Rookies 408   作:スターフルーツくん

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First Turn「君ラブリーラブリーうるさいよ」

 

 

 西暦20××年。世はDJパフォーマンスが一世を風靡していた。そんな世間の流行を象徴するかの如くD4 FESが開催された。しかしいつしかD4 FESは時代の流れと共に幕を閉じた。

 そして現在、D4 FESが再び開幕した。次のD4 FESは一ヶ月後。誰もが立つ事を夢見る大舞台に向けて出演するユニットは皆全身全霊をぶつけるために励んでいる。

 

「しのぶ、新曲作りはどう?」

「ん、ぼちぼちかな」

 

 そんな時代でトップに立つのがあたし達Peaky P-keyというユニット。あたしと響子と由香と絵空。D4 FESでも通用する程のポテンシャルを備えた四人だからこそピキピキは無敵なんだ。

 

「そういえばしのぶ、Rookies 408ってグループは知ってる?」

「名前だけは聞いたことある。けどその先までは知らない」

 

 聞いたことがないユニットだな。多分うちらの後輩かな。どうやら響子は知ってるっぽいけど。

 

「Rookies 408ってのはこの陽葉学園の生徒だけで結成されたユニット。奇想天外なパフォーマンスと圧倒的な楽曲のパワーでオーディエンスを魅了してるんじゃよ。のう?」

「いや誰だよ」

 

 教えてくれたのはありがたいけど今の誰だよ。随分馴れ馴れしかったな。そもそも陽葉にこんな喋り方する奴いたんだ。

 

「あっ、Rookies 408が校庭でライブするぞよ! 観に行くぞな!」

「だから誰だよ」

 

 本当にあいつ何だったんだ。本来だったら今の響子のセリフなんだけどな。

 

「あっ、しのぶも来てたんだ」

「由香! 絵空!」

 

 由香と絵空もこのライブを観に来てたのか。ていうか知ってたなら教えてくれよ。二人のせいであたし変な奴と絡んでたんだからさ……。

 

「カウントダウンだー!」

「あと十秒で出てくるのか……。心の準備が……」

 

 十秒が経過した。あれがRookies 408か。場数を踏んでるのか、思ってたよりも平常心でいるな。メインボーカル一人、DJ一人、VJ一人、そしてパーカッション一人の計四人のユニット……。

 

「私達は彷徨う孤高の一匹狼

その名をRookies 408♪

Thank you!!!」

 

 え?もう終わり?ライブの時間五秒だぞ?五秒。カウントダウン十秒に対してライブの時間五秒。どうなってんだこのユニットは……。

 

「何であれで終わりなんだよ……」

「ほら、人気者は忙しいから」

 

 確かにそれはそうだな。フォトンのメンバーなんかはれっきとした芸能人だから相当忙しくしてるのが伝わってくる。特に咲姫の眠たそうな顔見てる時はな。

 

「はーい、サイン会やるよー。順番守ってー」

「え? あれは良いの!?」

 

 なんかサイン会の準備の方はめっちゃのんびりやってるけど良いのか? あれは良いのか? 何でそれはゆっくりやってライブは五秒なんだ? 普通逆だろ。

 

「JETさん握手してください!」

「良いよ〜!」

「やったーありがとうございます!」

「やめろその薄汚れた手であたしに触るな」

「え!?」

 

 あの赤い髪の奴がJETっていう奴か……。どうやらあいつがメインボーカルみたいだな。にしてもあいつ、言ってる事が最初と真逆だぞ。大丈夫か?あ、次あたしの番だ。

 

「おめでとうございます! あなたは記念すべき百人目の来訪者です! お礼にサイン色紙などではなく顔に直接サインを書きます!」

「なっ、うわっ! おい、ちょっと! やめろ!」

 

 顔にサイン書かれた……。何か知らない間に後ろから押さえつけられたし。誰だよ今やった奴。しかもこれ油性じゃんか……。午後これで授業受けなきゃいけないのかよ……。

 

「良いなぁ〜しのぶ先輩!」

「羨ましい!」

 

 いや羨ましがる要素がどこにあるんだよ……。これ先生に顔見られながら授業受けるんだぞ?大丈夫か?

 

「こら、翔飛(そら)。ライブ観に来てくれた方に失礼な事したらいけないでしょ」

「だって(あかり)ー! 折角のサイン会じゃんかよー!」

 

 あっ、良かった。こんな恐ろしいユニットの中にもまともなメンバーいてくれた。あの青い髪の奴はDJやってたな。燈って言ったっけか。同じDJ担当だし今度関わってみようかな。

 

「こんにちは、あかりさん! よかったらあくしゅしてください!」

「死ね」

「ぼへぁ!!」

 

 ダメだこいつもヤバかった!! セロリにクリーム砲ぶっ放しやがった!! いやセロリに手と足が生えてる事も現実的に考えておかしいんだけどさ……。

 

「セロリの分際で馴れ馴れしいんだよ愚図が」

「……」

 

 もうあたしここから離れて良いかな?もう何も考えたくないしツッコミもしたくないんだけど……。

 

「げっ、犬寄 しのぶ!」

「後は任せたぞ、大鳴門 むに」

「どこ行くのよ! てかアンタその顔どうしたのよ!」

 

 ちょうど良かった!! ここは全て大鳴門 むにに任せよう!! 離してくれよ!! あたしはもう何も考えたくないんだ!! こんな惨状目の前で見てると頭がおかしくなる!!

 

「あっ、いたいた! しのぶ先輩! 私これから絵を描かなきゃいけないんでちょっと来てください!」

「ちゃんと仕事しろ!!!」

 

 サイン会投げ出して絵描くなよ!! しかもまた違う奴だし。今度は金髪の奴かよ……。たしかVJ担当だったかな。

 

「あっ、むに先輩にも来てもらいますよー」

「何でよ!!」

 

 良かった……。大鳴門 むにも来てくれたか……。赤信号もみんなで渡れば怖くないって言うしな。

 

「はーい、犬寄 しのぶ先輩と大鳴門 むに先輩が今なら絶賛満開中ですよー! 今ならなんと一千万円から!!」

「売るな!!! てか絵描くんじゃなかったのか!!!」

 

 頭に変な花の被り物被せられた挙句売り物にされたんだけど……。サイン会って一体何だったんだ……。

 

「二人買います!! 五千万円で!!」

「アンタは来ないでよ福島 ノア!!!」

 

 ナイスだ大鳴門 むに。ノアに狩られてたら今頃どんな目に遭ったか想像するだけで悍ましい……。

 

「十億で買います!! 十億で!!」

「あいよ、明日までに銀行に振り込んどけよ!」

 

 あの金髪のVJも中々の豹変ぶりだな……。幼い顔立ちに関わらずおっかなさすぎる……。にしても大鳴門 むに、麗のおかげで助けられて良かったな……。

 

「むにちゃん……ぐすっ……」

「戻ってきてくれて良かったよ……」

「むにさんがいてこそのハピアラです!もう二度と離れないでくださいね……!」

「みんな……!うん、私はずっと一緒にいる!約束する!」

 

 これがDJユニットならではの絆だな……。こんなに眩しいものを見れるなんて思ってなかった……。破壊された脳細胞が癒されるよ。

 

「うるせェーッ!!!」

「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」

「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 翔飛!!! 何でアンタは良いところでクリーム砲をぶっ放すんだよ!!! 折角の感動シーンが台無し!! 本当に最悪だな!!

 

「ごめんしのぶ、私達は巻き込まれたくないから……。その……ごめんね?」

「待て響子!! お願いだからあたしを買ってくれ!! 頼むから!! あたしの為に巻き込まれてくれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、私達は制服やら顔やらに付着したクリームを拭き取って一緒に下校した。そりゃ参ったよ。全然取れないんだもん、クリーム。先生には「授業で使うから」って理由で誤魔化したけどおかげで大変だったよ……。

 

「あっ、あの! Happy Around!さんですか?」

「いや、数時間前に会ったばっかりだよね?」

 

 この金髪の子ではないけど私達確かに会ったはずなんだよ。しかもこの子、むにを売り飛ばした子じゃん。何であっちは無かったことにしようとしてるの?

 

「どうしたの?」

「ちょっとりんく、あんまり関わらない方が良いんじゃ……」

 

 折角クリーム全部落としたのにまたバズーカで攻撃されたらたまったものじゃないよ……。

 

「うちで、うちのクラブで是非ライブしてください!」

「え?」

「いいから来い!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 ちょっと待って私達いつの間にスケボーに括り付けられてたの!? しかもコナンで見るようなタイプのやつ!! 誰でもいいから誰か助けて!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました」

 

 今は燐舞曲(ロンド)の皆さんが終わったところかな。ハピアラの先輩達をここに連れてくるまで大分時間かかったからなー。欲を言えば見てみたかった。

 

「すっごーい! すっごいすっごいすっごいすっごーい!」

「りんく、あまりはしゃがないで。それにしても学校の近くにこんなクラブがあったなんて……」

 

 りんく先輩は鬱陶しいぐらいすっごいを連呼、むに先輩と麗先輩はステージに魅了されてて、真秀先輩は三人のお母さんって感じかな。さっさとその非常食三人を引き取ってもらいたいところだけど。

 

「まぁ知らなくても仕方ないです。ここはつい最近できたばかりのクラブで今日が正式なオープンイベントの日なんです。あ、自己紹介遅れましたが、私は次田 美来です! ユニットではNEXTって名前でVJやってます!」

「よろしく。美来はここで働いてるの?」

「はい、このクラブにはアルバイトで入ってます!」

 

 やっぱり真秀先輩は関わりやすいね。りんく先輩だと距離感が近すぎるし、麗先輩は色々と食い違いが起きるし、むに先輩は論外。適度な距離感で話してくれるからありがたいんですよ。

 にしてもこのウサ耳のカチューシャ外したいな……。すごい恥ずかしい。いくらオープン記念のコスプレだって言ってもこれは嫌すぎる。バニーガールじゃなくて普通に職場の制服だからまだいいけど。

 

「オーナー! これ外しても良いですか?」

「ダメ」

 

 即断られた。割と食い気味に。もうバレないようにそっと外して何か言われたら「失くしました」って言っておこ。それにオーナー、本読みながら業務に取り組んでるって明らかに問題ある態度でしょ。

 

「オーナーオーナー! 私達もライブして良いですか?」

「あっ、私も今から出演するので抜けていいですか?」

 

 あー、りんく先輩達もか。そりゃあこんな大盛況のライブ出たくなるもんなぁ。それに私のユニットも出演予定だから早く準備しないと。

 

「いいよ」

 

 やった! じゃあ今すぐライブの準備をしに行きますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「UniChφrdでした! ありがとーう!」

 

 Unichφrdもこの数ヶ月で中々成長したな。それにしても一星 ルミナってやつ、かなり斬新だな。VTuberみたいな姿でライブなんて聞いたことないっての。次はあたし達ピキピキだ。

 

「みんな、今日は私達についてきてね!」

 

 流石響子だ。あのカリスマ性を遺憾なく発揮する為にはあたしのDJプレイで三人を暴れさせないとな。

 

「Hello,everyone! We are…!」

 

 いよいよあたし達のユニットの名を呼ぶ時が来た。由香がマイクを観客に向ける。ここにいる皆があたし達の名を呼んでくれる。あたし達が、あたし達こそが……!

 

「Porky Po-key!!」

「誰だよ!!!」

 

 観客も明らかにピキピキじゃなくて今出てきた変なパチモンの名前呼んできたし。何だこいつら。人気なのか?ていうかどこから持ってきたんだその衣装! あたしらのだぞ! しかもよく見たらこいつらRookies 408だ!! あいつらまたやりやがった!!

 

「あー、ピキピキがポキポキをパクったー!」

「許さんぞPeaky P-key!」

「ポキポキ!?」

 

 ポキポキって何だよ……ポキポキって何なんだよ……。こいつらは一体いつになったら普通にライブをやってくれるんだよ……。ていうか何であたし達が責められてるんだよ! パクったのあっち側だろ!

 

「あたしは山川 響! キョンキョンって呼んでね♡」

「それ絶対ダメなあだ名」

 

 響子の言う通りだよ。カブってるから。思いっきりあだ名カブってるから。

 

「うちは犬塚 しのび。アンタらやる気あんのー?」

「……」

 

 ツッコまない。あたしは自分のモノマネに対してはもう何もツッコまない。

 

「私は笹戸・ジョニファー・由里」

「ライズユアハンズ!」

「No,no.Raise your hands!」

 

 英語に関しては由香じゃなくてあっちの方がすごい。発音良い。ていうかあいつはVJじゃなかったろ。パーカッション担当だろ。

 

「そして私は清水(きよみず) 恵空! ラブリー!」

「良いラブリーしてるじゃない……! でも私だって負けないわよ! ラブリー!!! ラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリー!!!」

「私も!! ラブリー!!! ラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリーラブリー!!!」

 

 こっ、これは! 凄まじいまでのラブリーとラブリーの応酬だ! ステージに風が巻き起こってる! これは一体どっちのラブリーが勝つんだ!?

 

「「ボングレ♡」」

 

 す、すごい……。もはや狂気の沙汰でしかないんだけど……。二人揃って最後ボングレって何だよ意味わかんねーよ……。

 

「という事でポキポキが歌います、散乱★カウントアップ」

「電乱★カウントダウンだよ!!!」

 

 いつもは爽快感に満ちるけど今日だけは疲れる。どっと疲れる。やってる事の意味がわからない。いや、コイツらに関しては意味を考え出したら負けなのか……?

 

「Peaky P-keyでした……」

「Porky Po-keyでしたー!」

 

 コイツらまだ暴れる体力ありそうだな。普段からどんだけヤバいことやってるか想像がつくよ……。内容は全然意味分かんないけど。

 ライブのトリはハピアラか。あれから一年経つけど一体どれほど成長してるんだろうな。ちょっと楽しみだな。

 

「ヒンヒンヒー! ヒヒヒンヒ、ヒッヒーヒヒヒンヒヒー!!」

「えぇ……?」

 

 何だこれ……。ハピアラのメンバー全員頭に動物の被り物して全身タイツでライブしてやがる……。

 

「ヒヒヒヒンヒヒンヒンヒー! ヒンヒンヒヒーヒヒンヒンヒーヒーヒーヒン!」

「ギガゴギゴゲギゴガガガガガガガガグングン!」

「パオーン!」

「カカー!」

 

 いや待て。三人はわかる。りんくは馬、大鳴門 むにはゾウ、麗はカラスだ。真秀の動物は一体何だ? どこの国の動物なんだ? よりによって歌ってる曲は“Dig Delight!”かよ……。二連続で意味が分からないんだけど……。

 そしてようやくライブが終わった。あいつらが出てから本当に頭が痛くなるような内容だったしその後も普通に意味が分からないし……。けどこれでようやくライブが全部終わってくれたから良かったよ。

 

「∞ちゃーん! こっちむいてー!」

「失せろ」

「ぼぎゃあ!!」

 

 燈のやつまたセロリを砲撃しやがった!!! それに何でクラブにバズーカ持ち込めてんだよ!!!

 

「はぁ、セロリ如きが何の権限があってライブに来てんだよ。とっとと失せろ」

 

 本当にあいつ一体セロリに何の恨みがあるんだよ……。本当にDJできるのかあいつ……。

 

「はい、ここからはRookies 408のNEXTが仕切らせていただきます。何かお知らせのある方はいらっしゃいますか?」

 

 あ、あの黒髪の奴はRookies 408のパーカッション担当……。こうしてあいつの声聞くのは初めてだな。

 

「皆様こんばんは。Rookies 408でパーカッションを担当しています。N EWと申します」

 

 なるほどな。Rookies 408のメンバーは皆ステージネームを使うのか。にしてもこのNEWって奴はまともそうだな。ブレーキが壊れてるあのメンバーのまとめ役にはなりそうかもな。

 

「みゅー?」

「NEWだよ……」

 

 由香間違えるなよ……。ミューじゃなくてNEWだよ……。今の発音からそう聞き間違えはしないだろ。

 

「なんだカツオかー」

「NEWだっつってんだろ!!!」

 

 観客は一体どんな聞き間違いしてんだよ!! NEWだよNEW!!! 一文字も合ってない!!!

 

「いいえ、フグです」

「あんた今自分でNEWだって言ったよな!!?」

 

 あたしがおかしいの!? あたしがおかしいのかこれ!!?何だこの空間!!

 

「私達Rookies 408はこのクラブで単独ライブを行います。そのライブにHappy Around!とPeaky P-keyを招待します」

 

 え、あたし達とハピアラを!?ちょっと待ってくれ。あんな狂気の動物園としか思えないライブにあたし達とハピアラを巻き込むってのか?冗談じゃないんだけど……。

 とまぁそんなこんなでライブはお開きとなり、打ち上げをクラブでやっていた。にしてもオーナーって凄いな。これだけの量の料理を作るなんて。あの見た目で男&二十代後半だなんて信じられないな。

 

「オーナー、私達のライブはどうでしたか?」

「りんくちゃんって言ったっけか。君の高音いいね」

 

 まぁ歌詞こそ何言ってるかわかんなかったけど音程は取れてたからな。それにりんくは高音がいいのはわかる。

 

「オーナー! ミチル達のライブはどうでしたかな?」

「ごめん君達誰?」

「誰って……。UniChφrdですぞ! UniChφrd!」

「あぁ、バナージね」

「ユニコォォォォォォォォォォド!!!!! ではなくて!!」

 

 なんか今ミチルおかしかったぞ……。声も顔もどこぞのユニコー○ガンダ○のパイロットみたいだったし……。

 

「ミチルちょっと声変わりした?」

「心なしか顔も変わってたような……」

 

 心愛!!! はやて!!! そこにツッコむのはやめろ!!! 色々とまずい!!!

 

「では乾杯の音頭をRookies 408のJETが担当させていただきます。とりあえず、このKing Club正式オープン記念ライブ成功を祝して乾杯!」

「かんぱーい!!」

 

 確かに無事にライブを終えられたのはいい事だな。隣にいる絵空も首を縦に振ってくれてる。ん? 何かオーナーが手招きしてるな。視線の向きからしてあたしと絵空か?

 

「オーナー、どうかしましたか?」

 

 オーナーは突然絵空を指差した。あたしじゃなくて絵空に用があったのか……。

 

「君ラブリーラブリーうるさいよ」

 

 言いやがった!!! この人絵空が気にしてそうな事をハッキリと言いやがった!!!

 

「あっ、僕これからゴミ出ししてくるから後フォローよろしくね。じゃあ」

 

 言うだけ言って絵空の後始末はあたし達にやらせるのかよ……。何なんだあのオーナー。

 

「ふん、いいわよ。どうせ私は愛とお金しか取り柄のないJKなんだから……」

 

 あーあ、絵空がいじけた。仕方ない。あたし達が励ましてやるとするか。

 

「しっかりしろ、絵空! あたし達の精神的な支えなんだからここで折れるな!」

「そうだよ絵空! ほら、心をリフレッシュする為に一緒に走りに行こ!」

「確かに絵空は普段からよくラブリーって言ってるけど私達の日常にはそのラブリーか必要なの。だからこれからもずっとラブリーを信じて」

 

 あたしと由香と響子で絵空を励まし続ける。今の絵空にはあたし達の言葉が必要だ。

 

「そうです、えそらさんはかわいくてだんすもうたもじょうずなんです! ぴきぴきにえそらさんはひつようなんです!」

「セロリは黙ってろ!!!」




JET/本名:相川 翔飛(あいかわ そら)
 15歳。11月1日生まれ。女。身長172cm。赤髪でハーフアップ。陽葉学園高等部1年。Rookies 408のメインボーカル&作詞担当。 

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