ラブライブ!ファンタジスタ! 作:紅蓮一角超獣
『これより始まる夢の対決に、スタジアムは最高潮であります!』
熱気溢れるスタジアムに渦巻く歓声。実況の声から始まったカウントダウンに、観客は今か今かとその時を待ちわびていた。
『ノリと勢いだけで開催されたこの戦いの火蓋が、今切って落とされようとしているッ―――!』
ステージ上で舞い踊り、それぞれの輝きを魅せていた少女達。
形も色も、誇示する舞台は何もかも違えど、このスタジアムで瞬くそれらはまた別の輝きを魅せようとしている。
『それでは紹介しましょう! 史上最大の
白線に区切られたフィールド。その傍らのゲートにスポットライトが舞い降りた刹那に爆発的に増す歓声。
期待を孕んだその声に応えるように、彼女達は姿を現した。
『まずはこの九人でしょう! ラブライブ!を語る上でこのグループは欠かせない! 全ての始まり我等が元祖……音ノ木坂学院スクールアイドル―――˝μ‘s˝――――――ッ!!!』
重なった歌声をバックに登場する九人の少女。
袖を通すのは煌びやかな衣装ではなく簡素なユニフォームだが、誰もが認めるその輝きは健在だった。
『続いてこのグループの登場です! μ‘sを追いかけて始まった歩みはいつの間にかかけがえのない輝きに! ラブライブ!を未来へ繋いだ立役者……浦の星女学院スクールアイドル―――˝Aqours˝――――――ッ!!!』
曲の切り替わりと共に舞う蒼い羽の光。
その羽の文様が刻まれたユニフォームを身に纏う彼女達の表情には自信が含まれていたという。
『まだまだ行くぞ野郎共! 続いては掟破りのソロ集団! 仲間でありライバル、これまでにない道を行く彼女達の力は如何ほどにか……˝虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会˝ーーーッ!!』
違う曲調、違う歌声がメドレーとなって流れる中、姿を見せたのは˝十二人˝。
高揚感、緊張、自己顕示。十人十色、いや十二人十二色の個性を見せる彼女達がそこにはいた。
『そして最後にこのグループだ! 真新しさ、初々しさ、その姿は正しく新星! 彼女達の響かせる彼女達だけの歌はこのスタジアムにどんな風を吹かすのか! 結ヶ丘女子高等学校スクールアイドル―――˝Liella!˝――――――ッ!』
何よりも初々しく、されど何者よりも勝利への渇望に満ちた歌声が重なる。
戦いの場をスタジアムへと移した少女達は、その表情に不安を滲ませながらも確かに自分達の存在を主張した。
『これから行われるのはこの四グループによるサッカー対決! どうしてスクールアイドルがサッカーやるんだとか野暮な話はナシだナシ! 作者がやりたかったから書いたまでの話だ異論反論認めねぇ! さあ戦え若人共……ご都合主義と、超次元サッカーの名の下にィ!』
煽り立てる実況の声に乗りいよいよ爆発する熱気と歓声。
最早止まることを知らない熱量がそうさせるかのように、着々と戦いへのカウントダウンは刻まれてゆく。
『さあさあやっていきましょう! 実況はアキバリポーターでお馴染みの私と―――』
『イナズマイレブンの実況と言えばこの私、角間王将が務めさせて頂きます! ちなみに私以外イナイレのキャラは出てきませんが悪しからず!』
『まあそれでもきっとなんとかなるさ! それではこの勢いのまま早速第一試合だ行くぞお前等! 掘り下げもストーリーもクソもねぇ、俺は試合だけ書きたいんだという作者の意思が表れているようです!』
『記念すべき最初の対決カードは――――――これだッ―――!』
束の間の暗転。直後にフィールドに立っていた少女達の名がスクリーンに映し出される。
『Aqours VS 虹ヶ咲ィッッ!!! 初戦はニ代目と三代目の激突だッ―――!』
『それでは選手紹介に移らせて頂きましょう! まずはチームAqours!!』
再び消える照明。けれどただ一人の選手を照らす光と同色に発光するする観客のペンライトがスタジアムを彩った。
『まずはキャプテンの紹介です! 普通だったのはもう過去の話、輝きを見つけた怪獣は今宵もスタジアムに咆哮を轟かせるか――――浦の星女学院2年 MF 高海千歌ァッ!!!』
『続けていきましょう! 引っ込み思案? 地味? そんな彼女はもういない! ステージは変われど奏でる旋律は全てを魅了するのか! 同じく2年 MF 桜内梨子ォッ!!』
『ラブライブ屈指の体力お化け! 大海の化身が今フィールドに降臨する! 3年 GK 松浦果南ッ!!』
『華やかさと存在感(笑)! 硬度十の堅さは守りにも活かされるのか! 同じく3年 DF 黒澤ダイヤァッ!!』
『今日の航海が行き着く先は勝利の海か! 言わずと知れた完璧超人ヨーソロー! 2年 FW 渡辺曜ッ!!』
『今宵始まるのは死と混沌の宴なのか! 天界より舞い降りた堕天使ヨハネ(笑)の導く先は果たして栄光の勝利かはたまた恥辱の敗北か! 1年 DF 津島善子ォッ!!』
『今をときめく文学少女! 彼女の描く物語の結末は如何に! 同じく1年 DF 国木田花丸ッ!!』
『見た目は豪快中身は繊細! けれどそのギャップが逆にイイ! フィールドに輝け彼女のシャイニー! 3年 FW 小原鞠莉ィッッ!!』
『もうただのマスコットだった彼女ではない! 小さかった背中はいつの間にか大きくなっていた! いいからさん付けでお呼びしろ野郎共! 1年 DF 黒澤ルビィッッ!』
全てのメンバーを照らし終えたのにも関わらず、一向に留まる気配のない曲調。会場には更なる期待を孕んだどよめきが蟠る。
『さあ既にお気付きの方も多いことでしょう! サッカーのチームに必要な人数は11人。しかしAqoursは九人! このままでは二人足りない……ん? 二人? そうだ2人だぁッ!』
途端に曲調が切り替わり、メタルやパンクロックを思わせる激しい旋律がスタジアムを駆ける。
熱量を上げた観客の声援に呼応するかの如く、舞い降りた淡青と純白、そして深紅の光がフィールドに˝雪の結晶˝を誘う。
『このグループ無くしてサンシャインは語れない! 函館の生んだ奇跡! 姉妹が結ぶ雪の結晶は今宵も新たな輝きを魅せてくれるのか! Saint Snowよりこの二人! 鹿角聖良と鹿角理亞の参戦だぁッ!』
一点へと集中した光が両名を照らし、留まることを知らないボルテージが更なる昂ぶりを見せる。
だがこんなものでは終わらない。そう示すように告げられたのは次なる者達の輝きだった。
『続けて虹ヶ咲のメンバー紹介だァ! ペンライトの交換を急げ急げェ!』
捲し立てる実況の声に乗るようにして楽曲が始まりを告げる音色へと移ろう。
『こちらもまずはキャプテンからの紹介だ! あなたが大好きな理想の幼馴染! けれど暴走気味の愛が玉に瑕♡ 火星帰りの激重ガール! 虹ヶ咲学園2年 MF 上原歩夢ッ!!』
『かすかすじゃなくてかすみんだお前等! 突き詰め続ける無敵の可愛さはこのスタジアムでどう生かすかは定かでないが、取り敢えず腹パンさせろ! 1年 MF 中須かすみィッ!』
『理想を求めて演じ続ける! 何故なら私は大女優! ステージに舞い降りる名演はこのフィールドにおいても理想のプレイヤーを顕現させるのか! 同じく1年 DF 桜坂しずくッ!』
『変幻自在のセクシー姐さん! 煌々と熟した果実が齎すのは幻惑か、それとも妖艶か!? 3年 MF 朝香果林ッ!』
『才色兼備のアイアイアイ! 成績優秀スポーツ万能! 部室棟のヒーローは今宵の宴においてもその名を轟かせることでしょう! 2年 MF 宮下愛ィッ!』
『眠り姫は今日も強かに! ゆるふわな雰囲気に反してガードは堅い! 閉じられた瞼に映る景色は約束された勝利の夢なのか!? 3年 DF 近江彼方ァッ!」
『高く果てない情熱はサッカーにおいても変わらない! 生徒会長に秘密の正体(過去形)、オタク趣味に眼鏡に更にはロリ巨乳とどこまで属性盛るんだこの女! 2年 FW 優木せつ菜ァッッ!!』
『広がれ彼女のマイナスイオン! 虹ヶ咲のママは今日も強く優しく、存分に全てをオギャらせてゆけ! 3年 GK エマ・ヴェルデェッ!』
『歌えば天使喋れば天才、頑張る姿にエモーション! ボードの裏に秘めた想い、今日は余すことなく発揮していけぇ! 1年 DF 天王寺璃奈ァッ!』
『シリーズ初の十人目ェ! ラブライブの歴史に風穴を開けたこの少女は、フィールドにおいても風雲児となり得るのか! 煌めく八重歯がキューティクル! 1年 DF 三船栞子ォッ!』
『掟破りはまだまだ続くぜ! 鳴り物入りのニューヨーカー! 世界が認める天才はサッカーにおいてもその輝きを誇示するか! まだ十四歳だけどぉ……3年 MF ミア・テイラーッ!』
『規格外の十三人目! 予測不可能回避も不能! 行動全てがワールドクラス! ラブライブ随一の問題児がフィールドに吠える! 2年 FW ショウ・ランジュッ!』
冠する名の通りの虹色が彩を以ってフィールドを照らした。時に競い合い、時に混じり合う音色はこの場においても健在だ。
『ルール上全員でフィールドに立てないチーム虹ヶ咲、序盤はミア・テイラー選手をベンチに置いてスタートのようです。監督席ではジャージを羽織る高咲が声援を送っている!』
『そんな数多の声の中握手を交わした両チームが各ポジションへと着いた! 観客の期待を一身に受け、さあ今……運命のホイッスルと共にキックオフだ―――!!』
始まりを告げる響きがフィールドを満たす。
世代も垣根も超えたサッカー対決。その火蓋が切って落とされた。
次回、試合開始