『裸の聖女』が世界を救うまでの物語 〜異世界召喚されてしまった少女は、早くおうちに帰りたいのです〜   作:柴野いずみ

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15:聖女の服は……ビキニ!?

 ニニとの修行が始まります。もちろん修行をする場所は、この薔薇の咲き乱れる庭園だそうです。

 修行って一体どんな内容なんでしょう? 痛くないものならいいなぁ、と思いつついると、ニニがこんなことを言い出しました。

 

「その前に一つ、聖女様にはお着替えをしていただきたく」

 

「え? お着替え? このドレスじゃダメなんですか?」

 

 ピンクのフリフリドレス。

 これ、かなりお気に入りなんですが。もしや聖女修行は結構泥まみれになったりするのですか? もしそうだったら嫌なんですけど……。

 しかし着替えの理由は私の想像したものとは違ったようです。

 

「火や水などといった攻撃魔法とは違い、光魔法は全身からその力を溢れ出させるという特徴がございます。聖属性の魔法を持っていらっしゃる方は希少……というより恐らくこの世界には聖女様以外には存在しないため、わたしはお見かけしたことがないのでなんとも言えないのでございますが、光魔法と聖魔法は系統が類似しているとのこと。ですから、肌の露出度は多い方が良いだろうと推測されるのでございます」

 

 うーん。

 まず、属性などがよくわからないのですが。え、光と聖って別の属性なのですか?

 私のファンタジー知識で言えば、火・水・風・土の四大属性に加え光・闇などがあることまでは知っています。でも聖魔法と光魔法は同じものだと思っていました。この世界ではどうやら別々のもののようです。

 

「聖属性と光属性の違いって何なんです?」

 

「――簡単に言えば癒しの力の強さでございます。わたしは実は光属性なのでございますが、治癒の力はわずか。その代わりとして光魔法は攻撃力に特化してございます。

 対する聖魔法は治癒の力が高く、穢れたものを浄化するという効力が非常に高いことから、癒しを専門とした魔法ということでございます」

 

 ふむ、納得しました。

 ニニって光属性なのですね。だから私の師匠に選ばれたのでしょう。光魔法は攻撃手段があると聞きましたが、どんなものがあるのか気になりますっ! まだこの世界に連れて来られてからというもの、単語を耳にするだけで魔法は見ていないのですよね!

 

 と、盛り上がってしまいましたが肝心なことを忘れていました。

 

「えっと。ところで着替えの服って何なんですか?」

 

「お持ちしてございます。どうぞご覧くださいませ」

 

 そう言いながらニニがどこからか取り出したそれ(・・)を見て、私は思わず絶句してしまいました。

 だってそれは――。

 

「び、ビキニ!?」

 

 純白のブラとパンティ。

 テカテカと輝くその衣装は間違いなく、水着――それも露出度を極限まで高くしたビキニだったのです。

 

「はい。聖女様はずいぶんと小柄でいらっしゃいますので子供用の物をご用意いたしました。それが聖女様のお洋服となりますが……お気に召しませんでございますか?」

 

 これ、本気で着るんですか?

 かなりエロいんですが、これ。太ももとか丸出しですし、なんなら胸も飛び出してしまいそうなんですが。うっかりR18になったりしませんよね?と心配になるくらいです。

 真夏のビーチに行くならともかく、普段からこれを着ろって……。乙女にこの格好をさせるなんて罰ゲームにもほどがありますっ。

 

 聖女と言うからには薄手のローブのようなものを着るかとばかり思っていたんですが、これは完全に予想外でした。

 

「も、もっとマシな服はないんですか……?」

 

「それが聖魔法を使うには一番都合がよろしいかと」

 

 確かにこれ以上に露出度の高い服はないと思います。ないと思いますけど。

 なんでビキニなんですかー! これって一番男の本能をそそるやつじゃないですか! 異世界人だってそうですよね? 昨日あんなに獣みたいな目で私を見てたんですから。

 これでは『裸の聖女』という不名誉な呼び名がさらに定着してしまいます。けれど、このビキニはどうやら私のためだけに作られた様子。そんなものをそう簡単に断ることはできず、結局、着させられました。

 

 全身の肌をさらけ出し、胸と尻だけを申し分程度に隠した純白のビキニ姿。

 うぅっ、恥ずかしくて死にます。死んでしまいますよぅ。

 

「とってもお似合いでございますよ、聖女様」

 

「嫌ぁっ。無理無理無理です! ああもう、お願いですからおうちに帰らせてくださぁい!」

 

 身悶えしながら絶叫する私を、ニニはどこか楽しげな笑みを浮かべて眺めているばかりで、助けてはくれません。

 こうして、私はこの破廉恥な格好のままで聖女修行を始めることになってしまったのです。

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