Infinitum Exosphere - 無限の成層圏を超えて -   作:一般通行ポーランド空軍士官

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緊急の用事により昨日は執筆できなかったので初投稿です。


Sekcja 19. 鷲馬と有翼騎兵、開き直る - 或いは告白の後日譚と一夫多妻制と -

 

 

2042年4月9日

 

日本国沿岸 人工島 IS学園

 

 

朝の陽射しに瞼を開ける。ふと柔らかな重みと暖かみを感じたのでその方に目をやれば、下着姿のクリシャが抱きついて寝息を立てていた。全く可愛いやつだ。

とは言ってもこのまま起こさないと遅刻しかねないので、快眠を貪ってる最中に申し訳ないがクリシャを眠りの海から引き上げるとしよう。

時計はそれなりに余裕こそあるが、それでもここVIP宿泊棟からだと結構急ぐ必要がある。

 

「早く起きろクリシャ、遅刻しちまうぞ!」

「むぅ…………あと5分だけ…………」

「残念ながらその要請は却下された。貴官の健闘を祈る、だから腕を離してくれないか?」

「やだぁ…………今日は休みますぅ……………」

「悲しいかな、今日も授業があるんだ。さあ、早く起きろよ寝坊助さん」

「ぬぅ…………わかりましたよぉ……………」

「それじゃあ着替えてこい、ちゃんと自分の部屋でだぞ!わかったな?」

 

さて、なんとかクリシャを眠りの海から引き上げられたのでクリシャを部屋に戻らせてからいつもの軍服に着替えておく。

今日は時間的な面からも食事を作る余裕はないので昼食を食堂で食べることになるだろうな。明日は頑張りましょう。

とりあえずは朝食代わりに牛乳と軍のレーションにも入っているエナジーバー2本を俺とクリシャの分用意しておく。さて、適当に取ったのでこれは何味かなっと。

牛乳を飲んでエナジーバーを齧っていると軍服に着替えたクリシャがそのデカい胸部装甲を揺らしながら走ってきた。いいね、眼福だ。

 

「大佐、今日の朝食は………それですか?」

「生憎と今日はこれだし昼は食堂だ、時間的余裕もないからな。明日はちゃんと作ってやるよ」

「その言葉信じますよぉ…………?」

「信じろよ、裏切りはしなかったろ?」

「……………そうですね……………」

「………おい待て、一体なんだ?何をするつもりだ!?」

「……………なんでしょうね?」

「せ、せめて授業全部終わってからにして欲しいなぁ………………」

「…………わかりました、では楽しみにしていますね」

「……………選択を盛大に間違えたような気がする……………」

 

ベリー味のエナジーバーを食いながらクリシャへエナジーバー2本を投げ渡してやるが、クリシャは受け取ったものに不満げな視線を寄越してくる。時間に余裕が無いことをご存知でない?

昨日の疲弊もあってかなり深い眠りについていた影響もあってか時間に余裕が無いために昼食は食堂で摂ることになったと伝えるが、不満そうなので何とか宥めすかす。

それを不満に思ったか少しずつ無言で距離を詰めてきたのでなんとか距離を取ろうとしたが、悲しいことに壁際に追い込まれてしまった。我らが救世主よ、聖母マリア様、どうか哀れな仔羊をお救いくださいませ……………

現実逃避はここまでにして、何はともあれまずはこの状況を切り開くべく言葉を紡ぐ。その結果はその場凌ぎだが今はなんとかなった。まあ後でなんとかならないんだろうが!

さて、ちょっと一波乱あったが無事エナジーバーを齧って牛乳で流し込んだのであとは急いで教室へ向かうだけだ。

 

…………学園内に足を踏み入れた瞬間から多数の視線と囁き若干聞こえてくる。多分昨日のアレだろうな、まあ開き直って堂々とそのまま教室へ向かうんだが。

そうして教室に入るとビルクステッド女史が教壇で待機していた。あー…………多分俺とクリシャとの関係を聞きに来たんだろうか?

 

「スタニスワフさんとコヴァルスカ先生が交際していると言う噂が昨日から流れているんですが、何か心当たりはありますか〜?」

「昨日からそこのクリシャと交際することになりました。成人同士なので問題はないと思いますが?未成年に手を出すよかこっちの方がよっぽど健全ですよ」

「ひ、開き直るんですか〜?」

「大佐と交際しているのは事実ですので、開き直るではなく認めただけです。成人同士の健全な交際を心がけるようにしていますが、何か問題でも?ビルクステッド教諭」

「……………交際は、いつから始まっていたんですか〜?」

「昨日私がキスをしてから大佐に告白して、それを大佐が受け入れてくれました」

「うわぁ〜……………うわぁ〜……………」

 

その読みは若干当たっていたようで、俺とクリシャが交際していると言う噂が流れているようだがな……………残念それは事実なんだなぁ!と言うわけで開き直って堂々とする。又の名を投げやりとも言う。

開き直ったのを疑問に思ったビルクステッド女史だったが、クリシャが補足をしていく。やっぱり持つべきものは頼れる副官だな!押し倒してくるのは勘弁願いたいが!

ビルクステッド女史が今度は交際はいつから始まっていたのかも聞いていき、それにもクリシャが答える。それで合っているんだが、この副官あまりにも堂々としすぎててそこらの男より男らしく見える。

そしてビルクステッド女史は色恋沙汰に免疫がなかったのか顔を赤くしながら生娘みたいな反応をする。そういやISのパイロットって男と関わる機会少ないから色恋沙汰には疎いんだったっけな。

 

「え、えーっとそれでは……………これより1時限目の授業を始めたいと思います〜…………」

 

いまだに先のクリシャによって語られた告白の詳細の残滓が残っているのか、普段と違って少し萎れた感じになりながらもビルクステッド女史は1時限目の授業を始める。

…………そういやふと思ったことなんだがIS学園の教師とか国家代表って結構婚期逃しそうな気がするんだよなぁ…………だとしたらクリシャはかなりの勝ち組になるんだろうな…………少なくとも俺がいるからな!

そんなくだらないことを少し考えていたが授業に集中して取り組み始める。これまでの日本語学習と少しずつ慣れてきたのもあってか、これまでよりはほんの少しスムーズに授業に食らいついている。

 

「それでは、これにて4時限目の授業を終わります〜。コヴァルスカ先生はちょっと私と来てもらえませんか〜?

「……………?はい、わかりました」

 

4時限目の授業が終わるとクリシャがビルクステッド女史とどこかへ移動して行った。もしや詳細を聞き出すためだろうか?割と考えうると言うかなんというか……………まあいいか!なんとかなるだろ、多分な!

今日の飯を何にしようか考えながらウキウキで食堂へ向かうが、やはり昨日から流れた噂の影響か視線や囁きが聞こえてくる。

まあその噂で気にすることなんてないので堂々と振る舞うだけなんだが!そもそも噂は100%事実でしかないってのもあるんだが。

今日の昼飯は…………ステーキセットでいいか。焼き加減はミディアム、量は650gで主食はパンにしよう。それからスープは具沢山コンソメスープでサラダは卵サラダにしよう。

昼飯は決まったから紙幣を投入して手早く食券を買ってオーダーを通し、トレーを取って受け取り列に並んで待つ。

よし、昼飯のセットを受け取ったので空いてる席を素早く確保してそこで飯にありつく。今日は他の奴らは色々と用事があるようなのでバーシアと俺の2人で静かな昼食を摂る事となった。

 

「…………大佐、どうしてコヴァルスカ大尉の告白を受け入れたのですか?」

「そりゃあまあ…………あいつのことはそれなりには好いてたからな。それに、俺としては気心が知れているってのもある。だから受け入れた、それまでだ」

「そうですか…………ところでハーレムはご存知ですか?」

「あぁ…………ニューヨークの黒人街か?それともオランダの都市のことか?」

「いえ、重婚についてです。大佐は興味はありますか?」

「ないね、もう俺の伴侶とまでは行かんが相手は決まっているようなもんだ。増やすつもりはないね」

「情報局から届いたのですが、現在国際IS委員会が"男性操縦者に対する一夫多妻制の適用を認めるか否か"といった議題が出ているとのことです」

「ふぅん…………だが重婚ってのはどうにも気分が良くないな。それに、俺は代々ずーっとカトリックの信者なわけだし」

「そうですか…………ですが受け入れざるを得なくなる可能性もありますよ?」

「知るか、そんなことよりは聖書の方が大事だね」

「えっ…………ですが夜のお相手の選択肢を増やせますよ?」

「一人で十分だ、それに一夫一妻制は神が定めた制度でもあるからな」

 

バーシアはなぜ告白を受け入れたのか聞いてきたので素直に答えていく。そもそもあんなに良い女に迫られて断る奴なんざいないだろうがな!

次に本国から通信で届いた情報を共有していく。どうにも国際IS委員会が"男性操縦者に対する一夫多妻制"の適用を認めるかどうかといった議題が出ているらしい。認めずに却下してくれ!

そもそも俺の家は先祖代々カトリックの信者というのもあって一夫一妻制以外認めるつもりはないんだが!それに一夫一妻制は聖書にもあるように神が定めた制度だから、それに逆らうのはどうかと思うしな!

さて、そんなこんなでそれなりの量があった昼飯を無事に食い終わったので教室に戻り、5時限目、6時限目の授業を受ける。

俺この授業が終わった後クリシャに絞られそうな気がするなぁ……………生きて明日の朝日を見届けられると良いなぁ……………

 

 


 

時計の針は少しずつとある"時刻"に迫る

 

斯くして鷲馬と有翼騎兵は開き直り、噂を真実とした

 


 

── Sekcja 19. Koniec. ──

 

 

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