Infinitum Exosphere - 無限の成層圏を超えて - 作:一般通行ポーランド空軍士官
さて、昨夜は新しい寝床を手に入れたと思ったらなんか痴女がいたし、よりにもよって生徒会長ときた。あんな痴女が生徒会長になれるとかこの学園は狂っている…………………!*1
まあ痴女云々は置いておこう、もう2度とあんな痴女とは出会したくないんだがな!!俺でもあんな格好はしたくない、まず人としての何かを失いそうな気がする。
さて、準備は整えて朝飯を腹に入れてクリシャとバーシアと共に校舎へと向かう。もちろん昨夜の痴女と出会さないように祈りながらだが。
「
「勿論、痴女が入るなんて大変でしたね。それで、結局件の痴女はどうなったんです?」
「あの痴女はビルクステッド女史が連行してってそれっきりだからな……………まあ、本人に聞いてみればわかるだろうさ」
「なるほど、昨夜は大変でしたね」
「全く、あの痴女には俺の時間を返していただきたいね。勿論利子つけてだが」
「取れるだけその痴女から取ってくればいいと思いますよ、私には関係のないことですし」
「それじゃあ授業が終わったら生徒会に殴り込みかけてやるかね」
「うわあ………………流石気性難大佐だぁ………………」
とりあえずそこにいたビルギットに声をかけて昨日シャールカが言っていたように情報は共有されたのか聞いてみる。帰って来た答えはちゃんと情報共有がされたということを示すものであった。
なお痴女の末路は知らない、知っているのはビルクステッド女史だけである。とりあえずあの痴女には余計な時間を使わされて後始末もやって余計に疲弊したから嫌がらせをするのも兼ねて授業が終わり次第生徒会に殴り込みをかけることにしよう、そうしよう。そんな俺の様子をビルギットは若干引きながら呟いていた。
そんなこんなで確認したいことは確認できたので席に戻ってビルクステッド女史の到着とSHRの開始を待つ。
「は〜い、みなさん揃っていますね〜?それではSHRを始めます〜!」
さて、SHRが始まり、今日も学生として15歳に混じって授業を受けるとしますかね。そう思っていたがビルクステッド女史はどうやら俺らに伝えることがあるようだ。
「それではまず皆さんに伝えておくことがあるんですが、クラス代表を誰にするかを決めたいと思います〜!
クラス代表になった人には、5月にあるクラス対抗戦で勝利した場合、勝利した人の所属するクラスの生徒全員に食堂のスイーツ半年無料パスが与えられるから頑張っていってね〜!」
なるほど、クラス代表決めか。だとしたら他のやつに任せてもいいだろうな、クラスを代表するんだから勿論何か報酬があるんだろうが、それがしょぼければ誰だってやりたがらないだろうな。
そう思ってはいたが、出て来た報酬の食堂スイーツ半年無料パスは俺にとっても周りの女学生らにとっても魅力的であるのには違いない。さて、どうしたもんだろうか……………一応俺はポーランドでの訓練じゃあ国家代表にはなんとか有利な状況に持ち込んで判定勝ち含めて勝率3割、代表候補生序列上位相手だとなんとか拮抗状態だからまあそれなりにはやれるだろうが、クラス代表は他のやつに任せても良いかもな。
「それではまず自薦する人はいますか〜?」
さて、自薦する者がいるかビルクステッド女史は聞いたが誰も志願するわけはなく。これはババの押し付け合いが始まったとも見るべきだろうな、俺にできるのはどうにかこれを回避できないか足掻くだけだが。
「それでは誰か推薦する人はいますか〜?」
「はい!ビルギットさんが良いと思います!」
「私はエリザベーテさんを推薦します!」
「私は────」
「はい、それではクラス代表は……………投票で決定することにしますね〜!投票券を配りますので誰に投票するのか書いてこの投票箱に入れてくださいね〜!」
おお、このクラスの女学生らは理性的で助かる。男だからという理由だけで俺を推薦しないなんて嬉しくて涙が出てくるよ、まともな奴がいるだけでどうしてこう安心できるんだろうな?
そうしてクラス代表をどのように決めるかだが……………決闘によるものではなく、民主的な投票で決定することとなった。とりあえず俺は適当にシャールカに票を入れておくか。民主主義万歳!
「それでは投票の結果ですが〜……………クラス代表に選ばれたのは、1票差という僅差でシャールカさんに決定しました〜!クラス代表就任おめでとうございます〜!」
「よかったな、シャールカ!お前が一番人気だ!スイーツ無料パスはお前に任せたぞ!」
「えっ…………ボクがクラス代表やるんですか?」
「その通りですよ〜、頑張ってくださいね〜!」
「頑張れシャルルン!負けるなシャルルン!」
こうして民主主義的な投票によって平和裡にクラス代表は決まることとなった。とりあえずこれで目下の問題は解決されたと見るべきだろうな、まあシャールカなら上手く勝って来てくれるだろうから任せても問題はないだろう。
斯くしてこのクラスのクラス代表は決定し、スイーツ無料パスに一歩近付いた。SHRは終わり、休憩時間の後に1時限目の授業が始まる。
今日も今日とて日本語の授業を頑張って聞き取り、ポーランド語板教科書と日本語版教科書のすり合わせをしながらノートに書き込む授業の時間だ。
「はぁ……………クソ疲れた……………」
「たった4時限の授業ですよ?そんな疲れるものではないでしょう?」
「一応言っておくが、俄仕立ての日本語学習だけでこの専門用語とか出てくる授業に追いつけてる俺のことを褒めてくんねえか?君らと違って短い期間しか学んでないんだよ」
「まあ、1ヶ月と少々の期間しか日本語教育を受けてないのにあの授業に追いつけてるだけ十分じゃないですか?日本の織斑一夏はまともに授業に追いつけていないようですし」
「……………そう考えれば言語面でのデバフがあるポーランド人の方がここの授業に追いつけていると言うのはどうにも不思議な感じがしますね………………」
「一応これでも士官学校は主席で入って主席で出たんでな、頭の出来はそこらの凡人より違うんだよ」
「なるほど、追いつけているのはそう言う事情もあったんですか……………」
「そんなわけで現状はまだ追いつけてるわけだがな、今後どうなるかは分からんよ」
「まあ今のペースなら問題なくついていけますよ、安心してもよろしいかと」
4時限の授業を終えて昼休みを迎えたので食堂に赴き、料理を注文して受け取ると確保した席に座る。今日のメニューはハンガリー的な物の気分だったのでフォアグラのリゾットにグヤーシュ*2とホルトバージ・パラチンタ*3を選んだ。
「それにしてもだ……………スイーツ半年無料パスとは随分と大盤振る舞いな気もしないか?」
「そうかなぁ?あーしは甘いのいっぱい食べられればいいや!」
「それには同意する、だからシャールカには頑張ってもらおうか」
「そんなにスイーツ無料パスが欲しいんならボクと変わってくんないかな?ボクとしてはスタニスワフさんもそれなりに動かせると思うんだよね」
「無理ですー、一般生徒に負けかねないのでやりたくありませんー」
「……………?でも本国では代表候補生相手に「なんのことだかー!バーシアたまにエラー吐くの勘弁して欲しいなぁマジでさぁ!!」………………」
食事を食べながらシャールカとオレクサンドラ─今朝彼女からはレーシャと呼んでくれと言われたが─とシルヴィアにバーシア、そして俺の5人+バルト3人娘─つまりはアルドナとエリザベーテとビルギットの3人─を加えた8人で食堂にあるテーブル席を一つ陣取って駄弁る。
途中スイーツパスが欲しければ代表を変わってくれとシャールカに言われたが、一般生徒にすら負けかねないので拒否する*4。
なおバーシアが何か言おうとしたがエラーだろうな、変なこと口走りそうになっていやあ困っちゃうね!それはそれとして不都合な真実もあったので言葉を被せていく。やはりこう言う時の対処法は
「……………今バルバラさんがなんか言おうとしてたよね……………」
「なんのことだか、今のはたまーに起こっちまうただのエラーだよ」
「本当に……………?ボク信用できないんですけど………………」
「信用してくれよ、俺はポーランド空軍の将校だぜ?信用できるだろ?」
「どーだか」
「それに被せたのは本当にエラーで変なこと口走っちまいそうだったから被せたのさ。これが真実だよ、信用してくれないか?」
シャールカがジト目で今俺がバーシアの言葉に被せて来た件を追求してきたが誤魔化す。せめて言いそうになった不都合な真実を覆い隠そうとしたと言うことだけでも隠さねばと言うわけでなんとかエラーで押し通せないか試すが……………これ俺のこと信用してねーわ、詰んだな。
「せめてもう少しは俺のこと信用してくんねぇかなぁ……………っと…………あ、昨日の痴女だ」
「どこ〜?痴女どこにいるの〜?」
「あそこに青い髪しているのがいるだろ?あいつが昨日俺の部屋にいた痴女だよ」
「あれが昨日の痴女なんだ〜、どうだった?」
「ああ、俺としてはもう少し下半身の方に肉がついてる方が好きだな。変に小枝みたいに細くなられるよりかそっちの方が安心できる」
「ふ〜ん、そうなんだ〜」
「まあ、感想としては『もうちょい育ってから出直せ』って感じだな。それと、あいつに変に反応しないでいられたのはクリシャとそれなりに長い間一緒だったからかもな」
「そうなんですか?私正直交際してるんじゃないかとか思っているんですけど」
「まあ、交際相手や結婚相手としてクリシャを選ぶのはアリだとは思っているよ。実際あいつは良い奴だからな、選択肢としてはアリだ。
それに押し倒して家系図に加えようとするようなのに比べれば、クリシャは昔跳ねっ返りだったとしてもそれでもさっきのに比べりゃ天と地ほどのレベルでおとなしいってのもあるが」
「えぇ……………大丈夫だったの?」
「そうでなければ今も独身街道を歩んでないよ」
「あっそう………………」
「さて、それじゃあ俺は教室に戻ってるからな」
「いってらっしゃ〜い」
いろいろこいつらと駄弁ってはいたが、ちゃんと食事を進めながらやっていたので冷めるような事態には陥ってない。そして今日はクリシャは俺らのところに来なかった。あいつこのあと精神保つかな?
実際昨日の出来事は性的な興奮よりも「何やってんだこいつ」と「この痴女は誰が呼んだんだ?」の二つがほとんどを占めていたし、そのわずかな残りも「こいつ露出狂なのか?」と言う疑問が多数派だったりする。それになんかガキすぎるのもあって俺の琴線には触れなかった。もう少し肉を付けてから出直しましょう。
まあ、とりあえずは飯も食い終わったしちょっとやってやっておきたいこともあるのでここらで教室に戻るとしますかね。
そうしてやりたいこと─つまりは日本語教本を読みながら問題を解いていくこと─をやっていたが、昼休み終了のチャイムが鳴って生徒らが戻って席についたので俺も日本語教本を机にしまって次の授業に備える。
とりあえずポーランド語板教科書を用意してくれた本国の優しさに感謝しながら授業を受け、5時限目も無事に追いつきながら終えることができた。
短い10分程の休憩時間にも日本語教本を机から取り出してさっきの続きをしようと思ったが、前の扉に一人の他クラスの生徒が立っていた。どうやら様子を見るにこのクラスに用事があるようだ。
「やあお嬢さん、このクラスに何か用事があるのかい?」
「あーっとそのですね、ウチは1年3組に所属するギリシャ出身の"クロエ・アダミディス"なんですが、ウチのクラス代表に選ばれた専用機を持たないけどISの操縦がすごい上手いニュージーランド代表候補生の"キャンディス・フォークランド・グレイ"さんが怪我をしてISをしばらく動かせなくなってしまってですね……………それで6組の代表候補生か専用機持ちに3組の代理で対抗戦に出てもらえないかなと思って来ました……………」
「とりあえずその"キャンディス"には『お大事に、早く怪我が良くなることを祈っているよ』と伝えておいてくれないか?それで代理は……………シャールカ以外なら誰にでもどうぞといったところだな、なんか良さそうなのを選んで頼めばいいさ」
「えっ?良いんですか?」
「どうぞ、それにこれはこれで面白くなるだろう?」
「えっあっはいそうですかね?」
「そんなもんだよ、さあ、君は誰を選ぶんだ?」
「えーっとそれじゃあ……………スタニスワフさんでお願いします……………」
「…………うん?誰だって?」
「スタニスワフさんですね、どうか代理をお願いします!」
「嘘ぉ!なんで俺を選んだ!?俺ふっつーに一般生徒にやられかねんからな!?」
「親身に対応してくれたので…………?」
「ああ、そう言う理由………………?いやこれ君のクラスにどう説明すんのさ、『親身に対応してくれたから2人目の男性パイロットに依頼しました』とでも説明すんの?」
「それで行こうかなと……………ダメでした?」
「問題が大有りだな、まず根回しとかしようねって話。あともうちょっと冷静になって考え直そっか、ね?今ならまだ引き返せるよ?さ、ここにいる4人から選んで行ってね!俺はちょっと日本語教本読まなきゃいかんからさ!それじゃ!」
「でもさっき『これはこれで面白くなる』って言いましたよね?あれってそう言う参加するという意味で捉えて良いのかと思ったんですけど!?」
「いやまあそうは言ったよ、でもね?意味合いとしては『見る側としても楽しくなる』なんだよ、参加するつもりはなくただ見てるだけのつもりだったんだよ!」
「でも良いじゃないですか!楽しめるでしょう?ほら、サインしてくださいよ!」
「……………わかった!わかったよ、その話受けるさ!だからサインするから視線で圧力かけてくんのは勘弁してくんないかなぁ!?」
「よかったね、クロエちゃん!これでスイーツパス手に入る確率が上がったよ!」
「はい!6組の皆さんには本当に感謝してもしきれません!」
「……………泣けてくるぜ…………………」
「さっき私に被せた報いですよ、大人しく受け入れたらどうです?」
「なんてこった、正論だぁ………………」
どうやらギリシャ出身の3組の生徒"クロエ・アダミディス"はクラス代表として選ばれた生徒が怪我の治療で対抗戦に出れないから代理人を6組の誰かに頼めないかと言うことでここに来たらしい。
実際専用機を持っている代表候補生がここの代表になったシャールカを除いても4人いるから割とここを選んだのは妥当な選択ではある。ただ彼女が誰を選ぶかは彼女の意思に任せようと思って眺めていたがよりにもよって俺を選んだ。
いやなんでさ、もっと他に選択肢あったよね?なんで俺を選んだのかな?聞き間違いだよね?そう思って聞き直すが残念ながら事実であった。しかもなんかただ見る側として発言した言葉がなんか違う意味で捉えられるしサインしろよとクラスからは視線で圧力向けられたのでやむなくクラス代表代理書にサインせざるを得なかった。ちくしょう、覚えてろよ。
こうして3組のクラス代表騒動は幕を閉じたわけだが………………なんか疲れたな、俺の席が窓側で春の暖かな日差しにフルに当たると言う立地も相まってすごい眠い。今なら快眠できる自信すらあるぞ。
「は〜い、それではこれから6時限目の授業を始めますね〜。ところでさっきこのクラスからクロエさんが出て来たんですが何があったんですか〜?」
「3組のクラス代表が怪我して出れそうにないので代理をスタニスワフさんに依頼して、それを受けただけですね」
「なるほど〜、そう言うことでしたか〜。スタニスワフさん、ぜひ頑張ってくださいね!代理人が勝利すると代理しているクラスと所属のクラス両方にスイーツ無料パス半年分が配布されますので頑張ってくださいね〜!」
「了解!頑張ります!」
「あら〜、先生の応援で元気一杯になったんですか?」
「いや甘いもんが無料で食えるんなら受ける以外ないでしょうが、何言ってんですか?」
「先生傷つくわ〜……………せめて嘘でも良いからそうですって言ってほしかったな〜……………」
「それよか早く授業始めてください、時間無駄にはできんでしょう?」
「はい…………それじゃあ授業を始めますね〜……………」
ビルクステッド女史が教壇に立ち、何があったのか聞いて来たので起こったことをシャールカが若干噛み砕いて説明する。実際その通りである。そしてどうやら代理が勝つと所属と依頼クラス両方にスイーツパスが届くと言うことなのでやっぱ代理受けてよかったかもしれんな。*5
さて、俺も甘いものは好きなので実際これに釣られたのは事実である。そしてビルクステッド女史がなんか戯言言ったのでつい素で返す。なんか落ち込んでいるがそれよりも授業を進めていただきたいね。
そうして6時限目の授業が始まるわけだが、まさかまさかの2正面作戦でやり合うことになってしまった。片方は眠気、もう片方は日本語の授業と言った具合に両方ともかなりの強敵であり、それでもなんとか強敵の攻勢を凌いでやっとこさ全ての授業を終える。
この2正面作戦をなんとか凌ぎ切った俺は眠すぎてどこでも寝れる状態になっている。あそこの木の下で昼寝したら気持ちいいだろうなぁ……………