Infinitum Exosphere - 無限の成層圏を超えて -   作:一般通行ポーランド空軍士官

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Sekcja 15. 気性難、生徒会へ突撃する - 或いは青い雫の罪と罰、そして取り調べと馬術部と -

 

 

2042年4月7日

 

日本国沿岸 人工島 IS学園

 

 

俺らは先程放送で来るように呼ばれた職員室から教師の案内で取調室へと移動している。とは言っても今回の事件に関しては俺なんもやってないのでアリーナであったことを淡々と報告するだけだろうな。

そんなことを思いながら歩いていたが、どうやら取調室に到着したようだな。そしてクリシャと俺は別の取調室に入っていく。

 

「それでは、これより"セシリア・オルコット銃撃事件"でのスタニスワフ・エウゲニウシュ・シャレ=グルスキへの取り調べを始める。取り調べは体育担当教員の"ヒルデガルト・エルフリーデ・フォン・マントイフェル"が担当する」

 

目の前で俺の取り調べを担当するマントイフェル女史が録音・録画システムを作動させてからテストも兼ねてそう告げる。なるほど、"フォン"がついてるってことはマントイフェル女史はドイツ貴族だったのか。

そんなことを思いながらも俺は淡々と事実を供述していく。どう足掻いたってあいつが100%悪いし、俺とクリシャはとばっちりを受けただけだ。

 

「それでは最初の質問だが、何故銃撃されたか、心当たりはあるか?」

「1年3組のクラス代表が負傷して対抗戦に出れないってんで3組から代理を依頼されたが、多分それじゃないかとは思っているな」

「そうなのか。次の質問だ、そのクラス代表代理はどのようにして選ばれた?」

「1年3組の自由意志による総意とこれまでのデータから判断された」

「そのデータとはどのようなものなんだ?」

「耳貸してください、そうしたらマントイフェル教諭にだけは教えますよ」

「う、うむ……………わかった」

「そのデータは戦績です。ポーランドで受けてきたIS操縦訓練の一環で行った試合での戦績をまとめたもので、内容は国家代表相手ならば有利な状況に持ち込んだ状態で判定勝ち含め勝率3割。代表候補生序列上位なら五分五分、と言った内容のものです」

「そ、そうか………………」

「くれぐれもこれは秘密にしてくださいね。マントイフェル教諭は良い子だから秘密にできますよね?」

「あ、ああ……………!誓って秘密にする……………!」

 

第1の質問はまあ3組の代理を受けたことぐらいだろうな、あいつ目立ちたがり屋なんじゃねえかな?

そして第2の質問はまあバーシアがお漏らししたデータと3組の総意によるもので脅迫とかは本当にしていない。するつもりもないが、いくら俺が気性難でも無闇矢鱈と暴れ回るわけじゃないぞ!必要な時に暴れるだけだからな!

第2の質問に答えた際に出てきたデータの内容が気になったマントイフェル女史は俺に聞いてきたので耳を貸すように─顔の良さを生かしながら─頼むと、若干頬を赤く染めながら耳を貸してくれたので録音されないように囁いて答える。

そうして囁いて答えれば頬の赤みが強まった。一応秘密にするように念を押せば何度も強く頷いて同意したのでマントイフェル女史から囁いた情報が漏れたりはしないだろう。

ただ多分もしかしたらマントイフェル女史の性癖開拓しちゃったかもなぁ……………せめて大人しいことを祈ろう、マリーシャが増えるのは勘弁願いたい。

 

「よし……………それでは第3の質問だ。"銃撃事件"の際、第7アリーナで何をしていた?」

「クリスティナ・ヤドヴィガ・コヴァルスカ教諭とISの操縦訓練をする予定でした」

「そうか。第4の質問だが、銃撃を受けた時にセシリア・オルコット代表候補生は何か言っていたか?」

「何も言っていませんでしたよ、無言で撃ってきました」

「なるほど。第5の質問だが、説得は可能だったか?」

「不可能ですね、あれは狂人ですよ。言葉は通じないし何か言ったらすぐ撃ってくるようなやつですから、だったら武装解除させるには叩きのめすしかなかったんですよ。正確にはほとんどクリシャがやったんですけど」

「そうか、ところでクリシャとは誰だ?」

「コヴァルスカ教諭のまぁ、あだ名ですよ。ヴィルヘルムをヴィリーと呼ぶ感じのね」

「そうか………………供述と提供された証拠映像とのずれは確認できない、捜査協力に感謝する」

「ありがとうございます、ちゃんと彼女に罰が与えられると良いんですが」

「恐らく独房でしばらく過ごすことになるだろう、その間は何も起こらないだろうさ」

「そうですか、早いとこ彼女には更生してほしいですね。それでは、失礼しました」

 

取り調べを無事に終え、解放されたので体を伸ばしながらクリシャを待つ。クリシャの方はフルパワーでオルコットのISを切り刻んじゃったので多分その影響だろうな、俺は大人しく待っておくだけにしよう。

……………いや、そう思っていたがやることがあったな!あの痴女がいるとかいう生徒会に突撃して俺の時間を奪ったという負債を利子つけて払ってもらうと言うことを!そうと決まればすぐに行こう!

 

そうしてウキウキで生徒会室まで移動することになったわけだが……………やっぱり2人しかいない男性IS操縦者なだけあって注目度がすごく高いな。

そういや"織斑一夏"とは一度も出会っていないな…………まあいつか出くわすだろ!

まあそんなことを考えながら歩いていたがどうやらここが生徒会室らしい、と言うことで扉を開けて挨拶をしてやろう!

 

「邪魔するぜお嬢さん方ァァ!!負債を利子付きで払ってもらいにきたぞ〜!!」

 

勢いよく無駄にでかい扉を両方開いて大きな声で、そして(凶悪な)笑顔で挨拶をする。

さて、扉を勢いよく開いた先には昨夜出た青髪の痴女が恐らく従者らしき3年生の眼鏡をかけた女学生、1年生ののんびりとした雰囲気のちびっ子と共にと居た。

それでは昨夜俺の時間を奪った負債を返済してもらおうかなーっと。"インテルマリウム"の奴らからは生徒会に俺を入れて監視しようとしている、と言う情報も入ってきたので先に手を打っておくか。

と言うことで俺の要求を伝えて通してもらおう。俺は有能な将校なのでこう言う動きは手早くやるのさ!

 

「それで、青髪の痴女さん。昨夜俺の部屋に裸同然の格好で不法侵入して俺の時間を奪った件での負債を払ってもらいにきました。もちろん受けますよね?」

「は、はい………………」

「それはよかった、拒否するようならば然るべき措置を取らねばならないところでしたからね」

「そ、そうなの…………ところで負債を払うってどう言うことかしら?もしかしておねーさんの体で払うの?」

「いやお前みてーな貧相なガキに興奮するかよ、せめてもうちょい肉をつけてから出直せや」

「貧相なガキって………………おねーさん傷つくなぁ………………」

「そんなのいいからさっさとこの書類にサインしろ、今すぐな」

「……………これ、何かしら?」

「IS学園"馬術部"の結成承認書類。ほら早くしろ、これにサインすればお前の負債は帳消しになるんだぞ。これほどまでに優良な金融会社はなかったろ?」

「……………まあ、それくらいならいいかしら…………………はい、サインしたわよ」

「ん、ありがとさん。それじゃ用済みだからもう二度と俺らに関わってくんな、次は絞首台に吊るして火炙りにするぞ」

「ポーランド怖い………………」

 

よし、俺を生徒会に入れられないように先回って"馬術部"を結成書類を用意して書類上だけでも他の部活に所属していると言う形にすればこいつらは手を出せなくなる。

これで完璧だな!馬術部を結成したのは俺の趣味を兼ねてでもあるが!

何はともあれ、これであの痴女は俺を生徒会に組み込んで監視すると言うのはできなくなる。俺は乗馬ができてwinだし、あいつが生徒会に組み込めなくて悔しがる姿を見れて俺にwinでwin-winだな!*1

さて、これで打つべき手は打ったしあとは取調室のところまで戻るだけだ。他に聞いておくことはオルコット嬢に与えられる処分だけだろうな。

にしてもこうして問題が一つ消えたわけだからいやぁ気分はいいね!そんなこんなで気分が晴れたので軽い足取りで取調室まで戻っていく。

 

そうして取調室まで戻ってきたわけだが……………俺を見つけたクリシャが勢いよく突っ込んできた、大人しく受け止めてやるか。

さて、飛びかかったクリシャをそのまま受け止めず抱き抱えた状態で数回回転し、遠心力へ運動エネルギーを変換して勢いを殺しておく。こうしないと俺が押し倒されて尻餅をついちまうからこう言うのは大事だったりする。

 

「大佐!一体どこに行ってたんですか!?」

「いや何ちょっと野暮用でな。まあこれがその野暮用なんだが」

「…………"馬術部"の結成ですか?」

「そう、どうせあの痴女は俺を生徒会に入れてきそうだからな。だからその先回りをしてやったわけだ」

「ほぉ〜…………素晴らしいです!やっぱり大佐だけが私の司令官です!」

「有能な将校の条件は『行動が早いこと』だ。覚えておけよ」

「はい!肝に銘じておきます!」

「ところでオルコット嬢に下された処分などんなもんだ?」

「下された処分は1組代表決定戦までの授業を除く独房での本日からの禁錮6日と反省文500枚に1日5時間の奉仕活動、それから特別社会科教育の受講と道徳教育の補修もあります」

「へえ、結構強く出たな」

「ですが生温くも感じますね」

「ここはポーランドじゃないからな、そう思っても仕方ないだろうさ。それよりもアリーナに戻ろう、訓練をしないとな!」

「はい!」

 

さて、受け止めてそのまま抱き抱えられた状態のクリシャへ痴女から払ってもらった負債の支払い代金でもある、痴女のサインがある馬術部結成承認書類を見せる。

そしてクリシャの方でオルコット嬢に下された処分を聞いてないか聞けば、下された処分の内容が答えられてくる。有能な部下を持って上官冥利に尽きるよ、今日の夕食はクリシャの好物を用意しておくかね。

とりあえず問題は今のところ消え去ってくれたのでクリシャと共にアリーナに戻って訓練を再開するとしよう。さっきはあのオルコットに邪魔されちまったが、今なら邪魔は入らんだろうしな!

 

 


 

時計の針は進む、ただ時を刻む為に

 

斯くして鷲馬は痴女から負債を取り立て、青の雫は犯した罪の罰を受ける

 


 

── Sekcja 15. Koniec. ──

 

 

*1
違います

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