【カオ転三次】人外系俺達(と、その周辺)の日常   作:大喰い

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前回と今回で実質前後編なので初投稿です。



★オカルト未満の変なウワサ話を集めるスレ 17話目+α

584:名無しのデビルサマナー

非人型式神をペット感覚で連れてる奴大杉

タヌキとかキツネとかけっこう目立つのに

 

585:名無しのデビルサマナー

シロクマサイズのハムスターとか外出るときぐらい小さくしろよと

かわいいのは分かるが

 

586:名無しのデビルサマナー

>>585 どこがだよ何でネズミ系なんだよちゃんと本人が来いよネズミよこすな

 

587:名無しのデビルサマナー

>>586 おは二階堂*1

 

588:名無しのデビルサマナー

>>588 それもう若いやつに通じなくね?

 

589:名無しのデビルサマナー

転生したら皆若いから・・・(震え声

 

590:名無しのデビルサマナー

そういえば本部近くの怪しい病院は結局大丈夫だったの?

 

591:名無しのデビルサマナー

あそこはそういう趣味の俺達がやってる病院ってことで結論が出てる

 

592:名無しのデビルサマナー

なんもかんもあのナース式神が悪い

 

593:名無しのデビルサマナー

最近閉まってるから摘発されたのかと

 

594:名無しのデビルサマナー

>>593 マ?

 

595:名無しのデビルサマナー

摘発は草

 

596:名無しのデビルサマナー

先生と式神ナースの啓蒙が高そうなだけで何もなかったぞ

無かったよな?

 

597:名無しのデビルサマナー

さすがにヤバいことしてたら周知されるんじゃねえかな

 

598:【FREEZE】

【BIND】*2

 

599:名無しのデビルサマナー

あれはアイツが自分で黒札向け配信してたし

 

600:名無しのデビルサマナー

あ、消されてる

てことはアレ本物だったんだ…

 

601:名無しのデビルサマナー

この話はやめよう ハイ やめやめ!(AAry

 

602:名無しのデビルサマナー

東北のフライングヒューマノイドはまだ出てない?

 

603:名無しのデビルサマナー

>>602 初出かも kwsk

 

604:名無しのデビルサマナー

なんか夕方に人っぽいシルエットが飛んでたらしいぞ

ジェット音と共に

 

605:名無しのデビルサマナー

飛行機の見間違いじゃないか流石に

 

606:名無しのデビルサマナー

ジェットパック開発してる俺らっていたっけ

 

607:名無しのデビルサマナー

デモニカ用装備で却下されたことなら

 

608:名無しのデビルサマナー

お前提案者かよ

 


 

 深夜。

 富士山の麓、かつては古びたコテージ群が、今は巨大な霊的組織【ガイア連合】の山梨支部がある地に向けて、一台のマイクロバスが進む。

 運転しているのは、顔色の悪い男……【柳夢クリニック】の医師である。

 彼は外灯の無い山道を、揺れるのも構わず、バスの座席にいる()()を気にした様子もなく走らせていく。

 

(ようやくだ……ようやく準備が整った)

 

 彼は現在のガイア連合の活動に不満はなく、盟主であるショタオジに感謝もしていた。

 ただ一点のみ。

 彼は『ショタオジには危機感が足りない部分がある』と考えていた。

 黒札内でも賛同する同志は集まった。

 手段や方針について意見が分かれ、それぞれの派閥で競うような形になってしまったが、それでも協力し合いながら、今日まで準備を進めてきた。

 

(今日、ショタオジ含めた幹部達が集まることは確認済み。あとは直接訴えるのみ)

 

 幹部達とて直接問題を提示し、僅かな手間で解決できる策と併せて示せば理解は得られよう。

 ただし問題はショタオジ本人だ。

 これまでの情報から、ショタオジ自身は消極的で、通常通りに上申しても先延ばしにされる可能性が高い。

 故に、有無を言わせず衆人の前で突きつけることが必要だった。

 カーブを抜け、展望所を兼ねた離合スペースが広がる。

 もうすぐ開発の進む支部の敷地が見えてくる―――というところで、男は異常に気付く。

 

()()()()()()()()()()()

 

 いかに蛇行が続く山道だろうと、麓の町までそう遠くはない。

 にもかかわらず、支部の入口までが不自然に遠い、どころか、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まずいっ」

 

 急ブレーキでマイクロバスの慣性を殺す間にも、前方の曲がり角も後ろの木々も、ガードレールすら急速に遠のいていき。

 男とバスは、木々で囲われアスファルトで舗装された、異常の只中に取り残された。

 

「……これは」

 

 バスを降り、周囲を見渡す。

 恐らく結界、それも迷宮の類。

 人を飲み込み、道を惑わす不帰(かえらず)の森。

 だがこんなものを、霊山富士、それも天下のガイア連合の根拠地で展開するなど正気ではない。

 

「いったい誰が―――」

 

「私だ」

 

 低い男性の声。

 振り向くと、支部へと続く方から、ゆったりとした動作で歩み寄ってくる姿があった。

 手足が短く丸いシルエットに、隈取のように黒い目元。

 短く丸めの耳に、黒い鼻先、もこもことした体毛に覆われた四足歩行。

 まごうことなきタヌキがそこにいた。

 

「さすがに、このまま幹部会まで通すわけにはいかないからね。ここで待たせてもらったよ」

 

 歩み寄るにつれて大型犬ほどの大きさだとは分かったが。

 ケットシーのように立ち上がるでも、信楽焼のようにデフォルメされているわけでもなく。

 シンプルにデカいだけのタヌキが、ひどくダンディーな声で語りかけてくる。

 男は一瞬混乱したが、すぐに取り直す。

 

「式神、いや仲魔か。化け狸なら人を化かす逸話に事欠かない、足止めにはうってつけか」

「概ね間違いない。結界で一時的に魔の森として切り分けた。解除されないうちは、先に進むことは出来ないようになっている。

 それで、だ」

 

 男と一定の距離を開けてお座りしたタヌキが、視線をマイクロバスの方へ向けて切り出す。

 

「そこに()()()きたモノで、何をするつもりだったのかな?」

「…………」

 

 僅かな間の後。

 開けたままだったマイクロバスの乗降口から、女性達が降りてきた。

 黒髪で均整の取れた肉体の日系人。金髪碧眼で肉付きの良い北欧系。白髪でスレンダーな黒人女性。

 ライトグリーンの長髪で尖った耳の妖精(エルフ)。短い青髪で狼のような耳と尾を付けた人獣種(ライカンスロープ)

 妙齢、幼年、長身、矮躯、種族、いずれも異なる20体。

 それらが並び、姿形を不定にブレさせながら、男の後ろに控えた。

 男がタヌキを睨む。

 

「……私がこれまで採取、抽出し、複製してきた黒札たちの混在種(ハイブリッド)だ。

 あらゆる形質、属性に対応可能と自負している。これにより―――」

 

 ―――ショタオジの性的趣向(このみのたいぷ)を選定する。

 

 一切笑うことなく、男はそう断言した。

 

「組織拡大、戦力拡充。必要なのは確かだが、後継問題をおろそかにする理由にはならない。

 いかに彼の力が絶大とはいえ、何かがあってからでは遅い。

 ……故に。我々S(ショタオジの)N(仲人を目指す)K(会)は営々と準備を重ねてきたのだ。

 ここで止まるわけにはいかない」

 

 どこに隠す場所があったのか。男は、自身の頭の2、3倍は長さのある、筒状にした金属格子を足元から拾い上げ、顔を覆うようにそれを被る。

 同時に、男の背後に白衣を纏い、メスや注射器を幾本も両手の指に挟んだ、死体の如き男の姿が浮かび上がる。

 

「ペルソナァッ!!」

 【魔術師(The Magician)】ハーバート・ウェスト 

 

 男の宣言を皮切りに、ペルソナは絶え間なく両腕を振るい、()()()()()()()()()()()()()

 そしてそれらはペルソナにより集め、縫い留め、組み立てられて、元の20人を優に超える大きさへと形成されて。

 無数の人体で組み上げられた、寄せ集めの巨人へと再誕した。

 

「適任者がいなければ生み出せばよい。パートナーとしての式神技術の有用性は、他ならぬショタオジ自身が証明している。

 止まることなき我々【前進派】こそが、後継者問題を解決しうるのだ」

 

 生み出された異形の巨人に男が飛び乗る。

 

「いかに結界内とはいえ、山梨支部とは目と鼻の先だ。

 悪いが時間をかけずに通させてもらおう」

 

 巨人の腕が振り下ろされる。

 単純な重量による物理攻撃でありながら、素体の原料である黒札達の多様な性状の継ぎ接ぎにより、()()()()()()()()()()()()()()()()

 単一の属性防御では防ぎきれず、未だ座り込んだ体制の四足動物では躱しきれない速度と大きさで迫るそれが。

 

「見つかる心配なら気にする必要は無いよ」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「何故ならこの結界自体、ショタオジのところの猫又に許可を得て展開したものだからね」

「―――な、に?」

 

 変わらぬイケオジボイスのままで、タヌキは何の気負いも無さげに言葉を紡ぐ。

 

言伝(ことづて)も預かっている。

 『こんな下らないことでマスターに迷惑かけるにゃ』とのことだ。

 ―――ついでに。君の攻撃に関しては、『事前の備え』だと言っておこう」

 

 ゴオン、と。

 上空から巨大な金属コンテナが、タヌキを四方から囲むように落下する。

 そして自動で解放され、内蔵された銃が、砲が、ミサイルが、ロケットが、ドリルが、チェンソーが、用途の分からない金属板が、タヌキの背後から覆いかぶさるように組みあがっていく。

 

「合体の浪漫を解する点は評価したいが、そもそも他人の恋路に口をはさむのはどうかと思うがね」

 

 タヌキが語る間にも、男は巨人を再生し、再度殴りつけ、地面を抉り投げつけている。

 しかし届かない。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 あまりの光景に男が絶句する中、タヌキは背後の装備から伸ばしたロボットアームで、煙管に火を付けた。

 

「この体では締まらないが、一応言っておくとしよう」

 

 

 ―――君は『対魔術式駆動鎧(アンチアートアタッチメント)』ってものを知っているか?

 


 

413:★運営F

とりあえず、式神作成班の新開発技術のおかげで、愛玩用式神の作成ペースの上昇が可能になりました。

その分浮いた人員で戦闘用式神ラインの増員や、外装部分の品質向上が見込まれますがぶっちゃけ誤差です☆

 

414:名無しのデビルサマナー

運営仕事しろ

 

415:名無しのデビルサマナー

はーつっかえ

 

416:名無しのデビルサマナー

いや確かに生き物感増えてクオリティ上がったよ?

でも中身やっぱりおバカなままじゃん

 

417:名無しのデビルサマナー

>>416 レベル上げろ定期

 

418:名無しのデビルサマナー

>>417 レベル上げとか危ないだろ定期

 

419:名無しのデビルサマナー

>>418 レベル上げない方が危ない定期

 

420:名無しのデビルサマナー

そんなすごかったの新規増員の技術班

 

421:名無しのデビルサマナー

なんで今更技術班来たんだろうなそいつ

 

422:名無しのデビルサマナー

??「私も昔はサマナーだったが、膝に矢を受けてしまってな・・・」

 

423:名無しのデビルサマナー

その新人、何か色々縛り乗っけてそうなチョーカー付けてたのを見たんだが、もしかして債務奴隷的な何かか?

 

424:名無しのデビルサマナー

懲役代わりに作業とか・・・?

 

425:名無しのデビルサマナー

いやいや俺達相手にそんな

 

426:名無しのデビルサマナー

いやでも俺達だし

 

427:★運営F

新人さんの事情については秘密です☆

 

428:名無しのデビルサマナー

あっ(察し

 

 

*1
漫画「動物のお医者さん」の登場人物・二階堂昭夫のこと。大のネズミ嫌い。

*2
元書き込み:「チクタクマン事件とかな」




・医師の男
 医者俺達にして、秘密結社(※サークル活動)『SNK』の一人。見た目は悪夢の主、ミコラーシュ(Bloodborne)で、ペルソナ使い。
 病院で俺達の診察を行う傍ら、採血などでサンプルを集め、体細胞クローンのような複製品を作ろうとしていた。途中で装備したメンシスの檻は連れていた多重クローン制御のための精神干渉器具で、自我のほぼ無いクローン達との接続が自己の拡散≒覚醒ハードコースの臨死体験に繋がるため、ペルソナの召喚器としても機能する。
 タヌキに撃破された後はショタオジにより契約でガチガチに縛られた上で技術班へ出向、生体寄りのパーツの取り扱い技術が更新され、主に魅力値(App)が上がった。

・混在種
 医師の男が黒札のサンプルから作った肉人形。式神用パーツに転用することを視野に入れて開発していたため自我は無い。
 色々な俺達の組織サンプルから複製し、それらをごちゃまぜにして形成することでモンタージュのように容姿を変えられる状態を達成、副次的に「無数の人間の寄り合わせ」という概念から群体としての性質も得た。また、「生命ではないヒトガタ」なので死体としての概念にも対応し、医師の男のペルソナである死体蘇生者の格好の道具となった。

・秘密結社SNK
 正式名称『ショタオジの仲人を目指す会』。それなりに大規模になってきたガイア連合の棟梁でありながら身を固めないショタオジに危機感を抱き、結婚相手を用意しようとする一団。
 スタンスによって派閥が分かれており、医師の男は『いなければ作ればいいじゃない、技術は進歩するものだもの』が基本の【前進派】に属する。
 他にも『一番理想に近い人物を改造/プロデュースして、理想の相手として完成させれば問題なし』とする【完成派】、『同性愛の噂が広まれば否定のために真面目に相手探さないかな』という【腐敗派】、『色んな相手押し付けて反応見ながらニヨニヨしようぜ』な【愉悦派】が確認されているとかいないとか。

・タヌキ
 哺乳綱食肉目イヌ科タヌキ属に分類される食肉類(Wikipedia)。肉体的には覚醒したデカいオスのタヌキだが、黒札の式神でも仲魔でもなく、こいつ自身が黒札。
 戦後のメシア教による日本神の封印のさなか、四国の山口霊神社に祭られていた隠神刑部が同じように封印され、他の日本神と同様に俺達の召喚を行ったところ、タヌキとして生まれ変わってしまったバグ枠。
 素質としてはサマナー寄りだがCOMPも管も持てないため、術を頑張って習得していた。
 親もタヌキなので特に名前は無かったが、最近白髪TS少女(黒札)が「スレッタ」と呼んでよく絡んでくる。
 あと声がいい。

・対魔術式駆動鎧(仮称)
 タヌキが技術班過激派とのコネで借り受けた、拠点防衛用武装の没案。元ネタは『とある魔術の禁書目録』に登場した同名の兵器。
 山ほど積んだ近代・近未来兵装群を、地脈を使った呪法で属性変換しながら叩きつける脳筋武装。
 セキュリティと生産コスト、使用者の技量の問題をクリアできずに没になり、結局拠点防衛はシキオウジが正式採用、試作機のみでお蔵入りとなった。
 今回は実戦データのためという名目でモスボールしてた試作機を持ち出したが、後からネコマタも貸し出した技術班員も景気よくぶっ放したタヌキもショタオジに怒られた。
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