを殺しに来たんだからな」

 

「……リョウマ弟弟子。スカサハ先生は強いです」

 

「……」

 

存じています。とは言わない、コンラ兄弟子はあの時代で教えを受けていたのだから。

 

『……できる事ならブリューナクを貸したいです、でも、それはできないでしょう。だから、だからコンラは弟弟子の為に言います。この地がケルトに侵蝕されたのなら、お祖父様が見ておられるはずです!父上が居て、父上と同じ魔槍を持つ貴男なら、お祖父様から認められることも出来るはずです!だから……諦めないで下さい』

 

俺はゲイ・ボルグを地面に刺し、感謝する。

兄弟子からの激高、それを受けて尚、倒れるわけには行かない。

 

「では行きましょう、クー・フーリン。先ずは、藤丸少年と藤丸少女と合流だな」

 

『ソレが不味いんだ!リョウマ君!リッカくんとリツカちゃんが捕まって』

 

ロマニ・アーキマンからその報告を聴き、休む間もなく動く。

そして、二人の元へ魔力を頼りに向かったのだが………

 

「ククッ……クハハハハハハハハハハハハハハハ。まさか………まさか………施しの英雄か!あぁ……よりにもよって……よりにもよって貴様かぁァァァ!!!!カルナァァァァァ」

 

「何者だ、その気迫、只者ではないな!」

 

クソだ……クソだ、クソだ。

こいつは勝てない、勝ち筋がない。

 

「……クー・フーリン。この男の真名はカルナ。マハーバーラタニおける大英雄にして、スーリヤの子」

 

「まさか………ケルト軍がここまで。良いだろう」

 

「………冗談ではない!!だが……不死身の呪いなら、殺せるはずだ」

 

「そうか……不死……こい…ケルトの戦士よ」

 

『リョウマ君!やめるんだ!相手は』

 

「逃げられるものかよ」

 

通信から聞こえてくるロマニ・アーキマンの叫びを無視する。

勝てる勝てないではない、やらなければならない。

 

「こい………ランサー!!!」

 

「征くぞ、ランサー!!」

 

ゲイ・ボルグとカルナの槍がぶつかり合う。

その度に衝撃が走り、辺りが揺れる。

 

「キャスター!!!」

 

「ちぃ…アンサズ!!」

 

「くっ!」

 

クー・フーリンのルーン魔術を受けたカルナが距離を開く。すぐさま両手にゲイ・ボルグを持ち二槍流にて連続の突きを放つ。

 

「今わかった、貴様、生きているな」

 

「しれたことぉお!!」

 

冷静なカルナへ掠り傷があるものの、大きなキズはついていない。

対して、リョウマの肉体はカルナよりも多く傷付き、疲弊している。

 

「…真名解放、

『抉り穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグダブル)』」 

 

両手カルナに向かい槍が投げられる。

俺は即座にカルナに向けて蹴りを放つ。

 

「グハッ」「何が」

 

左足が貫かれ、そのまま千切られ、捨てられる。

俺は自害用のナイフをすぐさま心臓に付きたて、蘇生する。

 

「ごぶっ……くそ、まだか」

 

古い血を吐いて手に戻ったゲイ・ボルグを見るが、カルナを穿いては居るが殺しては居ない。

 

「因果逆転の槍だが、我が父、スーリヤの加護を打ち消す事は叶わん」

 

「………おい、弟弟子、どうする」

 

「フェルグスからの連戦と宝具の連続使用。身体も、魔力もボロボロでしてね、ゾンビアタックしても、相手は手負いとは言えスーリヤの息子カルナ。部が悪すぎる」

 

『リョウマ君!』

 

「くくっ……見えた!見えたぞ!!水の一滴!!!」

 

ソレは一種の境地である、揺るぎない水面。

動きのない、平面。

 

「おい……弟弟子」

 

「………兄弟子、藤丸少年と藤丸少女と合流を」

 

「……わかった、必ず来いよ」

 

クー・フーリンは武人である。

クー・フーリンは戦士である。

ソレはドルイドであっても変わらない。

クー・フーリンは感じ取ったのだ。

自身のマスターである弟弟子から立ち上る闘気を。

 

「……行かせるか、カルナ」

 

「今、俺は感謝している。お前という戦士と相見える事に。クシャトリヤとして、一人の男として」

 

「……俺もだ、この場にいないが、この闘い。我妻に捧げん」

 

「ならば、この闘い、我が父、スーリヤに」

 

二人の武人の闘気が上がる。

 

『凄い、こんなの並のサー』

 

『黙れロマニ・アーキマン。静かに見届けよ、我が夫の勇姿を』

 

「カルナ」「リョウマ」

 

「いざ」「参る」

 

音速を越え、ソニックブームが巻き怒る。

二人がぶつかった位置の地面が砕け、クレーターが生まれる。

 

「……」「………」

 

カルナの槍と朱色の魔槍がぶつかり火花が飛び散る。辺りには何もない、誰も居ない。

観客も無く、武を魅せる相手もなし。

だからこそ、二人は燃え上がる。

 

「シッ!」「ツェァ!」

 

激しいぶつかり合いと、悲鳴をあげる肉体。

サーヴァントでない、人間である。

死ねば疲労もないが、そんな事をカルナは許さない。そして、リョウマの戦士として、武人としてのプライドが許さない。

 

「ごぶっ……」

 

カルナの槍と打ち合い、弾かれる。

肉体が上げる悲鳴すら隠し、何度も。

 

「クシャトリヤとして、お前という戦士に敬意をアルジュナの真似事ではないがな……我が身を呪え、『梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)』!!」

 

その時、俺の目の前が真っ暗となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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